(テーマ音楽)
(江守徹)スイス北東部の町ザンクト・ガレン。
この町はキリスト教の神学研究の拠点としてヨーロッパ中に知られてきました。
8世紀に建てられたザンクト・ガレン修道院の図書館にたくさんの蔵書があったからです。
図書館は大聖堂の裏に設けられています。
「プシヒスイヤトゥリオ」。
ギリシャ語で「魂の病院」と書かれた図書館の入り。
中世知識や教養がないことは心の病と考えられここはそれを癒やす場所なのです。
図書館の蔵書は16万冊。
戦争中も修道士たちが本を避難させて守り抜きました。
この図書館で最も貴重なのは修道士たちが書き残した写本です。
図書館司書のカール・シュムキさんに案内してもらいました。
2,000冊を超える写本は印刷技術が発明される前8〜12世紀のものです。
写本の表紙には牛などの皮が用いられ中の用紙には羊皮紙が使われました。
この本は度書かれた文字が軽石などで削り取られ再利用されています。
匹の羊からは2〜3枚しか取れない羊皮紙は非常に貴重でした。
修道士たちは1文字ずつ丹念に写本していきました。
それは修行でもあり信仰を深めることにもなりました。
写本は神学だけでなく医学や天文学にも及んでいます。
修道士は星座を覚えその位置から夜の時刻を計算できなければなりませんでした。
写本研究家のクラウス・シェッフェルさんが修道士と同じように本を書き写しています。
若いガチョウの羽根を取りペンにします。
植物や鉱石などで作ったインクは貝殻に入れて使いました。
金色はザンクト・ガレンの写本を特徴づけています。
1行書くのに5分1ページで1時間半かかります。
最後に大理石でこすって文字を定着させます。
(クラウス・シェッフェル)最もすばらしい写本をお見せしましょう。
フォルヒャルトという修道士が864〜883年にかけてこの修道院で書きました。
「旧約聖書」の150の詩篇が書いてあります。
重さ7kg350ページを仕上げるのに20年かかり羊80匹以上が羊皮紙として使われました。
これはアルファベットの「Q」です。
写本は単純な筆写からやがて芸術にまでなりました。
文章の最初の文字を絵画のように飾るイニシャル芸術は層豪華で豊かになりました。
植物の葉で羊皮紙を紫色に塗り文字は金や銀で書かれたページ。
写本絵画の傑作です。
1,000年以上続いた修道院は1805年に閉鎖されました。
しかし図書館は今も開かれヨーロッパ精神の根源がうかがえる貴重な場所となっています。
2014/10/10(金) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ザンクト・ガレン修道院〜スイス〜」[字]
魂の病院 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
魂の病院 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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