独自の走行テストで例え悪い結果が出たとしても、それを包み隠さず報道することで有名なスウェーデンの自動車雑誌『テクニッケンワールド』。以前にはポルシェ「マカン」のエルク・テストで同車を酷評し、数年前にはジープ「グランドチェロキー」の評価をめぐり、ジープとの間で長期に渡る論争を巻き起こしたこともある。そんな同誌が次の槍玉に挙げたのが、2015年モデルのホンダ「CR-V」だ。
雪国のスウェーデンでは、滑りやすい路面でも車体をコントロールできるかが、クルマ選びの重要なポイントとなっている。そこで『テクニッケンワールド』は、グリップの低い状況下でCR-Vの4輪駆動システム(AWD)をテスト。坂道で前輪をローラーに乗せグリップのない状態にし、後輪にトルクが伝わるかをチェックした。しかし結果は前輪が空転するだけで後輪は駆動せず、最後は後退してしまったという。実は、同誌は昨年にもCR-VのAWDをテストしており、その時もAWDシステムがうまく機能しないことが明らかになり、ホンダの現地法人がソフトウェアのアップデートを行ったという経緯がある。同誌は新モデルでまた同じ問題が起きたと指摘した。
これを受けてホンダ側は『テクニッケンワールド』に対し、CR-VのAWDシステムは機能しており、同誌の行ったテストは実際の状況を再現したものではないため公平さに欠けると反論。同社によれば、「実際の状況では、路面の状態にかかわらず、常に前輪と後輪の両方に一定の摩擦抵抗がかかっているはず」とのことで、「今回のようなローラーテストのように、前輪と後輪に極端なグリップの差が生まれることは現実にはほとんどない」とコメントしている。しかし、『テクニッケンワールド』は、「テストは昨年も行っており、そのときはホンダも(このテスト内容を)認めている」と反論し、さらに「このテスト方法は非常に現実的であり、スバルなどいくつかの自動車メーカーに採用されているものである」と加えている。
それでは、早速ビデオでテストの様子をチェックしてみよう。『テクニッケンワールド』誌が行ったAWDシステムのテストが公平だと思うかどうか、あなたの意見を聞かせてほしい。
By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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