NHK高校講座 生物基礎「腎臓のつくりとはたらき」 2014.10.07

(チェシャ猫)消去法の三段論法でした。
生き物の不思議を解き明かす「生物基礎」へようこそ。
体の中の老廃物を尿として排出する腎臓。
腎臓はこのほかにも大切なはたらきをしている。
今日は腎臓のはたらきを徹底解明じゃ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
東京アヴァンギャルド丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森の精のミドリ君です。
カレーについてる福神漬好きなんですけど赤いのより茶色いのが好きらしいですよ。
うまいよね。
よろしくね〜。
よろしくね〜。
今日のテーマは…前回肝臓は体の化学工場といわれている事を学びましたが腎臓はどんな器官なのでしょうか。
それ僕知ってますよ。
おっ。
ああそうそう。
中学で習いました。
うん確かに腎臓はおしっこ尿をつくる所じゃ。
だがそのほかにも……という大切なはたらきをしておるんじゃ。
体内環境の維持…。
前回肝臓のところでもそんな事言ってましたよね。
腎臓は尿をつくるとともに……という大切なはたらきをしています。
これが腎臓の行う体内環境の維持です。
体液の濃度を一定に?どういう事ですか?では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸マルタ)「尿をつくるだけではない腎臓のはたらき」。
腎臓は尿をつくるだけではなく体内環境を一定に保つなど恒常性に役立っています。
ではまず腎臓の構造から見ていきましょう。
では始めよう。
えっ腎臓の場所ですか?どこだろう?えっ?えっ?
(マルタ)「僕の背中を見てごらん」。
えっ背中?よいしょ。
じゃあ見せてね。
背中?お〜!これが腎臓?
(マルタ)「そのとおり」…その腎臓をここに用意しました。
(丸マルタ)え〜!と言ってもヒトの腎臓ではなく…
(丸)あぁブタの腎臓ね。
(マルタ)てっきりミドリ君のかと…。
ではこれをよく見てみましょう。
管が3本出ています。
これが…こっちが…そしてもう一本あるのが…ではこちらを見て下さい。
今ブタの腎臓で見たようにヒトの腎臓にも3本の管がつながっています。
この腎動脈から腎臓に汚れた血液が入りこちらの腎静脈からきれいになって出ていきます。
この時腎臓で血液の中の老廃物が尿として取り出されるんです。
そしてその尿は輸尿管を通ってぼうこうに運ばれます。
(マルタ)それがおしっこですね?はいそうです。
でもさぁ…どうなってるんだろう?ミドリ君教えて。
(マルタ)「ではVTRをご覧下さい」。
え…。
ブタの腎臓を切って内部を見てみよう。
色の違いから3つの部分に分かれているのが分かる。
一番外側の部分を皮質その内側の赤くなっている所を髄質一番内側の白く見える所を腎うという。
3つに分かれてるのは分かったんだけどおしっこができる仕組みは全然分かんなかったよ。
「それを知るためには腎動脈から入った血液がまずどこに行くかを調べればよいんじゃないかな?」。
あ〜なるほど。
で腎動脈から入った血液はまずどこに行くのかな?
(マルタ)「それではVTRをご覧下さい」。
あ…どうぞ。
腎動脈からの血液はどこに行くのだろう。
ブタの腎動脈に墨汁を流し込んでみると腎臓の表面の一部が黒くなった。
切って中を開くと皮質の部分に小さな黒い斑点がたくさん見える。
腎動脈の血液はまず皮質に行く事が分かりましたね。
はい。
墨汁が黒い斑点になってたんですけどあれはどういう事なんですか?そうですよね。
では実験の続きを見てみましょう。
黒い斑点の辺りを拡大してみると…。
血管が枝分かれして黒い点につながっているのが分かる。
この黒い点は…細い血管が糸玉のように丸まったものである。
細い血管が糸玉のように丸くなってる糸球体。
…ありそうな気が。
うん。
おしっこだけに…はいマルタさん大正解です。
(マルタ)やった〜!糸球体は尿をつくるのに重要な役割を果たしています。
(マルタ)あぁやっぱり。
この糸球体というのは皮質にあります。
これを大きくしてみましょう。
ここにある小さいのが糸球体です。
そしてこの糸球体を取り囲んでいる袋のようなものをボーマンのう更にボーマンのうにつながっているこの細長い管を細尿管といいます。
(マルタ)はぁ。
糸球体ボーマンのう細尿管。
そしてこの3つでできているこの部分をネフロンまたは腎単位といいます。
あ〜台所で着けるやつだ。
それエプロンだね。
エプロンではなくこのネフロンこそが腎臓の中で重要なはたらきをしている部分なんです。
腎臓のはたらきというのは主にネフロンのはたらきという事ができるんですがそれはこのように2つに分ける事ができます。
(丸)「糸球体でろ過」。
(マルタ)「細尿管で再吸収」。
まず糸球体でろ過ですが。
ここでは腎動脈から流れてきた血液が糸球体からボーマンのうの方にろ過されそして細尿管へ流れていきます。
この時血液の中の…それ以外の液体成分の大半がろ過されます。
こうしてできたものを原尿といいます。
(丸)糸球体でろ過されて原尿ができる…ですね?はい。
そしてもう一つのはたらきは再吸収です。
糸球体でろ過されてできるのが原尿ですがこの原尿は細尿管の周りの毛細血管に再び吸収されます。
これを再吸収といいます。
そして再吸収された残りが尿として捨てられるんです。
(丸)原尿が再吸収されて…。
(マルタ)残ったのが尿?
(丸マルタ)どういう事?再吸収というのは原尿に含まれている物質のうち……はたらきなんです。
では……を見ていきましょう。
はい。
…って事ですよね?あ〜じゃあ丸は再吸収されないね。
お〜い!そうかもしれませんね。
お〜い。
ではこの図を見て下さい。
これは糸球体ボーマンのうそして細尿管を模式的に描いた図です。
そしてこの3つは腎動脈の血液に含まれるタンパク質グルコース老廃物を表しています。
今からこれを使ってタンパク質グルコース老廃物が糸球体でろ過されたり細尿管で再吸収されたりする様子を見ていきましょう。
(丸マルタ)はい。
ではまずタンパク質です。
(丸)タンパク質これですね。
タンパク質はとても大きな分子です。
丸君…タンパク質はこのように流れていって糸球体までやって来ます。
でやって来て…やって来てね…。
ああそうか。
タンパク質は分子が大きいのでろ過されずにそのまま流れていく…ですよね?はいそのとおりです。
では次はグルコースです。
グルコースは糸球体までやって来て…。
糸球体からボーマンのうの方に通り抜けます。
そうなんですね。
グルコースはろ過。
はいそうです。
次は老廃物です。
これも分子は小さいのですがどうでしょう。
(丸)じゃあもうこれはろ過されますね…はい。
はいそうですね。
という事でタンパク質はろ過されませんがグルコースと老廃物はろ過されて細尿管までやって来ました。
(マルタ)ああ。
そしたら次はいよいよ再吸収ですね。
はいそうですよね。
ではまず老廃物ですが…そうですよね…という事はそのままおしっこになる。
はいそうです。
では次……だから捨てる訳にはいきませんよね。
はいそのとおりです。
実は細尿管には…
(マルタ)えっグルコースを再吸収するポンプ?
(丸)そんな便利なものがあるんですね。
グルコースはこのポンプによって再吸収され血管の中を流れていきます。
(丸)へぇ〜。
(マルタ)う〜んなるほど。
でここにあるタンパク質はこのまま血管を流れていくんですよね?はいそのとおりです。
(マルタ)体に必要な…
(マルタ)…という事ですね?はい。
よく分かりました!おっほん!もし暑い日に外で動き回って汗をいっぱいかいたら血液などの体液の濃度はどうなるかな?え〜?それは体の水分が減るから体液の…そのとおりじゃ。
そこで…なるほどそれが…でも…それは…えっ水の再吸収で…。
体液の濃度を一定に?はいこちらを見て下さい。
原尿が再吸収された残りが尿ですがその量は原尿は1日におよそ170Lもできますが尿はというとたった…
(丸)えっ!?170Lが1〜2Lですか?
(マルタ)っていう事はほとんど再吸収されてるんですね。
はいそうなんです。
この多量に再吸収されるもののほとんどは水です。
実は…うん?どういう事?もし水を再吸収しないで全部尿として捨ててしまったら…
(丸)それは体の中の水が減るから体液は…そうですよね。
ですから…ふ〜ん。
なるほど。
でも…う〜んそれは先生に聞いてみましょう。
先生こんにちは。
(奥脇)八田さんこんにちは。
どうぞ。
どうもありがとうございます。
今日は腎臓のろ過と再吸収について学習していますが何か分からない事がありますか?はいその再吸収なんですが…ではこの図を使って説明していきましょう。
はい。
腎臓は水の再吸収によって体液の濃度を一定に保つはたらきをしています。
実はここにはバソプレシンというホルモンが関係しています。
バソプレシン…。
はい。
汗をかくなどして体液の濃度が濃くなると脳がそれを感じて脳下垂体からバソプレシンを分泌する量を増やします。
すると腎臓は水の再吸収の量を多くします。
それによって…なるほど。
逆に水を飲むなどして体液の濃度が薄くなると脳がそれを感じてバソプレシンの分泌の量を減らします。
すると腎臓は水の再吸収の量を減らします。
そして…なるほど。
体液が濃くなるとバソプレシンが増えて水の再吸収の量が増える。
そして体液が薄くなればバソプレシンが減って水の再吸収の量が減る。
これによって体液の濃度が一定に保たれているんですね。
そのとおりですね。
こうやって…では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら…
(丸マルタ)「腎臓のしごとはろ過と再吸収」腎臓は血液のろ過と再吸収を行って尿をつくるとともに体液の濃度を一定に保つという大切な役割をしている器官です。
ふ〜ん。
要するに出したり戻したりしてバランスをとってるっていう事だね。
あぁ〜あぁ〜あ〜。
どうしたの?僕の腎臓で血液のろ過と再吸収が行われてるみたい。
ん?あ〜!漏れそうって事ね。
うん。
あぁ…トイレ!行ってらっしゃ〜い。
バイバ〜イ。
2014/10/07(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「腎臓のつくりとはたらき」[字]

生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。

詳細情報
番組内容
腎臓に入った血液は、糸球体からボーマンのうに、ろ過されて原尿がこしだされます。原尿に含まれるグルコースや水などの必要な物質は、細尿管において再吸収され、残った老廃物が尿として排出されます。腎臓は再吸収される水の量を変化させることによって、体液の濃度を一定に保つはたらきをしています。 【出演】八田亜矢子、東京アヴァンギャルド【講師】奧脇 亮
出演者
【解説】開成学園中学高等学校教諭…奥脇亮,【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【語り】増谷康紀

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趣味/教育 – 中学生・高校生
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バラエティ – その他

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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