(男)あのちょっとすみません。
ご近所の方ですか?ああ…はい…。
警察の者なんですけど。
君っ!待ちなさいっ!なんでこんなに早く…?
(刑事)こんなに早く?やっぱりお前か。
はい所持品検査!…何だコレ?すみませんつい出来心で。
出来心だぁ…オイ?チッ…!まぎらわしいマネしやがって!
(下着泥棒)すみません…。
(杉下右京)これはあなたのでしょうか?あっコレ…ないと思ってたのよ〜!でもどうして?やはりそうでしたか。
実は下着泥棒が捕まりましてね。
キャーッ!!
(亀山薫)キャーって…。
何で投げるの?投げることないじゃない…。
すみません!もしこれがあなたのでしたらお話を…。
(女性)警察を呼びますよ!だからその警察です。
これちょっと覗いてみて。
見てみて。
ねコレコレ。
これ私のですけど…!イヤッ…!!申し訳ありませんがそれは証拠品なのでまだお返しできないんですよー。
すみませーん。
ご協力ありがとうございます。
あーもうっ!最低の仕事っすね〜!あー…コーヒーコーヒーコーヒー!あー毎日毎日…もう4日もこんなことやってるんですよぉ!?向こうは恥ずかしがるし…こっちだって恥ずかしいっての!裏付けは進みましたか?進んでますよ〜!しかしまあ…よくこれだけ盗みましたよねえ。
それよりも大した記憶力です。
えっ?盗んだ先をすべて覚えてるんですからねぇ。
その能力をもっとほかで使えちゅーの!おかげで裏付け捜査がラクに進みます。
ラクじゃないですよ!まだ被害者こんなに残ってるんですよホラ!あと少しじゃないですか。
頑張りましょう。
頑張りますけどねぇ…。
何か食っていいですか!?どうぞ。
右京さん何にするんですかっ!?僕は食べるなんて言ってませんよ。
あっそうか。
…ケーキかよっ!コーヒーは!?これなんですけどもー。
(渡涼子)違います。
はい。
…えっ違う!?私のじゃありません!ホントに?よく見てみて。
だから違いますって!ホントにホント?本当ですっ!ちょっともう1回見てみてコレ!覗いて見てみて!この辺ー?ハズレー。
初のハズレー。
(角田課長)忙しい?いやいや…順調ですかな?下着泥棒の裏付け捜査。
おかげさまで。
申し訳ないねえ。
警部殿にまでこんなことやらしちゃって。
かまいませんよ。
頼まれれば何でもやるのが特命係ですから。
あら?今のはちょっとイヤミかな?考え過ぎですよ。
私だってこういうことを頼むのは筋じゃないってわかってるのよ。
でも所轄の知り合いがどうしても手が足りないって言うもんだから。
いいですよ。
我々は手が余ってますから。
ハハハ…今のは完全にイヤミだな。
裏付け全部終わりましたー。
おーご苦労さんご苦労さん!よろしくねー。
…よろしくねっ?…何だっつーんですか?さあ?でどうでしたか?ああ…全部確認しましたよ〜。
1点だけ持ち主不明ってのがあっただけです。
被害者はお留守だったんですか?いや単純に犯人の思い違いだったみたいですよ。
犯人の思い違い?ええこの家の女性が盗られた覚えはないって。
おかしいですね…。
何がですかー?犯人が1つだけ間違うとは。
まあ人間ですからそういうこともあるんじゃないですか。
いやーこの仕事やっと終われますね。
犯人に会ってみましょうか。
…えっ?ほかは全部調べたんですね?全部調べましたよ。
織田國男署長にー…注目っ!!
(柳副署長)なおれっ!
(柳)周知のとおり織田署長は来月には本庁に戻られます!よって署員一同これまで以上に身辺を正し…。
へぇ〜あの若さで…エリートですね。
そのようですね。
…別にうらやましくないですよ。
我が署の健全さを示せるよう皆さんの協力をお願いします。
いい気なもんですね〜。
人にこんなもの押しつけておいて。
(織田署長)あなたは今月から少年係でしたよね?難しい被疑者が多いと思いますが頑張ってください。
はいっ!では次お願いします。
はいっ!
(二木達郎)あーこれ!電気が点いてるときにチャレンジしたんです。
もう本当にドキドキで。
それはどこですか?どこって…もう裏付けは終わってるんじゃないんですか?一応確認です。
ああ…南安代6丁目の白い家。
確か「鴨下」って表札がかかってました。
どうです?合ってます。
あそこのベランダ隣の塀に登ると簡単に下着が盗れるんですよ。
すばらしい記憶力です。
いや〜それほどでも…。
宝の持ち腐れ!では次お願いします。
はい!あー最後に盗んだ下着ですね。
どちらですか?滝沢4丁目の「メゾン滝沢」。
何号室ですか?105。
確かに以前もそう供述してたみたいだけどねぇ…。
合ってますよね?残念でした。
ハァ?まさか…!そのまさかだよ。
だってコレで捕まったんですよ?間違えるワケないですよ!これだけどっかで万引きでもしたんじゃないのかー?あなた…下着泥棒のプライドがわかってませんね!わかるか!僕が盗むのは女性が身に付けた下着だけです!いばんなよ!僕たち下着泥棒はどこでどんな下着を盗ったか絶対に忘れない!なんでそう言い切れるんだよ?だから言ってるじゃないですか!後で下着を楽しむときに思い出すんですね?…あなたはわかってますね。
何で知ってるんですか?これを盗んだ場所が確かにそこだと証明できますか?できなかったら僕の罪この分軽くなりますか?なんねーよ!下着の現物がありますからね。
まこれをお前が万引きしてしかもその店を忘れたってことで処理されるんだな〜。
僕は万引きなんてみっともないマネしませんっ!!下着泥棒の段階で十分みっともないんだよ!…あそこから盗んだと証明できればいいんですね?できますか?あのアパートの前に24時間営業の本屋があります。
あっそういえばありました。
あの夜はあそこに車が止まってました。
車?はい!で後ろに眼鏡の男が乗ってたんです。
初めはその人眠ってたんです。
だから大丈夫だと思って…。
なのに仕事を済ませて戻ったら…。
その車の男性に…?多分見られました。
じゃあその男性を捜し出せば…。
さ…捜すんですか?この下着の裏付けがとれるかもしれませんねぇ。
お願いです!僕は下着泥棒です!万引きなんてイヤですっ!どっちでもいいよもうっ!
(店長)ああその夜ならよーく覚えてる。
あなたがお店に?そう私1人。
ホント怖かった!怖かった?当たり前でしょう!強盗に遭うなんて思わないもん!強盗…!?えっ…?あの夜ここで強盗が…!?それ訊きに来たんじゃないの…?ええ。
ついでなんですがその強盗のほうを先に聞かせていただけますか?強盗がお金持って逃げてからすぐ110番したわよ。
警察はすぐに来ましたか?思ったよりは早かったわね。
ただパトカーじゃなく普通の車で来たからびっくりしたけど。
…覆面パトカーですかね?
(店長)でも強盗だっていうのにサイレンは鳴らさないし赤ランプは点いてないしどうなってんの最近の警察は?犯人が付近を逃げている場合は警戒させないためにその手のことは一切してないんですよ。
あそうなの。
ふ〜ん…。
じゃああの夜この前に止まってた車ってのは…。
警察車両のようですね。
…変ですよねぇ?変ですねぇ。
覆面パトカーに男が寝てたなんて。
普通では考えられませんねえ…。
あの下着泥棒がいい加減なことを言ったんでしょう。
その先を左折してください。
はい。
えっ…どこへ行くんですか?滝沢署です。
またですかあ?その覆面パトカーに乗ってた男…確かめましょう。
まだやるんですか…?失礼します。
失礼します。
刑事課盗犯係上田巡査部長です。
同じく笠松巡査です。
地域刑事係の佐古巡査部長です。
本部の特命係の方です。
下着泥棒の裏付けをお手伝いしています。
じゃあ今日はその下着泥棒の件で?ええ。
あなた方が逮捕されたそうですね。
何というか…思いがけずでして。
思いがけず?強盗の現場へ行く途中だったんですよ。
不審な人物がいたんでもしかしたらと思いましてね。
じゃあ強盗が入った店に一番に駆けつけた警官っていうのは…?いいえ…それは佐古巡査部長ですよ。
あ…。
まああの夜は車でパトロールしていたときにちょうど現場の近くにいたもんですから。
覆面パトカーでそのまま駆けつけた。
ええ。
実はその車を下着泥棒が見てましてね。
あっそうだったんですか。
後部座席で眼鏡をかけた男性が寝ていたと言ってるんですよ。
それは…変ですよね?
(柳)下着泥棒の見間違いでは?佐古さん。
あなたもそう思われますか?…はい。
そうですか。
お手数ですがその夜の警ら日誌をお借りできますか?
(柳)えっ?これも裏付け捜査の一環でして。
わかりました。
…じゃあお願いします。
では少しお待ちください。
やっぱあの泥棒がいい加減なこと言ったんすよ〜。
彼は下着泥棒としてある種の「誇り」を持ってますよねえ。
「誇り」って言うんですかね?ああいうの。
そんな彼がいい加減なことを言うとは思えないんですよ。
じゃあ…思い違いでしょ。
彼の記憶力は並外れてますよ。
だって…強盗の知らせで来たパトカーに誰かが寝てるなんて変じゃないっすか。
確かにそれは不自然ですねえ…。
でしょう?えー書店強盗の通報があったのが深夜1時34分。
で無線連絡を受けた佐古巡査部長が1時45分に現場に駆けつけてます。
その20分後上田巡査部長笠松巡査2人の刑事が現場に到着。
あ…その途中彼らは下着泥棒を捕まえましたよね?あ…そうでしたね。
逮捕報告書によると逮捕したのは深夜1時55分です。
あ…。
1時55分…狭いなこりゃ…下着ドロ逮捕…はい。
その下着泥棒が書店の前で車を見たとすると…。
まあこの佐古さんが乗ってきた覆面パトカーでしょうけどね。
その車に眼鏡をかけた男性が寝ていた…。
だからそれはあり得ないです!「まぼろしの男」ですねえ…。
じゃ次行きますよ。
書いてください。
…何をですか?「まぼろしの男」。
書くんですか?ええ。
まあ…書けとおっしゃるなら書きますけどね。
えー「まぼろしの男」と…はみ出しちゃっていいですね。
じゃ次行っていいですか?どうぞ。
その後2人の刑事は佐古さんと一緒に強盗犯を捜しますが見つからず署に戻っています。
佐古さんは車でパトロールを再開してますね。
ええ。
それで深夜3時過ぎ泥酔していた赤井という人が交番で保護されそれを佐古さんが引き取っています。
佐古さんは本当によく働きますねえ。
まあー熱心な警官ですよね。
後はもう帰って引き継いでおしまい。
特に変なところもないしこれでこの裏付けあきらめましょうよ。
これ以外は裏取れてんだからいいでしょ?いなかったんですってそんな男。
あるいは…。
いなかったことにしたかった。
…はっ?明日佐古さんに会いに行きましょう。
また…!?亀山君。
ボードを。
裏付け捜査はまだ終わってませんよ。
終わらせましょうよ〜!
(薫)裏付け捜査は終わり?そっ後は滝沢署でやるってさ。
良かった〜!まだすべてが終わってませんが。
向こうも手が空いたみたいでね。
さすがにいつまでも本部に頼んでられることじゃないって思ったんじゃないですか〜?そうそうそう…。
まあそんなワケだから…これ滝沢署のほうへ返してきて。
えっ…!?悪りぃね。
ちょっと…!返すのも俺らっすかー?それじゃ失礼しまーす!
(警官)ご苦労さまでした。
いや〜ハッハッ!これでやっとパンティから解放されますね〜。
もうしばらく色とりどりのパンツは見たくない…。
どうしたんですか?署長室向こうですよ。
地域課?ちょっと行ってみましょうか。
な…何しに…?すみません。
お待たせしました。
えっと…何でしょうか?下着泥棒が逮捕された日ですが佐古さんは本当によく働きましたねぇ。
ええ…まあ忙しかったですね。
1番に本屋さんに駆けつけ強盗捜査を手伝いそして酔って保護された赤井さんを引き取った…。
ええ。
それが?あ…赤井さんを病院に運んだのも佐古さんですねぇ。
(佐古)はい。
救急車は呼ばなかったんですか?赤井さんの様子がおかしくなったのは覆面パトカーに乗せた後だったんで。
なるほど。
それで直接病院へ。
あのー…もうよろしいですか?仕事があるんで。
はいありがとうございました。
あ…最後に1つだけ。
酔った赤井さんを交番から引き取ったのは強盗事件の後だとこの警ら日誌にありますが。
それが?それは間違いありませんか?はい。
そうですか。
何だったんですかさっきの?「さっきの」とは?いや…赤井さんを引き取ったのは強盗の前とか後とか…。
署長室に行きますよ。
へっ?警ら日誌をお返ししないと。
あっそうか。
もうここで結構ですから。
失礼します。
赤井さん。
どうかお力落としのないように。
(赤井の妻)本当にお世話になりました。
どうも。
今日はどうされましたか?こちらをお返しに。
どうもありがとうございました。
では失礼します。
ハハッ…!赤井さん。
…少しお時間をいただけますでしょうか?
(薫)そうですか…ご主人亡くなったんですか…。
ええ…急性アルコール中毒でした…。
それはお気の毒でしたねえ。
でも…酔いつぶれて病院に運び込まれるなんてあの人らしいっていうか…。
すみません…ご迷惑をおかけしたのに…。
別に俺らは何も…。
もう少し早く連れて来てたらって先生にも言われたんですけど…結局病院に着く前に死んじゃって…。
わざわざ運んでくださったこと本当に感謝してます。
…病院に着く前に亡くなったんですか?運ばれてたパトカーの中で…。
じゃあ…佐古さんの車の中で。
それは病院に着くどれぐらい前のことですか?病院に着く…間際だったと。
どなたからお聞きになりました?…はぁ?ご主人が病院に着く間際に亡くなったこと。
もちろん…警察の方から。
失礼ですがご主人の写真お借りできますか?・
(扉の開く音)どうですかその後?ちょっと見てもらいたいものがあるんですが。
こ…この人です!僕が言ってた人…!ではあなたが見た車にいた男というのは?ええ…!この人っ…この人…!そうですか。
本当にいたんだ…。
これで僕があの下着を盗ったこと証明されたワケですよね!?はい。
あなたわかりましたか!?な…何が…?僕は万引きなんかしてませんっ!ああわかったよ…。
僕は下着泥棒ですっ!!わかったっつーの!!よかったぁ…!!よかったね!あ…よくねーよ!真面目になれお前!あの特命の2人が…?さっき留置施設に来たと。
あの下着泥棒に会いにですか?
(柳)だと思います。
…大丈夫ですか?私は来月本庁に戻る予定なんですよ。
(柳)あ…はい。
もう内示も受けてるんです。
(柳)わかってます。
(織田)厄介事は困りますよ。
あの夜本当に奴はあそこで下着を盗んでたんですね。
そのようですねえ。
あ…だったらなんで被害者は盗られてないって…?
(涼子)またこのことですかぁ!?正直にお答えいただけませんか?…すみませんでした!ヘッ!?…じゃコレやっぱりあなたの!?いやじゃなくて…母の…。
はは?…母ァ!?これが…母ァ!?あなたが来てから思い出してそういえばあの夜母が泊まりに来てたな〜って…。
お母さまが干してたんですね?はい母に確認したら…。
私知らなくて…ごめんなさい!これで裏付け捜査はすべて完了しましたね。
…はい!そもそもこれが間違っていたんです。
でもこれ警ら日誌のとおりなんですけどね…。
しかしこのままだとこれの説明がつかない。
そうなんですけどね…。
ではこうしたらどうですか?あの…どうですかって言われても…。
ではこうしたら?あっ…。
そうなんです。
でも…えっ?どうして…?たぶんあの夜佐古さんは交番で保護された赤井さんを引き取り署に戻る途中だった。
しかしそのとき…。
(無線)「警視庁から各局。
滝沢管内書店において強盗容疑事件110番。
近い局どうぞ」付近を走行していた佐古さんは…。
〔こちら滝沢16現場付近〕そのまま事件現場へ向かった。
そのときです。
下着泥棒をしたのは…。
だが彼は強盗事件の連絡で駆けつけた2人の刑事に逮捕されたわけです。
〔何でこんなに早く…?〕
(パトカーのサイレン)その後2人の刑事は佐古さんと合流…。
佐古さんは強盗事件の応援捜査に追われ赤井さんを車に乗せたまま…。
死亡させてしまった…。
そんな…。
これが真相でしょう。
警察が保護した人を警察車両の中で死なせたなんて…。
大問題ですね。
滝沢署はそれを隠すために…。
警ら日誌を偽り赤井さん保護の時間を遅らせた。
病院に向かう途中で死んだことにするために…ですか?所轄ぐるみの隠ぺいですね。
…どうする気ですか?どうするとは?こんなことあぶり出して…。
滝沢署へ行きます。
…怖くないんですか?怖いですよ。
えっ?こんなことが積み重なって警察が信じてもらえなくなるのが…怖いです。
(奥寺美和子)ちょっと薫ちゃん。
テーブルぐらい片づけてくれてもいいでしょ?カオルちゃん!なんでシカトなのよ?なあ…俺が警察をクビになったらどうする?…またそれか。
今度は何したの?これからするんだよ。
え…?それをするとクビになるの?でもしなきゃならないんだ?じゃすればいい。
でクビになればいい。
薫ちゃんぐらい私が食わせてやるわよ!フフッ…バーカ偉そうに…!俺はなぁ…いっぱい食うぞぉ!んー…じゃあいっぱい今のうち食べておくのね。
えっ?言っておくけど稼ぎが半分になったら当然ご飯も半分よ!半分はないでしょ!なんでコレ俺に持たせるの〜?
(宮部たまき)はいお待たせしました。
お茶漬けにしますか?今夜もう飲まないみたいだから。
…はい?明日何か大事なことがあるんですね。
わかりますか?あなたと何年暮らしたと思ってるんですか。
かないませんねぇ…。
わさびは多めにしてください。
わかってます。
覚悟はできてるんですか?警察官ですから。
失礼します。
今度は何ですか?すみません。
間違いがあったものですから。
間違い…?あ…やはり間違えたままですね。
赤井さんが保護されたのは…強盗事件の後ではなく…。
あっちょっと…!強盗事件の前でした。
直しておきました。
…なぜそんなことが言えるんですか?裏付け捜査の結果です。
赤井さんの写真をあの下着泥棒に見せて確認したんですよ。
伝えるべきではありませんか?赤井さんのご遺族に。
ハッ…何をですか?亡くなったのは病院へ運ぶのが遅れたからだと。
そんなこと…!だいたいそんな下着泥棒の言ったこと…。
なぜそこまで隠す必要があるんですか?隠すも隠さないも…!
(織田)国民の安全を守るためです。
署長!すばらしいお考えですね。
そのためにも警察の権威を下げてはならないのです。
だから不祥事をもみ消すんですか!?あなたは…キャリアだとお伺いしましたが?ええ。
ならわかりますよねえ?…わかりますよ。
今の警察が権威を守ろうとするあまり信頼を失っていることが。
このままなら誰も傷つかないんですよ。
ミスをした佐古巡査部長もお亡くなりになった赤井さんも。
そしてあなたも。
でもこれが公になればみんな傷つきます。
どんな言い訳をしたところで…。
(織田)言い訳ではなく…それが真実です。
真実は…あなた方が人を殺したということです。
失礼します。
待ってください!あとひと月無事勤め上げれば署長は…。
あなた方が何をしようと……切られるのはいつも末端なんですよ。
亀山君!…行きましょう。
これで何もなかったことになっちゃうんですか?監察官に言っちゃうぞーっ!!ねぇ!?ムダでしょう。
(中園警視正)本当ですか…!?
(内村警視長)私も今会議で聞いたばかりだ。
(中園)滝沢署はそれを今まで隠してたんですか?暴いたのは特命係らしい。
(中園)特命係!?まったくいろんなことをやってくれる連中だ…。
しかし…今度という今度はとんでもないことを…!いや…チャンスかもしれんな。
(中園)はっ?私はこのことを警察庁に報告しようと思う。
はぁ…。
これで本庁も特命係を放っておかないだろう。
ヒマか?…おはようっす。
あっ…仕事もなければコーヒーもないか。
(角田)じゃ紅茶…紅茶もないか…。
しゃべってもくんないの…?依願退職のはずねえじゃねえかよっ…!!右京さんこれ…!知ってます。
あの署長…佐古さんを切っておしまいにする気ですよ!コーヒー今朝は自販でいいや…。
アッタマきたもうっ…!!さ…佐古さん…!今そっちへ行こうと思ってたんですよ!これがあんたらの正義か…!?えっ…?これがあんたらの正義か…!?確かに赤井さんを死なせたのは俺だよ!でもあの夜は急に強盗の知らせが入って現場では刑事の命令でひと晩中犯人を捜し回ってとても酔っぱらいを気にする余裕なんかなかったんだ…!なのに…それを暴いて得意になっているお前ら何なんだ!?
(右京)佐古さん。
あなたはそれを隠ぺいしましたよね?隠すつもりなんかなかった!上に…命令されたんだ!俺たち組織の人間に…ほかの選択肢があるのかっ!?なのに…俺だけ処分されて…!これじゃ俺はまるで…トカゲのしっぽじゃないか…!!そうかもしれません。
しかししっぽを切ったトカゲも痛みを感じなければ嘘なんです。
あんたらに何ができる…!?あなたには何ができますか?退職させられたあなたにもう誰も命令する人はいないはずです。
今のあなたは自分が何をすべきか自由に選択できるんですよ。
勝手なこと言うんじゃねえ…!本当にこれで良かったんですかね…?では君はどうすれば良かったと?それは…。
あの署長のようにすべてを隠し通せばよかった…そう思いますか?いえ!だけど…。
覚悟はできているか君に訊きましたね?はい。
時に正義というのは…残酷なものなんです。
ですから…覚悟が必要なんです。
(小野田)特命を切れっていう話がうちのほうで出ていてね。
そうですか。
フォローしきれないんだけど。
お願いした覚えはありませんが。
戻さないでください。
ところでおもしろい事実をつかんだようだな。
おもしろいかどうかは…しかし真実には違いないですね。
その真実どうする気かな?気になりますか?うちの連中がね。
マスコミに売ったりはしませんよ。
それは脅しかな?…考え過ぎです。
滝沢署は処分を済ませたみたいだけど。
本気で済んだとお思いですか?言いたいことはわかるけどね…。
でしたら何も申しません。
トカゲのしっぽが増えるだけだよ。
かもしれませんねえ。
俺ならすぐに切ると思ってるのかな?あのとき私を切ったようにですか?覚えてたんだ。
忘れませんよ。
どいて…!どいて…!どいて…!あ右京さん!これこれ…!おはようございます。
あはい…。
あの署長が本庁に戻るどころか地方の小さな署に…!キャリアとしては異例の左遷ですね。
それにあの副署長も同じ署の中で降格ですよ!そのようですね。
だけど何で急にこんな人事…。
彼らもトカゲのしっぽだったということですよ。
お取り込み中か?コーヒーですか?いいんだけど…お客さん1階。
俺に?特命係のお二人に。
…1杯だけ。
ねっ?昨日はすみませんでした。
いえ…。
処分されたみたいですね。
署長と副署長。
…みたいですね。
あなた方が?まさか。
佐古さん。
あの俺…今回のこと…。
今回のこと…すべて話そうと思います。
えっ…?これから亡くなった赤井さんの奥さんに会いに行きます。
彼女をさらに苦しめることになってもですか?それでも…頭を下げようと思います。
どんなに頭を下げでも許してもらえないかもしれませんよ。
わかってます…でも決めましたから。
誰に命令されたわけじゃなく…自分で決めましたから。
…そうですか。
はい…!結局俺たち…。
はい?トカゲのしっぽを切っただけだったんですかねぇ?人の心配をしてるヒマはありませんよ。
えっ…?特命係はますます居心地が悪くなるでしょう。
でしょうね…。
我々もトカゲのしっぽですから。
もっとも切られてもすぐ生えてくればいいんですがね。
2014/10/07(火) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒 〜警視庁ふたりだけの特命係[再][字]
「下着泥棒と生きていた死体」
詳細情報
◇出演者
水谷豊、寺脇康文 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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