こんばんは福山雅治です。
僕がナビゲーターを務め今年1月から6月まで放送したNHKスペシャル「ホットスポット最後の楽園」。
最新の映像技術で撮影した生き物たちの驚くべき生態を6本シリーズでお送りしてきました。
僕も現場に行き生き物たちとのさまざまな出会いがありました。
今日はそこで僕が感じた事今思っている事など命の物語について語っていきたいと思います。
地球には絶滅のおそれがある珍しい生き物が集中している場所がある。
ホットスポットと呼ばれる地域だ。
ホットスポットの面積は陸地の2%余り。
そこに独自の進化を遂げた多様な生き物たちが暮らしている。
最新の特撮技術を駆使し3年の歳月をかけて制作したNHKスペシャル「ホットスポット最後の楽園」。
番組では福山さん自ら現地を訪ねさまざまな命のドラマを伝えてきました。
今日はシリーズの中から福山雅治さんが選んだ取って置きの映像を紹介。
命そして自然への思いをたっぷりと語って頂きます。
こんばんは。
今日はNHKスペシャル「ホットスポット最後の楽園」。
ナビゲーターの福山雅治さんと一緒にお伝えしますが福山さん改めて今振り返るとどんな旅でした?結構過酷な旅だったんですよ。
でしょうね。
「ホットスポット最後の楽園」というところで当然人間がなかなか行けない所だからこそ貴重な生き物たちが生息してる訳なんですよね。
なのでそこに行くって事自体が相当大変なんですよね。
でもすごく楽しかったですよ。
ほう〜。
でも自然って何かこう思いもかけないものが飛び出てきたり。
虫とかですか?ええ。
とかニュルニュルしたものとかそれもOKなんですか?OKな子ども時代を過ごしてたんでOKだと思ってたんですけど大人になると結構触れなくなってましたね。
何ですかね?それね。
小さい頃ミミズとかでも平気で触ってたんですけどキャーキャー言いながら逃げ回ってますからね。
そうですか。
「やめてくれ!」ってなりますから。
でもその割にいろんなもの乗せたりなでなでしてましたよね。
ディレクターさんからの指示がありまして。
ご本人が望んで触ったものもたくさんあったと伺ってますがそんなお話も含めて伺っていきたいと思います。
「ホットスポット最後の楽園」のテーマは…壮大なものですのでこの方に加わって頂きたいと思います。
生物学者の五箇公一さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
五箇先生。
専門家の目から見てホットスポットの存在っていうのは?やっぱり我々専門家から見ても非常に貴重な場所ゆえにアクセスもしにくい訳ですからなかなか入れない所ですね。
そういったものが映像という形で見れるというのはすごくありがたいチャンスでもあると同時に行かれた皆さんを大変羨ましいなと思いますね。
その話も伺っていきたいと思います。
あちらの方にセットを用意致しましたので移動したいと思います。
ホットスポットという言葉はいろいろな意味で使われていますが今回は生物多様性が高いにもかかわらず環境が脅かされている地域を示します。
国際的な環境団体によって34か所が特定されています。
今回の番組で捉えた映像って世界で初めて捉えた映像とかとにかく迫力ある映像がたくさんあるので皆さんに全て見て頂きたいんですけども時間がありません。
今日は福山さんに特に印象に残っている動物出会いを選んで頂いたんです。
選ぶの大変ですよね。
選ぶの大変でしたし僕自身が実際に行った所ももちろんあるんですけど行ってない所でもすごいなというのがあるんですよね。
だからなかなか…今回選ぶのが難しかったですね。
そこをあえて選んで頂いたものを「福山雅治が選ぶベスト・オブ・ホットスポット」と題してお伝えします。
最初に見て頂くのはどんな動物でしょうか。
僕が人間と動物の垣根を越えて愛を確かめ合ったあの動物です。
アフリカ大陸の東側インド洋に浮かぶ島マダガスカル。
何千万年もの間ほかの大陸から海で隔てられてきた島は不思議な生き物たちの宝庫です。
(鳴き声)森の奥から奇妙な声が聞こえてきました。
ジャングルの中を声のする方向を目指して進んでいきます。
あっいたいたいたいた!近い近い!マダガスカルだけに住んでいる原始的なサルの仲間です。
サルといわれれば体はサルですが顔はサルの顔ではないですね。
福山さんとインドリとの距離は僅か2m。
警戒心が強いインドリにここまで近づけるチャンスはめったにありません。
あっ跳んだ!あっすぐ上にだ。
跳ぶ跳ぶ。
跳ぶな〜。
木から木にポンポンポンと行きますねえ。
時には10m以上もジャンプする事もあります。
木と木の間が離れているマダガスカルの森。
その中でインドリが編み出してきた独特の移動方法です。
(鳴き声)インドリたちが鳴き始めました。
(鳴き声)体全体の胴鳴りがすごいですね。
大きな声は縄張り宣言です。
観察を続けているとメスのインドリが奇妙な行動を始めました。
これ何ですか?お〜。
応えてますよ。
うれしい。
必ず応えてくれるからうれしい。
うそ〜みたいな話ですけどね。
これは別に編集でつないだ訳でも何でもないですよ。
ホントに突然彼女が僕にそういうラブコールを送ってきたんです。
チュパッみたいな感じで。
ムチュッパですよね。
すごいですよ。
それに普通に返さないでしょ普通は。
やり取りになってましたでしょ。
ね!実際この映像見た時にかなりびっくりしました。
要は信頼関係を結ぶのは馬と人間とか飼い犬と人間という形でコミュニケーションとる事自体は訓練すればできる事でもあるんですけどこれ一目ぼれですよね。
そうですね。
普通ないですよ。
僕もいろいろ見てきましたけど野生動物に一目ぼれされた人って多分初めて。
何かが違うんですかね。
やっぱサルの世界にも通用する人なんだなと。
それを聞いていかがでしょう。
めちゃくちゃうれしいですね。
誇らしい。
地球全体の生物種の中で特別な存在という事が証明されたという。
ほかにスタッフいる中で福山さんを選んだっていう…。
ただ者じゃないなっていう。
ほかのスタッフには見向きもせず僕だけに対して。
ちなみに話せるとしたら?やっぱりインドリの好きな食べ物とかそういうところから入って好きな場所とか…女性に接するのと同じ感じですよ。
普通に初めてのデートっていうか…。
そうです。
そういう事ですよ。
「どこ行きたい?」みたいな。
インドリも「木の皮とか〜」とかそういう感じで答えるんですかね。
「木の皮とか〜季節によるんだけど」みたいな事を言うと思いますよ。
「やっぱり季節のフルーツが好き」とか言ってると思いますよ。
その会話は楽しい…?楽しいですよ。
そんな能力も身につけて頂きたい気もしますけど。
さあ続いてはどんな動物を選んで下さったんでしょうか。
雪山で僕が出会った身近なんですけどすごいあいつです。
私たちが暮らす日本列島もホットスポットの一つ。
貴重な生き物たちがたくさん暮らしています。
中でも日本を代表する動物が…私たちにとっては身近な存在ですが世界的には最も北に分布している珍しいサルです。
厳しい冬を乗り切るためサルたちはさまざまな知恵を身につけてきました。
長野県の地獄谷にいる群れは冬になると温泉に入ります。
そしてもう一つ興味深い行動をとる群れがいます。
福山さんがやって来たのは冬の上高地です。
2月気温はマイナス25度まで下がります。
サルたちは一体どんな暮らしをしているのでしょうか。
すごいあれ。
キラキラしてますよキラキラ。
雪深い森の中へと分け入ります。
はまった。
深い。
深い。
歩く事およそ1時間足跡を見つけました。
たどっていくと…。
(泉山)あそこ。
あっいたいたいた…!いたいたいた…。
子ザルが食べているのは木の皮や芽。
ほとんど栄養はありません。
これエゾヤナギっていいます。
エゾヤナギの木の皮の所を食べてる。
食べてみていいですか?いいですよ。
こんなやつ。
木ですね。
(笑い声)めちゃめちゃ木ですね。
めちゃめちゃまずいですよね。
こんなまずいもの食べてんですか。
そうです。
サル大変!そして福山さんが目撃したのは河原で必死に何かを探しているサルたち。
冷たい水に入り石をひっくり返しています。
食べていたのは川虫です。
食べ物の乏しい厳しい冬を乗り切るため上高地のサルたちは新しい行動を身につけてきたのです。
ニホンザルですか。
ニホンザルですねえ。
なじみ深いと思うんですね。
表情しかり色といい形といいほかの国のサルと違って。
あまりにも身近なんで「ニホンザル見てどうすんの?」みたいに思ってたんですけど今ご覧になって頂いた例えば温泉に入るっていう行動それと川虫を捕るという行動というのはどうやら割と近年の行動らしいんですよ。
昔からやってた訳じゃなくてその環境に対応して起こしてる行動らしく最近ではどうやら泳いで獲物を捕らえるっていうサルも出てきたらしいんですよ。
どんどん進化していってるんです。
餌の取り方も含めて進化していってるんですね。
特に霊長類の中で一番の北限に住んでるというサルはそういった意味で特殊な環境に適応するよう進化してきているというので生物学的にも非常に貴重なサルの集団という事が言えるんですね。
本来の霊長類というのは水とか非常に嫌うんですね。
水に入るとか触るというのを。
それが彼らはむしろ進んで温泉に入ったりとか中には海辺に行って海草を取ってくるとかですね非常にさまざまな生き残るための行動をどんどん身につけていって。
ほかの大陸のサルには見られない全然違う生態をしてるという。
それもやっぱり背景としては大陸と違って島国という中で取り残される形でニホンザルの集団っていうものが日本という環境で生き残るためにそういう進化がここでは見られるっていう事ですね。
ある日どのサルかが食べようと思ったんでしょうね。
そうだと思いますよ。
ホントに餌に困った時に食べれるという事が分かったそのサルは生き残ってその子孫がまたその行動をどんどん伝播していく事で生き残っていくという事になるんですね。
でもやっぱり福山雅治さん…サルの餌食べちゃいけないでしょ。
でもサルが食べてるという事は多分人が食べてもいいんじゃないかっていう僕の中の勝手な解釈なんですけど。
それ勝手な解釈ですよね。
昔飼ってた犬のドッグフードつまんでみたら意外といけるみたいなところがあったんで…。
よい子の皆さん福山さんが食べてるならっていろいろ口にしたりするかも…。
それは気を付けて頂きたいと思います。
それは危ないです。
続いて選んで下さったのが?今回の旅で最も見たかった光るあれです。
無数の土の塔が立ち並ぶ不思議な光景。
ブラジル中央部に広がる大草原セラードです。
この土の塔実はシロアリが作ったアリ塚です。
俺よりでかい。
これはでかい。
あっカッチカチですね。
このアリ塚が1年に一度劇的な変化を遂げるといいます。
本格的な雨季の到来がドラマの幕開けを告げます。
探しているんですが。
今のところまだ見当たらないですね。
とその時…。
わっ!すごい。
すごい光ってる。
すごいいるよこれ。
わ〜光ってんな〜。
昼間土の塊でしかなかったアリ塚が幻想的に輝いています。
いっぱい光ってる。
これこれ。
これもそれも。
それにしても一体何が光っているのでしょうか。
近くで見ると何か虫のようです。
ホタルよりは全然全体的に光ってますね。
でも奥に引っ込む引っ込む。
穴を出入りする不思議な虫。
その正体は…一体何のために光っているのでしょうか。
その答えはすぐに分かりました。
近づいてきた羽アリを捕まえたのです。
あっ食べた食べた。
これこれこれ…。
幼虫は光で羽アリをおびき寄せ捕らえていたのです。
光るって不思議なんですが実際に目の当たりにされていかがでした?不思議ですけどすごく美しい光景でしたね〜。
まっ不思議だと思ってるのは我々人間の常識で測ろうとするから不思議なだけであって彼らというかその生き物側からするとそれはもう生きていくための進化の結果ですからなのでその美しさっていうのはやはり死と隣り合わせにある美しさなんだなと思うんですよね。
もう死ぬかもしれない絶滅するかもしれないというところで新しい捕食の方法として光るというふうに光って虫をおびき寄せるというふうに追い詰められた時に初めて進化していってるんだと思うんですよ。
環境の変化だったりとかに対応するため適応するために。
そういうその死と隣り合わせのギリギリのところで進化してきたものたちだからこその美しさ。
まあこれは自然全般にいえるとは思うんですけど。
ホントに美しい光景でしたね。
五箇先生光る光っておびき寄せるというか生物学的に見ると…?今回出てきたヒカリコメツキムシ以外にも実はこの地球上にはこういった形で光るっていう生き物がいくつかいるんですね。
クラゲだったりプランクトンだったり魚であったりあるいは今回のような虫であったりいろんな生物分類学で実は光るという行動光るという性質自体は進化してます。
それは環境としてそれを必要とされる中で生き残ってきた形質なんですね。
やっぱり光るという事が必要とされる環境というのは暗いっていう所なので多くの発光生物はほとんど深海に住んでるものが多いんですね。
コミュニケーションをとるためであったりやっぱり餌をおびき寄せるためだったりする訳ですね。
陸上は実際のところはやっぱり光る生き物ってそんなには多くなくて昆虫ですとこういったヒカリコメツキムシとあと日本でおなじみのホタル。
あの光はホタルの場合むしろオスメスのコミュニケーションとして使ってるというふうにいわれてます。
同時にホタル自体は実は毒を持っててあれ食べちゃうとトカゲとかおなか壊しちゃうんですね。
そういう意味では自分が有毒生物であるという事もまた同時にアピールする事ができると。
だからそういう意味では時にはコミュニケーションの道具だったり餌を誘因する道具であったり今言った警戒シグナルとして利用したりといずれにしても自分が生き残って少しでも多く子孫を残すためにこういった形質光るという形質もこういった生物の世界では進化してきたという事なんですね。
人間がネオンサインに引かれたり赤ちょうちんにフラフラ入ったりするあの光は…。
同じです。
同じですか!
(笑い声)同じです。
福山学説では。
やっぱり人間という生き物ももともと夜行性の動物ですから…。
人間って夜行性なんですか?もともと弱い動物として進化してきた時は最初は夜行性で生きてきてる訳ですからそういう意味では夜の明るい光にはすごい何か幻想的な吸引力があるかもしれないですね。
あと女性もすごく光り物つけるじゃないですか。
そうですね。
しかもそれが年齢を重ねれば重ねるほど光り物の分量も増えていくじゃないですか。
確かに。
必然なんですだから。
呼ぼうとしてるんですね。
呼ぼうとしてるんです。
もうちょっとつけといた方がいいかな〜。
ちょっと少なめですね。
ちょっと少なめ。
なめてます。
かなり近くまで来ましたね。
さあ続いて選んで下さったのはどんな生き物でしょうか。
次はとにかくすごいやつです。
僕は衝撃を受けました。
アフリカ大陸の東部にある巨大な湖。
ここには驚くべき進化を遂げた魚たちが住んでいます。
奇妙なダンスをする2匹。
産卵を促す求愛行動です。
メスが産んだ卵をオスが素早く受精させていきます。
なんとメスが卵を食べ始めました。
実は本当に食べた訳ではありません。
口の中で卵を守る習性があるのです。
1週間後稚魚が口から出てきました。
子どもを安全に育てるために編み出してきた独特の方法です。
ところが湖にはもっとすごい方法で子育てをする魚がいます。
1匹のシクリッドが口の中で卵を守っています。
しかしクリーム色の卵の中に小さな黄色い卵が交じっています。
違う種類の魚の卵です。
この小さな卵は先に成長し2日後にはふ化します。
ヒゲが見えます。
ナマズの稚魚なのです。
そして驚くべき行動に出ます。
ほかの稚魚に襲いかかったのです。
数時間かけて飲み込んでいきます。
親は自分の口の中で起きている事に全く気が付いていません。
最後に口から出てくるのはナマズの子どもだけ。
親はこのあとも自分の子どもとして守り続けます。
敵から子どもを守るために高度に進化した口の中の子育て。
しかし驚異の湖はその鍵をこじ開ける魚をも生み出していたのです。
この映像を選ばれたのは?これはもうまさにミステリーですよね。
すごい…ありえない事ですよね。
人間では。
全く違う子どもを育ててしまう。
しかもそのナマズの子どもが本来の母親である魚の子どもを食べちゃってるっていう事はすごく残酷なんですけれどでも生きるっていう事はこういう事なのかなっていうある種の極論を突きつけられてる感じですごく印象に残ったんですよね。
しかし違う種のものが自分の口から出てくる訳ですよね。
それは何か変だなとか思ったりしないものなんですか?そうですね。
この種に関しては思ってないみたいですね。
そのあともちゃんと口から出てきたあとも子育てしてますから完全に自分の子だと信じて守るって事ですね。
こういう事ってほかの動物であるんですか?有名なのがカッコウのたく卵ですね。
カッコウという鳥がいまして自分では子育てしないでヨシキリっていわれるほかの鳥の巣に自分の卵を産んでいってカッコウはもうどっか行っちゃうんですね。
巣の中に産み付けられたカッコウの卵はヨシキリの卵よりも早くふ化してヒナがヨシキリの卵を先に落としちゃうんですね。
自分だけその巣を独占してそこにヨシキリのお母さんは何も知らずに一生懸命餌を運んでカッコウを育ててしまうという。
頭いいっていうかずるいっていうかでも生きる過程でそういうもんなんですよね。
こういう行動を労働寄生っていうんですが自分で働かないで人に働かせて養ってもらうという寄生生活の一つの型なんですけれども。
シクリッドも最初は卵の中にナマズの子の卵が入ってきたっていうのを気付かないもんかというかどうやってナマズも入れたんですか?要するにシクリッドが口に自分の卵を入れる瞬間にナマズがサッとやって来てナマズの卵をそこにサッと交ぜちゃうんですね。
そこでパクッと食べるとナマズの卵もそこで一緒に吸い込まれちゃって気付かないうちに口の中で育ててしまうという。
ナマズはそういう戦略を進化させたっていう事ですね。
何かすごい業でございますね。
ただ反面人に育ててもらわないと子どもを残せない訳ですよね。
逆に言うと自分では育てられない訳です。
そのバランスで結局寄生する生き物もいるし寄生される生き物もいるというような形で多様性が維持されてるって事ですね。
なるほど。
さあ続いて選んで頂いたのは…。
これは特に我々男性が驚愕の事実として知ってしまったんですがあるものがとても大きな生き物です。
乾燥の大陸オーストラリア。
不毛の大地に不思議な形の花が咲いています。
地球上でここでしか見られない植物バンクシアです。
このバンクシアと密接な関わりを持つ生き物がいます。
フクロミツスイの主食は花の蜜や花粉。
コウモリ以外では花の蜜と花粉だけで生きている唯一の哺乳類です。
フクロミツスイを研究している…博士が注目しているのはその繁殖方法です。
オスは体の大きさに比べ世界中のあらゆる生き物の中で最も大きい生殖器官を持っているのです。
(レンフリー)人間だったら大きなスイカを2個抱えて歩いているようなものです。
大きな睾丸を持ち哺乳類の中で最も大きい精子を作り出します。
人間の3倍そしてなんとクジラよりも大きいんです。
精子が大きいのには理由があります。
繁殖期フクロミツスイのメスは集まってきた全てのオスと交尾をします。
するとメスの体の中で異なるオスの精子が競い合う事になります。
この時より大きく強い精子の方が早く卵にたどりつきます。
精子が競い合う事で強い子孫を残していく。
驚くべき戦略です。
このフクロミツスイを選んで頂いた理由は?理由はもう言わずもがなですよね。
見て頂いたら分かると思うんですけれどいやでもすごいなと思いまして。
キャラクターがまずかわいい。
フクロミツスイでしかも食べてるものが花粉と蜜だけってホントにもうお菓子の国からやって来た生き物なのにあれですよ。
あれですね。
もう我々男性からしてみたらフクロミツスイ「さん」付けですよね。
(笑い声)フクロミツスイにいさんですよ。
人間の3倍の大きさの…ねえ。
すごいですよね。
このフクロミツスイの場合はやっぱりすごく過酷なオーストラリアという環境の中でオスという個体同士で争うという時間があんまりとれない訳ですね。
要するに生殖に関してはあまり長い時間をとる事はできないんです。
むしろ餌を取るという時間の方にコストをかけなきゃいけない訳ですから。
オス同士の争いをしてる暇がないとするならば精子レベルで競争した方がいいだろうという。
オスもメスもね。
要するに生殖に長い時間をかけるんじゃなくて体内に入ってきた精子同士で競争させるという事で強いオスをセレクションするという戦略になってる訳ですね。
ほかの動物だと確かにメスにたどりつく前にオス同士の戦いケンカとかありますもんね。
勝ったやつだけが生殖行為に臨めるという。
それを省いちゃってる訳ですよね。
やっぱりすごく時間かかっちゃうんですね。
そうですね。
無駄ですもんね。
それだとみんなが共倒れしてしまうおそれがありますからその部分の競争を省いて体内における競争に特化してるという状況なんですね。
いずれにしてもいろいろ全部受け入れてみるっていうのも一つの手かもしれないですね。
そういう事ですね。
続いてご紹介下さるのは…。
これも我々男性からしてみたら分かるなっていう感じの生き物です。
山に降る大量の雨が豊かな森をつくり出してきた日本列島。
豊富な水が作り出す川の流れは日本固有の生き物たちを育んできました。
日本は世界屈指の両生類の王国。
60種のうちおよそ8割が日本にしか住んでいない珍しい種類です。
中でもひときわユニークなカエルがいます。
ナガレタゴガエルは水中で皮膚呼吸を行います。
オスは繁殖期皮膚が伸びてブヨブヨになります。
水中でメスを待つ間その面積を増やしより多くの酸素を取り込むためと考えられています。
メスがやって来ました。
興奮したオスたちはメスを巡り激しく争います。
でも競争に勝ち残れるオスは限られています。
あぶれたオスたち。
このオスが抱きついたのはなんと魚でした。
動くものには何でもいいから飛びつくっていう。
カエルさんはそういうもんなんですかね?やっぱり生き物にとっての根源的な目的というか生きている意味っていうのは次の子孫…つまり自分の遺伝子を次の世代へつなげるという事が究極目的なんですね。
そういう意味では生殖っていうのはまさにそれまで生きてきた一生を懸ける一大イベントな訳ですよね。
そういう意味ではオスとしては命がけでとにかくメスを確保しようとものすごい競争をオス間でするし同時にメスとしては可能な限りいい男を選ぼうとしますからギリギリまで拒絶する訳ですよね。
そういったメスに対するオスの求愛という一つの競争ですよねこれも。
要するにナガレタゴガエルも強いオスだけが生殖行為に臨めるだけではなくてそのケンカに敗れたオスもなんとかするんですよね。
だからああやって戦いに夢中になってる隙をついてメスが空っぽになってる瞬間に飛びついて交尾しちゃうやつとかもいますし。
そういう隙間でやるやつはいますからね。
まあ間男的な。
間男…間ガエルですよ。
ナガレ間ガエルですよ。
(笑い声)いますね。
一番イラッとするタイプですよね。
我々男からすると。
でも全然違う種に飛びついちゃうもんですかね?もうそうなってしまうと手当たり次第チャンスは全て生かさなきゃっていう。
躊躇する暇がない。
だから動いてるものはほかの生き物かどうかはもうともかく抱きつくっていう事が先っていうそういう生き物としては非常にギリギリの状態で。
基本動物界っていうのは個体数としてはメスよりもオスの方がその種では多いんですか?全部の種がそうだとは限らないですね。
圧倒的にメスの方が多い種もあります。
昆虫の世界なんかでもオスの比率の方が圧倒的に少ないっていうのもあります。
でもそれでもやっぱり生活史の中で寿命の長さとかによってだいぶ変わってくるので少ないオスの間でもやっぱり激しい競争っていうのはすごく起こるんですね。
僕なんかが専門にしてるダニの世界でもああいうちっこい生き物でもちゃんとオスとメスのそういう求愛行動というかラブストーリーがあって。
ダニっていうのは1回交尾しちゃうともうそれで精子タンクいっぱいになっちゃうんで2回目のオスの精子を受け入れられないんですね。
そうするとどういう行動が進化するかと言うと大人になる前のメスのサナギを見つけてオスはその上に乗っかってガーディングするんですね。
要するに確保する訳です。
囲っちゃうんですか?脱皮し始めると皮を脱ぐのも手伝って大人になった瞬間に交尾をするというそういう繁殖戦略となります。
こんなちっぽけな生き物でもやっぱりメスを巡る闘争っていうのはまさにオスにとっては命懸けの戦いなんですね。
へえ〜。
福山さん現地に行っていろんな動物のオスとかメスとか命が生まれるとかそれを育てるとかっていう事に関して何か考えが変わったとかそういう事はありますか?非常にこう…人間って面倒くさいなと思いましたね。
生き物たちを見ながら。
競争の原理っていうのは相当近いなと思ってるんですが。
当然強いオスがメスにモテるというかメスを独占できるんで今の人間界でいうとお金だったりとかそういったものが人間の中では強さの象徴の側面であると思うんですけれど。
そういう競争の理論は生き物の世界と近いなと思うんですがこと気持ちとか感情の部分になるとまた違う要素がたくさん入ってくるんで社会性とか時代性もそうですけど「何か本当面倒くさいな人間は」と思いながら「次何に生まれ変われたらいいかな?」っていうのを旅しながらぼんやりと考えましたよね。
ホットスポットを巡る旅。
福山さんはまた生き物たちが直面している厳しい現状を目の当たりにしました。
ブラジルのセラードで車に引かれたオオアリクイ。
マダガスカルでは現地の人々が薪や炭を取るために広大な森が焼き払われていました。
人の暮らしが生き物たちを追い詰めているのです。
人間同士の人間関係の中でもよくあると思うんですけれどよかれと思ってやってた事が実は人をすごく傷つけてたりとか迷惑をかけてたりするっていう。
もしくは無意識にやってた事がその人をすごく傷つけてたっていう事。
そういった事が自然界に対して本当にずっとやってきてるんだろうなと思うんですよね。
それは今も続いていて。
僕はこの番組を通じて思ったのは…知る事によってこれをやると言葉なき生き物たちにものすごく負荷をかけてしまうんだっていう事をちゃんと我々人間側が知ってインフォメーションしていく伝えていくっていう事をしなければいけないなと思ってるんですね。
それは動物たちだけではなくて更に物を言わぬ植物とかもそうですし自然環境もそうですよね。
それでもまだ知りえない研究や発見の途上だったりするものたくさんあると思うのでこれからもまだまだトライアンドエラーを繰り返し続けるんだと思うんですけれど究極的にいうと「じゃあ人間がこの地球上から今もういなくなりましょう」って言ってポッといなくなれば多分またすごく美しい自然とかっていうのが再生するという状態になると思うんですね。
自浄作用があると思うので。
だけど我々人間というのも地球上の生き物の一種なんで生まれてきたからにはやっぱり生きていかなければいけない。
生きていく中で子孫を残さなければいけないというところで言うと当然共存しなければいけない。
じゃあ共存するためには何ができるのかっていう事で我々人間には一応知能だったり知恵だったり学習能力だったり伝達能力があるのでそれをフルに活用して自然と共存していく術をやはり考えなければいけないんじゃないかなというふうに思いますね。
仮にこれ人間が見て見ないふりをして知らないふりをしていったとして「まあでも地球って大きいしどこかは残るんだろう」みたいな考えは甘すぎですか?福山さんもおっしゃったとおり人間って生き物なんですよ。
なおかつ実は生物という単体で見るとこんなに弱っちい生き物は本当はいないんですね。
弱っちいですか?やっぱり服着ないと生きていけない。
火を通したものを食べないとおなか壊しちゃう。
きっちりした住環境があっていろんな意味で衛生に気を付けないと生きてはいけないっていう意味ではあらゆる意味で実は人間は生き物として本来持ってる野生の能力をどんどん省いてきちゃってそれで自分の住みやすい環境を自分らでつくるというその中でしか生きていけない生き物になっちゃったんですね。
それでも人間は生き物だから酸素も吸わなきゃいけないし水も飲まなきゃいけないし食べ物も食べなきゃいけない。
そういった物質やエネルギーはどこから来てるかっていうのは自然の生態系なんです。
それがあるからこそ農業もできるし実は工業もできるっていう。
だから自然を守るっていうふうな表現がよくされますが僕は逆に人間自身が実は自然に守られてここまで生きてきたと。
そう考えたら自然を守るというよりも人間の将来のためにも今ある自然や生物多様性とどう向き合っていくのかという考え方をしていかないと本当にいつ人間の将来が途絶えるかっていうのは分かんないという事なんですよね。
そういった意味でも今残された最後の砦としてのこのホットスポットというものに目を向けて生き物の進化その歴史そういったものを我々は十分に理解していく必要があるだろうと思います。
最後に福山さんに伺いたいんですけどこのホットスポットの旅を終えて何かご自分の中で変わった事ってありますか?この中で本当に改めてどっちが偉いっていう話ではなくてちゃんと同じ地球の上に住んでる生き物の一つなんだというふうな認識をまた改めてする事ができたんですよね。
だから五箇先生もおっしゃいましたけど自然を守るっていうような偉そうな立ち位置ではなくて我々が置かれている立場で同じこの地球上に生きる生き物とどう共存していくかっていう事を具体的にできる事を考えていった方がいいんじゃないかなと思ってます。
今は。
そのホットスポットなんですけれども世界的に見ると34か所あって今回この「最後の楽園」では6か所ご紹介したんですが実は第二弾の制作が決まってるんですよね。
はい。
福山さんもまた過酷かもしれないけど行って下さる…?そうですね。
この番組を通じて僕ができる事を少なからず伝えていくっていう…僕は少ない知識ですけど知りえた事を伝えていくっていう作業ももちろんありますしあとやっぱワクワクするんですよね。
ホントにエネルギーを感じるしそのダイナミックさに自分も生きる元気をもらう。
その生き物たちのその活動進化の活動過程に。
これだけ頑張ってメスのために戦ってるんだから俺ももうちょっと仕事頑張ろうかなみたいな事とか。
非常に元気とエネルギーをもらうんですよね。
なのでそういう意味でもこの番組を楽しんでいきたいですし同時に伝えられる事は伝えていきたいですし何より何度も言いますけれどこれだけ知恵があるくせに人間は知らないという事がまだまだたくさんあるっていう事がちょっとよくない事だと思っているので何かできる事をやっていければなと思っています。
ただ何でも食べちゃったりしておなか壊したりする事は気を付けて頂きたいと思いますけどね。
多分それを続ける事によって強くなるんじゃないかと思ってるんですよね。
またね。
それはまたどうかな〜?進化するんじゃないかという。
それもありえますか?五箇さん。
まあかなりリスキーですけどね。
(笑い声)トライしてみる価値はあるのかもしれないですね。
安全に行って頂きたいと思いますけど。
また第二弾も是非皆さん楽しみにして頂ければと思います。
2014/10/12(日) 01:05〜01:55
NHK総合1・神戸
ホットスポット最後の楽園スペシャル「福山雅治 命の旅へ」[字][再]
福山雅治が最も印象に残った決定的瞬間をシリーズの中から選び出し、その選択に込められた特別な思いやオス・メスをめぐって有働アナやゲストらと本音トークを繰り広げる。
詳細情報
番組内容
福山雅治がナビゲーターを務めた「ホットスポット最後の楽園」。シリーズを振り返り、福山自らが特に印象に残ったベストシーンを選び出し、その選択にこめられた特別な思いや、独特の視点を語る。また、専門家や有働由美子アナウンサーを交えたスタジオトークでは、「進化」や「オスとメス」といったキーワードを巡り、ユーモアたっぷりに本音トークを展開。さらに、失われゆく自然や、生きものたちへの熱い思いをじっくりと語る。
出演者
【出演】福山雅治,国立環境研究所主席研究員…五箇公一,【司会】有働由美子,【語り】守本奈実
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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