「昔の映画、もう一度観てみようか」と思ってくれたら大成功 - 種田陽平
タランティーノ最新作、そして映画美術監督・種田が目指すこと
『キル・ビル Vol.1』以来となるクエンティン・タランティーノ監督とタッグを組むことになり、現在、多忙を極める種田。ほぼ同世代でお互い映画好きなことから、顔を合わせればコアな映画の話で大いに盛り上がるという。「タランティーノはタランティーノで、大好きな映画をもう一度、自分の表現で作り世に送り出したいと思っている。僕は僕で、自分が好きだった映画のエッセンスを、自分が携わる作品を通して表現したいという思いがある。それは、映画に慰撫(いぶ)されてきた僕たち世代の使命だとも考えている」と表情を引き締める。
さらに「この本は、これからの映画と昔の傑作を現代、そして未来につなぐ映画好きのための本です。美術監督たちの手掛けた映画を劇場公開で観てこられた方はもちろんですが、若い世代の方がこの本を読んで、『種田がそんなに言うなら、昔の映画、もう一度観てみようか』と思ってくれたら大成功」と締めくくった。故(ふる)きを温(たず)ね新しきを知る映画の旅、種田と共にゾクゾクするような異空間に出掛けることのできる1冊となっている。(取材:坂田正樹)
「伝説の映画美術監督たち×種田陽平」は10 月24 日発売(発行:スペースシャワーネットワーク 価格:4,700 円+税)