小さな旅「オリーブの風吹く町で〜岡山県 瀬戸内市牛窓町〜」 2014.10.11

(テーマ音楽)
穏やかな秋の日ざしが降り注ぐ水面
岡山県瀬戸内市牛窓町です
一年を通して波静かな牛窓。
古くから瀬戸内海を往来する船の風待ちの港として栄えました
今はヨットやボートなどマリンスポーツが盛んです
海辺の景色の美しさから「日本のエーゲ海」とも呼ばれています
牛窓を歩くと明るい日ざしの中キラキラ光る木々を目にしました
日照時間が長く温暖な気候に恵まれた牛窓ではオリーブの栽培が盛んに行われています。
生産量は香川県の小豆島に次いで全国2位を誇っています
牛窓にあるオリーブ園です。
10ヘクタールの畑におよそ2,000本が植えられています
訪れたのは9月。
収穫を間近に控えていました
こんにちは。
(小笠原)はいこんにちは。
何をなさってるんですか?今オリーブの果実のチェックをしているところです。
今年はどうなんですか?天気は不安定だったでしょう。
そうなんです。
8月雨が多くて日照時間少なくて。
実の数自体はついてるんですけれどもやっぱり少しちょっと小ぶりな実が多いですね。
園長の小笠原茂さん。
このオリーブ園で働いて34年になります。
小笠原さんは2,000本のオリーブ一本一本の特徴を全て頭に入れています
この木は例えば1つでどのぐらい…。
オリーブ油ってよくありますね。
どのぐらいとれるものですか?
(小笠原)これですか?ざっとおおまかに見て50kgの果実ぐらいありそうなんでその50kgの果実から計算でいくとそのの5kg。
お〜5kgね。
じゃ一升瓶でまあ3本ぐらい。
3本足らずですかね。
それしかとれないんだ。
1本で僅かしかとれないオリーブ油。
収穫を前に台風や害虫など一番神経を遣う季節です
牛窓でオリーブの栽培が始まったのは太平洋戦争が始まった翌年昭和17年の事です
地元の実業家服部和一郎が食糧増産が叫ばれる中油もとれるオリーブに注目。
山を切り開き苗を植えました
しかし苦労の連続でした。
一たび害虫が発生すると瞬く間に園内に広がり収穫がほとんどできない年もありました

そして台風の被害。
経営が軌道に乗り始めた昭和29年9月風速30m近い猛烈な風で7割が倒れてしまったといいます

それでも牛窓の人たちは諦めませんでした。
病害虫に強い品種を探し風の影響を受けないよう枝を剪定して栽培を続けたのです
生命力ですかね。
そういうところを見させて頂いているとやっぱり力強さっていうのも感じてきますし困難を乗り越えて生き抜いていくっていう感動的な気持ちになる事もありますね。
このオリーブ園で最初に植えた木の一本が残っていました。
72年前に植えられたものです
半分枯れた根元。
それでも折れた枝から再び芽を出し今年も実をつけました
牛窓では町のあちこちでオリーブの木を目にします
江戸時代から栄えたという古い町並みにも
布団屋さんの店先にも
鉢植えあれオリーブだよな。
こんにちは。
はいこんにちは。
これオリーブでしょ?オリーブです。
子供が学校でもらってきたんです。
小学校?小学校の6年生ぐらいの時に長男が。
これ何年ぐらいたってるの?息子がもう25歳になってるんで。
え〜!小学校の6年生の時なんでもう10年以上たってますね。
いつも暮らしと共にあるオリーブです
人生の節目にもらったオリーブを大切にしている人がいます
35年前大阪からこの町に嫁いできました
智恵さんが結婚して以来世話をしてきたオリーブです
義理の父一郎さんからプレゼントされました
嫁いだ時は私分からなかったんですけど。
あんまりオリーブいうのを知らなかったです。
喜んでくれたんじゃないかと思うんですけどね結婚に関して。
結婚祝い。
そうです。
だから祝福してくれたんだと思います。
知り合いが誰もいない町に嫁いできた智恵さんに少しでも早くなじんでもらいたい。
義理の父親の思いです
以来35年智恵さんは3人の娘を育て今は5人の孫にも恵まれました
今35年になってやっぱりちゃんと育ってるなと思って。
すごく大事に思います。
いろいろありましたけどだけど皆家族仲良く生活できましたからもうとにかくうれしいですね今。
幸せです。
この日智恵さんは1本のオリーブを植えました
み〜ちゃん土入れて。
よいしょ。
そうそうそう。
5人の孫たちの健やかな成長を願います
出来た〜上手。
出来た出来た。
(智恵)ハートハート。
3つある。
見えた?
ハート型の葉をつけたオリーブ
幸福をもたらすといいます
(智恵)オリーブ見てみ〜ちゃん。
ねえきれいだね。

オリーブを通して人の輪も広がっています
お父さんが見てって締まり具合を。
以前オリーブ園で働いていた…
今はオリーブを植えたいという人のために苗木を育て安く分けています
OKOK。
立派なかわいい特に形のいいオリーブですね。
これはね小さい時から枝を剪定してきれいに大きくなるように剪定しよります。
(朱美)子供を大きくするような気持ちでね大きく育ててるんで。
だから大事にしてもらえるようにそういう気持ちで送り出す。
炎天下の剪定作業が続いたこの8月疲労が重なり國次さんは1週間病院に入院しました
暑い中をやめとかれって朝の涼しいうちと夜行かれって言うてもオリーブの事に関したら私の言う事聞かないんです。
顔を見に行くのが。
これがもう生きがいじゃからな。
いかにべっぴんになって嫁に行ってくれるように思ってね毎日頑張っておりますから。
國次さんはオリーブを買っていった人の家に出向く事もしばしばです
(國次)はいお久しぶりです。
(野津山)お久しぶりです。
お世話になります。
この日やって来たのは2年前広島から越してきた野津山千香子さんのお宅です
大きくなったわけだ。
大きくなったからな。
もう上のはないからな。
このオリーブは今年初めて実をつけました
置いとっても大きくなるけど漬物にするんでしたら10月の中頃から漬物にできます。
じゃあもうここのまんまほっておいた方がいいですか?ほっておく方がな。
牛窓に来てすぐにオリーブを植えた野津山さん。
オリーブがきっかけで地元の人と話をする機会も増えすんなり溶け込めたといいます
オリーブの木で國次さんと出会えたりとかしてオリーブの木を介して地元の人と触れ合うっていうかお近づきになれて親しくさせて頂いてというふうに広がっていったので。
これでまた友達がたくさんできれば幸せかなって思います。

9月下旬オリーブ園では収穫が始まっていました
収穫は全て手作業
傷つけないよう一粒一粒丁寧に摘み取っていきます
例年よりやや小ぶりながらまずまずの豊作です
オリーブ園に何やら屋根に荷物を積んだ車が止まっていました
こんにちは。
(小林)こんにちは。
何を降ろしているのかと思ってましたら。
(小林)絵なんです。
イーゼルが設置してあるんですね。
そうです。
オリーブ園の方の許可を頂いてねここへ立てらしとるんですよ。
あ〜これいつも置いてあるの?ええそうです。
珍しいな。
高校の事務員として働くかたわら30年以上オリーブと向き合ってきました
オリーブは日ざしの加減や風の吹き方によって刻々と表情を変えるといいます
その姿に魅せられこれまで40枚以上の大作を描き続けてきましたがまだ納得のいく作品はないといいます
(小林)絵を長年描いてる間に魅力だなと思うようになりました。
今とは変わったオリーブが見えてくるような気もしますので。
まだね自分が見えてないオリーブが見えてくるような気がします。

國次さんの畑でも収穫が始まっていました
國次さんが作るのはオリーブの浅漬けです
(國次)よっしゃ。
渋抜きをして1週間。
塩水で味を付けて出来上がりです
どんな?うめぇ。
食べてみ。
どんなだ?辛ぇ。
ハハハ!
牛窓の秋の味覚です
人の思いと共にきらめきます

(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2014/10/11(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「オリーブの風吹く町で〜岡山県 瀬戸内市牛窓町〜」[字]

「日本のエーゲ海」と呼ばれる岡山県瀬戸内市牛窓。街には、オリーブ畑が広がり、普通の家々の庭にもオリーブの木が植えられている。オリーブとともに暮らす人々を訪ねる旅

詳細情報
番組内容
穏やかな瀬戸内海と温暖な気候につつまれる岡山県瀬戸内市牛窓町。「日本のエーゲ海」とも呼ばれる牛窓を訪ねると目にとまるのが、オリーブ畑。戦時中、食糧難だった時代にオリーブ栽培が始められ、今や日本を代表する一大産地になりました。町では普通の家々の庭にもオリーブの木が植えられています。人生の節目に記念樹としてオリーブを植える人、オリーブの木を育てて家庭に届ける人など、オリーブとともに暮らす人々を訪ねます
出演者
【語り】国井雅比古,山田敦子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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