ドラマスペシャル 警視庁捜査一課9係 2014.10.05

君のような人間にもてあそばれていい命なんかどこにもない!人の心を取り戻せ。
君には正義なんかない!大丈夫?お腹痛いの?
(サイレン)バイタルは?
(救急隊員)意識レベル300血圧60台下は測れません。
酸素5リットルサチュレーション80パーセント。
ううっ…。
うっ痛い…!ああっ…!
(百瀬重行)えー…原因はただ今究明中であります。
我が百瀬フーズは品質管理に十分な注意を払い幾重にも及ぶチェック体制を整えております。
従いまして我が社の商品による食中毒など考えられません。
(記者たちのざわめき)
(夏目亜紀)しかし現実に百瀬フーズの宅配弁当を口にした250名の方が病院に搬送されうち3名の方が亡くなられているんですよ。
流通過程において我が社をおとしめようとする何者かが意図的に毒物を混入したとも考えられます。
食中毒の原因は製造過程における有害物質の混入と聞いています。
(久松恵理子)お待ちください。
その情報はどこから得たものですか?単なる風評に惑わされてるのではありませんか?『週刊潮流』の夏目亜紀さん。
あなたの記事には名誉毀損に抵触する記述が何点か見受けられます。
今後お気をつけ頂けない場合しかるべき処置を取ります。

(爆発音)
(ブレーキ音)
(乗客たちの悲鳴)
(ブレーキ音)
(衝突音)
(爆発音)
(乗客たちの悲鳴)
(一同)申し訳ございませんでした!
(御手洗文孝)申し訳ございませんでした!
(御手洗)たとえ事故の原因が整備会社にあるとはいえそのような会社を信じバスの整備を任せた責任が我がアポロンツアーにもございました!私御手洗文孝亡くなられた2人のお客様ご遺族様怪我をされたお客様皆様に生涯償い続ける所存でございます!困りますねぇ!こんなものがいつまでも出回ってるというのは。
ん?久松先生あなたに一体いくらお支払いしてると思ってるんですか?ご心配なく。
『週刊潮流』に対しては名誉毀損による損害賠償を請求する訴訟を提起します。
対処が遅れて申し訳ありません…。
そういう問題じゃないでしょ。
形ばかりの謝罪言い逃れはよしましょうよ。
根本的な解決には被害者側との妥協点を見いだし賠償に応じるしかありません。
フッ…。
死んだ2人の客生きていたとして今後どれだけ社会に貢献したんでしょうねぇ?私が土下座までして謝罪をする価値も賠償金を支払う価値もない人間でしょう。
は?
(解錠音)
(刺す音)あっ…。
あっ…あっ…なんだ…?
(刺す音)ううっ!
(うめき声)どうも。
捜査一課9係の浅輪です。
お疲れさまです。
お疲れさまです。
よいしょ。
(矢沢英明)2時間前にここを掃除してたわけですね?
(青柳靖)その時何か変わった事ありませんでした?お疲れさまです。
(矢沢)うい〜。
お疲れさまです。
(小宮山志保)お疲れ。
すいません遅くなりました。
はあ…。
あれ?この人…。
(村瀬健吾)アポロンツアー社長御手洗文孝。
半年前形ばかりの謝罪で話題になった土下座社長だな。
ああこれ胸刺されてるわけですか。
背中も刺されてる。
財布には手をつけられていない。
じゃあ物盗りの線はなしですね。
うん。
御手洗社長を待ち伏せしたと思われる人物目撃情報ありました。
(青柳)どの辺にいたんすかね?あの柱の陰です。
あの柱の陰?どうした?そちらこそ…。
え?いや2時間前そこに不審な人物がいたそうです。
ああそう。
ちょっと係長そこで何やってたんすか?浅輪君。
はい。
君視力いくつ?両目2.0ですけど。
2.0?はい。
これ何?ん?係長バカな事言ってないで…。
鑑識さん!血でしょ。
(矢沢)駐車場に出入りする不審な男が防犯カメラに映ってました。
入ったのが20時出たのが21時20分です。
死亡推定時刻は21時前後だったわね。
ええ。
犯人この男と見て間違いないでしょうね。
これ柱の陰から見つかった血痕なんですけどもこの御手洗文孝氏の血液ではありませんでした。
あっそう。
じゃあこの男の血かな?えーとねこれ血液型の主はB型で…。
(青柳)B型?はい。
で悪性の腫瘍を患ってる可能性がありますね。
悪性の腫瘍?がん患者か?恐らく。
マイペースながん患者だ。
もしかして吐血でもしたのかしら?ねえねえねえねえ…。
この人似てない?え?ちょっとお借りしますね。
いいっすか?
(矢沢)あっ。
帽子も同じだしホクロの位置も同じですね。
半年前の事故の被害者や関係者か…。
まだ入院してる人も多いっていうしこの無責任社長相当恨まれてたんじゃねえかな。
これって『週刊潮流』ですよね。
ここ徹底的にアポロンツアーを糾弾してるんですよね。
キャンペーンとか展開しちゃって。
この男も被害者の会の人間か?いずれにしても御手洗社長殺害は怨恨の線が濃厚ね。
私たちはアポロンツアーに話を聞くわ。
(村瀬)了解。
(志保)浅輪君は係長と一緒に『週刊潮流』を当たって。
はい。
あっ被害者の会も当たってみます。
(志保)お願いします。
で…。
この男の足取りね。
こっちも近くの防犯カメラ当たってきます。
お願いします。
行きましょう。
(時田正則)社長を恨んでいた人間ですか?ええ。
心当たりがあれば教えて頂きたいんですが。
心当たりと言われましても…。
ないはずはあり得ませんよ時田専務。
隠し立ては御社のためにならないと思うんですが。
いや別に隠してるつもりは…。
(ノック)大河原法律事務所の久松です。
警視庁捜査一課警部補…。
(恵理子)警察やマスコミの対応は私にお任せくださいと申し上げたはずですが。
すいません。
急を要するという事でしたので。
お話なら私が伺います。
この男に見覚えありませんか?ありません。
よく思い出してください。
御手洗社長を恨んでた人間は大勢いると思うんですが。
特に半年前の事故の被害者や…。
私は顧問弁護士として半年前の事故に関し御手洗社長とともに誠意ある対応を続けてきました。
被害者の方々には納得頂いていると認識しています。
(踏切の警報音)あっ100円落ちてる。
えっ?ハハッ。
何も落ちてないじゃないですか。
おお〜危ない!気をつけてください足とか。
危ねえ。
危ない。
あっこっちの方面逃げてきてるんですけどね…。
(青柳)もうちょっと顔わかるといいんだけどなぁ。
(瀬戸山和義)お待たせしました。
(瀬戸山)どうぞ。
この記事についてなんですけど…。
ああこれはうちの夏目君の記事です。
写真を撮ったのも彼女ですね。
ああ…その時撮った別の写真拝見出来ますか?別の写真ですか?ええ。
あっちょうどよかった。
夏目君。
はい。
警察の方がその記事の事で話があるそうだ。
これが一番写ってますね。
うん。
すいません。
この男性ご存じないですか?いいえ。
ここに写ってるんだから被害者の会の方じゃないですか?直接聞いてみたらいかがですか?あの…被害者の会には確認済みなんです。
関係者じゃありませんでした。
だったら私に聞いても無駄じゃありません?ハハッ…ですねぇ。
関係者じゃなくても許せなかったのかも。
つまり天誅。
天誅?なんの罪もない人たちを殺しておいて反省のない男に正義感の強い誰かが罰を下したんじゃないかしら。
警察が何もしてくれないから。
次はそういう記事を書くんですか?なるほど。
それもいい手ね。
すいません。
ちょっとその写真いいですか?
(亜紀)はい。
これ写真撮っていいですかね?
(亜紀)あ…はい。
(シャッター音)
(矢沢)この男ご存じなんですか?はい。
名前わかります?知ってます。
名前は井川博英。
妻子とともに弘兼町のアパートに住んでます。
(矢沢)1週間前に引っ越しされたんですか?ええ。
急な話でしたねぇ。
(2人)ああ…。
その引っ越し…。
どこの部屋でした?ああこちらの部屋ですけど。
その引っ越し…。
3人家族だったんですよね?ええ。
どんな方ですか?子煩悩な優しい人でしたよ。
ああ…。
(井川清美)ジャンプ!
(井川博英)ほい〜!ハハハハ!どれ…!でその引っ越し先…いいから。
引っ越し先わかりますか?これ聞かなきゃ駄目だろ。
それが教えてもらえなかったんですよ。
えー…井川博英は工場で働きながら妻清美さんと5歳の長男竜太君と3人で暮らしてました。
(青柳)だけど5か月前に病気になって失業。
生活は苦しかったんじゃねえの?家賃も滞納してたってよ。
滞納してた家賃はきれいさっぱり払って引っ越したそうです。
転居先も告げずにどこ行ったんすかね?そんなの…行き場所なんかねえだろ。
すっぱ〜!これいらねえ。
10日ほど前に治療を受けてた病院で気になる事言ってた。
俺はもう助からないんですよね…。
だったらせめて社会の役に立つ事をして死にたいですね。
社会の役に立つ事ってまさか…。
ああ。
世間を騒がしてる御手洗社長を殺害する事が社会の役に立つ事だと思い込んだのかもしれん。
この写真撮られた時もうすでに御手洗の事狙ってたんすかね?バカ野郎が…。
時間が残り少ないってわかってたら他にやる事あるだろうが。
残された人間どうなるんだよ?誰も残すつもりがないとしたら…。
(青柳)なんだよそれ。
家族道連れにするって事?俺だってそうは思いたくありませんよ。
ただ井川はまともな精神状態じゃないんですよ。
(咳)
(警察官)君!君は…!手配中の井川と思われる男発見!
(警察官)コラッ待て!
(パトカーのサイレン)
(警察官)待て!
(パトカーのサイレン)
(青柳)井川そこまでにしろ。
おい!待て!
(青柳)バカ…!
(青柳)危ない!どいて!
(青柳)大丈夫ですか!?
(矢沢)止まってくれよ〜!
(青柳)あっ上るな!上るな!上るなっつってんだよちくしょう!
(青柳)あっ上るな!上るな!上るなっつってんだよちくしょう!
(衝突音)青柳さん!
(青柳)あぁ!?青柳さん!!
(青柳)あ?ああ…。
おお…。
ここから落ちたんすかねぇ?ひとたまりもないね。
うーん…。
それに滑り落ちるような階段じゃないしね。
まあ確かに。
って事は自殺ですかね?かもね。
すいません。
まさかこんな事になるとは…。
誰が追ってても結果は同じだったはずだ。
(ため息)
(恵理子)アポロンツアーの御手洗社長を殺害した男が亡くなったようです。
(百瀬)そうらしいね。
(恵理子)義憤に駆られた無関係な男だと聞いています。
(百瀬)フッ…正義の味方にでもなったつもりか。
くだらん。
百瀬社長もお気をつけください。
僕に何を気をつけろというの?御手洗と同じ目に遭うとでも言いたいわけ?その可能性もなきにしもあらず。
私としては大切なお客様がこれ以上減っては困りますから。
(ため息)1年前の事なら僕に罪はない。

(恵理子)係争中です。
気を緩めないでください。
敵は大勢います。
フフフフ…!『週刊潮流』か。
そこなら心配はない。
連載はまもなく終わる。
美味しくて安全な料理を口に出来るのは限られた階級の特権なんだよ。
さあ先生もお召し上がりください。

(早瀬川真澄)それじゃあ始めます。
胸部から切開。
メス。
はい。
全身に転移…。
ええ。
悪性腫瘍が膵臓だけじゃなく全身をむしばんでました。
起きていられた事が不思議よ。
走ってたなんて奇跡に近い。
そうですか…。
御手洗社長殺害現場に残された血痕は井川博英のものでした。
御手洗社長殺害犯は井川博英。
その井川は自殺。
被疑者死亡で送検してしまいか…。
簡単に終わらせんなよ。
別に簡単には終わらせてないじゃないですか。
井川の家族どこ行っちゃったんだよ!?父ちゃん死んじゃったのに連絡も出来ねえんだよ。
夫の死を知って出てこれると思いますか?井川は殺人犯なんですよ。
そりゃそうだけどさ…。
青柳さん気持ちはわかるけど私たちの仕事はここまでよ。
みんなさちょっと聞きたいんだけどあの…どうして御手洗社長狙ったんだろ?え?いやどうして縁もゆかりもない御手洗社長を狙ったんだろ?それは御手洗社長が世間を騒がしてたからじゃないですか?社会の役に立ちたいから?
(矢沢)はい。
だったらさ世間を騒がしてるのもっと腐るほどいっぱいいるじゃない。
それは…そうですね。
ん?係長だからどうしろっていうんですか?いやいやちょっと気になっただけ。

(ため息)
(江尻慶介)百瀬さん。
(百瀬)あ?
(刺す音)
(江尻)て…て…天誅!!
(刺す音)
(江尻)わあー!わあー!!社長!社長ー!!おい!
(警察官)被疑者と思われる男性発見!溢血点や顔面のうっ血状態から見て自殺に間違いありません。
自殺…。
それから健康状態に関しては係長さんの推測どおりでした。
みんなちょっといいかな?
(志保・浅輪)はい。
あの…実は百瀬フーズ社長殺害事件なんだけどうちで引き受けちゃっていいかな?え?いやいいかなってその事件被疑者自殺でもう終わってるんじゃないですか?うんうんうん…そうなんだけどなんかちょっと…。
引っかかるんですか?そう。
(青柳)まあ百瀬社長は1年前に集団食中毒事件で一躍有名になった無責任野郎だしな…。
御手洗社長と同じタイプですね。
それに加害者のほうも…。
加害者の2人井川博英と江尻慶介には大きな共通点がある。
この2人も…。
末期の膵臓がん。
え?ちょっと気になったんでさっき早瀬川先生に連絡して聞いちゃいました。
ああそう。
(咳払い)小宮山君…いや主任。
ここでちょっと2つの事件を整理してみようと思うんだけどどうだろう?お願いします。
よし浅輪頼む。
はい!
(青柳)あ?半年前のバス事故で世間から非難を浴びたアポロンツアーの御手洗社長と1年前の集団食中毒事件で世間から非難を浴びた百瀬フーズの百瀬社長が相次いで殺害された。
(志保)はい。
(村瀬)浅輪頼む。
はーい!
(村瀬)御手洗社長を殺害した井川博英と百瀬社長を殺害した江尻慶介はともに末期の膵臓がん患者で余命幾ばくもない状態だった。
この2人は殺害した2人の事を面識もなければ恨みもなかったという事ですね。
何?お前らのチームワーク。
青柳さん出遅れてるのはあなた方だけですよ。
(一同の笑い声)矢沢見せてやろうか。
え?じゃあ聞くけど村瀬君この2人にある別の共通点なんだかわかるか?え?なんすか?それは。
矢沢教えてやれ。
もう〜!チームワーク。
ああもう…。
井川は妻子を抱え失業し生活に困っています。
江尻は認知症の母親を抱えて苦労してます。
はい続き。
ん?もうチームワーク!あっ…つまり2人には守るべき大切な人間がいるにもかかわらず命が残り少なく金に困っていたという事だよ村瀬君。
(村瀬)うっ…。
(志保)この短時間にさすがね。
どういたしまして。
いやさらにもう一つ気になる点がある。
(村瀬・青柳)2人の被害者の顧問弁護士が同一人物だった…。
ってとこが気になる!なんでお前がそういうふうに言うんだよ!ちくしょう。
でその名前が…。
これですよね?久松恵理子弁護士。
(青柳)そう久…なんでお前が言うんだよ。
この久松弁護士だけどスピンドクターとしても有名。
(青柳)ん?村瀬スピンドクターってなんだかわかるか?ああスピンドクター…もう自分で調べてくださいよ!知らねえんだよこいつ。
(矢沢)いやあなたもでしょ?え?情報操作を巧みに行い自分を優位に持っていく能力に長けた人の事ですよ。
悪い言い方をすれば言い訳がうまいとか人にやらせといて自分はなんにもしないとかそういう奴ですよ。
つまり村瀬みたいな奴の事ね。
(志保)彼女が所属している大河原法律事務所は民事のプロフェッショナルが集まっていて彼女はとっても重宝されてるみたい。
それからもう一つあります。
1年前の集団食中毒事件。
それから半年前のバス事故。
この2つを徹底的に追及してるのが『週刊潮流』の…夏目亜紀という女性記者です。
(拍手)すごい!みんなすごいすごい!みんな係長と同じ考えのようですね。
御手洗社長殺害と百瀬社長殺害併せて捜査を進めましょう。
(一同)はい。
(亜紀)御手洗も百瀬も殺されて当然の人間だと思います。
(瀬戸山)夏目君…。
すいません。
正義感が強すぎるというか…。
君もジャーナリストなら言葉を選びなさい。
刑事さんは私に何を聞きたいんですか?この2人には全く見覚えがありません。
あなたの記事かなり過激ですね。
この御手洗社長と百瀬社長に対する攻撃も容赦ない。
これを見た人間はこの2人の社長は大悪人だと思い込んでしまいますよね。
フッ…実際そうですから。
大悪人です。
私の記事を読んだ読者が2人を許せなく思って殺害したとしましょう。
私は罪に問われるんですか?殺人教唆に問われるんですか?問えませんね。
ですよね。
怒りを持つのも殺害に至るのもそれは全て自己責任です。
もしあなたがあと3か月しか生きられなかったらどうですか?えっ?この2人末期の膵臓がんでした。
余命3か月もなかった。
膵臓がん?そんなふうに追い詰められて普通の精神状態にない人だってこの記事を読むんですよ。
それは忘れないほうがいいですよ。
2人が私の記事を読んだという証拠でもあるの?それはないけど…。
あなたの記事を読んで気になった事1つあります。
(亜紀)なんですか?あなたの取材能力のあまりの高さです。
御手洗社長やアポロンツアーに関しても百瀬社長や百瀬フーズに関しても内部の者しか知らないような内部資料を基にして書かれてるっていうふうな気がしてしょうがないんですよ。
独自のルートがありますから。
もちろん具体的にお話する事は出来ませんしその必要があるとも思えません。
(瀬戸山)その点はご理解ください。
ジャーナリストにも守秘義務がありますので。

(恵理子)お願いします。
お話は手短にお願いします。
アポロンツアー百瀬フーズ共に経営者が亡くなるという不幸に見舞われました。
私も今後の対応や処理に追われていますから。
随分事務的ですね。
仕事ですから。
あなたが顧問弁護士を務める企業の経営者が2人続けて殺害されました。
その事に関してあなたはどう思われますか?世間では天罰が下ったなどと口にする者までいますが。
私にも「悪徳弁護士次はお前だ」などのメールが届きます。
然るべき処置は取らせて頂きますが。
この2人に心当たりはありませんか?この2人が御手洗社長と百瀬社長を殺害したんです。
しかし殺人にまで至る明確な動機が見当たりません。
心当たりはありません。
見た事もない2人です。
もう一度しっかり見てください。
(ノック)
(大河原益男)久松先生どうかなさいましたか?警察の方がお見えなんですがその意図をつかみかねています。
ここの責任者の大河原です。
元検事として言わせて頂ければ見当違いの捜査をしている間に真犯人は遠くへ逃げ見失ってしまいますよ。
(職員)江尻さんは自分が誰なのかもわからない状態です。
今後回復する事も望めません。
(青柳)そうですか。
(矢沢)息子がしでかした事もこの世にいないって事もわかんないんですね。
わかんねえほうが幸せなんじゃない。
息子さんは度々こちらに?ええ。
毎日のように訪れてはお母さんのお世話をされてました。
お母さんスープだよ。
ア〜ン。
(職員)あの…ですが半年ほど前から支払いが滞って…。
必ずお金は用意します。
ですからどうか母をここに置いてください。
お願いします!その約束はきちんと守って頂きました。
10日前に滞っていた分と生涯こちらでお世話する分まで支払って頂きました。
それって結構な金額ですよね?
(職員)はい。
1000万!?でも江尻って病気で働けなくなって失業中だったんですよね。
どこでそんな大金手に入れたんですか?誰かが渡したのかもしれんな…殺人の報酬として。
じゃあ1000万で百瀬殺害を江尻に依頼した誰かがいるって事ですか?そう。
(青柳)百瀬を恨んでる奴は山ほどいるからな。
(矢沢)井川も家賃滞納したのを全部払ってますもんね。
(青柳)ああ。
どっかから金を手に入れてるんだよ。
(矢沢)うわっすっぱ!返します。
(青柳)いらねえっつってんだよ。
じゃあ井川も同じように誰かに依頼されて御手洗社長を殺害したって事ですかね?断定は出来ないけどその可能性は高いわね。
依頼人が同一人物である可能性もある。
だとしたら守らなきゃいけない家族がいるのにあとわずかしか生きられない人間を利用してる野郎がいるって事だよ。
うん。
集団食中毒バスの事故。
両方に関わっている関係者被害者当たってみます。
お願いします。
我々は食中毒とバス事故以外で2人を恨んでる人間を調べてみよう。
そうね。
あっでも2人の社長に特に接点ないんですよね?仕事上はね。
2人の経歴洗い直しましょう。
了解。
どうしたんですか?いや別に…。
あっすいません。
これもらっていいですか?いいよあげる。
ありがとうございます。
係長。
はい?すっぱ!ああ…やっぱ気になりますよね。
夏目亜紀の情報源。
うん。
あっうまいかも…。
すっぱ!
(時田)法的整理とはどういう事だ?この会社を倒産させるというのか!会社運営を一手に掌握していた御手洗社長が多額の賠償金の支払いを残し亡くなられた今御社の存続は不可能と考えられます。
き…君は我が社を守る立場じゃないのか!社員や皆様の生活を守るため私は顧問弁護士として裁判所の関与のもと法律にのっとり破産手続きを進めて参ります。
銀行だって黙ってるわけないだろ!ただいま。
(矢沢早苗)あっおかえり。
あれ?妙子さん。
(垣内妙子)お邪魔してます。
私がSOS出したら飛んできてくれたの。
妙ちゃんのおかげで締め切りなんとか間に合いそう。
ああ〜よかったね。
よかったよかった。
無理言って本当にすいません。
いいえ。
ちょうどライブが終わったところですから。
あっお礼といってはなんですが今日は晩ご飯僕が作りますからね。
フフフ…。
福太郎は?
(早苗)あっその辺に…。
あっ福太郎ただいま。
(矢沢福太郎)おかえり。
(青柳)おかえり。
ただいま〜ってコラッ!青柳さん。
青柳さんなんでここにいるんですか?今日用事があるからって早く帰ったじゃないですか。
井川の奥さんと息子の居場所がわかったよ。
えっ?これ1人で調べたんですか?「借りっぱなしの本返してなくてごめんね」って友達に手紙があったんだって。
千葉の住所が書いてある。
(矢沢)井川道連れにしなかったんですね。
父親っていうのはそういうもんなんじゃないの?青柳さん朝一千葉行きましょう。
だからそれを言いにきたんだよ。
イースラー!おやじ!
(男性)はいカット!じゃあ一息入れましょう。
(榊原)御手洗とは大学一緒でしたよ。
まあそれほど親しかったわけじゃないですけどね。
百瀬重行社長はご存じないですか?ああ…名前しか知りませんよ。
御手洗社長と百瀬社長の間に何か付き合いがあったとかは聞いてないですかね?聞いてないですね。
御手洗が大学やめたあとの事はよく知りませんしね。
えっ…大学をやめた?ええ。
あいつ3年で中退してますよ。
除籍だったかな?ろくでもないサークルで遊んでばかりいましたからね。
これご本人が公表していたものなんですが東都文化大学卒業後ボストンのノースエンド大学に留学となってますが。
これまるっきり嘘ですよ。
嘘?
(矢沢)あの子じゃないですか?そうね。
(清美)竜太。
竜太おいで。
(矢沢)ちょっと待ってください。
(青柳)逃げなくていいですから。
(矢沢)事情はわかってますから。
(矢沢)こういう者です。
(青柳)はい。
(清美)主人が手配してくれたこの家で2人で暮らしています。
主人が死んだ事はニュースで知りましたけどどうする事も出来ませんでした。
(清美の声)主人と約束していたから。
どうしたの?これ。
(井川)1000万ある。
これで2人で生きていってくれ。
どういう事?どうしたのよ?こんな大金。
俺は夫らしい事も父親らしい事も何一つお前たちにしてあげられなかった。
(ため息)駄目な父親だ。
ごめん…。
そんな事ない…そんな事ないよ。
この金で2人で新しい人生を始めてくれ。
俺の事は忘れるんだ。
もうこの世にいない人間だと思ってくれ。
何が起きても名乗り出ないと約束してくれ。
お金どこの誰から受け取ったのか見当もつきません。
けれど主人がしでかした事を知った時それが汚れたお金だとわかりました。
でも竜太のこれからの事を思うとどうしても警察に行けずに…。
使っちゃったもんはしょうがねえか。
なあ?なくなっちゃったもんは俺らにもどうしようも出来ねえもんな。
そうっすね。
出所わかったとしても使っちゃったもんはしょうがないっすよ。
ご主人が受け取った金は汚れてたかもしれませんがあなたに渡った金は汚れてないと思います。
あの…中身はいいんでお金の入っていた封筒を貸して頂けませんか?あっそれと…落ち着いたらでいいんで遺骨引き取りに来てください。
これ旦那さんの遺品です。

(泣き声)
(ため息)あっ小宮山さん?ちょっと教えてもらいたい事があるんだけど。
うんわかった。
了解。
すぐメールする。
何?早瀬川先生?うん。
なんだって?
(志保)井川博英と江尻慶介が通院していた病院先を教えてくれって。
そんなもん聞いてどうすんだよ?別々の病院だったし何を今さら聞いてんだ。
そうね…どうするのかしらね?小宮山君さ君主任なんだからそこんとこもうちょっとちゃんと確認したほうがよかったんじゃないの?はーい。
そうしまーす。
はい送信。
(村瀬)「はーい。
そうしまーす。
はい送信」じゃないよ!ったくもう緊張感がないっていうかなんていうか…。
小宮山君…。
小宮山主任。
ん?何?君さ前々から思ってたんだけど俺の話半分以上聞いてないよね?ねえそんな事よりも問題はこの御手洗社長よ。
この経歴全部でたらめなんだから調べ直さなきゃなんないでしょ。
はいはい了解。
ん?なんでキレた?ちょっと!うちのワインは無濾過ですので濁りが残ってるんですけどそれが美味しさに繋がってます。
なるほど…。
ぶどうの種類がすごい多いですよね。
(店員)そうですね。
これ年々増えてるんですか?
(男性)うちのワイナリーはもう140年…。
明治10年創業となっておりまして…。
どのような品種があるんですか?
(男性)あちらからだんだんになっておりまして甲州マスカット・ベリーAという品種を扱っております。
こんにちは。
(亜紀)どうですか?今年のぶどうは。
まあね…あんまり変わりません。

(笑い声)倫子ちゃん!?
(石川倫子)えっ驚きすぎじゃない?ちょっちょっちょっ…。
えっ?えっ?なんで?なんで?言ったでしょ。
山梨の知り合いのぶどう園しばらく手伝うって。
あっここ…だよね。
ここよ。
うん。
そっかそっか…。
ねえな〜に?えっ?私に会いに来てくれたの?もちろんだよ。
やだ恥ずかしいこの格好。
全然似合ってんじゃん。
いやいや…。
あっ亜紀さん来てたの?うんさっき着いたとこ。
あれ?倫子ちゃんこちらの方もしかして例の彼氏?まあ…。
初めまして夏目亜紀です。
『週刊潮流』で記者やってます。
あっどうも…浅輪です。
1週間前かな?亜紀さんがここに取材に来た時一緒にワイン飲んで盛り上がっちゃった。
ワインってもしかして…。
ううん。
まだ相変わらず味はわからないんだけどね。
でも気分よく酔っちゃった。
ね。
(樫村幸作)倫子ちゃん。
(樫村)こっち手伝ってくれないかな。
はーい。
今行きます。
あっここでお世話になってるご主人の樫村さん。
あとで紹介するから。
わかった。
刑事ならもう少し上手に尾行したら?彼女味覚障害なんですって?倫子ちゃんが話したんだね。
献身的に尽くしてくれている恋人ののろけ話として聞かされただけ。
あなただとは驚き。
こっちだって驚いたよ。
余計な事聞かすと彼女心配するんじゃないかと思って芝居したの。
ああそれはどうもありがとう。
あっねえわざわざ勝沼まで何しに?ワインの取材よ。
ずっとつけてきてたならわかってるんじゃないの?ああやっぱりそうか。
連載してる「にっぽんワイン紀行」だっけ?うん。
読んでくれてるんだ。
ありがとう。
いいえ。
百瀬フーズとアポロンツアーの取材行かなくていいんですか?あなたこそ私の尾行なんてどうでもいい事してていいの?君の情報源が気になるんで。
ふ〜ん…。
それはご苦労さま。
とんだ無駄足だったわね。
あっ恋人に会えたからよかったかしら?はい。
つまりお前は倫子さんとぶどう狩りを楽しんでお土産を手に帰ってきたってわけか。
結果的にいうとそういう事になりますね。
(村瀬)結果的もクソもないだろう。
お前状況わかってんのかよ?井川が受け取った金額も江尻と同じ1000万。
つまり依頼人は同一人物って事だ。
これがどういう事かわかってんのか?お前。
実行犯の違う…連続殺人。
そうそういう事だよ。
(青柳)見て。
うわぁ見て!落花生むいたらぶどう。
千葉土産の落花生もありますよ。
食べよう。
食べよう。
そんなもん悠長に食ってる場合じゃないだろ。
(志保)だって係長も食べてるわよ。
(村瀬)あの人は特殊…いやいや特別だよ。
青柳さんあなたもですよ。
何勝手なまねしてくれちゃってるんですか?井川の家族訪ねるなら訪ねるってちゃんと報告すべきだったんじゃないんですか?収穫あったからいいじゃないかよ。
(村瀬)なんすか?矢沢続き説明してやれ。
井川が奥さんに渡した1000万の入った封筒を調べてみたんですけど井川以外の指紋は検出されませんでした。
(村瀬)されなかったのかよ。
(青柳)村瀬そっちはどうだったんだよ?御手洗の経歴あれ全部でたらめでした。
それ知ってるよ。
本当の経歴は?アポロンツアーを興したのが今から5年…。
それ知ってるっつーの。
どこで何やってたのか?って。
百瀬との接点は?だからそれを今調べてる最中なんですよ!いい加減にそれぶどう食べるのやめませんか?それよりさリモコン開けたら見て…。
落花生出てきてビックリしたよ。
何をやってんだよあんたは!東都文化大学在学中にYTCってサークルに入ってた事はわかったんだけどね。
YTC?ヨット・テニス・サークルの略ですよね?やりたいサークルとかっていって私大のボンボンたちが集まってるサークルっすよ。
(青柳)若え頃からクズはクズかよ。
夏目亜紀さんの情報源もわからずじまい?はいすいません。
勝沼でアポロンツアーや百瀬フーズの内部情報得られるとも思えんしな。
豪快っすね。
甘くて美味しい。
あっ倫子さん元気に働いてました。
けどまだわかんないんだよね?味。
はい。
まだ味覚は戻ってないっす。
精神的な事も関係してるみたいなんですけどでも必ず治ります。
勝沼が空気が美味しくて本当にいいとこなんですよ。
お世話になってる樫村さんもとってもいい人ですし。
(悲鳴)
(ドアの開く音)何をしてんのかね?
(恵理子)すみませんいらしたんですか。
気がつきませんでした。
ああちょうど帰ろうとしていたところです。
君もお疲れのようだ。
早く休んだほうがいいよ。
(恵理子)ありがとうございます。

(カメラのシャッター音)どうして…どうして彼女が…。
(青柳)それを調べるのが俺たちの仕事だろ。
動揺してる場合じゃないよ。
うん。
上。
はい。
よし…。
じゃあ係長俺たち…。
(電車の走行音)俺たち第一発見…。
(電車の走行音)行こうか。
ちょっちょっちょっ…。
(村瀬)ここから突き落とされたんだろうな。
(志保)誤って転落するような場所でもないし…。
(村瀬)ちょっと…。
(志保)やんないわよ。
自分から身を投げる動機もないしね。
お疲れさまです。
お疲れさま。
これはなんだ?浅輪君…。
浅輪君!はーい!君視力2…いいや。
えっ!?
(カメラのシャッター音)鑑識さん…鑑識さん!
(真澄)ここを記録して。
はい。
(カメラのシャッター音)
(真澄)この右手の人さし指と中指の擦過傷は強い打撃によるものでした。
内部組織にもかなりの損傷が見られます。
浅輪君屋上の手すり彼女の指紋検出されたよね?はいはいはい。
って事は彼女が手すりをつかんでいてそれを引き離すために犯人が足で蹴ったとかそういう事ですかね?先生この成分ってわかりました?それがまだわかってないんです。
今調べてるところです。
もしかしたら犯人の靴についていた何かかもしれないですね。
それから井川氏と江尻氏に…。
このように特徴ある治療痕が見られたのでそれぞれの病院で調べてみました。
2人とも3か月ほど前最新医療機器を使って膵臓がんの治療をしてました。
えっ2人が同じ治療をしてたって事ですか?この機器を使ってね。
あっこの機械発売来年って書いてありますよ。
2人の治療は臨床試験だったようです。
残念ながら効果は見られなかったけれど。
2人とも家族のために必死で生きようとしてたんですね。
先生こういう機器って大々的に広告するもんですか?一般の人が目にする事はほとんどないと思います。
(瀬戸山)夏目君は仕事に熱心すぎたんです。
だからこんな目に遭ったとしか思えません。
彼女を恨んでた人物に心当たりとかありませんか?アポロンツアーも百瀬フーズも弁護士を通して何度も抗議してきました。
久松恵理子弁護士ですよね?ええ。
でも彼女は屈しませんでした。
隠された真実を太陽のもとにさらすのがジャーナリストの使命ですからね。
どうぞ。
アポロンツアー百瀬フーズの社長がお亡くなりになってるのに夏目さん取材まだ続けてたんですよね?2人の死の真相についても調べていたのかもしれません。
共に派閥争いがあったと彼女から聞いています。
やはり内部情報提供者はいたんですね。
ああ。
あの…夏目さんの事で他に何かご存じありませんか?他にですか?なんでもいいんです。
彼女身寄りいなかったんですよね。
ええ。
ご両親を幼い頃に亡くしてお兄さんと2人きりで生きてきたらしいんですが…。
お兄さんいたんですか?ええ。
でもそのお兄さんも彼女が大学生の時に事故で亡くなったと聞いています。
彼女が大学生って事は10年ぐらい前ですかね?ですね。
詳しい事は本人も語りたがらなかったんでそれ以上はわかりませんが。
気になりますね。
なるね。
樫村さ〜ん!樫村さ〜ん!
(ため息)樫村さん。
聞きましたか?亜紀さんの事。
聞いたよ。
どうして亜紀さんが…。
私にはわからんよ。
『週刊潮流』の夏目亜紀さんが亡くなられたのはご存じですよね?ええ聞いています。
あなた何度か彼女に抗議していたそうですね。
いえ脅していたと言うべきかしら?私が殺したとでも?なんのためにそんな事を?御手洗社長と百瀬社長を死に追いやった相手に対する復讐とは考えられませんか?それともアポロンツアー百瀬フーズ共に派閥争いや内部情報の漏洩など不祥事がありその秘密を突き止めた夏目さんを殺害しなければならない状況になった。
両方ともあり得ません。
なぜなら私にとってアポロンツアーも百瀬フーズももはやどうでもいい存在です。
それはどういう意味ですか?両社とも法的整理に入りました。
倒産するという事です。
両社を見捨てるんですか?利益にならない企業を守る義務はありません。
あくまで仕事ですから。
よかったらこれどうぞ。
これは…。
捜査のお役に立つようでしたらご利用ください。
おかえり。
(志保)お疲れさま。
何?これ。
アポロンツアーと百瀬フーズの内部極秘資料ですよ。
そんなもんどうしたんだよ?どうしたって我々が手に入れたんですよ。
久松弁護士から渡されたんですって。
はあ?顧問弁護士がなんで?顧客の資料を警察に渡すなんて久松君君の行動とは思えんよ。
私の何をご存じなんですか?何!?悪事に荷担するのが弁護士の仕事なら私にとっては意味のないもの。
ここにいる必要はありません。
お世話になりました。
浅輪これ配ってくれ。
はいありがとうございます。
勝手に資料渡すなんて背任行為ですよ。
弁護士続けられなくなりますよ。
う〜ん…。
久松弁護士何考えてたんですかね?理由はわからないけどこの資料早速役に立ったわ。
ねえこれ見て。
百瀬フーズの百瀬重行社長の経歴。
京成大学在学中にYTCに所属してる。
(村瀬)YT…これやりたいサークルか?御手洗と一緒じゃねえかよ。
2人は年齢も同じ。
つまり同じ時期に同じサークルにいたって事。
殺された2人に接点ありですよ。
御手洗なんですけど大東旅行っていう会社を父親から受け継いでまして10年前に死亡事故を起こして倒産してるんですよ。
(青柳)おい大東旅行モニターしろ。
あった大東旅行。
観光バスの事故。
事故の原因居眠り運転。
規定労働時間をはるかにオーバーしての乗務。
亡くなってるのは運転手と…夏目克典さん。
写真。
写真写真。
写真。
写真写真。
この写真…。
そっちかな?
(青柳)夏目亜紀さんのお兄さんかもしれない。
彼女の?当時司法修習生だったそうだ。
10年前に夏目亜紀さんは御手洗のせいでお兄さんを亡くしたって事?御手洗の野郎何食わぬ顔で社名変えただけでアポロンツアーやってやがったって事?ひでえな。
彼女が記者として御手洗を糾弾してたのはお兄さんの敵討ちでもあったって事ですね。
いや…ちょっと待ってちょっと待って…。
えっ?なんすか?あのさ…。
はい。
御手洗を糾弾したいんだったら10年前の事故って格好のネタじゃない。
けどこの週刊誌亜紀さんその事について一切触れてない。
確かに不自然ですね。
うん…。
なんで触れなかったんだろう?それともう一点。
その久松弁護士の資料とこの記事の内容酷似してる。
酷似っていうかこの資料がない限りこの記事は書けない。
(村瀬)つまりこの資料は夏目亜紀記者の手にも渡ってたって事ですか?久松弁護士が渡したんですかね?それはあり得ないだろう。
2人は敵対してたんじゃねえの?久松弁護士司法試験通ったのいつだろう?お忙しいところすいません。
(恵理子)ご用件は?大河原法律事務所をお辞めになったそうですね。
(恵理子)ええ。
まああなたには不似合いな法律事務所でしたから。
あなたは5年前まで小さな弁護士事務所で金にならない仕事ばかり引き受けてた。
そんなあなたがまるで別人のようになって大河原法律事務所で働き始めたのは5年前からですね。
御手洗社長がアポロンツアーを興し大河原法律事務所に顧問を依頼した直後です。
ちょうどこの場所ですよね。
10年前大東旅行の社長だった御手洗が過酷な労働を強いたせいでバスの運転手が居眠り事故を起こしたのは。
(志保)犠牲者となった司法修習生の夏目克典さんには恋人がいました。
同じ弁護士事務所にいたあなたです。
(亜紀)ねえここで写真撮ろう。
(恵理子)いいよ。
(亜紀)いきまーす。
はいチーズ。
(カメラのシャッター音)夏目克典さんには妹さんがいらっしゃった。
夏目亜紀さんです。
あっ見て。
(夏目克典)いい感じ。
うまいな。
今度は兄妹二人で仲よくね。
(恵理子)笑って〜。
(恵理子)いい?
(恵理子)さんはい。
(カメラのシャッター音)それが兄妹二人で撮った最後の写真になった。
克典さん…。
許さない…。
兄さんをこんな目に遭わせた奴絶対に許さない!
(恵理子の声)亜紀ちゃんはジャーナリストになり克典さんを殺した御手洗の行動を追い続けた。
5年前に御手洗社長が社名だけ変えてまた同じような会社を興した事をあなたに伝えたのも亜紀さんですね?ええ。
私は大河原法律事務所に入って顧問弁護士として御手洗に近づき監視し続けた。
悪事の決定的証拠をつかむために。
そして半年前御手洗のアポロンツアーはまた大きな事故を起こした。
それはあなたと夏目亜紀さんにとって復讐をする絶好の機会でもあった。
そうよ。
御手洗の悪事を公表し社会的に抹殺するつもりだった。
アポロンツアーの内部資料を夏目亜紀さんに渡して記事を書かせたんですね。
ええ。
彼女の記事に抗議して対立しているように見せかけたのも全てお芝居。
(女の子たちの話し声)
(青柳)谷口よすげえなお前。
こんな立派なお店任されてるの?ただのポン引きだったのにな。
(谷口)何言ってんですか青柳さん。
俺一応大卒だからここキレるんですよ。
(青柳)嘘だろお前。
京成大学って中学校だろ。
そうだよね?京成大中学卒だろお前。
(谷口)なんだとこの野郎!ああほらわがままなお坊ちゃまはこうやってすぐキレるんだよ。
まあまあまあ…。
今日お邪魔したのはその京成大学の時のお話をお伺いしようと思いましてね。
お前百瀬社長と同じやりたいサークルに所属してたんだって?
(谷口)それがなんだよ?ほら見てください。
(矢沢)これがあなたで御手洗社長そして百瀬社長。
このサークルどんな活動してたんですかね?そんなの覚えてねえよ。
忙しいんだよ。
帰れ帰れ!ほら準備準備。
準備だよ。
急いで急いで!持っといて。
はいはい!やっちゃっていいっすか?いいよ。
てめえ!この野郎!思い出せこの野郎!おいここキレてんだろ!イテイテイテ…。
思い出します…思い出しますよ。
(志保)10年前の事故を公表しなかったのはあなたと夏目克典さんそして亜紀さんとの関係を知られないためですか?
(恵理子)私と克典さんの関係が知られたら私はアポロンツアーの顧問弁護士を続ける事は出来ない。
亜紀ちゃんの取材も単なる個人的な恨みによるものと見られる恐れがあったから10年前の事故には触れる事が出来なかった。
(村瀬)御手洗と百瀬はある依頼人から大金を受け取った2人の被疑者によって殺害されました。
その依頼人に心当たりありませんか?私だとでも?夏目亜紀さんとも考えられる。
そんな形で復讐が出来るなら私は弁護士である必要はないし彼女も記者である必要はありません。
少なくとも彼女は仕事に誇りを持って生きていました。
失礼しました。
ただ…。
(志保)なんですか?彼女には思惑があった。
私にも言えない思惑が…。
1か月前も…。
恵理子さんもう少し時間をください。
今調べてるの。
御手洗を決定的に追い詰める材料を。
御手洗を決定的に追い詰める材料を?なんなんですか?それは。
私にも教えてくれなかった。
ただ私は無茶はするな深入りはするなって何度も言ったのに彼女はやめようとしなかった。
あの晩も…。
恵理子さん…。
亜紀ちゃんこれでもう終わりにしよう。
アポロンツアーは倒産する。
御手洗も死んだ。
私たちの復讐は終わった。
私たちが復讐を果たしたわけじゃない。
御手洗だけじゃなく百瀬まで殺されたのよ。
こんな形で終わりには出来ない。
もう少しなの。
もう少しで真相がわかる。
亜紀ちゃんあなた何をしようとしてるの?隠された真実を太陽のもとにさらすのがジャーナリストの使命なの。
また連絡します。
(恵理子)亜紀ちゃん…。
その直後に亜紀ちゃんは…。
(悲鳴)あの時私が止めていれば…。
亜紀さん何を調べていたのかしら?彼女が突き止めようとしてた真相…。
御手洗を決定的に追い詰める材料って一体なんなんだ?
(ため息)勝沼!?うん。
非常に協力的な谷口という元YTCのサークル仲間に話を聞いたんだけど25年前のちょうど今頃勝沼にぶどう狩りとキャンプに行ったらしいですよ。
何がぶどう狩りだよ!チャラチャラしたバカ息子どもが女狩りに行ってただけだろ。
青柳さん落ち着きましょうよ。
まあ天気が悪くて中止になったっていうからざまあみろだけどよ。
ハハハ…!25年前御手洗と百瀬は勝沼にいたって事?
(2人)うん。
夏目亜紀記者は殺害された日に勝沼に行ってる。
つまり彼女は何かを調べるために勝沼に行ったに違いないな。
うん。
(矢沢・青柳)う〜ん?主任俺やっぱもう一回勝沼に行ってきます。
(志保)お願いします。
係長行きましょう。
あっはい。
(携帯電話の振動音)
(携帯電話の振動音)はい小宮山です。
(恵理子)「久松です。
一つ気になる事を思い出しました」気になる事?
(志保)ワイン?あの時亜紀ちゃんワインを持っていた。
勝沼帰りだから誰かへの土産なんじゃないんですか?ワインの取材だったっていうし。
(志保)でも転落現場にワインはなかったわ。
(村瀬)つまり誰かにそのワインを渡したあと殺害された。
それか渡した人物に殺害されたか殺害した人物が持ち去ったか。
そのワインにはなんらかの意味が込められてるって事か?どんなワインだったか覚えてます?紙袋のロゴはなんとなく…。
勝沼のワイン調べよう。
ええ。
すいません一緒に来てください。
なんで村瀬まで勝沼行くわけ?我々は夏目亜紀の足取りを追いましょう。
ワイン渡した相手がいますからね。
(青柳)隠れろ。
(矢沢)えっ?ああ…どうも。
(真澄)みんなは?
(青柳)わぁー!青柳さん以外は?ぶどう狩り。
係長さんは?ぶどう狩り。
小宮山さん…。
ぶどう狩り。
ああいや…勝沼に捜査のほう行ってます。
そう…。
なんすか?いや膵臓がん治療のための最新医療機器の話聞いてる?ええ。
井川と江尻が受けてた治療の事ですよね?係長さんその医療機器の事気にしてたの。
こういう機器って大々的に広告するもんですか?一般の人が目にする事はほとんどないと思います。
(真澄の声)それで調べてみたんだけどこの雑誌に特集記事が組まれてたの。
『週刊潮流』。
3か月前…。
偶然ですかね?よし調べっか。
(真澄)ちょっ…ちょっと待って。
(矢沢)ありがとうございました。
もう一つあるのに…靴の事…。
これもいいんですよね?うんいい。
こっから出てるのは全部いいようん。
亜紀さんが亡くなるなんて…。
彼女と前にもここで話してるよね?その時なんか変わった様子なかった?特には…。
明るくて気さくでとても優しい人だった。
私が味覚の事相談したらね…。
倫子ちゃんそんなに焦らなくてもいいんじゃない?あなたの事大切に思ってくれてる人がいてさこんな素敵な場所で働けてさ。
私には十分幸せそうに見えるよ。
そっか…そうだよね。
うん…ありがとう。
そんな事言ってくれてたんだね。
うん。
私が精神的なものが原因って話したからすっごく親身になってくれたの。
彼女が勝沼に来た目的ワインの取材以外になんか聞いてない?う〜ん…。
詳しくはわからないけど週に一度は来てたみたい。
ねえ場所変えてもいい?ああ…。
最初亜紀さんに会った時に彼女ここで樫村さんと話をしてたの。
百合香さんの事件は…。
樫村さんと亜紀さんってどういう関係?う〜ん…。
ただの知り合いとは聞いてるけど深刻な感じだった。
百合香って名前も聞こえたし。
百合香って誰?樫村さんのお嬢さんの名前。
25年前に遭難してそれでここで遺体が見つかったらしいの。
25年前にお嬢さんが?うん。
詳しい事まではわからないんだけどね。
亜紀さんが樫村さんとここでお嬢さんの話をしていたってこれ…どう考えるべきですかね?それに樫村さん亜紀さんが亡くなった時も1人でここに来てたんだけどその時も様子がおかしかったの。
お嬢さんの死単なる遭難じゃなさそうですね。
ちょっと調べてみます。
頼む。
(携帯電話)はい。
(真澄)「係長さん早瀬川です」夏目亜紀さんの指の傷に付着してたものがわかりました。
フッ素樹脂なんですけど特定のメーカーで製造されてるトレッキングシューズに使用されてるものでした。
トレッキングシューズ?どうですか?
(恵理子)ここにあるのはどれも違うと思う。
すいません。
この女性に見覚えないですかね?ワインの取材に訪れていたようなんですが。
(矢沢)これあなたが書いた記事ですよね?ええそうですけど。
これを取材した時の原稿とか写真とかありましたら拝見したいんですけど。
25年前の遭難事故についてなんですけども当時高校生だった樫村百合香さんが1人で山菜採りに出かけて夜になっても帰ってこなかったと。
で翌朝あの川で発見されたそうです。

(樫村)百合香?百合香?百合香!「夕方から急に大雨になった事が遭難の原因だって言われてるんですけど気になるのがその日付なんですよ」日付?8月23日。
YTCが近くでキャンプしてた日なんです。
「とりあえずキャンプ場向かってみます」了解。
倫子ちゃんごめん。
こっからは…。
あっ…うん了解。
私の事気にしないで。
連絡待ってるから。
ありがとう。
その樫村幸作さんのお嬢さんの転落死に御手洗社長と百瀬社長が関与してたって事?「その可能性あります」もし関与していたとなると…。
「引き続き調べてみます」お願いします。
ぶどう園のオーナーの娘か…。
うん。
失礼します。
ああどうぞ。
ごあいさつ遅れました。
加納倫太郎と申します。
樫村です。
加納さんは倫子ちゃんのお父さんだそうですね。
はい。
父親らしい事何一つやってませんけど。
私も同じですよ。
娘の事はご存じですよね?はい。
25年前にお亡くなりになったとか。
私の女房は娘を…百合香を産んですぐに亡くなりました。
それから私と2人で生きてきた娘です。
しかし…。
18年というのはあまりにも短すぎました。
何もしてあげられなかった…。
でももしかしたらしてあげられる事が出来たのかもしれません。
でももしかしたらですよただの不運な事故だと思っていた娘の死の原因が別にあったとしたらどうしますか?もし娘が誰かに殺されていたとしたら加納さん…あなたならどうしますか?わかりません。
そうですよね…。
私にもわかりません。
ああこの方ならいらっしゃいましたよ。
えっこの女性に間違いありませんか?この女性がここに来たんですね?間違いありませんよ。
25年前の利用者名簿を見せてくれって言うから見せましたよ。
(従業員の声)隣のコテージの利用者も確認したいって言うからそっちも見せました。
これがコテージの名簿です。
あっありがとうございます。
それと同じものを見せて頂けますか?ここ?うん。
間違いないな…。
これよ!これに間違いない。
これ井川博英ですよ。
こっち江尻慶介だよ。
あなたこの2人取材したんですね?ええ。
でもどうしてこの2人記事になってないんですか?ボツになったんですよ。
ボツ?御手洗百瀬…。
こっちもいいですか?あっどうぞ。
どういう事だ?なんでこの人の名前が…。
この女性ご存じですよね?
(村瀬)こちらに足を運んでるはずなんですが。
小杉さんあなたの事ご近所で伺いました。
このワイナリー25年前倒産しかかってたそうですね。
しかしある時期を境に持ち直した。
あなたはどこからか資金を調達して一時に借金を返済したそうじゃないですか。
(小杉義弘)それがなんだっていうんですか?
(村瀬)問題はその時期です。
ちょうどその頃ここからも見える岩蔵岳で1人の女子高生が遺体となって発見されました。
あなたはその事故の直後山から下りてきた若者たちの姿を目撃したと一度は証言したもののすぐに撤回してますね。
撤回した理由なんですか?あなたが目撃した若者っていうのはこの2人なんじゃないですか?あんたは金持ちのボンボンのこいつらに大金を渡されて証言を覆したんじゃないのか?もう許してくれ!私は全部正直に話した!夏目亜紀さんに話したんですね?ああ話したよ。
亜紀さんその時ここでワインを買っていきましたね?ああ。
何を正直に話したんだ?25年前の事だよ。
あいつらの事だ。
俺はあいつらが何をしたかなんて知らなかった。
だから言われるまま何も見てないって言ったんだ。
本当に知らないんだ。
あの3人が何をしたかなんて…。
3人?御手洗と百瀬2人の間違いなんじゃないのか?どうしてこの2人だけボツになったんですかね?私にもわからなかったんですよ。
うーんにおうなぁ。
…何?青柳さんこれ。
あら?井川の息子が遊んでたのと同じだな。
ええ同じものですね。
これどうしたんですか?それは取材先でもらった試作品なんです。
来月発売になるものですね。
えっまだ売ってないの?
(編集部員)ええ。
えっ25年前その男は1人で宿泊してたの?はい。
山野草の収集にたびたび利用してたみたいです。
山野草?ありがとう。
夏目亜紀さんがここで聞いた話を樫村さんに伝えたとしたら?だとしたら樫村さんは御手洗や百瀬だけじゃなくその男の事も許せないはずだ。

(矢沢)竜太君!こんにちは。
あのねお願いそのオモチャ貸してくれる?
(井川竜太)えっ?
(青柳)これと交換。
よかった。
はいちょっとじゃあここに…。
はいありがとう。
すいませんこんなところまで来て頂いて。
はじめまして瀬戸山です。
君か3人目の男は。
夏目君やはり私の事をあなたに話してたんですね。
彼女は君の名前までは教えてくれなかったよ。
百合香はその3人のせいで死んだというのか?もう少し時間をください。
最後の1人に確かめたいんです。
教えてくれ。
25年前この山の中で何が起こったのか。
娘はなぜ死ななければならなかったのか。
なあ教えてくれよ。
夏目君がどう言ったか知りませんが25年前私も被害者だったんです。
悪いのは御手洗と百瀬なんです。
あの2人さえこの山にいなければあんな悲劇は起こらなかった!あの日私はいつものように山野草の採集と観察に来ていました。
私の若い頃からの唯一の趣味なんです。
(雷鳴)
(瀬戸山の声)でも急に天候が悪化して…。
(樫村百合香)大丈夫ですか?私についてきてください。
(瀬戸山)はい。
(御手洗)おい!俺たちも連れてってくれよ!道わかんねえんだよ!
(百合香)皆さん私についてきてください。
ああ頼むわ。
(瀬戸山の声)御手洗と百瀬は山菜採りに行くあなたのお嬢さんを見かけてよからぬ事をしようとあとをつけて山に入っていたんです。
おいそっちじゃなくてこっちじゃねえのか?
(百合香)そっちは行き止まりです。
道間違えたんじゃねえのか?ああ。
俺らこっちから行くから。
(百合香)ちょっと待ってください!ちょっと…ちょっと待ってください!
(御手洗)ああー!なんなんだよこれ…。
死にたくねえよ!痛っ!大丈夫?
(百合香)足が折れたみたい。
折れたの!?
(百合香)早くここから上がらないと崩れる…。
ねえ彼女は?えっ?どうすりゃいいんだよ。
骨が折れてんだろうがよ!お前俺たちに死ねって言うのか!お前俺たちが誰だかわかってんのか!俺たちはな親父の会社継ぐんだよ!この国に必要な人間なの!そんな女とは違うんだよ!
(御手洗)助けたけりゃおめえが助けろよ!お願い助けて!
(瀬戸山の声)私は助けたかった。
なんとか助けようとしたんだ!でも御手洗と百瀬が…。
娘は私の大好物のウドを採りに山に入ったんだ。
私は出来る限りの事をした。
18歳だったんだ…。
百合香は18歳だったんだよ!私は悪くない!なぜすぐに警察に知らせなかったんだ?えっ?娘は溺死だと聞いている。
早く知らせればこんな事にならなかったかもしれないじゃないか。
私は…!それは無理ですよ。
警察になんか言えませんよ。
お願い助けて!助けてー!
(百合香)助けてー!
(百合香)ああーっ!あんたやっぱ駄目だ。
往生際の悪い娘と一緒だ。
なんだと!?こっちは謝ってるじゃないですか。
それをぐだぐだぐだぐだうるせえんだよ!警察が来てるんだ。
これ以上騒がれると困るんですよ。
おとなしく娘のところに行ってください。
瀬戸山!いい加減にしろ!誤解しないでくれ!25年前私は確かに大きな過ちを犯した。
それをずっと悔いて生きてきた。
でもこの男は私たちを許してくれなかった。
御手洗を殺し百瀬を殺し夏目君まで口封じのために殺して最後に私を殺そうとしたんだ!そんな話誰が信じるんですか!瀬戸山さん!サンレッド勝沼ワイナリーのオーナー覚えてますか?25年前あなたが先頭に立って頼み込んで口止めさせたようですね。
金を積んだのは御手洗と百瀬だ!俺はそんな事までしていない!あいつらとは違う!私は25年間地道に真面目に生きてきてんだ。
それに比べて御手洗と百瀬はどうだ?あの2人はどうしようもない生き方をして世間を騒がせた。
その御手洗と百瀬を取材して徹底的に叩いたのがあなたの部下の夏目亜紀さんだった。
協力者はここにいる久松恵理子弁護士だ。
知らなかったようね。
亜紀さんのお兄さんは御手洗に殺されたようなものだったの。
そのお兄さんの恋人が…久松弁護士よ。
御手洗と百瀬は自分を攻撃してくるのがあんたの部下だと知って黙ってなかったでしょうね。
(御手洗)すぐにやめさせろ。
やめさせないとお前も終わるぞ。
お前25年前あの女子高生蹴り落としたよね?
(百瀬)ひどいなぁ。
どうせなら俺たち弁護するような記事書いてよ。
25年前の事黙っててやるからさ。
俺たちを奈落の底に突き落とそうというならお前の足つかんで道連れにしてやるよ。
俺たちは蹴り落とされねえぞ。
追い詰められたあんたはある計画を思いついた。
大切な家族を残して死んでいく人間しかも金に困っている人間をあんたは利用した。
なんの事です?井川博英さんと江尻慶介さんをあんたは利用したんだ。
そんな奴の事なんか知らない!ああ!?お前知らねえわけねえだろ!おいこれ見ろ!最新医療機器の取材。
井川も江尻も受けてますよね?お前2人の記事をボツにして直接会いに行って儲け話…いや人殺し依頼したんだろ!人殺しをしろっていうのか?人殺しではありません。
世直しです。
あなたのように真面目に生きてきた人が死ななくてはならないというのに御手洗のような男がのうのうと生きている。
私はそれが許せない!でも俺が人殺しなんてしたら女房や息子が…。
あなたとの思い出だけで残された家族は生きていけませんよ。
生きるために大切なのはなんですか?必要なものはなんですか?お金です。
これもよかったら愛する息子さんにどうぞ。
このオモチャに付いてた指紋とあんたのデスクに付いてた指紋一致しました。
井川だけじゃなく江尻にも1千万渡して言いくるめたよな?あなたはこのままお母さんを残して死んでいいんですか?親孝行出来る最後のチャンスですよ。
親孝行?そうです。
あなたの行為は世直しであり親孝行でもあるんです。
あんたは井川には病院でそれらしい事をつぶやかせ…。
社会の役に立つ事をして死にたいですね。
江尻には…。
天誅!叫ばせた!2人はあんたに言われたとおり人を殺して…。
(刺す音)あっ…。
天誅!!
(刺す音)あんたに言われたとおり自ら命を絶った。
亜紀さんは御手洗と百瀬の事を調べる中で25年前の事故を知りそこにあなたが関わっているのではないかという疑念を抱いた。
でも確証はないしあなたを告発する事はしなかった。
でもあなたが御手洗と百瀬の殺害を命じていたと知ったら話は別です。
彼女は気づいたんだ。
あなたが膵臓がんに侵されている井川さんと江尻さんの事を利用したって事を。
(浅輪の声)この2人末期の膵臓がんでした。
余命3か月もなかった。
膵臓がん?
(志保)亜紀さんはあの日ワイナリーのオーナーから25年前の真相を聞き出しあなたが御手洗と百瀬を殺害させたと確信を持った。
だからワインを買ってあなたに会いに行ったのよ。
亜紀ちゃんはあなたに会いに行く前にこう言い残した。
隠された真実を太陽のもとにさらすのがジャーナリストの使命なの。
隠された真実を太陽のもとにさらすのがジャーナリストの使命だと。
あなたが常日頃口にしていた言葉だそうですね?ああ。
俺らも聞いたよな?ええ。
隠された真実を太陽のもとにさらすのがジャーナリストの使命ですからね。
亜紀ちゃんはあなたを兄のように慕って尊敬していた。
最後まであなたを信じようとしていた。
だからあなたの言葉を使ったのよ。
(村瀬)そんな彼女をお前はビルの屋上へ呼び出して殺したんだ!このワインわかりますか?25年前編集長たちが嘘の証言をさせた人が造ったワインです。
夏目君私にどうしろというんだ?警察へ行って真実を話してください。
私は警察に行くような事は何もしてないよ。
井川博英さんと江尻慶介さんの事もわかっています。
(ため息)わかったよ。
君の言うとおりにするよ。
ああ…編集長…。
はあーっ!キャーッ!助けて…!手すりにつかまり助けを求める亜紀さんの手をあんたは蹴りつけた。
そんな事はしてない!誤って落ちそうになった彼女を助けようとしたんだ!その靴!その靴調べりゃすぐわかる。
ルミノール反応だって出る!うっ…ああ…。
ふんっ!
(悲鳴)
(衝突音)皆さんどうかしてますよ。
聞きますけど私悪い事してます?25年前私があの娘と一緒に死ねばよかったんですか?悪いのは御手洗と百瀬ですよ。
あんな奴ら生かしといて誰が得するっていうんですか。
また罪のない人たちがあいつらのせいで死ぬかもしれないんですよ!?それに私は金に困って死を待つのみの2人の男とその家族を助けたんですよ!これって正しい行為じゃありませんか?正義ですよ!死ぬのが当然の人間たちが死んだだけだ!私は間違ってない!瀬戸山!ふざけんな!お前人の命なんだと思ってんだ!君には正義なんかない!25年前樫村百合香さんは自分の命かけて君たち3人守ろうとした。
ちょっと待ってください!ちょっと…!
(御手洗)ああー!夏目亜紀さんはジャーナリストとして真相を追い求めた。
そこにあったのが正義だ。
君にはない!君にあるのは自己愛だけだ。
自分しか愛さない。
そんな君に大切な人を残して死んでいかざるを得ない人たちの悲しみや苦しみがわかるわけがない!君のような人間にもてあそばれていい命なんかどこにもない!まず人の心を取り戻せ。
話はそれからだ。

(鳥の鳴き声)倫子ちゃん樫村さんが飲みなさいって。
あっありがとう。
搾りたてのぶどうジュース。
よいしょ…。
私樫村さんのお手伝いしながらもうちょっとここで頑張ってみるね。
うん…そうしな。
あっ…。
ああ〜うまい!うーん本当に美味しい!やっぱ搾りたては最高!うん。
うーん。
はあ…。
えっ?どうしたの?今なんて言った?やっぱ搾りたては最高…。
違う違う違う!その前。
あっ…。
美味しい…。
ちょっとちょっと…。
これ食べて。
えっ?えっ?食べて。
食べて。
何?いいから。
えっ?すっぱ…!うんでもこれいける。
アハハ…。
キャーッ!治ってる…。
治ってるじゃん!うん。
味わかる。
よかった。
信じててよかった…。
やったー!ハハ…。
やったー!シーッシーッ!やったー!わあーやったー!2014/10/05(日) 21:00〜23:10
ABCテレビ1
ドラマスペシャル 警視庁捜査一課9係[字]

日曜よる9時に“9係”がドラマスペシャルで登場!
実行犯の違う連続殺人の謎に、個性豊かな9係メンバーが抜群のチームワークで挑む!!

詳細情報
◇番組内容
経営者殺害事件が相次いで発生する!それは命を懸けた動機なき殺人!?
事件の裏に隠された真実…その前に立ちはだかる2人の女とは?
倫太郎(渡瀬恒彦)ら9係が暴いた犯人。そして、意外な真実が明らかに!!
◇出演者
渡瀬恒彦、井ノ原快彦、羽田美智子、津田寛治、吹越満、田口浩正、原沙知絵、中越典子
【ゲスト】高岡早紀、林泰文、原田佳奈、中山仁、阪田マサノブ、田崎トシミ ほか
◇脚本
深沢正樹
◇監督
新村良二
◇音楽
吉川清之
◇主題歌
V6『涙のアトが消える頃』(avex trax)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】松本基弘(テレビ朝日)
【プロデューサー】山田兼司(テレビ朝日)、金丸哲也(東映)、丸山真哉(東映)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari/
☆携帯サイト
 メニュー>テレビ>テレビ朝日>警視庁捜査一課9係

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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