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竹原ピストル、七転び八起きでメジャーの舞台に帰ってきた男

インタビュー・テキスト:渡辺裕也 撮影:田中一人(2014/10/28)

不屈のシンガーソングライター、竹原ピストルが再びメジャーレーベルの舞台に戻ってきた。2003年にフォークロックバンド「野狐禅」の一員としてデビューし、作品を重ねる中で熱烈な支持を受けながらも、野狐禅は2007年に所属事務所から独立し、その2年後には惜しまれながらも解散。それからはソロシンガーとして、年間300本にも及ぶライブ活動をひたすら継続してきた竹原が、このたび7年ぶりに古巣であるマネージメント事務所「オフィスオーガスタ」に所属し、新作『BEST BOUT』をリリースするのだ。

『BEST BOUT』に竹原が込めたのは、彼が終わりなきツアー生活の中で出会った人々への想いや、その人たちへの誓いだ。その最たる例をここでひとつ挙げるなら、やはりダウンタウンの松本人志に宛てたという曲“俺のアディダス~人としての志~”だろうか。竹原の才能に早くから惚れ込んでいた松本が、自ら監督した映画作品『さや侍』に彼を役者として起用したことは、きっとご存じの方も多いと思う。そんな松本にむけて、竹原は自分がミュージシャンとしてもう一度勝負するとここで誓っているのだ。

竹原の活動をここまでずっと支えてきたのは、まさにその「売れたい」という野心であり、それが薄らいだことは一度足りともないと彼は言う。では、この男をそこまで駆り立てるものとは、一体何なのだろう。こうして再びメジャーに戻ってくるまでの変遷と、ミュージシャンとして売れることへの強い執念について、竹原ピストルが熱く語ってくれた。

PROFILE

竹原ピストル(たけはらぴすとる)
歌手、ミュージシャン、俳優。大学時代の1995年、ボクシング部主将を務め、全日本選手権に2度出場。1999年、野狐禅を結成し音楽活動を本格化。際立った音楽性が高く評価され、2003年にメジャーデビュー。2009年4月に野狐禅を解散し、一人きりでの表現活動を開始。毎年250~300本のペースでライブも並行するなど勢力的に活動を行う。2014年、デビュー時のマネージメントオフィスであるオフィスオーガスタに再び所属。そして、10月22日に、ビクタースピードスターレコーズより、ニューアルバム『BEST BOUT』を発表。同時に、役者としての評価も高く、『青春☆金属バット』 (2006年、熊切和嘉監督)、『さや侍』(2011年、松本人志監督)などに出演。
竹原ピストル OFFICIAL WEBSITE

いまも自分の根底にあるのは、「目の前にいる人をどうやって楽しませようか」っていう気持ちなんですよね。歌はあくまでもその手段だったんです。

―所属事務所から独立した後、インディーで活動されていた7年間と、こうしてメジャーレーベルに戻った現在では、やはり環境もだいぶ変わったのではないでしょうか。

竹原:変わりましたね。これまではずっと一人でツアーをまわりっぱなしの生活でしたから。正直、心細い気持ちになることもありました。それに、「もう自分一人でやれることはここまでかもな」っていう気持ちもあったかもしれない。


―なるほど、そこまで考えていたんですね。しかしそうした道を選んだのも、竹原さんご自身だった。2007年に、野狐禅は所属事務所から独立したわけですが、その当時の竹原さんは、どのような心境だったんですか?

竹原:あの当時の自分は、とにかく地に足がついてなかったんです。自分の周りにいるスタッフの人たちがどう動いているのかよくわからないし、それでも状況が進んでいってしまうことに、ずっとソワソワしていました。それで「いっそ全部自分たちだけでやろう」と思って、事務所を辞めることにしたんですけど、それから自分で宣伝やレコーディング、ブッキングの仕事をすべてやってみて、ようやくわかったんですよね。「ああ、この役割はあの人がやってくれてたんだ。自分はどれだけ恵まれた環境にいたんだろう」って。

―いったん事務所やメジャーレーベルから離れたことで、自分の身の回りで起きていたことがようやく理解できたと。

竹原:そうなんです。自分の愚かさに気付いたという意味でも、一人で動いてきた期間は、絶対に必要だったと思ってます。たとえば、一人でやっていると、ライブの日程を決めることはできても、その詳細をハコの人と詰めたり、一つひとつを告知するのは、けっこう手間がかかるんです。それこそ年間250~300もライブをやってると、もうわけがわからなくなってくるんですよ。

竹原ピストル
竹原ピストル

―一人ではとても管理しきれない本数ですよね。それでも、竹原さんはその凄まじいライブスケジュールをずっと継続されてきたわけで。そのモチベーションを保ち続けられた理由は、どこにあったのでしょうか?

竹原:それは根本的な話になっちゃいますけど、やっぱり僕はライブが大好きだし、そのライブだけが自分を売り込む唯一の手段でしたからね。とにかくたくさんの街に行って、1人でも多くの人にライブを見てもらわなきゃ、何も始まらないだろうと。「ここに竹原ピストルっていう歌唄いがいるよ。誰か見てくれないか。そして、俺をでかいところに連れてってくれ」って思いながらやってました。

―人の目にとまるためには、とにかくライブをやりまくるしかないと。

竹原:つまり、「売れたい」ってことですね。あるいは「人気者になりたい」とか「目立ちたい」とか……僕、その気持ちだけはずっと変わってないんです。それこそ前のバンドをやっていた頃から、そこだけはブレてないと思います。

―「売れたい」はともかく、そもそも竹原さんはなぜ「人気者になりたい」「目立ちたい」と強く思うようになったんですか?

竹原:それが未だにわからないんですよね(笑)。ガキの頃からそんな感じだったんです。そういえば、中学生の頃、担任の先生からも同じような質問をされたことがありましたね。「なんで君はそんなことをしちゃうの?」って(笑)。クラスメイトにしょうもないことを言って笑い声が上がったときや、みんなの前で歌を披露して盛り上がったときの感覚がたまらなく好きで。いまも自分の根底にあるのは、そういう「目の前にいる人をどうやって楽しませようか」っていう気持ちなんですよね。歌はあくまでもその手段だったんです。


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