僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた
「それ」とはゆがみのない真理
明快で合理的な思考
考えを伝えるための強力な武器
今こそ手に入れよう
（礼央）ちょっと待って。
このせりふ何かおかしい。
（杏奈）カット！
（カチンコの音）礼央勝手に止めないで。
監督は私よ。
監督が君だろうが誰だろうがおかしいものはおかしいよ。
変だよ。
おかしくない。
この主人公は彼女にとても嫌われているの。
（溝口）どうしたの？杏奈。
溝口先生。
礼央が私の書いたせりふをおかしいって言うの。
そう。
ではおかしいのかどうか検証してみましょう。
第１話
（創作ダンス部顧問）ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト。
ワンツースリーフォーファイブシックス…。
あなたが書いたあのせりふは三段論法という推論方法の一つなの。
結論って自分が最終的に言いたい事？そう。
例えばこんな文章。
ロールキャメラ！レディー。
アクション！当たり前。
そうね当たり前ね。
正しい三段論法は非の打ちどころがないくらい当たり前なの。
そうか。
当たり前だからこそ説得力がある。
カット！
（カチンコの音）この三段論法では結論を正しく導くために一段目で全体の事を言ってから二段目で一部の事を言いそして三段目で結論を述べるという推論を行っているの。
この文章では一段目で「鳥は卵を産む」と鳥全体の事を言ってから二段目で「ペンギンは鳥」とペンギンが鳥の一部である事を言っている。
そして三段目で「だからペンギンは卵を産む」と全体に当てはまる事は一部にも当てはまる事を示しているの。
そうか。
そう。
分かってきたわ。
じゃあこの文章はどうかしら。
あれ？何か変ね。
そう。
変なの。
どこがどう変なのか見ていきましょう。
ロールキャメラ！レディー…アクション！
ペンギンは鳥
ペンギンっていう鳥の一部の話から始めてしまっている。
だけどまだ別に間違った事は言っていない。
だから鳥は空を飛べない
鳥って大抵は飛ぶ事ができるのに…。
この結論は間違ってる。
カット！
（カチンコの音）この文章ではペンギンという小さな一部から始めて鳥という大きな全体の事を言ってしまったから結論を間違ってしまった。
「ペンギンは鳥である」「ペンギンは飛べない」という文自体は正しかったからだまされそうになったわ。
部分から全体を判断すると間違った事を結論する可能性がある。
前提と結論が飛躍して間違う危険性がある。
杏奈あなたが書いたせりふはどう？女子全体ではなくて私という一部から話が始まってしまっている。
そうねそこまで分かったのならつらいでしょうけど検証してみましょう。
マリーお願い。
（マリー）は〜い。
杏奈。
ロールキャメラ！レディー…アクション！
（マリー）私は女子。
（マリー）だから女子はあなたが嫌いなの。
「私」という一部の事から女子全体を結論づけようとして意見が飛躍してしまった。
カット！
（カチンコの音）女子みんながこの男子を嫌いな訳ではないという事か。
私は好き！…って思ってる人がいるかもしれない。
私少しムキになっていたみたい。
なかなか自分の意見って変えにくい。
そう。
思い込んでしまう。
三段論法なかなか面白かった。
これからシナリオ書くのに使えそう。
でも…これって何？論理よ。
論理。
三段論法は論理展開の基本よ。
それは間違いね。
結論は正しいけど。
最初の前提が間違っているわね。
そう？そう。
「ロンリのちから」。
（アリス）ねえ「不思議の国のアリス」を書いたルイス・キャロルって人は論理学者でもあったって知ってた？
（ウサギ）そうか。
だからわざと非論理的にしたりして論理で遊びまくってる訳だ。
非論理的といえばチェシャ猫よね。
だよね。
・ところで今日やった三段論法ってほかにも種類があるって知ってるかい？
（ウサギアリス）わあびっくりした。
何だよ急に。
（チェシャ猫）例えばこんなの。
「消去法」。
昨日の夜帽子屋かウサギに会ったわ。
でも暗くてよく分からなかったの。
紅茶の匂いはしたかい？いいえしなかったわ。
それは帽子屋ではないね。
彼はいつも紅茶を飲んでいるから。
という事は私が会ったのはウサギね。
（チェシャ猫）消去法の三段論法でした。
2014/10/07(火) 14:30〜14:40
ＮＨＫＥテレ１大阪
ロンリのちから「三段論法」[字]
論理的思考力を養う番組です。毎回、簡単な例文を題材に、論理的に考えるとはどういうことかを学んでいきます。第１回目のテーマは「三段論法」です。
詳細情報
番組内容
「ペンギンは飛べない。ペンギンは鳥。だから鳥は飛べない。」…おかしいですよね。でもどこがおかしいか説明できますか？ 「ロンリのちから」の第１回目は、三段論法についてわかりやすく説明します。【出演】緒川たまき、大場はるか、山崎紘菜、植田慎一郎
出演者
【出演】緒川たまき，山崎紘菜，大場はるか，植田慎一郎
ジャンル :
趣味／教育 – 中学生・高校生
趣味／教育 – 生涯教育・資格
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
サンプリングレート : 48kHz
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