太陽を抱く月(13)「ただひとつの望み」 2014.10.05

王様が何と言われようと私は王様の妃です。
そうだな。
余の心が得られないのであればせめて次期王の母にはなりたいはず。
よかろう。
ならば王妃のために結びひもをほどこう。
なぜこんなひどい扱いを?私も女ですのに…。
外戚としてでなく夫に愛されたいと願う一人の女として見てはくれないのですか?
(うめき声)この期に及んで仮病など…。
また振り出しに戻すおつもりですか?王様?王様…王様。
王様王様。
誰か…誰かおらぬか!王様!王様!
(女官長)王様!お気を確かに!王様!チョ尚宮は急いで主治医を!
(チョ尚宮)はい。
(女官長)王様!
(ユン・ボギョン)王様…。
(女官長)王様お気を確かに!
(ヨヌ)ありがとうございます。
(陽明君)それはどういう意味だ?一介の巫女を人として見てくださったうえ一人の女としてお心まで傾けてくださった…。
心から感謝します。
巫女ゆえのわびしい日々の暮らしや心苦しさから逃がしてくださるというそんなお言葉も本当にうれしゅうございました。
俺はそんな礼を聞きたくて言ったのではないぞ。
ですが感謝の気持ちを偽りの言葉でお伝えするわけにはいきません。
私を不憫に思ってくださった…そのお心だけありがたく頂戴します。
それは…すでに思う相手がいるからか?巫女の私に恋心などあるはずございません。
そなたも人の子ではないか。
巫女はただ神を迎え入れるための器。
神以外のものを受け入れてはならぬ身なのです。
ならお前の心は何人にも傾かないというのか?
(チャンシル)おねえちゃん!おねえちゃん大変!王様がお倒れになったって。
おねえちゃんにすぐ王宮殿へ来いって!心の声神を迎え入れるための器…。
神以外のものを受け入れてはならぬ身だというなら心は見透かされないようにしておけ。

(鐘の音)
(鐘の音)
(鐘の音)心配してくれたのか?とても心配しました。
何をそんなに心配したのだ?すべて…何もかも心配でございました。
私が他の女人を抱きやしないか心配だったのであろう?私ごときがそんな…。
夜が明けるまで離れないで居てくれるか?お前がそばに居てくれたらぐっすりと眠れるような気がする。
ご命令ならばそのように致します。

(都事)早く正直に答えぬか!営みの日を早めるにあたり問題があったのではないか!?
(ナ・デギル)めっそうもない!日取りの決定に間違いはありません。
あっ…もしや主治医様が何か見落とされたのではあるまいか。
(主治医)何だ!おぬし誰に向かって…私を陥れる気か!?命をかけて断言するが王様のお体には悪いところは無かった。
営みの日取りに問題は無くお加減もよろしかったならばどうしてかように突然倒れられたのだ!?
(ムン・ジバン)それが分からぬから我々も困っておるのです!
(オ・ヘソン)そういえば昨日の夜にわかに怪しい気が…。
怪しいとは…何がだ!?それが…。
あれは確か…戌の刻のころ突然天の気が乱れ何やら宮殿を乱すような気配を感じたのです。
穏やかだった天の気が一瞬のうちに乱れそれまでお元気であられた王様が急に気を失われたというならひょっとして…。
畏れ多い事だがそれがまことなら王様を狙って誰かが呪いをかけたに違いない!
(大王大妃)さぞや驚いた事でしょう。
一晩でそんなにやつれた顔になって…。
私はお二方に面目ない思いでいっぱいです。
どうかお許しにならないでください。
何故そのように…どうしてそなたのせいなのですか?いいのです母上様。
すべてはこの私のせいなのです。
あの事を申し上げてさえいれば…。
それは何の事ですか?実は…。
お二方にご心配をおかけすまいと黙っていたのですが営みの日の前日不吉な夢を見たのでございます。
それはどのような夢を?白装束の若い女が現れ私に言ったのです。
「これから王様の寝所をお守りするのは自分だ。
お前は一生世継ぎを産む事はできないだろう」と。
どうしてまた…そのような夢を?口にするのもつらいのですが厄受けの巫女という者が神力で王様を惑わし身に余る寵愛を受けているという噂のせいではないかと。
(大妃ハン氏)その事なら気に病むなと申したでしょうに。
王様はその巫女の存在すら知らないはずです。
おそれながら申し上げます。
王様は寝所にその厄受けの巫女が出入りしている事をとうにご存じでございます。
(ユン・スチャン)厄を代わりに受ける巫女だと?いや〜まさかそんな殊勝な巫女がいたとはな。
ハハハもっと早く知ってたら我もそばに置いたものを。
(ハン・ジェギル)また…奥方が黙っていませんぞ。
そんな事してばれたら戸曹判書殿は生涯厄年ですな。
それでその厄受けの巫女が王様に呪いをかけたとなぜ分かった?あ〜でっちあげ。
さらば実際は誰の仕業なのだ?
(ユン・デヒョン)事実はさほど大事にあらず。
すでに起きた事をいかに利用するかそれが肝要であろう。
(シム・サン)厄受けの巫女は本来王様が寝ている間に人知れず出入りするものですがその存在を王様が知った後もそばに置いていたとなると学士たちはきっと…。
もちろん黙っていないだろう。
しかし王様がこの事実を素直に認めるとは思えないがな。
どのみち困りは致しません。
王様がすんなり認めればこの先は気兼ねする事なく我らの思いどおりにできましょう。
うん。
逆に最後まで認めずとも巫女を寝所に置いた事は知られるところとなり王様は取り返しがつかない汚点を残す事になるのです。
なるほどそいつはいいわ!とにかく容赦なく泥水を浴びせた後は高みの見物ハハハ!それそれそれそれそれこそ政治のだいご味だ!まあまあ待たれい。
では話を整理しよう。
こうだな。
まず王様が寝所に上がった巫女に心を寄せた。
そしてそんな王様にほれた巫女が営みを邪魔すべく呪いをかけた。
これでつじつまに無理はなかろう。
見かけによらず…いやさすがよく回る頭を持っておるのうハハハ。
それでは何から始めますか?領議政様。
初めにその巫女に教えねばな。
尋問を受けた時に述べる正しい答えを。
でも不思議よね?王妃様と一緒だとなぜ騒ぎになるのか。
知らなかった?王様は初恋の人を忘れられないって話。
だから営みも避けてるって。
たとえそうだとしても宮中で華やかな生活を送っている王様が8年も貞操を守ってるなんて絶対ありえないでしょ?あの噂は本当みたいよ。
どんな噂?実は王様が営みを拒んでるんじゃなくて亡くなった世子嬪様の怨霊が邪魔してるらしいの。
まさか〜。
今でも静まりかえった夜に当時いらした隠月閣から幽霊の泣き声が聞こえてくるって。
それがホ・ヨンジェの娘だっていうの?何がそんなに恨めしいのよ?そんな事までは分からないけど世子嬪様は元気だったのに突然亡くなったから毒を盛られたんだとかしばらくは噂が絶えなかったみたい。
(ホン・ギュテ)という事は外傷は見られなかったんだな?
(医者)そのとおり。
毒殺の痕跡は?こら!そんなものも無かった。
ならどのような症状だったか覚えておられるか?あれは妙だった。
脈も五臓六腑もいたって正常でな。
医者になって30年あんな症状は初めてだったからよく覚えとるよ。
ところでおぬし本当に親族の者なのか?え…はい。
いや〜それもまた妙じゃのう。
あの家の者は皆美男美女のはずなのに…。
それで他に覚えてる事は?これといって無いがご両親の姿はいまだ目に焼き付いとるよ。
奥方様に呼ばれて駆けつけるともうお嬢様は亡くなっておられたのに脈を診てくれとどれほど泣いてせがまれたか。
ご主人である大提学様もずっとご息女を抱いておられたのだろう。
亡くなってだいぶたってもお嬢様は生きているように温かかった。
今でも胸が張り裂けそうになる。
あれはつらかった。

(ミナ王女)出てこられたついでに健康にいいお薬をお母様のためにこしらえてもらいましょう。
それでしたら王女様が先に診てもらってください。
効果があればヨムにそっくりな孫を見る事ができます。
そのようなお薬ならもちろん100回でも頂きます。
たとえどんなに苦くても私頑張ってのみます。
のう…あれはここでも扱っておるか?「あれ」と申しますと?シッ。
何も言わず聞くのじゃ。
殿方の精力を盛んにするお薬があるそうではないか。
あ〜ええ…ございます。
お代はたんと弾むから届ける時に一緒に入れておいて。
ええ。
お母様どうされました?またご覧になってましたか。
世子嬪になる少し前ヨヌとこちらに来たのです。
その時の背丈がここ。
もし今も生きていたらどこまで伸びてたかしら。
(医者)そういえば先ほどある御仁が来てお嬢様の事を尋ねていった。
あなた様が来る前触れだったんですな。
ヨヌの事を尋ねるとは…どこのお方です?おたく様の遠い親戚だと言ってましたが。
隠月閣…。
世子嬪…世子嬪?ホ・ヨンジェの娘…。
ヨヌ…ホ・ヨヌ?ホ・ヨヌ。
ホ・ヨヌ…ホ・ヨヌ。
回想ヨヌ。
ヨヌ。
回想
(シン氏)ヨヌ。
(ホ・ヨンジェ)ヨヌ。
回想
(ヨム)ヨヌヨヌ。
ヨヌ!ヨヌ!・
(都事)巫女ウォルすぐに出てくるのだ!お前が巫女のウォルか?そうですが…どなた様ですか?俺?義禁府のホン・ギュテ。
さっさと縄をうて!
(兵士たち)はっ!何のまねですか?なぜこんな事をなさるんです!?
(ソル)お嬢様!ちょっと何してるんですか!何をしたっていうんです!?邪魔するな。
巫女ウォルに大逆罪の疑いがあり捕らえた。
お嬢様が大逆罪?何かの間違いに決まってます!無実ならそれも義禁府で明らかにするまでだ。
何してる早く連れていけ。
(兵士たち)はっ!いい?チャンシル。
私はお嬢様を追うからあんたは急いでおばさんに知らせて。
分かった?あっ…そんなどうしよう。
神母様はさっき出かけちゃった。
神母様ったら…あ〜もうどうしよう!
(ノギョン)どうしてそんな無謀な事を!?本当に血の雨が降ってもよいのですか?中宮殿にまことの主が戻る日までは何としても防がねばならんだろう。
切り離した縁だったのですよ。
切り離してはならん縁だ。
今この時を逃せばすべてを本来の形に戻す機会を永久に失う事になるのだぞ!すでに行き違った運命です。
私が巫女の良心を捨て邪術を使ったあの時もはや後戻りはできない道へと踏み込んだのです。
そうしたのもお嬢様を助けたいがためであろう。
アリの遺言が無ければ殺していたでしょう。
心にもないことを言うではない。
あの時の選択は星宿庁とお嬢様を守るためしかたのなかった事。
私には分かっておるわ。
星宿庁を守るためとおっしゃいましたか?それは体のいい大義名分であって真実ではございません。
またそのような事を…。
しょせんは大王大妃様の庇護の下どうにか生き長らえてきたのです。
民と天をつないで王室の安泰を祈る星宿庁が権力者の謀略に手を貸す道具となった瞬間からのちの衰退は目に見えていました。
私が天に逆らったのは私の代で星宿庁が消えるのは避けたいという愚かな私欲のためだったのです。
そうであれば今からでも正すべきであろう。
引き返すにはあまりにも…あまりにも遠くへ来てしまいました。
お分かりになりませんか?もうすでに運命の破局は始まっているのです。
観象監の命に背き王宮殿に上がらなかったのはなぜだ!?だから申したではございませんか。
王命だったのです。
では王様が呪いをかけられた時お前はどこで何をしていた?ですから星宿庁の庭にいたと申しました。
それを確認できる証人は!?あの時は…。
俺ではダメだというのか?お帰りください。
1人でおりました。
だったら無実を証明できる証拠は何ひとつ無いではないか!この手をお離しください。
こいつ…生意気な!あっ待って。
(ユン・デヒョン)やめろ。
領議政様。
この娘に話がある。
少し外してくれるか?確かに大逆罪と言ったの?はい。
おねえちゃんが王様が倒れるほどの恐ろしい呪いをかけたって…。
王様に呪いをかけた罪は八つ裂きの刑に値するぞ。
呪いをかけた事などございません。
話が通じてないようだな。
呪いをかけられて王様は害されたのだ。
誰かがその罪を償わねばなるまい。
つまりそれは誰でもよいのだ。
ひとたび尋問の場に上がれば罪を白状するまでひどい拷問を受ける事になる。
血と肉が飛び骨まで砕けいっそ殺してくれとお前は哀願するだろう。
だがここでどう答えるかでそんな状況も変わるのだ。
拷問される事もなく自分の足で宮殿から出て行けるようにしてやれる。
つまりはこの私にどう致せと?ハハハ話が通じ始めたようだ。
寝所に上がった際お前は王様とひそかに情を交わしたな?とんでもない話でございます!畏れ多くも王様となど…。
違うそれではダメだ。
お前は王様の寵愛を独占するためあの夜王宮殿には参らずどこかでお営みを邪魔する呪いをかけた。
そうだな?私は断じて呪いなどかけてはおりません。
その答えも救われんな。
どちらがいいのだ?きつい拷問の末最期は八つ裂きにされるかもしくは王様との関係を素直に認め都からの追放で免じてもらうか。
おばさん!どこに行ってたのよ!どんな様子なの?取り調べ中でまだ会えないの。
終わったらすぐ牢獄だろうし。
私がいるからもう戻りなさい。
イヤよ!お嬢様を見るまでは絶対…。
早く!言う事が聞けないの!?心の声あの女…確かにどこかで見た覚えが…。
神母様。
大丈夫?体は何ともない?大丈夫です今のところは。
心の声お嬢様にはなぜこうも試練がついて回るのか…。
私より王様のご容体はいかがです?落ち着かれたのを見届けて下がりましたがまさかまた悪くなられて…。
自分の命が危ないというのにそちらの方が気がかりなの!?呪詛の罪がどれだけ大きいものか分からないの!?もちろん分かってます。
私に罪があるか無いかは重要でない事も。
政治的に利用して捨てるには私のような一介の巫女ほど都合がいい事もよく分かっています。
結局私はもう生きては出られないでしょう。
ただ…。
ただ何?何なの?私のせいで王様が困った状況になられてしまいました。
私を寝所に上げたとしてあの人たちは王様のお立場をおとしめようとしている!こんな時にそんな心配をしてるの!?どうすれば王様にご迷惑がかからないかどうか一緒に考えてください。
いっそ自分は間者で王様の命を狙っていたと言えばいいですか?待ちなさい何を言ってるの!なら嘘の自白をするつもりか!?私の無実が証明できないならせめて王様だけでも助けて差し上げるしか…。
バカな事を言うのはやめなさい!お前が無実の罪をかぶって処刑されてそれで王様がお喜びになると思う?そうですね…。
かえって大きな傷が残り苦しまれるでしょう。
巫女であろうと王様の民。
また守ってやれなかったとおっしゃってご自分をお責めになる。
では私はどうすればいいのですか?一体どうしたら王様も私も無事でいられるのですか?気血を補うお薬でございます。
幸いもう心配はご無用ですが念のため安静にされて…。
どうしたのだ?それが…それが…。
どうしたと聞いておるのだ。
巫女のウォルが呪詛の罪で義禁府に捕らわれ尋問場が設けられるそうです。
チャンシル。
なんでお前がここに?おにいさん大変なの。
ウォルおねえちゃんが…ウォルおねえちゃんが…。
悪いが今から旅に出るところだ。
呪いの罪で義禁府に捕まったの。
おにいさんの力で助けてあげて。
お願い今度だけ。
これっきりでいいから。
ね!俺には関係ない事だ。
どうすればいいの…。
心の声確かにどこかで見たのだが…確か…。
あれ?あの娘…。
知ってる女か?ええ。
前に市場の通りでちょっとすれ違った縁がございまして…。
そちたちは何をしておるか!王命なしに尋問場を設けおって!どの国の法にのっとりこんな事を…!あまたの者がおる場です。
追及されるなら場を移しましょう。
まず尋問場を設けた後許可を得るつもりだっただと?そうでございます。
あの邪悪な女はお二方の営みを妨害しこの国の継承を断とうとしただけでなく王様に呪いまでかけた大罪人。
迅速な処罰が必要だったのです。
確固たる証拠があってそう申すのか!?確固たる証拠はございませんが潔白と言える証拠もまたございません。
それを明らかにするためにも急ぎ尋問場を設けました。
それだけ重い嫌疑なら余自ら尋問する。
そのような事はおやめください。
邪悪な者になぜ向き合おうとなさいます?つまりそちたちは王命を聞き入れぬと申すか!どうして臣下が王様の命に背きましょうや。
されど名君なら諫言についてもご配慮を。
星宿庁と昭格署を撤廃し邪教を絶てという上疏が今山のように届いておるのです!儒学をもって手本とし民にはその模範を示すのが王様ではございませんか!おそれながら王様。
これ以上この件に関わらないでください。
ましてや王様じきじきの尋問など!学士たちが疑いを持ちましょう。
ユン・デヒョンユン・デヒョン。
ユン・デヒョンユン・デヒョン。
ユン・デヒョン!王様どちらへ参られますか!?もちろん尋問場だ!それは絶対におやめください!ならば命乞いなどしないあの者はどうなるのだ!殿方である前に王様はこの国の君主ではありませぬか!ユン一派の狙いは何だとお思いですか?一人の巫女の首をただはねるだけだとお思いですか?あの者たちは王様が朝廷の基盤にしようとなさっている学士たち全員と王様とを仲たがいさせようとしているのですよ!ひとつを得るために軽はずみな行動を取れば多くを失う事になってしまいます。
ここはそのひとつをお捨てください。
ここで取り調べの場へお出ましになりあの娘をかばえば他の同志たちを失ってしまうのですから。
賢い娘ではありませんか。
己の命は己で守れるはずです。
あの者を信じ毅然としていてください。
それだけがあの者を助けるこの国を守る道でございましょう。

(ヨヌのうめき声)あ〜!あ〜!ヤ〜!あ〜!
(叫び声)もう一度答える機会をやろう。
王様に呪いをかけたのはなぜだ?何度お聞きになっても答えは同じでございます。
私は決して呪いなどかけてはおりません!助かるための答えを教えてやったのに。
自ら命を縮めるとは…。
お前が選んだ道だ。
致し方あるまい。
この女が白状するまで打ち続けろ!
(拷問係)はっ!
(ノギョン)どうかあの娘の命をお助けください。
王様に呪いをかけるなどありえない事です。
あの娘はそんな神力など持ち合わせておりません。
どこまで信じてよいのやら。
王様は娘の存在を知っていたそうだな。
だが今日までそんな事は聞いていなかったぞ。
それは要らぬ心配をおかけしたくなくて…。
存在が知れたのにそなたの跡継ぎを引き続き遣わしたのは何故じゃ?王様に取り入ろうとしたのか?もしやあの娘を通じて権力を手にしようとしたのでは?そこまで私をお疑いなさいますか?何を考えてるか分からない腹黒いところがあるからな。
でしたらあの8年前なぜ私を信じて呪いをかけろと命じたのですか?呪いは誰に向けられてもおかしくないもの。
なのにあの時は私の何を信じて命じられたのですか?何じゃそれは。
まさかこの私を脅しておるのか!?私は大王大妃様に忠誠を尽くして参りました。
ですからわが跡継ぎを厄受けにされてまで従いましたのに命乞いひとつ聞いてはくださらぬか!何だと!?跡継ぎまで失うならもう私に怖いものなどございません。
私の犯した罪をすべて白状し娘を追って汚れたわが命を絶つだけです!こやつめ!ですが大王大妃様はそう簡単にもいきますまい。
なぜなら8年前のあの件をもし王様が知られるような事になれば…。

(パク尚宮)大王大妃様王様がお越しになられました。
星宿庁の国巫チャン・ノギョン王様にお目にかかります。
星宿庁の国巫はクォンではなかったか?クォンは臨時の者でした。
私はしばらく離れておりましたが先日復帰した次第でございます。
では私はこれにて失礼いたします。
どうぞお心おきなく。

(大王大妃)私にお願い事ですと?久しくお見えになる事もなかったのに今更祖母を頼ってくるとは…。
長く生きてるとこんな事もあるのですね。
いきなり何ですか?王様。
おばあ様。
お願いでございます。
領議政の尋問をやめさせてください。
これ以上大事にならぬようどうかお取り計らいください。
どういう事ですか?王様。
まさかあの娘が傷つくのを恐れての事ですか?そなた…一介の巫女にまこと心を奪われたというのですか!?この私も男ですから。
一時惑わされたのは事実ですが恋心ではありません。
一国の君主たる者どうして巫女など抱きましょうや。
私にもものの分別はございます。
確かに王様の聡明さが曇るはずはありませんよね。
よって私はこの件が大事になるのを望んでおりません。
花の香りについよそ見をしてしまうのは男の常。
その相手が巫女であったがためにここで大騒ぎをされては私は君主としての面目が立ちません。
どうかおばあ様。
この私の顔を立ててください。
しかし今や張りぼてにすぎない老いぼれにそんな力がありますか?とんでもないお言葉でございます。
王であるこの私と最高位の領議政を思いのまま動かせるのはおばあ様以外に誰がおりましょうか。
心の声多くのためにひとつを捨てねばならぬならいっそこの身を差し出しそのひとつを助けよう。
(うめき声)思いのほかしぶとい奴め。
最後にもう一度聞いてやる。
あの時お前はどこで誰と何をしていた?私は1人で星宿庁に…。
打て!
(拷問係)はっ!
(門が開く音)この私が無実を証明しよう!陽明君様!王に呪いがかけられた時はこの者は私と星宿庁の庭にいた。
そんな危険な事をなぜ申されますか?危険だと?王族の方が巫女としかも星宿庁にいたなど…謀反を疑われてもしかたない発言ですぞ。
また不粋な事を考えるのう。
男女が月夜の晩ひそかに会って謀反を企てるなどせっかくの若さがもったいないわ!では王族の方が何故星宿庁にいらっしゃいました?分かりきった事であろう。
私がこの娘を…。
私がお誘いしたのです。
この方は以前危ないところを救ってくださった恩人でございます。
巫女である事に疲れていた私はそこから逃げ出したくても逃げ出せずにいました。
そこであの日星宿庁にお誘いし私を連れ出してほしいとお願いしました。
王族の方とは思ってもいませんでした。
知っていたらお誘いなんてしておりません。
この方には何の罪も無いのです。
さあこれで無実だという事は証明できたであろう。
されば直ちにこの者を釈放しろ!尋問を中止せよですと?ノギョンの話ではウォルというその娘呪いをかけるほどの力は無いとの事。
いずれにせよ陽明君が来て娘の無実を証明したのなら呪詛の罪は解いてやりませんと。
たとえ呪詛の嫌疑は晴れても神力で王族を惑わした罪は…。
都からの追放ぐらいで終わらせましょう。
とにかく王様のそばから離せばよいのです。
これで王様の気勢をそぐ事がかなったと思えば得るものは十分ありました。
その他にも後で大いに役立つ切り札が手に入ったではありませんか。
後で役立つ切り札とは?王族と巫女が慕い合う関係。
となればウィソン君の事が思い出されませんか?これで王様の安泰を脅かす陽明君の手綱もしっかり握れましたね。

(うめき声)なぜこんな所にまで…。
助かる方法を教えに来た。
誘ったのはお前ではなく俺が誘惑したと告げるのだ。
罪を消す事まではできなくても軽くする事はできるはずだ。
その後は俺が何とかする。
そんな事言えません。
言えないだと?どうして…。
尋問場では嘘もうまく言えてたではないか。
この案はあながち嘘でもなかろう。
助かる道は自分自身で見つけます。
もう手を貸そうとはなさらないでください。
いやそいつはできない。
俺はこれでも王族の一人。
一介の巫女に借りを作ったままではいられない。
お前は俺のために嘘をついた。
だから今度は…。
嘘はあなた様のためだったとお思いですか?なら違うと言うのか?自分が助かるためあなた様を利用しただけです。
あなた様のためだったとお思いなら思い違いです。
心配は要らん。
これもお前のためにではない。
ただ自分が気まずい思いのまま旅に出たくないのだ。
だからお前には生きてもらわねばならない。
この案が気にくわないなら他の手を考えるとしよう。
陽明兄上があの者のために尋問場に参られたか。
つまり兄上もあの者を知っていたというわけだ。
お前はそれを知っていたという顔だな。

(ヒョンソン)王様。
尚膳でございます。
入れ。
王様。
陽明君様がお見えになりました。
その後お元気であられましたか?心の声お心を傷つけてしまい申し訳ありません。
ですが私から断ち切らねば王様のみならずあなた様まで危険な立場に追いやってしまいます。
つらく当たる事しかできない私をどうかお許しにならないでください。
して今日は何用で宮殿へ?何をするわけでもなくただ無為に過ごす毎日ですが今日義禁府や宮殿を引っかき回すのに忙しくしておりました。
ああ…尋問場で証言された事は聞きました。
されど一介の巫女を助けるために進んでお出ましとは…。
兄上はそんな方でしたか。
どうやら王様は私を誤解されているようだ。
私は王様とは違って大切なひとつのためならすべてを捨てる覚悟をもって生きております。
私はすべてを手にしたい欲にかられひとつの大切さが分からないそういう事ですか?君主ともなればそうなられてもしかたないでしょう。
ゆえに私が王様にとってみれば一介のそのひとつを頂きに来ました。
どうかお聞き入れください。
なりませぬ。
なぜならぬのでございますか?王族の名誉は王室の名誉と直結しているからです。
王子とは名ばかり遊び人の私に王族の名誉などあろうはずもございません。
お許しくださるなら王子の地位などいつでも捨てますので代わりにあの者を!それはならぬと今申しました!世子だった私に兄上はこうおっしゃった。
兄上ならば守れたと。
すべてをなげうち命をくれてやってでも絶対に守りぬいたと。
王と王族は違うのですか?兄上のそばならあの者は無事だと言い切れますか?よくお考えください。
どうすればあの者を守りぬけるのか。
心の声この私が望んだものすべてをそばに置きたかったすべての人をあまりにたやすく手に入れた王様。
わが心から望むたったひとつですら許されないなら!余は兄上に酷な事を言ってしまったか?余は兄上を傷つけてしまったと思うか?
(キム・ジェウン)されど王様も傷ついておられるのでは?ウンよ。
余はもう…大切な人を失いたくないのだ。
だがこれで兄上も安泰な身ではなくなった。
領議政は恐らく恋心を利用して余を抑えようとしたように兄上と巫女の仲を謀反と決めつけ命を奪いにかかるだろう。
何ともやるせないではないか。
結局そのはざまで最も傷つくのはウォル…あの者なのだ。
2014/10/05(日) 23:00〜00:00
NHK総合1・神戸
太陽を抱く月(13)「ただひとつの望み」[二][字]

初恋の女性を思い続ける王と、記憶を失った巫女(みこ)の切ない愛を描くファンタジー・ロマンス史劇。フォンが突然倒れる!ウォルがフォンに呪いをかけた疑いで捕まった!

詳細情報
番組内容
フォンはポギョンを抱き寄せるが、急に胸を押さえて苦しみ始める。ポギョンは一瞬仮病を疑うが、フォンはそのまま気を失ってしまう。そのころ、陽明君(ヤンミョングン)はウォルに熱い思いを伝え、彼女の心を動かそうとしていた。しかし、そこにフォンが倒れたという知らせが届き、ウォルはフォンの寝所へ呼び出される。後日、ユン・デヒョンらの陰謀により、ウォルはフォンに呪いをかけた大逆罪の疑いで捕らえられてしまう。
出演者
【出演】ハン・ガイン…沢城みゆき,キム・スヒョン…新垣樽助,チョン・イル…小松史法,キム・ミンソ…渋谷はるか,ソン・ジェヒ…佐藤拓也,ソン・ジェリム…保村真,ナム・ボラ…小林由美子ほか
原作・脚本
【原作】チョン・ウングォル,【脚本】チン・スワン
監督・演出
【演出】キム・ドフン,イ・ソンジュン
制作
〜韓国 MBC/Pan Entertainment制作〜

ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ
ドラマ – 時代劇
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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