(テーマ音楽)本格的に秋が始まる10月は四季の移り変わりとともに「和」を意識する季節でもあります。
という事で今月のテーマは……などをご紹介します。
1回めは「ニットのはおりもの」。
何と着物の上にさっとはおれる温かカーディガンなんです。
おしゃれで機能性にすぐれたニットは…。
洋服にもなじみコート感覚でさらりとはおる事ができます。
この作品を紹介して下さるのは…今回は番組のために数々のアイデアを出して下さいました。
その中で最も編みやすく着やすい作品がこちらの穴あき模様がすてきなはおりもの。
あなたもこの秋……にチャレンジしてみませんか?今月は「和」をテーマにしてお送りしていきますが1回めは着物の上に着るニットのはおりものをご紹介します。
エミリさんは着物などの和服をふだん着る事ありますか?憧れはあるんですけどどうしてもお仕事で着させて頂くという事ばっかりなっちゃうんですけどでもお着物とニットの組み合わせって何か珍しいですよね?そうですよね。
新しい感じがしますよね。
では早速教えて下さる方をご紹介したいと思います。
笠間綾さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
今日もすてきなお着物で。
ありがとうございます。
今日は「和」の特集なので和服で参りました。
ありがとうございます。
お似合いですね。
笠間さんふだんから着物に合うニットのデザインや制作をされているという事なんですけれどもそういったお仕事をされるようになったのはいつ頃からなんですか?7〜8年前ぐらいから着物に興味を持ち始めまして着付けを習ったりとかそういう事をし始めました。
じゃあお着物も作られたりするんですか?今は和裁士さんのとこに通ってまして数枚仕立てております。
お着物を知り尽くした方が教えて下さるという…。
そうなんです。
今回の…。
はおりなんですけれども。
着物に合うデザインという事で考えて頂きましたが。
まず目に飛び込むのは何と言ってもこの鮮やかなミカン色ですか?そうですねとっても黄色が着物に合うかなと思って選びました。
何かちょっと派手な感じもしますけどいろんなお着物と相性良さそうな色ですね。
そうですね温かみのある色だと思うのでこの冬に着るにはとってもいいと思いますね。
やはり洋服の上に着るニットとはちょっと着物だとデザインも変わってくるんでしょうか?そうですね実体験を基にふだん着物を着てるので…。
ふだんじゃないですねたまに…着物を着てるのでその時に気が付いたところを実体験を基に形にしてみました。
「こうだったらいいな」を形にした感じですかね?はい。
「はおり」と言えば一般的には布のものを想像しがちなんですけれどもこういったニットのはおりというのは昔からあったんですか?はい。
昭和40年代初めぐらいは手編みの本にも結構掲載されていたんですが最近の方には目新しいものになるかもしれませんね。
じゃあもう「ついに復活」って感じですね?今日は。
そうですねはい是非。
では布のはおりとの違いを教えて頂きたいんですけれども。
まずそで口がこう絞まっているので。
着物はどうしてもそで口も大きいですし。
確かにこういうとこね布がたっぷりありますもんね。
ここの作りもあるので寒いところをカバーしているところがとってもいいと思いますね。
ニットの特性を生かしたまさに…。
そうですね。
着てても温かいとうれしそうですね。
いっぱい登場しちゃいそうですね。
それではデザインの特徴についてVTRを見ながらご説明頂きたいと思います。
この作品の一番の特徴はわきからそでのラインなんですよね。
はい。
着物のたもとをすっきり収められるようにゆとりを持たせてデザインしています。
反対に…。
そで口の部分はちょっと?すぼめてあるので風を通しにくくて温かいと思いますね。
確かにお着物ってそで口が広く開いてますから風とか通しやすいですもんね。
そうですね。
透かし編みで穴あき模様を施しているので中に着ている着物の柄とかが透けて見えていいかなと。
チラ見せが?そういうところもこだわってみました。
そしてこちらは紫の着物とニットを合わせています。
このニットのはおりは後ろも特徴的ですよね?はい。
後ろは帯が隠れるように丈を長めにしています。
着物と同じ背中に背中心縦のラインを入れているので後ろ姿もすっきり見えると思います。
確かにお着物のフォルムとぴったりですよね。
でも和服だけじゃなくてお洋服でも楽しめそうですよね。
ホントだ色がパキっと。
そうですね黄色と鮮やかに…。
合いますね。
見えると思います。
はい。
着物の上から着る訳ですけれどもどのように着るのかというのを実際に見させて頂いてもよろしいですか?ここはどうしましょう?このたもとをクルクルと丸めまして。
そこを巻いて?スッと…。
こうそでを通して。
こちら側も同じように丸めましてスッと入れて下さい。
あ〜速い。
こうするとそんなに。
簡単に着れちゃうんですね。
難しくなくお召し頂ける。
でもあの…ここに帯があったりしても形が崩れないで引っ張られなくて。
後ろを見させて頂いてもよろしいですか?後ろ姿を。
すごくきれいに着られますね。
これホントにえりの部分が…。
ここちょうど。
ちょうどですね。
きれいに収まるように。
すそというかこの下のところもつってるところが一切なくて。
この分があってもちょうどきれいなフォルムが出るんですね。
よく考えられてますね。
ありがとうございます。
ほかにもどんな時にこのはおりが便利なのかというのをこちらにまとめてみましたので見ていきましょうか。
まず…。
どうしてもお着物はそでが…。
みんな身に覚えありますね。
そでぐりが邪魔なのでそれをうまくカバーしてくれる…。
やっちゃったあとに気付くんですよね。
「ここにね」っていう。
「ここにあった」。
そうそうですよね。
そして「車の運転」という場面でも便利だという事ですが。
同じくたもとが運転中邪魔になるのでカバーしてくれると思いますね。
あと小っちゃく畳んでクルクルと丸めてもしわにならないのもニットの特性だと思います。
確かにしわになっちゃうと残念ですもんね。
残念ですね。
でもお着物の時だけじゃなくてパンツに合わせたスタイルもすてきでしたよね。
あっ私今日パンツ姿なので。
ちょうどじゃないですか。
着させて頂いてもいいですかね?お借りしていいですか?すみませんお願い致します。
はいお願いします。
ありがとうございます。
あっもうホントにこれ。
でも軽くないですか?軽い!とっても軽くて。
あとふんわりしてて動きやすいし。
またこの部分が洋服でもすごくかわいらしいデザインになりますね。
ゆったりしてるので。
かわいらしい。
後ろはどうですか?後ろでも…さっきは帯があってもまっすぐだったのに帯なくてもまっすぐなんです。
不思議ですよね。
あの分持ってかれてたはずなのに。
確かに。
これホントに着心地がいいですね。
軽くて。
これからの季節…。
そうですね。
ホントに毎日使える作品だっていう事がよく分かりましたけれども。
では早速作り方を教えて頂きたいと思うんですが。
こちらの…。
4つに分かれてるんですか?これね。
この4パーツをつなげていく?はい。
身ごろとそでが全部つながったパーツになってますね。
全部で4パーツを真ん中で背中心をつないでいきます。
前は開いてる形になってます。
最初の最初「1」はどこからなんでしょうか?まず始めは?そで口からなります。
そで口から?…からスタートしてじゃあこういうふうに進んで?いけば。
いくんですかね。
でもパーツは全部で4つだけなのでつなぎ方とか間違えなければ色も1色ですしね。
そうですね1色ですね。
最後同じパーツがあればいいので1つ編み方が分かると2枚3枚とかが2パーツ3パーツ4パーツとスイスイ編めていけるんじゃないかなと思ってデザインしました。
ちょっと易しく考えて頂けたんでしょうか?はい。
今回2本どりにしてるのもふわっと着心地がいいと思いますので。
ただ1本どり1本になって間違えないように2本どりを必ず糸にかけるように。
じゃあ初めてさんは「2本…」って呪文のように言えば…。
はいそうやって頂けるといいと思います。
それでは身ごろの編み方をVTRで見て下さい。
全てそで口から編んでいきます。
材料はこちらです。
編み出し糸は絡まりにくい綿などのあまり糸でも代用できます。
糸端をあとで閉じる時に使用するように1.5mほど残して作り目をします。
輪の中から糸を引いて7号針を2本通して糸端を引いて下さい。
輪を縮めます。
短い方の糸を親指にかけて糸玉の方を人さし指にかけて指で作る作り目を20目作ります。
作り目が20目できました。
針をひっくり返して2段めは「1目ゴム編み」を編んでいきます。
裏目表目と交互に編んで下さい。
最後は裏目2目になります。
これで12段そで口の完成です。
そでの部分は10号針に針を替えて下さい。
1段めは「増し目」をしながら編みます。
表目を3目編んだら間の糸を引き上げて「ねじり目」増し目をして下さい。
ねじり目に糸を通して1目増やして下さい。
これがねじり目になりますね。
これで1目増えました。
1段めは表目3目とねじり目を1目を繰り返して最後に表目2目を編んで下さい。
2段めから4段めは「メリヤス編み」をします。
5段めは表目2目を編んでから右の針に糸をかけて指で押さえて1目飛ばして1目編んでそれを上からかぶせます。
これで「かけ目」と「右上2目一度」が編めました。
表目を7目かけ目と右上2目一度を繰り返し5段めを編みます。
6段めはかけ目の部分も全て裏目で編んでいきます。
すると穴の開いた模様ができていますね。
7段めと8段めはメリヤス編みをして9段めは両端で増し目をします。
1目編んだら間の糸を引っ張り上げて同じくねじり目をして下さい。
ちょっと見にくいですけど頑張って引っ張り上げて編んで下さい。
最後は1目手前のところで同じくねじり目をして下さい。
最後は表目を編んで終わりです。
糸が短くなってきましたら表目の途中で新しい糸にかえて下さい。
普通にメリヤス編みを編み終わったらとじ針に糸を通して4〜5目裏目の目に絡ませて下さい。
左右同じく絡ませて頂いて糸端を最後に切るのは最後の糸始末の時でも構いません。
これで96段編めました。
編み図を確認しながら進めて下さい。
糸端は10cmほど残して切ります。
わきの「拾い目」用にかぎ針を使って別鎖を編みます。
25目編んで下さい。
糸端は50cmほど残して鎖目の裏山を10号針で表編みを編みながら拾い目をします。
少し拾いにくいですけどゆっくり拾って下さい。
これで25目完成しました。
先ほど編んだ身ごろと拾い目をした目をつなげていきます。
このまま表目を編んで頂くと編み地と拾い目がつながりました。
右端を6目「ガーター編み」をして頂いてそれ以外は「模様編み」を編んで下さい。
製図と編み図記号を参照しながら左後ろ身ごろを最後まで編みます。
128段編んだら左端をガーター編みに替えて編みます。
最後は別糸に通して目を休めておいて下さい。
右前身ごろは先ほどの後ろ身ごろと同じように編み進め129段めから全ての目をガーター編みにして下さい。
編み終わりは端の目をかぎ針に移して糸をかけて引き抜きをします。
ここでかぎ針を使っていますが棒で同じようにして頂いても構いません。
これで…できてますね。
伏せどめができてますね。
これで右前身ごろとそでが完成しました。
製図と編み方記号図を参照しながら編みます。
別糸の鎖編みを拾う時は糸を切らずにそのまま表目を続けて編みます。
これで4パーツ編み終わりました。
今こう説明して頂いてるととても分かりやすいんですけどいざこのサイズのものを自分でこう進んでいくとちょっと迷子になっちゃいそうな気がするんですけども。
間違えないためのアドバイスってありますか?この作品は8段ごとに1回増し目をしています。
その間に穴あきの模様を入れているのでこのリピートを結構頭に入れて頂くと編み図が無くてもだんだん編めるようになるんじゃないかなと思ってます。
まずは私はじゃあ編み図を手放さずに頑張って。
でも常に確認しながらやってけば初心者の方でも大丈夫ですね?そうですね。
ただのメリヤス編みよりもたぶん楽しいと思います。
飽きずに編めるって事ですね。
そうです。
なるほど。
ここからいよいよこの4つのパーツをつなげていく作業に入る訳ですけれども。
どんな順番でつなげていけばいいんでしょうか?まずそで口から…。
重ねておかないと…。
まずそで口からそで下のところをここまではぎます。
わきの下までですね?ここまでですね。
これをとじ針ではぎますね。
何でここで止めちゃうんですか?今度下からこう上がってきます。
これいっぺんにざ〜っといっちゃダメですか?お洋服もそうだしニットもそうなんですけれども一方に流れると流れていってしまうのでこう真ん中で合わせてここで最後とじをして。
その方が形もきれいにOKなんですね。
この編み出し糸はどのようにするんですか?後ほどご説明しますけれども針に移して引き抜けばまっすぐのようになります。
なるほど。
このそでの部分が…下の部分が終わったら次は?次は今度そで口から肩の部分になりますね。
あき止まりまで。
こちらはず〜っと1本で構いません。
助かります。
じゃあ同じようにこちらの…。
左も右も作って。
最後真ん中を…。
いよいよ。
今ちょっと待って下さいね。
ありがとうございます。
ここをこのような状況になりました。
ここがつながってないから最後は…。
最後は…。
こことここをこうつなげていくと。
後ろを。
こちらを針に移してからやっぱり引き抜き編みしますね。
このとじる時に何か注意する事ありますか?移す時もとじる時も目がすごく多くなるのでゆっくり一つずつ丁寧にはいで下さい。
「最後ここで集中力切らすなよ」というポイントですかね?はい。
でもここさえ最後丁寧にできればもうあとは。
完成です。
完成ですもんね。
じゃあここは丁寧にしっかりと。
そうですね。
やっていけばたどり着けるという事ですね。
これ今まで2本で編んできましたけどもとじる時も?とじる時も同じく2本でお願いします。
これも間違えないようにしたい…。
間違えないように2本で丁寧にとじればゴールが見えると。
はいそうですね。
それでは4パーツのとじ方VTRでご覧下さい。
右後ろ身ごろの糸端をとじ針に通して下さい。
1段ずつ端の目と2目の間の糸を交互にすくって下さい。
この糸…はぐ時に糸を強く引っ張ってしまうと丈が縮んでしまったりするのでゆっくり丁寧にはいでいって下さい。
焦らず優しく。
はい。
最後なのでここまできたので。
ゆっくりはいで下さい。
ここまでいってそで口の部分は終わりました。
次は増し目のところになりますね。
ねじり目の根元のところに交差させるところに針を通して同じく「すくいとじ」を左右同じくして下さい。
これでわきの部分が終わりましたね…。
あっそで下の部分が終わりました。
次はわきのところになります。
編み地の表側で別糸鎖をしたものを一つずつ丁寧に外して10号針に移して下さい。
ここで慎重にゆっくり目を落とさずに拾って下さい。
10号針両方ともなってますけど片方だけ7号針に目を移して下さい。
そうしないと向きが逆になってしまいますので。
これをグルッとひっくり返しまして編み地を中表にします。
2枚の端目をかぎ針編みに入れて新しい糸をつけて「引き抜きはぎ」をします。
これで引き抜きはぎが終わりました。
わきとそで下がとじ終わってからそでとわきの間の隙間をとじていきます。
とじ針に糸を通して表側の隙間の編み地を4か所すくって下さい。
糸を引き締めてとじ針を裏側に出して…。
糸始末をして下さい。
4か所だけであんなきれいにちゃんと閉まるんですね?割と目が大きいですけれども4か所で十分とじられます。
糸始末できて完成ですね。
肩をとじます。
同じくそで口からあき止まりまでとじて下さい。
左右同じくとじを行って下さい。
別糸に休めておいた目を10号針に通します。
中表に重ねて休めていた糸を使ってすそから引き抜きはぎをして下さい。
最後なのでゆっくり丁寧に終わって下さい。
編み地の裏側で糸端を始末すれば「はおりもの」の出来上がりです。
これで後ろ姿も美しいはおりが完成する訳ですね。
こういう大物ってちょっとドキドキしちゃいますけど。
2本どりだと初めての大物にはチャレンジしがいがありそうですね。
そうですね。
ちょっと速いかもしれませんね。
初心者でもいけますか?難しい技法とか使ってないので丁寧にコツコツ作ってみて下さい。
では笠間さん最後に視聴者の方にメッセージをお願いします今から編み始めればお正月に着物をお召しになる時にはおれるすてきな1枚ができると思います。
是非挑戦して下さい。
笠間さん今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
今回ご紹介した「棒針で編むニットのはおりもの」はテキスト10月号に詳しく掲載されていますので是非参考になさって下さい。
表紙はこちら。
放送のラインナップも載っています。
電子版もあります。
そしてここでお知らせです。
「すてきにハンドメイド」では……で特集番組をお送りします。
エミリさんと大阪の出演者の宮川花子さん奥野史子さん杉浦圭子アナウンサーが一堂に会して作品を作ります。
一緒に作るのは「カーディガンコート」です。
私も皆さんとすてきな作品を作るのを今からとっても楽しみです。
是非ご覧下さい。
ちょっと楽しみですよね。
楽しみですね。
また皆さんとわいわいと。
すっかり着慣れちゃいました。
ねっでも軽くて…。
2014/10/08(水) 10:30〜10:55
NHKEテレ1大阪
すてきにハンドメイド「棒針で編むニットのはおりもの」[字]
今月は「秋に楽しむ『和』の手作り」。1回目はニットテクニカルデザイナーの笠間綾さんがニットのはおりものを紹介。着物の上にもさっとはおれる、あったかカーディガン。
詳細情報
番組内容
今月のテーマは「秋に楽しむ『和』の手作り」。1回目はニットテクニカルデザイナーの笠間綾さんがニットのはおりものを紹介する。着物の上にさっとはおれ、洋服にあわせても素敵な、あったかカーディガン。特徴は、脇からそでのライン。着物のたもとをすっきりとおさめられるように、わきとそで下にゆとりを持たせたデザイン。反対に、そで口はすぼめてあるので風が入らず温かい。今から編んで、お正月や冬のイベント用に是非!
出演者
【ゲスト】中山エミリ,【講師】ニットテクニカルデザイナー…笠間綾,【司会】吉井歌奈子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – ファッション
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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