(3人)こんにちは。
中江有里です。
今日は論ずる事がテーマなんですけれども論ずるといわれてもなかなか難しいですよね。
かもめんたるです。
そうですね論ずるっていうのは普通に話すよりも難しい感じがしますね。
「論」が付くだけで難しい感じがしますよね。
確かに論ずるっていうのはね説明するだけではなくて自分の考えを主張するという点が加わりますからね。
自分の考え…う〜ん。
やっぱり「男だったら一生に一度は女装してみるべき」とかそういう事ですかね。
え?却下!何よ却下って。
論ずるまでもない。
それでは今日の演習です。
社会に出るといろいろな場面で自分の意見を述べる必要が出てきます。
今日は…裁判。
う〜んそれがね意外と身近かもしれないんですね。
それは裁判員制度が出来たからですよね。
そのとおりです。
裁判員制度では義務教育を受けた国民なら誰でもなる可能性があるんです。
みんなもなるかもしれないのよ裁判員に。
(秀太朗)誰でもですか?そうです。
今日はね裁判風の状況を作って論じるという実践をしましょう。
(岩崎)みんなには検察官や弁護人裁判員を演じてもらいます。
その中で論じるという事を考えていこうという訳です。
面白そうですね。
うん面白そうですよね。
裁判で取り上げる事件ですがこれから架空の事件の映像を見てもらいます。
会社の控え室に置いてあった…その時間に出入りした従業員は3人。
疑われたのはAさんです。
その理由はまずAさんがいた…それ以後は2人がいました。
現金の入った封筒と…Aさんはその晩に…問題を起こしています。
でもAさんは自分ではないと言っています。
もしこのような事件があって疑われている人がいたら何をどのように論じていけばいいのかを考えていきます。
まず検察チームと弁護チームそして裁判員チームに分かれました。
岩崎さんと圭祐君茉愛羅さんは…Aが犯人ですよ。
顔で分かります。
槙尾さんかなみん秀太朗君の…確かに怪しいかもしれないけどまだ犯人とは言い切れないわよ。
そして私と理乃さん優津季さんは…絶対刑務所に送るぞ。
頑張って弁護しようね。
ではここでAさんの証言を聞いてみましょう。
いや誰にも会わなかったですね。
でも一回トイレに行ったんでその時に誰かが入ったんじゃないですか?はいきっとそうだと思います。
いや〜覚えてないですけどあれ会社の封筒ですよね。
みんな使ってんじゃないですか?いや…まああれはうそなんですよね。
日頃お世話になってるんでごちそうしてあげたいなと思ったんですけどまあみんなおごりって言うと嫌がるじゃないですか。
だから臨時収入って事にしたんです。
お金はやりくりしてためたやつですね。
いや借りてるだけ…ちょっと借りてるだけですよ。
まあみんなちょっと大ごとにし過ぎですよね。
お金なんかそういうのは全部絶対返しますよちゃんと。
本当に。
どうでしょうか。
Aさんの証言を聞いて検察チーム弁護チームそれぞれで論点を話し合って下さい。
裁判員チームはどこがポイントになるのかを話し合いましょう。
(生徒一同)はい。
検察チームはAさんが有罪だという証拠を探します。
まず一番は…。
(圭祐)まず一番はやっぱり3時から3時半にAさんしかいなかった…。
ポイントはお金がなくなった時間にAさんしかいなかった事。
だらしないっていう印象を持たれてる人がこんなに気を遣うかっていう…。
Aさんのだらしない性格も指摘されました。
(茉愛羅)ちょっと借りてるだけのつもりでお金を盗んでしまったのではないか。
対する弁護チームは反論できるポイントを探します。
まずAさんがトイレに行った事を指摘。
ほかにも弁護できる証拠がありそうですね。
裁判員チームは論点を整理します。
(理乃)無断で他人のものを使う…ふだんから。
みんなに言われてるから。
臨時収入の件はどうかな。
そんないい人なのかなあ。
さっきの証言からすると?
(優津季)それだけ聞いたらただの優しい人みたい…。
この模擬裁判どこが論ずる上でのポイントになるのでしょうか。
それでは始めます。
岩崎さんの検察チームからAさんが盗んだという事を立証して下さい。
この事件に関してAさんは犯人だと私たちは思います。
3時から3時半の間にAさんは一人だったという事でその間に5万円を盗み封筒から5万円を引き出してその封筒をゴミ箱に捨てたと考えられます。
はい。
急に日本語下手な人になっちゃったんだね。
(茉愛羅)すいません。
そこも怪しいです。
そうじゃなくて…え〜っと…。
ふだんから人のものを無断で借りたりとそういうルーズな人が何でいきなりおごったのを臨時収入が入ったって言って気遣いをするのかっていう事を言いたかったんです。
(茉愛羅)はい。
よってAさんは犯人です。
これで立証を終わります。
お前はクビだ!今度は槙尾さんの弁護チームです。
Aさんが盗んだ事を否定するよう論じて下さい。
(佳波)私たち弁護チームはAさんは犯人じゃないと思います。
まず3時から3時半の間Aさんが一人でいたという事ですがそれに関してはAさんが一度トイレに行った時間があると証言しています。
…となるとトイレに行っている間に誰かが部屋の中にやって来てお金を盗んだ可能性があるという事を否定できません。
また封筒がAさんのゴミ箱の中に入っていたという事ですけどそれに関してはAさんがその封筒は会社の封筒なのでお金が入っていた封筒とは別の封筒を捨てたという可能性も否めません。
あとは…何だろう。
性格についての事なんですけどルーズだとか何だとかっていうのは結局彼の性格な訳で論じたところで直接的な証拠にはなりえない。
だからとったというふうには言えないと思います。
以上の事からAさんは犯人じゃないと思います。
OKいいよいいよ。
よくやった。
検察弁護それぞれの主張をどう判断するのでしょう?
(宏紀)言葉の…。
(一同)言葉のプロに聞いてみよう。
国民が刑事裁判に参加する裁判員制度の導入にも携わりました。
裁判員制度が始まってやっぱり法律について詳しくない専門家でないっていう部分でちょっと躊躇するっていう気持ちもあると思うんですけどその辺りはどうなんでしょうか。
ちょっとほっとします。
はい。
どうか安心してですね裁判員裁判に参加して頂けたらというふうに思っています。
どういったものが求められるんだろう。
必要な能力みたいなものって何かあるのかなと思ったんですけど…。
…というふうにお考えの方々も多いと思います。
まず第一のポイントは…そうですね。
はい。
例えばですね…こういった証拠に基づいた意見というのを述べて頂く必要があるという事になります。
う〜んなるほど。
やはり根拠証拠…イコール証拠な訳ですね。
はい。
架空の事件の模擬裁判です。
疑われている人の証言を基に検察弁護それぞれのチームが論点をまとめ主張を述べました。
いよいよ私たちの出番ですね。
それでは検察側弁護側の主張を裁判員チームで判断していきます。
2人で話し合って下さい。
裁判員チームは検察弁護双方の主張を整理して論点をまとめていきます。
ポイントとなるのは盗まれた時にAさんがいたのか。
封筒はどうしたのか。
性格は影響するのかどうかなどです。
検察弁護どちらの主張が支持されるでしょう?講師の石垣先生です。
よろしくお願い致します。
今日は裁判風のシチュエーションで論じてもらったんですけどいかがでしたか?実際の裁判とはちょっと違うんですけれども論じる事のよい経験になったのではないかと思います。
今回の演習で考えてもらいたいのは……という事に気付いてもらいたいと思っています。
裁判員の2人はどんな点に注意して双方の主張を判断すればよいんでしょうか。
今回の演習の事件は有罪とも無罪とも取れるようになっているんですね。
ですから…2人はきちんと判断できるんでしょうか。
ちょっと心配です。
それでは裁判員チームの結論を発表します。
う〜んどきどきしますね。
ここでサプライズゲスト被告人Aさん登場です。
(生徒一同)えっ?わ〜!
(拍手)どうも。
(槙尾)すごい。
本物だ。
結構明るい。
危ないやつが入ってきた。
危ないやつじゃないですよ。
じゃあ被告人Aさんも登場したところでではお願い致します。
結果は…
(岩崎槙尾)えっ!?そんなのあり?引き分け聞いた事ないよ。
はい理由を。
では理由を…。
理由は弁護側の方が説得力がすごくあったんですけど実際にこういうふうにホワイトボードに書いてみたら2つとも同じぐらいだったので今回は引き分けです。
はい。
ですが…Aさんは…
(岩崎)え?何何?そうなんです。
これはですね「疑わしきは罰せず」という刑事裁判の原則がありますのでこうやって証拠を並べてみて引き分けとなったところでという事はやっぱり罰してはいけないんですよね。
という事です。
最初は絶対これは不利だなと思ったんですけどちゃんと自分の考えを理論立てて発言できてたと思います。
やっぱり僕も「疑わしきは罰せず」っていうのちょっと聞いた事あったんで負けるなとは思いました。
という訳でこれにて閉廷します。
ありますよね。
(2人)あります。
それでは書いて頂きます。
書きま〜す。
(2人)挨拶。
はい今日の演習どうでしたでしょうか。
じゃあ圭祐君。
はい。
感覚的に何かこの人怪しいなとか性格的にどうなのかなみたいな部分はあったんですけどそれをきちんと証拠として説明していくっていう事の難しさを感じました。
確かにそうですよね。
どっちとも取れますもんね。
じゃあかもめんたるの2人いかがでしたか?はいもう絶対勝てると思ったんですけども引き分けですごく残念でした。
残念でした。
はい。
僕も何か今までやっぱり拳で何でも解決してきてたっていう部分もあったんで…。
そんな事ないでしょ。
これからは今日やった事で誰にも口げんかで負けないように頑張りたいと思います。
口げんかとかじゃないけどね。
それでは例のものをお願い致します。
それでは失礼して…。
これでみんなも論ずる事の達人じゃ〜!じゃ〜。
じゃ〜。
バイバ〜イ。
(生徒一同)バイバ〜イ。
僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた
2014/10/07(火) 14:10〜14:30
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 国語表現「論ずることの実際」[字]
読む、書く、聞く、話す。あらゆる教科で必要な表現の基礎力を養います。ユニークな演習や様々な分野で活躍する表現の達人へのインタビューで、表現のコツを学びます。
詳細情報
番組内容
「論ずる」とはどういうことだろうか。ただ思いついた意見をいうだけでは論じたことにならない。自分の意見を主張し、その主張を導き出すための根拠を提示し、さらにその根拠を裏付ける事実を明らかにすることで、はじめて「論」が成立する。模擬裁判で論ずることの実際を学ぶ。【ゲスト】平木正洋(東京地方裁判所裁判官)【講師】石垣明子(つくば国際大学)
出演者
【講師】つくば国際大学教授…石垣明子,【ゲスト】東京地方裁判所判事…平木正洋,【出演】中嶋理乃,モーガン茉愛羅,佐藤優津季,薗佳波,斉藤圭祐,吉田秀太郎,【司会】中江有里,かもめんたる【語り】田中杏沙
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趣味/教育 – 中学生・高校生
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