地球イチバン(新番組)「地球最後の航海民族〜ミクロネシア・中央カロリン諸島〜」 2014.10.09

選ばれたのはフランスのパトリック・モディアノさんでした。
人間が生きられるのは地面の上だけとは限らない。
始まりは一枚の写真だった。
40年前一艘のカヌーで3,000キロもの大航海を成し遂げた男たちがいた。
エンジンもコンパスも使わない古代の航海術を受け継ぐ地球で唯一の民だという。
伝説の船乗りたちが今も太平洋で暮らしているらしい。
どんな人たちなんだろう?この旅はアリッサのルーツと深く関わっている。
人類が海を渡り太平洋の島々に住み始めたのはおよそ3,000年前。
ハワイの祖先たちはどうやって数千キロの大海原を渡ったのか?彼らに会えばその答えが分かるかもしれない。
1か月の旅が始まった。
向かうのは南太平洋の中央カロリン諸島。
このサンゴの海のどこかに地球で一番の船乗りたちがいるはずだ。
飛行機で近づけるのはこの島が限界。
どんな場所か情報はほとんどない。
漁船をチャーターし食糧も3週間分積み込んだ。
目指すは270キロ先ポンナップ島。
よそ者が近づく事はめったにないという。
アリッサわくわくしちゃうよな。
港を出てから丸一日がたった。
(アリッサ)あっあそこ?島はサンゴ礁に囲まれ浅瀬が多いため小型のボートで近づく。
ハワイアンもびっくりの青い海だ。
ウェルカムのダンス。

(手拍子と歌声)わ〜うれしい!島中の人たちが踊っている。

(手拍子と歌声)わ〜すごい!遠方からの訪問者は島にないものをもたらす貴重な存在だという。

(手拍子と歌声)このりんごを投げる。
どんどん投げてやって。
(歓声)投げて。
どんどん投げて。
(歓声)絶海の孤島ポンナップ島。
一周歩いても40分もかからない小さな島に300人が暮らしている。
電気はない。
水道もない。
携帯電話も通じない。
作物は芋くらいしか育たない。
そんなポンナップ島の宝物が…。
(掛け声)あの写真で見たカヌー。
島の木で造られたこの舟は魚釣りやほかの島との交易に使われているそうだ。
だが誰にでも乗りこなせる訳じゃないらしい。
このカヌーはポという男たちだけが扱う事を許されている。
島には13人のポがいてシネス・モリプトはその頂点に立つ。
島に伝わる航海術をマスターした者だけがポとして認められる。
ポはいかにしてこのカヌーを操りどうやって遠くの海まで航海するのだろうか?シネスが3,000年受け継がれてきた航海術を見せてくれるという。
わ〜!わっすごい!ワオ!大きい!動力源は風。
エンジンや羅針盤など機械には一切頼らない。
このカヌーはワーセレス風の舟と呼ばれている。
最高時速およそ20キロ。
ポはこのカヌーで数百キロもの航海をする。
外洋に出てしまったら360度水平線。
陸地は全く見えない。
すごい不思議。
この海域では貿易風によって起きる東からの波が一番大きく横に長い。
我々には分からなかったがほかの3種類の波にも特徴があるそうだ。
鳥で方角が分かるって?目標物がなくても自然の声に耳を傾ければ大海原に道が見えてくる。
機械も正確な地図もなかったおよそ3,000年前人類が太平洋の島々へ渡りハワイまで到達する事ができたのはこの航海術があったからこそだと考えられている。
ふるさとハワイともつながっていた島。
アリッサ住み心地はどうだい?あ〜!そこいた!
(悲鳴)この島に住むのは無理かもなあ。
(金属をたたく音)いや〜朝からうるさい。
何が始まるんだ?ひとつきに一度島の男全員で行う一斉漁の日だという。
50人の男たちを仕切るのもポの役割だ。
今回指揮を執るのは…シネスの後継者として期待されている男だ。
ポはサンゴ礁の特徴を全て把握している。
どこに魚が集まりやすいか見極め網を張って一斉に追い込む。
まるで魚のような男たち。
水深は12メートル。
ジェシーの指示したポイントに網を固定していく。
ヤシの葉で網の入り口を広げて…。
左側からだんだん狭くなる網に魚を追い込み一気に捕まえる。
ここからがポの腕の見せどころ。
魚を追い込むタイミングは群れが網の正面に来る一瞬だけ。
50人の男たちが陣形を整えジェシーの合図を待つ。
魚を囲み正面奥の黒い網に追い込んでいく。
(掛け声)この日の成果は900匹。
300人の島には十分な量だ。
子どもたちもごちそうが待ち切れないみたいだ。
漁が終わってもポにはまだ大事な仕事が残っている。
家族の人数に応じて島の人全員に平等に魚を分けるのだ。
サンキュー!すごい重い!撮影チームにも人数分の魚。
私思う。
私だったら。
漁が休みの日は小さな船乗りたちが主役。
ジェシーには妻と6人の子どもがいる。
家の裏で子どもたちが出航の準備をしていた。
憧れのポへの第一歩。
父が造ったカヌーに自分たちで帆を取り付けていざ海へ。
12歳の処女航海だ。
弟も負けじと続く。
帆が外れるアクシデント。
父の作業を思い出し見よう見まねで切り抜けた。
ジェシーはかつてこの島を離れた事がある。
モーターボートに興味を持ちパラオの大学で機械工学を学んだ。
卒業後グアムの船会社にも勤めた。
だが自動で動く大型船には船に乗る楽しさが欠けている気がした。
ポンナップには高校がない。
子どもたちは14歳で中学を卒業すると多くが一度は島を離れる。

(歌声)アリッサのハワイアンの血が騒ぎだした。
息子が逃した獲物を父ちゃんが。
兄ちゃんは…。
マーメイドのお手並み拝見。

(取材者)難しい?難しい。
もう狙ってるって分かってる。

(拍手と笑い声)
(雨音)5月末臨時の全島集会が開かれた。
隣の島オノウン島から深刻な連絡が入ってきたのだ。
台風が直撃し食べ物が不足しているという。
オノウン島の高校にはポンナップの子どもたちが20人以上下宿している。
重要な航海のメンバーが発表される。
島を挙げての準備が始まった。
一斉漁で取れた魚を干物にして届ける事になった。
子どもたちはヤシの実を集める。
航海中の貴重な水分となる。
ジェシーの妻アントニアはアリッサとタロイモの収穫。
ああ!実は…タロイモで作った餅は長男の大好物だそうだ。
出航前日ポの長老シネスから声がかかった。
今回は夜を徹しての航海になる。
そんな時に欠かせない秘伝の技を教えてくれるという。
古代航海術の神髄だ。
32個の石はそれぞれ星座に対応している。
星はいつも同じところから昇る。
だから目的地の方角から昇る星座を覚えておけば暗闇でも迷わずに進む事ができる。
出航が間近に迫った。
ジェシーの口数は少なく緊張感が漂う。
悪天候が予想されていたのだ。
(強い風の音)これで行くのは怖いよね。
ちょっとね何か。
そうだね。
雨雲が空を覆っている。
それでも今日を逃せばより天候が悪化するかもしれない。
午前11時出発を決めた。
目指すは160キロ北のオノウン島。
ジェシーが乗組員に選んだのは経験豊かな6人のつわもの。
舳先の作業には身軽な若者2人。
マストの位置には怪力ボブを配置した。
今回は更に新人のサンタリーノを加えた。
ポンナップに婿入りして以来一度も帰っていないそうだ。
吹き荒れる暴風で波は一つ一つが山のように高くなってきた。
ジェシーは風を読みながら最も早くたどりつける針路を選択する。
ジェシーの指示で帆の向きを180度変える。
だがこの時最も事故が起きやすい。
手を滑らせ帆を離してしまった。
帆が風で吹き飛ばされればたちまち漂流の危機に陥る。
怪力ボブが帆を押さえ込んで事なきを得た。
OK?こうして方向転換を繰り返し嵐を避けながら進んでいく。
安心したら腹が減ってきた。
ヤシの葉で作ったルアーで…晩ごはんを調達。
ヤシの実の皮を使って火をおこす。
すごいね。
頂きます!ああおいしい!すごいおなかすいてるのかどうか分からないけどすごいおいしい!夜が迫っても波は収まらない。
ジェシーは苦渋の決断を下した。
暗闇ではアリッサが転落しても助けられない。
伴走船に避難させた。
(笑い声)日が落ちた。
だが北の空は雲が厚く頼りの星が見えそうにない。
雲の切れ間に現れた南東の星座。
ジェシーはこの星座の位置と角度から針路を割り出した。
状況は更に悪くなってきた。
厚い雲が空全体を覆い星が全く見えない。
カヌーが正しい方向に進んでいれば明け方には島影が見えるはずだ。
ジェシーは一睡もせずに朝を迎えた。
午前9時カヌーの進行方向まっすぐ正面にオノウン島が現れた。
160キロ22時間の航海。
波と星と風だけを頼りに走りきった。
(掛け声)到着を待ちわびていた島の人たちが陸揚げを手伝う。
早速食糧が届けられた。
母からのタロイモに気付いたのは…やっぱりこれは絶対…久しぶりの再会を果たした父と息子だが…。
男同士どこかぎこちない。
海に生きる男。
交わした言葉は少なかった。
十数年ぶりにふるさとに帰ってきたサンタリーノ。
(歓声)母は無事だった。
2つの島をつないだ舟の名はコイノニア号。
絆という意味だ。
私もそうそうそう!
(シャッター音)2014/10/09(木) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
地球イチバン[新]「地球最後の航海民族〜ミクロネシア・中央カロリン諸島〜」[字]

かつて人類が太平洋の島へと渡った秘密を解き明かす伝説の民に密着。エンジンも羅針盤もないカヌーで、風と星だけを頼りに嵐の中を160kmの航海。ナビゲーター役所広司

詳細情報
番組内容
ナビゲーターに役所広司さんを迎えた第4シーズンの初回は、およそ3000年前に、人類が太平洋の島々へと渡った秘密を解き明かす伝説の民に密着。頼りになるのは、波や星といった自然を読む技だけ。地球上でここにしか残っていないとされる航海術を武器に、エンジンも羅針盤もない木造のカヌーで、彼らは数百キロもの航海をする。台風で被災した隣の島へ食糧を届けるため、嵐の中大海原へと繰り出した男たちの物語。
出演者
【ナビゲーター】役所広司,【リポーター】アリッサ・ウーテン

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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