(『ドラえもん』の歌)
(けんたろう)じぃじしっこ。
(小野田公顕)んっ?しっこです。
…おしっこ?したい。
お家出るときどうしてしてこないの?忘れました。
忘れちゃったの…。
幼稚園まで待てないの?待てませんねしっこ。
そう…。
もれますよ。
じぃじ立場上非常にまずいんだけどなぁ…。
これも立派な軽犯罪ですから。
ま…今回は緊急避難ということで大目にみましょう。
これからはね忘れずにお家でおしっこをしてきてくださいね。
(けんたろう)うん。
(小野田)遅刻するから急ごう。
したいしたい!
(小野田)え?まだしたいの?
(けんたろう)したいしたい。
(小野田)何がしたいの?死体ですよ。
…お人形さんでしょう。
ちょっと待っててね。
お人形さんだったらいいのにねぇ…。
(パトカーのサイレン)現場は?こちらです。
(杉下右京)ヤですねぇ…。
(米沢鑑識官)本当に嫌ですよね。
物騒な事件が多くてね。
いやこれ…矢です。
あぁその「ヤ」!矢ですねぇボウガンの…。
見事心臓を射止めています。
そのようですね。
ヤですねぇ物騒な事件が多くて。
…ヤですねぇ。
(伊丹刑事)…あ!
(伊丹)なんで奴らがいるんだよ?…特命係の亀山っ!!
(亀山薫)呼んだっ?「呼んだ?」じゃねえよ!オイてめえらどうやって来た?え?車でだよ。
歩いて来られる距離じゃねえだろう。
そんなことを訊いてんじゃねえ。
どっから連絡受けた?さあなぁ〜?
(三浦刑事)のこのこ現場に面だすんじゃねえよ!つべこべ言わずに調べたらどうだ?喧嘩しに来たのか?なんだとコラ…?なんだよっ?おい所轄っ!この2人つまみ出せ。
はっ?なに言ってんだお前は?こいつらは関係ねえ。
早くしろ。
(所轄刑事)いやしかし…。
それには及びませんよ。
あ?もういいんですか?お暇しましょう。
はいはい。
ましっかり調べろよ。
どうしても犯人が挙がらなきゃ言ってこい。
捕まえてやっからよ!ハハ…ハハハッ!
(所轄刑事)あの方々何者で…?
(伊丹)うるせえっ!!すみません!そんなことより第一発見者は?まだいるのか?いえ。
匿名の通報だったもので。
(伊丹)とくめい?いやあの…名乗らない…。
(伊丹)そんなことわかってるよ。
わざわざ右京さんにも知らせてよこしたのは誰なんですか?知人です。
知人?知り合い。
だからどういう知り合いです?ちょっとした知り合いですよ。
ちょっとしたねぇ〜。
(伊丹)通報者のセンも洗ったほうがいいな。
第一発見者イコール犯人てのはよくある話だからな。
(くしゃみ)
(くしゃみ)
(校内放送)「生徒の皆さんは急いで教室に戻ってください」「そして先生が来るまで静かに着席して待っていてください」
(教頭)間違いないんですか?
(伊丹)ええ。
(教頭)平良先生が…。
あの…殺されたっていうのも間違いないんですか?
(三浦)現場の状況からみて間違いありません。
どうしました?
(前原恭子)…いいえ。
出勤してこなかったので連絡を取ろうとしていたんですが…。
相手が死んでちゃ連絡の取りようがありませんよねえ。
亡くなったのは昨夜です。
(教頭)昨夜ですか?昨夜の午後9時から深夜1時までの間です。
(伊丹)まぁそんな状況ですから皆さんにもひととおりお話をお訊きしなければなりません。
ご協力よろしく。
それはもう…。
あ校長に連絡します。
出張なものですから。
すぐに戻っていただかないと。
(女性教師)あの…。
刑事さんよろしいでしょうか?
(伊丹)はい?実はこの生徒が…。
(手塚守)僕…見たよ。
(三浦)えっ…?
(恭子)手塚くん…。
昨夜平良先生あそこの空き地で…。
(米沢)もうちょっとリラックスしてください。
いやリラックスったってねぇ…。
そのまま頭にリンゴを乗せるとウィリアム・テルなんですけどね。
それ冗談のつもり?いえ。
あっそ…。
犯人はこの位置被害者からおよそ5メートル離れた地点から矢を放ったと思われます。
…ブシュッ!いやだからブシュッ!あ…あぁウワァーッ!犯人の身長はおよそ180センチ。
ええ。
突き刺さっていた矢の角度から計算してみました。
もちろん誤差はありますが。
ガイシャと犯人の位置関係は突き刺さっていた矢の深さと使用されていたボウガンから発射された矢の初速から計算して割り出してみました。
むろんこちらも誤差はあります。
場合によってはてんで当てにならないかもしれません。
なんだそりゃ?犯人はなぜ凶器にボウガンを使ったのでしょう?それはわかりません。
なぜならば計算できませんから。
なるほど。
どうしてでしょうねえ?さ〜?どうしてでしょうねえ?人殺しの方法はいろいろあります。
ありますよ。
しかし犯人はあえてボウガンを使った。
ええ。
殺し方としては珍しい部類です。
ですね。
そこには当然なにか意味があるように思います。
意味ねぇ…。
犯人が捕まったらじっくり訊いてみますか?…プシッ!
(角田課長)暇かっ?なに遊んでんだお前ら?遊んでませんよ。
ただ今事件を検証中。
俺の推理によると…その検証している事件というのは昨日の世田谷での殺しだな?別に推理しなくてもこれ見りゃわかるでしょ?しかしねまもなく犯人は捕まるぞ。
えっ?それも課長の推理ですか?いやいや。
有力な目撃者が出たみたいだ。
目撃者?今少年課の立ち合いで事情聴取している。
目撃者は10歳の小僧だ。
殺された教師が勤めていた学校の生徒らしい。
10歳の少年が目撃者ですか…。
手塚守くんかな?あなたたちは刑事さんかな?…えっ?よくわかりましたね。
こんな日に僕を訪ねてくる見ず知らず大人は警察の人に決まってるだろ。
なるほど。
なんか用事?あああ…。
君…一昨日の夜平良先生を見たんだって?そのことなら全部話したよ。
わざわざ警察まで行って。
あぁそうらしいねえ。
無礼な奴だった。
えっ…?伊丹って刑事さ。
たぶん彼は出世しないね。
ハ…ハ…。
もう一度聞きたいの?ええぜひ。
どうして?伊丹刑事から聞いてもいいですが正確さに欠けるかもしれません。
それは言えてるね。
彼は緻密さに欠ける。
ですから直接君の口から聞きたいんですよ。
わかった。
それじゃあ話すよ。
よろしくどうぞ。
ん?あ…よろしくどうぞ。
一昨日夜の10時半ごろ…。
(守)あの空き地のそばを通りかかったんだ。
平良先生がいた。
誰かを待っている様子だった。
しばらくそのまま見てたんだ…。
そしたらあいつが来たんだ…。
あいつって…?近所のアパートのろくでなしさ。
ろくでなし?きっと名前もあるんだろうけど僕たちは“ろくでなし”って呼ぶ。
“ろくでなし”ですか?いい歳して親のすねかじってるバカ息子さ。
…なるほどね。
(守)ちょうどそいつのアパートの前の道が通学路なんだけどあいつはしょっちゅう僕らをボーガンで脅かして喜んでるんだ。
ボウガンで!?もちろん撃たないよ。
あいつもそこまでバカじゃない。
そりゃそうだろうけど…。
先生にそのこと言ったの?何度も言ったさ。
それでもやめないの?先生も注意しに行ってくれたけどあいつシラを切り通したらしい。
えっ…?「証拠を持ってこい」って逆ギレしたみたいだよ。
逆ギレ…?で君は一昨日の夜あの空き地で平良先生とその“ろくでなし”の会っているところを目撃したわけですね?そういうこと。
それから?…なにが?先は?先は見てない。
見てないの?駅前の本屋に行く途中だったんだ。
11時で閉まっちゃうからね。
要するに決定的な現場を目撃したわけじゃあないんだ。
そんな現場を見てたらすぐに警察に知らせてるよ。
ちなみに駅前の本屋さんではどんな本を買ったんですか?なんか捜査に関係ある?いいえ。
個人的な興味です。
君は今もずいぶん難しそうな本を読んでますから。
一昨日はマンガを買った。
この本は誰に借りたものですか?どうしてそう思うの?ここの図書室に置いてあるような本じゃありませんしといってかなりくたびれた感じですから新しく買ったものでもない。
あるいは古本屋ということも考えられますが…。
刑事さん割りと鋭いね。
…恐縮です。
恭子先生に借りた。
きょうこ先生?僕の担任。
あぁあぁ…。
でも君あんなの読んでわかるの?読んだことあるの?そりゃあるよ〜!こう見えてもねひととおりの海外文学は読破しています。
感想は?か…感想?『異邦人』の…?感想っていわれてもねぇ。
「太陽がまぶしい」という理由だけでアラブ人を殺した主人公はどう思う?え…どうって…?納得しかねますねえ。
殺人の動機としては支離滅裂ですよね?たぶん主人公は正直者なんだ。
えっ?嘘のつけない人間なんだよ。
ごくありふれた普通の人なんだ。
十分にわかって読んでいるようですね。
犯人捕まるかな?ええ。
もちろん捕まえますよ。
“ろくでなし”が相当怪しいよね。
そうですねぇ…。
(守)だけど…証拠がないね。
ええ。
今のところは。
「太陽がまぶしいという理由だけでアラブ人を殺した主人公をどう思う?」…こまっしゃくれたガキですねぇ!なにか…失礼なこと言いましたかあの子?え?いや…。
あの子の担任の前原恭子です。
あっ…。
(恭子)頭のいい子なんです。
…よすぎるぐらい。
私たち教師もたじたじですよ。
ま先生も大変でしょうけど親も大変でしょうねえ。
出来が悪いのも困るけどよすぎるのもねえ…。
…両親はいません。
えっ?事故で亡くなったんです。
3年前に。
(恭子)だから今は親戚の家に引き取られて暮らしています。
そうなんすか…。
親戚とはうまくやっているんですか?えっ…?今日は臨時休校です。
なのにわざわざ学校の図書室で本を読んでいる。
それも図書室の本ではなくあなたに借りた本を。
お察しのとおり…あまりうまくいっていません。
言い方は悪いけどかわいげのない子ですからねぇ。
なるべく家に帰りたくないんでしょうね。
だから放課後は毎日ああして図書室で本を読んで過ごしています。
毎日ですか…。
ええ。
あせっかくですから質問を二〜三よろしいですか?質問…?ええ事件についてです。
ま型どおりと言えば型どおりの。
ええどうぞ。
殺された平良先生というのはどういう方でした?どういうって…?どうお答えすればいいのか…。
ああありのままをお答えいただければ結構です。
厳しい方でしたね。
厳しい?生徒たちからは怖い先生だと思われてたと思います。
体も大きかったですし…口できかなければ…手も出しましたし。
誰かに恨まれているようなことは?はい?例えば…ボウガンの青年に恨まれていたとか。
手塚くんからお聞きになられたと思いますけど…その青年に抗議に行ったのが平良先生なんです。
戻ってこられてからずいぶん憤慨されてました。
(平良)〔あの野郎…人をコケにしやがって!〕どうやら“ろくでなし”がクロっぽいですね。
ええ…。
コラァッ!待てっ!!オイッ!待てっ!クソーッ!離せよっ!
(伊丹)オイッ!なんでてめえがこんなとこにいるんだよ?なにをぉ!?ウロチョロすんじゃねえっ!ふざけんな!下りてこいコノ!それで捕まえられたんだろうが!
(佐々木)俺は捕まるようなこと何もしてねえよ!捕まるようなことしてねえ野郎の態度かっ!?これが!逮捕したかったらな逮捕状持ってこい!コノヤローッ!なんだとっ!?とりあえず公務執行妨害で逮捕というのはどうですか?逮捕状は追って請求しますからご心配なく。
別件逮捕かよ!?おい!ふざけんな!コノヤロー!うるせえなお前もっ!俺は何もしてねえよ!何もやってねえのになんで逃げた?何とか言えよ!コラッ!!逃走のあとは黙秘か…?上等だ!オラッ!!俺の…。
(伊丹)ああっ!?俺の容疑は何っすか?
(伊丹)何だと思う?警察手帳を見たとたんに逃げ出したんだ。
何の容疑かわかってんだろう?し…小学校の先公が殺されたってやつですか?…わかってんじゃねえか。
なんでやったんだ?
(佐々木)やってませんよ俺は!この期に及んですっとぼけんじゃねえよっ!!
(ノックの音)
(刑事)失礼します。
天井裏からボウガンが見つかりました。
オイ…!お前の部屋の天井裏からボウガンが見つかったってよ。
なんで天井裏なんかに隠した?
(佐々木)それは…。
(伊丹)訊くまでもないよなぁ?栄第三小学校教諭平良荘八を殺した凶器だからだよなあっ!?違うっ!俺は本当に何もしてねえんだよ!信じてくれよ刑事さん。
あ〜あ〜決定的だこりゃ。
一件落着と!ね?あ…ちょっ…!ボウガンが部屋から出てんだよ!コラッ!!…また来やがった!警部さん。
邪魔しないでいただきたいんですけどね。
すぐに済みます。
一つだけ質問を。
困るんですよ。
勝手な真似されちゃ。
またくっついて来やがって。
どけよ…邪魔なんだよ!あなたはどうして…凶器にボウガンを使ったのでしょう?
(佐々木)え…?あなたがボウガンで子どもたちを脅かしているのが小学校では有名でした。
そしてそれを注意しに行ったのが平良先生。
その平良先生がよりによってボウガンで殺されました。
となると真っ先にあなたに容疑がかかる。
つまり凶器の選び方がずいぶんお粗末です。
むしろ間が抜けているとさえ言える。
だからとても気になります。
ボウガンを凶器に選んだ理由を聞かせていただけませんか?
(佐々木)こんなこと…。
はい?こんなこと信じてもらえねえかもしれないけどさボウガンは盗まれたんだ。
盗まれた?ああ先週。
(伊丹)なに言ってんだっ!?盗まれたボウガンがなんで天井裏から出てくんだよっ!?天井裏に隠したのは俺だよ。
(伊丹)ああっ?一昨日の夜取り戻したんだ。
確かに俺はあの空き地に行ったよ。
だけど…俺が行ったときにはもうあの先公は死んでたよ!なんだとおっ!?
(伊丹)余計なこと言って!盗んだ奴からメモが来たんだ。
「ボウガンは小学校のそばの空き地に捨てといたから欲しけりゃ勝手に取りに来い」と。
(佐々木)〔ふざけやがって…!〕で?そのメモは?持ってるか?持ってんだったら見せてみろ。
そんなもん捨てちまったよ!頭くんじゃねえか!人のこと小バカにしやがって!短気は損気だぞ。
そのメモがありゃ多少なりともその話に信憑性が出るんだがな。
ワープロ打ちのメモだったよ。
現物がなきゃどうにもなんねえよ。
(伊丹)相手になんないよ!
(佐々木)本当だってば!つまりこういうことですね?一昨日の夜あなたはボウガンを取り戻してそのまま帰宅した。
そして天井裏に…。
捨てちまおうと思ったんだけどさいざ捨てるとなると厄介なんだよああいうのは…。
(三浦)ふざけたこと言ってんじゃねえコノヤロー!あ右京さん。
鑑識が調べたところ天井裏から発見されたボウガン本体と死体に突き刺さっていた矢は同形式みたいですよ。
つまり“ろくでなし”が所持してたボウガンから発射された可能性はおおいにある。
捜査一課は「殺人罪」で逮捕状を請求するみたいですね。
まぁ状況的には真っクロけですけどね。
でも…決定打がない。
でしょ?本人の自白でもあればなんとか公判は維持できるでしょうけど本人完全否認ですから。
君はボウガンを凶器に使うメリットは何だと思いますか?メリット…ですか?ええ。
ん〜拳銃とかと違って音が静か…かな?なるほど。
それから?それから?ん〜あ!相手から離れて殺傷できますね!まぁこれは飛び道具全般についていえますけど。
すなわち非力な人間でも相手を殺傷できるということです。
…あぁええ。
組み合ったら確実に負ける相手でも殺すことが可能だということですよ。
(恭子)そろそろ帰らないと。
(守)もう少しなんだ。
続きは帰ってから読みなさい。
手塚くん…。
さあ帰るの。
驚いたよね…。
(恭子)え…?平良先生が殺されちゃうなんて。
だけどある意味よかったかもしれないね。
なんてこと言うのあなた…。
みんな心の中ではそう思ってると思うよ。
やめなさい…!恭子先生だって本心はそう思うでしょ?
(教師)一応校長からマスコミの取材は受けるなと…。
(奥寺美和子)秘密は厳守します。
ニュースソースは明かしません。
お願いします…。
(美和子)早速ですが…殺された平良先生についてお訊きしたいのですが。
ひどい奴ですよ…あいつは。
(美和子)え…?ああ…死んだ人を悪く言うのも何ですけど事実だから仕方ない…。
ひどいって例えばどんなふうに?あの実は…。
(守の声)〔恭子先生だって本心はそう思うでしょ?〕無視しようぜ!無視無視!本当かそれ!?まだ裏付け取ったわけじゃないからねえ。
どっからの情報だ?そんなの言えるわけないでしょ。
けど…本当だとしたらとんでもない奴だよねその…平良荘八ってのは。
ああ…。
けど…本当にあんのか?そんなことが…。
同僚教師を無理やり…?
(宮部たまき)まぁそうですか。
…いらっしゃい。
お3人も?ええ。
上は小学校3年生で真ん中が1年生一番下が幼稚園なんです。
とてもおじいちゃまには見えないですねえ。
まぁ…見えないように努力はしてます。
特に外では。
ちょっと失礼…。
お酒でよろしいですか?はい。
捜査のほうは進んでる?いささか混沌としていますが。
そう…。
しかしどこの誰かも名乗らずに通報するなんてまったくあなたらしい。
第一発見者は面倒でしょ。
いろいろと事情を説明したりしなきゃならないし。
ま…現場を荒らすような真似はしてないから特に問題はないでしょう。
(苦笑)なにを突っ立ってるんですか?
(たまき)あはい…ごめんなさい。
はいどうぞ。
…お知り合いですか?ええちょっと…。
そうですか。
はいどうぞ…。
(小野田)じゃそろそろ私は…。
お勘定お願いします。
あらもうお帰りですか?かわいい孫の顔が見たくてね。
(たまき)少々お待ちください。
あそうだ。
はい?現場にあった4つの穴…気にならなかった?死体から5メートルほど離れた場所にあった小さな穴ですか?そうあれ。
気になりました。
事件と関係あるのかな?あると思います。
捜査一課は特に問題にしていないようですが。
そうか。
まあ…お前が気にしてるなら大丈夫だろう。
あ…ごめんなさい。
おいくらですか?あはい…すみません。
(守)調べもの?…ええ。
捜査令状は?…はい?令状もなしに調べるのは違法じゃないの?おっしゃるとおりですね。
先生方なら職員室にいるよ。
許可取れば?そしたら任意の捜査で合法だ。
そうしましょうか。
なんてね。
…え?堅いこと言わないよ。
調べなよ。
どうせ先生方もダメなんて言わないだろうしさ。
笑ってごまかさないでよ。
…失礼。
右京さん。
どうしました?恭子先生なんですけどね…。
彼女先週理科室で…平良先生に襲われたらしいんですよ。
…襲われた?
(薫)未遂かもしれませんけどね…。
状況的に襲われたことは間違いないだろうって。
それを目撃していた人物がいたということですか?まぁ美和子もねさすがにニュースソースまでは明かしませんけど。
ただあいつもガセネタに踊らされるほどオボコくはないんでそれなりの信憑性はあると思いますよ。
校内での出来事ですからソースは学校関係者でしょうね。
ええたぶん…。
その目撃者の証言によれば殺された平良先生は相当に素行の悪い教師だったようです。
酒癖も女癖もかなり悪かったらしい。
しかしそんな人物がなぜ教師を続けていられたのでしょう?みんな怖がってたみたいですよ。
ヘタに騒ぎ立てたらどんな仕返しをされるかわかったもんじゃない。
まいわゆる「見て見ぬふり」ってやつですかね?それが今度の事件で死んだもんだからこうして漏れてきた。
なるほど…。
ひょっとして今回の事件はそれが動機だったのかもしれませんね。
…はっ?え…あ…?右京さん?僕になんか用?刑事さんだろ?よくわかりますね。
足音でわかったよ。
今度は物理学ですか?犯人は捕まった?ええ。
ようやく捕まりそうです。
やっぱり“ろくでなし”だった?いいえ。
残念ながらそうじゃないようですよ。
犯人はこの学校の人です。
恭子先生とお話した後君にもう一度…。
えっ…?お話をお訊きしたいですね。
(恭子)そのことが…今度のことになにか関係あるんでしょうか?つまり確かにそういう事実はあったわけですね?あなたは…理科室で平良先生に襲われた。
それがなにか関係があるんでしょうか?そんなこと…私のプライバシーじゃないですか。
手塚くんの証言で“ろくでなし”をとっ捕まえてみたんですけどね本人もちろん否認してます。
が…それより何より動機の部分が弱い…。
殺害の動機が。
それで…私に容疑がかかるんですか?すみません。
これも仕事なもんで…。
とにかく…ご同行願えませんか。
ゆっくりお話し伺いますから。
・
(守)だから大人はバカなんだ!恭子先生が人殺しなんかするはずないだろ!守くん…。
しかし恭子先生には平良先生を殺す動機があるんですよ。
それもかなり強力な動機です。
いくらあいつに乱暴されたからって殺したりなんかしない。
やはり君はそのことをご存じでしたか。
君は恭子先生がひどいめに遭っているところを目撃したんですね?
(恭子)〔いや…やめてっ!放してっ!〕〔いや…ヤーッ!!〕
(ガラスの割れる音)
(右京)毎日図書室で遅くまで本を読んでいる君です。
目撃していたとしても不思議はない。
ずるいね刑事さん。
はい?僕をうまくハメたね。
全部お芝居だったんだ。
申し訳ありませんでした。
そんな…。
非力な人間でも相手を殺傷できるボウガンは君に最もふさわしい凶器です。
しかも“ろくでなし”に罪を着せることができれば一石二鳥。
バカなことを!自分が何を言ってるかわかってるんですか!?“ろくでなし”の部屋からボウガンを盗み空き地に平良先生を呼び出して…君は矢を放った。
〔ウッ…!〕背丈を調節するために君は学校のイスを使った。
それが現場に残っていた4つの穴の正体です。
そして君はメモで呼び出した“ろくでなし”のためにボウガンをその場に残し…現場の目撃者を装った。
もっとも…確かに君は目撃者だったわけですがね。
違う場面の…。
これが僕の推理です。
もうやめてくださいっ!僕だってもうやめたいっ!!したり顔で推理を披露するなんて真似はしたくてしているわけじゃありません。
しかし…僕は真実を追及しないわけにはいかない。
あくまでも推理でしょ?ちゃんと証拠があるんですか?もういいよ恭子先生。
(恭子)よくないわっ!訂正するよ。
…はい?割りと鋭いんじゃないくてかなり鋭いよ刑事さんは。
君がやったことを認めますね?そこまでバレたら仕方ないね。
認めるよ。
平良先生はクズだからね。
あんな奴いないほうがいいんだ。
手塚くんっ!“ろくでなし”もクズさ。
クズを殺した犯人はクズがなるのが一番いいんだよ。
…手塚くんっ!!だってあいつは恭子先生にひどいことをしたじゃないか。
だからって…!恭子先生をひどいめに遭わす奴は許さない。
え…?それが誰だろうとこの僕が許さないよ。
それが君の動機ですね?いくら真相を暴いたところで僕を罰することはできないだろ?「刑法第41条」ええ。
「14歳に満たざる者の行為はこれを罰せず」そう書かれてます。
僕はまだ10歳だからね。
刑事罰は受けないよ。
僕は児童相談所から家庭裁判所へ送られ審判を受ける。
そうだろ?…そういうことになります。
(守)ま仕方ないや。
それぐらいのリスクは覚悟してたから。
ちょっと来い…。
刑事さん…!なんだよ…?いいから来いっ!!…お前の未来を見せてやる。
え…?
(恭子)刑事さん…刑事さんっ!!
(看守)浅倉入れ。
(恭子)死刑…?ええ。
間もなく刑が確定するでしょう。
…亀山くんの親友です。
〔お前本当に浅倉か?〕〔そうだよ…。
大学時代の仲よしの浅倉だよ!〕〔浅倉ーっ!!〕
(右京)「平成の切り裂きジャック」として巷をにぎわせました。
彼は今ここで最後の審判を待っているところです。
(浅倉)そっか…。
僕もね子どものころ人を殺したんだよ。
君よりは少し大きかったけどね。
母親を殺したんだ。
完全犯罪だよ。
誰にもバレなかった。
僕も君みたいにここがよかったからね。
でも今このとおりだ。
よく見ろ…。
これがお前の姿だ。
将来のお前だ。
…こんなものなかったら君と固い握手を交わしたいところだ。
僕と君は仲間だからね。
(守)仲間なんかじゃない。
…待ってるよ。
(守)え…?君がここへ来るのを。
むろんそのころには…僕はこの世にはいないだろうけどね。
でも待ってる…。
君はいずれここへ来るから。
(守)こんなところへ来るもんか。
来るよ…。
(守)来ない。
今の君のままなら…必ず来る。
…楽しみにしてるよ。
今ならまだ間に合う。
え…?お前は十分…引き返せる。
あいつみたいにならなくて済む。
お前しだいだ…。
(恭子)彼は…私のために人を…。
あなたが…教師であって幸いでした。
人を導く術をいろいろご存じでしょうから。
それに…彼はあなたのことが大好きらしい。
あなたなら…彼を導いてやることができるかもしれない。
正しい未来へ…。
未来…。
(守の泣き声)
(恭子)守くん…!
(美和子)真犯人は子どもだったというのは本当ですか?小学生の犯行だという情報があるんですけど!
(内村警視長)ノーコメントだ。
(美和子)情報の真偽だけでも!邪魔だ!どいてくれ!アイターッ!!故郷に帰ることにしました。
えっ…?彼も連れていきます。
そうですか。
親戚の方も今度のことで彼のこと持て余すでしょうし…。
ええ。
2人で考えます。
考える…?犯した罪の大きさとそれを償う方法を…。
どうしたら償えるのか…。
ゆっくり時間をかけて彼と2人で考えようと思ってます。
正しい未来はどこにあるのかその答えを…。
難問ですよ。
わかってます…。
しかし…。
…はい?必ず答えはあるはずです。
ええ…。
2014/10/08(水) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒 〜警視庁ふたりだけの特命係[再][字]
「目撃者」
詳細情報
◇出演者
水谷豊、寺脇康文 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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