うまいッ!「幻の!?超高級アジ〜長崎市〜」 2014.10.05

今日の主役はアジ。
長崎が誇るブランド「野母んあじ」です。
ぷりっぷりの弾力に上品な脂が自慢。
でも泳ぐ姿は金色で何だかアジじゃないみたいでしょ。
野母んあじは和食の達人中村孝明さんも絶賛。
あまたのブランドアジの中でもピカイチなんだとか。
(近江)おっスッゴ!達人にかかると野母んあじはこんな感じ。
香味野菜が上品な脂を引き立てます。
さあそのお味は?近江君。
達人一押しのアジのふるさとは長崎です。
釣り上げるのはこの漁師さんなんだそうですけど…。
え〜!?でもこの方腕は抜群!僅かな当たりを見極めて次々に大物アジを釣り上げていきます。
そして獲物は決して手では触りません。
更に!極上アジを作り出す陸の仕事人にも密着。
アジの価値をググッと高めるスゴ技が炸裂でございます!あまりの早業にもう呆然!長崎の「野母んあじ」。
「この『アジ』の『味』一体何?」って言っちゃう事請け合いです。
うわ〜すごかったね大きい金色で。
(2人)おはようございます。
今日の主役はアジ野母んあじ聞いた事ない。
アジはやった事ないんですか?「うまいッ!」は。
ないですね私たちになってね。
あれ?これはやんなきゃね。
すみません。
失礼しま〜す。
おはようございます。
はじめまして。
食材ハンターの近江陽一郎です。
長崎放送局アナウンサーの山口寛明です。
お二人25歳のフレッシュコンビで今日は。
近江君は初登場。
映画や舞台で活躍中の俳優さんでございます。
でも今日は俳優じゃなくて食材ハンターなのでよろしくお願いします。
声の圧が半端ないですよもう。
もう元気にいこうと思って。
いいねえ。
こちらは水揚げ日本一を誇ります長崎の野母んあじでございます。
これちょっとアジ?ほんとに。
そうなんです。
大きいですよね。
こんな大ぶりのアジあるんだ。
かといってキュッと細いわけじゃなくておなかもタプッと。
何かね真ん丸な感じですね。
おいしさがギュッと詰まってるんですけども。
アジの旬といえば初夏というイメージが多いと思うんですけどもこちらは10月ごろからグッとおいしくなるという事でもうまさにこれからのアジなんですよ。
これは野母んあじと言いますけど長崎市の野母崎地区でとられるアジ野母崎地区のアジ野母崎のアジ野母んあじとなまってるんですけれども。
よし!そこ覚えて頂いたあとにそのあとに厳選したものだけが野母んあじとして認定されるんです。
いろんな規格があるわけね。
そうなんです。
ブランドアジなんですね。
その規格というのが大きさが体長26cm以上で重さが300〜500gの間っていうふうに決まってるんです。
そこから厳選されたものがこの野母んあじになるわけなんです。
厳しいんですねなかなか。
厳しいんです。
これ食べてたけどすごいの?いや〜もうすごいんですよ!でもまずはなんですけどこの大きなアジどのようにとられているか長崎県に行ってきました。
長崎市中心部から車で40分。
長崎半島の南にある野母崎樺島町です
夕方漁師さんたちが集まっていると聞いて港を訪ねました
野母んあじを釣っている松村さんという方を探してるんですけども。
こいつ。
この人ね。
あっこちら。
松浦さんですか?東京から来ました食材ハンターの近江陽一郎です。
ちょっとこわもてのこの方が松村弘文さんです。
でも漁の腕前は仲間のみんなが認めているんです
パチンコ負けちゃったあとみたいな雰囲気ある。
ぼっくりうまか?すごくおいしい。
ぼっくりうまか。
その野母んあじの漁に同行させて頂きたいんですけど。
いいですか?やった!
翌朝7時です
おはようございます。
おはようございます。
今日ちょっといい感じに涼しいから今日楽かなと思ったんですけど。
いきなり不安になるひと言をもらっての出航でしたが…
でもそう言いつつ松村さん釣る気は満々でございます!この日向かったのは最近大きなアジが釣れているというポイントです
出航から20分で漁場に到着したようです。
ところが松村さん辺りを見回すばかりでなかなか漁を始めないんです
アジ漁はアンカー錨を打って行います。
実はこのアンカーを打つ場所が非常に大事なんです
本当に位置が10mずれるだけで水揚げは大きく変わると言われています。
どんな場所をねらっているかといいますと…
そもそもアジは海底の起伏のある場所を好みます。
しかも潮の流れを待ち受けるような場所にいるんだそうです。
アジのいる場所にピンポイントで仕掛けを落とすためには潮で流される分も計算してアンカーを打たなければならないんです
ちょっと海流の上の方からね。
細かく船を動かす事10分。
松村さんの合図で乗組員がアンカーを落とします。
さあここから漁の開始です!
これで釣るんですか?そう。
漁はこの竿を使った一本釣りで行います
カツオは聞いた事あるけど。
アジの一本釣り。
ゴムでできた擬似餌の針と魚をおびき寄せるまき餌の籠が仕掛けになっております。
でも何か不思議なものがついてるんです
沈んでる時はその水圧というか…。
なるほど。
それで底についたら勝手に開くという事ですか。
すごい。
というわけでお手製の仕掛けを投入です
仕掛けが海底につくと電動リールの巻き上げボタンを3回押します
何か意味あるの?
実は本当にそうなんですけどこの3回というのに深〜い意味があるんです!海底についた仕掛けを1回上げますとビニールが開いてまき餌が出てきます。
そこから更に2回上げる事によって針をまき餌の中心よりも少し上に持っていくこれが大切なんです。
アジは斜め上を向いて餌を食べる習性があるんです。
その目線の先にちょうど擬似餌が来るようにしむけているんです
アジの目線まで考えてんの?
そうなんですよ。
この仕掛けを船の左右2か所に落としてアジをねらいますがさて…
お〜来た!
仕掛けと魚を間違えてしまいました。
もうすごい興奮しちゃって
クラゲには見えるけど魚じゃないだろあれ。
その後1時間やったんですけど全く当たりが来なかったんです
ヤバイよ。
最初言ってたとおりじゃん。
こういう時もあるんですね。
釣れん。
そこでこのポイントを諦めましてまた移動する事にしました
釣れない時こそが腕の見せ場ですから。
松村さんはこの季節にはあまり行かない場所に行って勝負をする事にしました
上から見えないですもんね。
そして船を走らせる事20分。
新しいポイントに到着です。
さあ果たして今度はどうでしょうか。
すると…
お〜!
松村さん巻き上げを開始しました
これは空とは違うよ。
もう本当にそうなんです。
仕掛けを下ろしてすぐに反応があったようです
こうなったら面白そうね。
そうなんですよ
来た来た?来た来た?お〜デッケエ!デカッ!デカッ!スタジオのやつよりもデカイぞこれ。
デカイ!
見て下さいこの大きさ。
見事な特大サイズのアジです!
松村さんも思わずにんまりです。
すると本当に口火を切ったかのように次々と大きなアジが上がってきます
迫力ありますね。
はい。
さすがです
簡単に釣っているように見える松村さんですけど実は僅かなサインを見極めているんです。
それがこちらです。
よく見て下さい。
竿の先ですか?
はい。
これ今のです。
分かりました?もう一回いきます。
見て下さいよ
これ
チチッ?
今のがアジの当たりで松村さんは…
携帯のバイブみたいだね。
そういう僅かなサインを見極めてすぐ巻き上げるという。
というのもすぐ巻き上げるというのはアジは口が柔らかいので暴れるとすぐに針が取れて逃げてしまうんです。
しかも釣り上げてからはアジは絶対に手では触らずに直接生けすへと。
これが鮮度維持には欠かせないんだそうです
という事はちょっとアレですか?売る時とかに。
そうそうそう。
この日松村さんは大きめサイズのアジを30匹ほど釣り上げました
そして漁の終わりにアジを特別にさばいてくれました
「アジ」なのに「サバ」いた。
そうなんです。
「サバ」で。
豪快に切ってアジを頂きます
もうプリプリしてるのが分かったけど今。
崩れているじゃないですかあなた。
歯応えスゴッ!いやすごいですこれ。
いただきます。
こんなにありますもんね。
ありがとうございます。
すごい。
ちょっとぶっきらぼうな感じに見えて時折優しい感じが。
ちょっとあのアジが餌を食べるのが斜め向いてる?それも計算して。
だから本当にプロです。
お手製のまき餌のビニールも作って。
すごいね。
本日の専門家をご紹介いたしましょう。
魚といえばこの方。
水産庁職員のウエカツさんでございます。
どうもご無沙汰しておりました。
ウエカツさんすごいアジですねこれは。
大きさも。
ブランドアジ全国にあるんだけどもこのサイズはなかなかないです。
この野母沖の漁場ってのは僕ここで漁しとったから大体地形は分かってるけどもこの海底地形盛り上がってる「瀬」って言いますけどここに潮がこっちからあっちから…当たるでしょ。
そうすると餌が巻き上げられてこの潮に魚がつく。
だからねらう場所がその潮の流れによって違う。
そういう所ってのはこのアジが瀬から瀬へ移動しながら居つく可能性があるんだよね。
常に餌が安定してとれるからアジもそこを分かってずっとそこに居るわけ?
(上田)そうそう。
そうやってこういう体形になってしまった。
これ体形はこんだけ違うけど普通の我々食べるアジとは何か違うんですか?普通にスーパーで売ってるやつは尻尾見て分かるんですね。
これが黒いはず。
これ黄色いでしょ。
これ通称「黄アジ」っていうんです。
それに対して黒いやつは「黒アジ」っていうんです。
違う種類なんですか?実はこれDNA調べてみると遺伝子は同じ。
もともとは同じだけど住み着いたりとかする事で変わってくる。
ずっと大海原沖を回遊していく黒アジに対してそれが種をまいて居ついていく。
それで大体こうなっていくというのが定説なんですけどもこれが居つく条件というのがなかなか全国的に少ないもんでこれは希少価値です。
データが少ないから分かんないんだ。
黄アジと黒アジというのはDNAは一緒で味はどうなんですか。
体形でいうと頭でっかちでシュンとスレンダーなのが回遊系だから黒アジ。
こっちは若干赤みがかっててだしの利いた味っていうのかな。
黒アジの方が。
そのかわり加熱したりするとちょっと身がバサバサ。
筋肉質だから。
それに対して黄アジっていうのは上等の白身の甘い味がする。
それで脂ののりがジトッとこう。
あとで刺身で出てきたら見れるんだけども。
味は違うんだ。
それぞれの特徴があるんですね。
加熱してもそれぞれにおいしい。
へ〜違うものなんですね。
こっちの方が断然希少価値です。
アジの概念が変わります。
そして魚そのものはもちろん一級品なんですけどもここから更にもう一手間二手間かけないと野母んあじにはならないんです。
松村さんの船が港に帰ってきました
すると水槽が運ばれてきて釣ったアジが移されていきます
水槽に走るんじゃなくて水槽が来るんだ。
VIPだね。
網も底が平らで。
(上田)やわらかいもの使ってね。
そしてすぐに選別作業の始まりです
一回も手を使ってないもんね。
そうなんです
ここで登場するのがこの人。
魚を見極めて20年スゴ腕の仕事人峰達也さんです
峰さんは水槽のアジを上中下の3段階のサイズに瞬時に選別しています
選別したアジはここでも手を触れずにすぐに生けすへ移します。
ここで2〜3日泳がせる事で胃の中のものが消化されて臭みが抜けていきます
選別?
なんと出荷前にもう一度選別をするんです。
峰さんは僅かな傷も見逃しません
(峰)これ分かります?これですよね。
そうそうそう。
でもほとんどもう。
ちょっと分からんとですけどね。
このように厳しい選別を経ていよいよ出荷です。
ここで鮮度を保つ大事な作業があります。
脳を一突きアジを生け締めにして血抜きをするんです。
更に峰さんが取り出したのは針金です。
これをアジの眉間に刺していきます。
そのあまりの早業に私目が点でございます
今のはですね…アジの背骨に沿って脊髄の神経があるんですけど峰さんはこの神経に針金を通していたんです
だからビリビリしてた。
そうなんですよ。
「神経抜き」と言われているこの技なんですけども針金で神経を殺す事で死後硬直を遅らせまして鮮度とか食感を長く維持するという技術です
あっそうなんですか。
そうです。
そしてそのアジを海水氷で引き締める事20分です
そして仕上げは箱詰めです。
氷の上に柔らかいスポンジを敷いてアジは1本ずつ袋に詰めます。
氷に直接当たりますと身が傷んでやけてしまうのでそれを防ぐためです。
徹底的にこだわってそして野母んあじとして送り出します
仕事人峰。
はい仕事人です。
釣ってからがあんなに大変。
ビビビビビ。
アジじゃなくてよかった〜。
あの神経の所にズボッといく。
人間もねここから抜けるからね。
同じ脊椎動物だから。
あのでもビビビっていう締めるっていうのが大事なんですか?あれね鮮度保持もあるんだけどもあれ神経締めっていうんですが神経を壊す事によって神経から筋肉への連絡を断って肉の反応を緩やかにしてあげる。
だから死後硬直が遅くなる。
何かっていうと死後硬直が遅ければ遅いほどうまみっていうのはグーッと増えてくるんですね。
何もしないで早く死んで硬くなってしまうとこれぐらいしかうまみ出ない。
それで次の硬直に入ったらうまみ生産はストップだからできるだけ硬直の時間を長くしてあげて次のうまみも比例するからね。
だからこういうグラフを描く。
それでこういうのとどっちがいいかっていう。
じゃああれをやるとグーッとうまみが。
上がって。
ただこれをやりゃあいいって話じゃなくてそのあとの…まず取るところからの扱い。
それから神経締めしたあとの氷の当て方ね。
そういったような事が全部関係しますから。
すごいね。
じゃあ1個も抜く事はできない作業って事だね。
ちょっとした傷も許さないっていう。
1匹でも悪いものがあればそれで信用失っちゃうでしょ。
そんなみんなで手塩にかけた野母んあじお刺身をご用意させて頂きました。
出た!すごい!すごく大きいんですけど。
そうなんです。
アジですよ。
これ切り方が薄く切ってありますね。
そうなんですよ。
野母んあじというのは鮮度と肉質がすごく良いので薄造りにしても身がしっかりしていておいしいと。
もう漁師さんたちみんながこれが一番うまいからって。
これはしょうがですか?しょうがですね。
(上田)何もつけないで初め食った方がいいよ。
もうしょうがのせちゃいました。
じゃあそのままいこう。
私もそのままいってみましょうか。
あ〜俺も食べたい!
(上田)は〜きれいなアジだな。
まずこの表面艶これがうまみの証し。
それでねスーッとこう血合いが美しくてさ甘いな。
血合いの色もきれいだよね。
このちょっとネットリとした感じ。
あっほんとですね。
何か脂がネットリと来るけれどおいしい。
これはさあなたが食べた時とはまた違う味。
取れたてとはまた違うんですよね。
うん。
うまみがグーッとのってきたので食べた方がいいよ。
ちょっとあとで頂きますよ。
(山口)こういうおいしいおいしい野母んあじなんですけれどもこうしたブランドアジって実は全国にたくさんあるんですよ。
代表的なものまとめました。
あっほんとだ。
「関あじ」「岬あじ」辺りよく知ってますけど。
東京の築地だと関あじにも野母んあじ劣らないという声もあるんですが知名度はもうちょっと足りないかなというところもありまして。
あと東京湾ですと「金アジ」。
最近食べました。
あっほんとですか。
あと長崎だけでもいくつかあります。
野母んあじの他にも「ごんあじ」。
そして旬のあじと書いて「旬あじ」。
こういうふうにたくさん全国にライバルがいるんですよ。
島根「どんちっちアジ」だって。
どんなアジかな?魅力的なブランドアジがある中で野母んあじまだ流通量が少なくて知名度ももう一歩というところなんですが。
競争激しいですもんね。
そうですよね。
これだけあったら。
そこで知名度を上げるために長崎ではこんな戦略が行われています。
松村さんたちの港から車で40分。
長崎市の中心部にある漁協直営の直売所とレストランです。
自慢の野母んあじをアピールするため4年前にオープンしました。
産地との近さを生かし新鮮なアジを提供。
流通量が少ない分口コミでファンを増やす事をねらっています
こうしてね…。
本当に白身の高級魚みたいな感じでしたね。
食べてる人たちも味分かってる人たちが行ってる感じだね。
こうして地元にアンテナショップを作る事でまず地元から足場を固めていってファンを着実に増やしていこうという取り組みなんです。
食べてくれれば分かるだろうと。
今も口コミでどんどん評判が広まって黒字経営になっているんですよ。
上田さんこういう取り組みはどうですか?地元の。
ブランドっていうといかにも華々しい感じだけどもブランド過当競争気味でみんな少ない客を奪い合っている状態。
で「何がいいの?」って今言われちゃうわけ。
それで結局こういう固定した場所があるとそこに来たお客さんにしっかり説明して味も見てもらって本当の中身を分かって下さったお客さんが他に伝えてくれる。
で料理人さんたちも伝わっていく。
こういう地道な活動取り組みの積み重ねの結果ブランドになっていくわけですよ。
ブランドを作った時点で終わりじゃなくてそれからちゃんと理解してこうしてお客さんに伝えるまでが。
ポスター作ってブランド名つけるだけじゃ話になんない。
その良さを自分たちも分かって更にお客さんに伝えてこそ。
いかにピンと来るように伝えられるかっていうそこがブランドを作るための勝負ですよ。
でもあそこに行けば野母んあじが食べられるという場所があればね。
というかまだうまみ残ってるからすごい。
かんでるうちにさ喉が「くれ!くれ!」って言うでしょ。
これが本当にうまい魚なんだよ。
(山口)このおいしさがどんどん広まっていって知名度アップにつながればいいと思うんですがこの地域だともう一つ知名度アップの他に課題があるんです。
それが後継者不足なんですね。
一本釣りの漁師の方この地域だと20年前だと30人いたのが10年前だと1/39人に減ってしまったんです。
どうにかしなきゃね。
そんな中でここでは漁師を一般公募して研修で育てるという取り組みを行っているんです。
こんにちは。
NHKの山口といいます。
同い年。
牧さんは9年前に福岡県からこの土地に移り住み研修を経て漁師になりました
大学卒業後食肉関係の商社に就職した牧さん。
しかし組織の中で働く事に疑問を感じ腕一本で食べていく漁師の世界に憧れを持つようになります。
そのころ長女が誕生します。
この事が牧さんの背中を押しました
すてきですね。
その時牧さんは野母崎樺島が漁師を一般から募っている事を知ります。
町と漁協が一体となり研修を受けさせてくれるという事で参加しました
牧さんは研修中に家族を呼び寄せて中古の漁船を手に入れて独立。
現在野母んあじの一本釣りや素潜り漁を行っているんです
牧さんが受けた研修では一本釣りをする地元の漁師たち全員が持ち回りで指導しました。
船の操作はもちろん漁師にとって企業秘密ともいえる仕掛けや漁場まで丁寧に教えました
樺島ではこれまでに13人の研修生を受け入れ牧さんを含め3人が漁師として地元に残りました。
山本幸徳さんそして守田裕さん。
2人も脱サラして漁師になったんです
牧さんは妻と子供2人の4人で暮らしています
(牧)大きな声で。
このかわいい子供たちと暮らす海のすぐそばにある自宅は地元の人から格安で譲ってもらったんです
(子供たち)いただきます。
はいいただきます。
食卓に並ぶのは新鮮な魚介類。
その日とれたものを使った料理は牧さんのお手製なんです
(節子)ただいま。
夜9時すぎ長崎市内の勤め先から妻の節子さんが帰ってきました
夫婦2人見知らぬ土地で苦労もありましたが今ではここでの暮らしに満足しているといいます
思い立ってもなかなか行動に移すのは大変ですけどいざ飛び込んでみたら子供たちも伸び伸び育ってて。
奥様も心の底から楽しんでらっしゃる感じでね。
本当に温かい家庭でした。
この樺島の研修制度なんですが国や県などの助成金補助金を活用しながら漁師と行政が一体となって進めてきて漁師の卵を育ててきたんですよ。
すごいね。
その方以外も先に脱サラでやってらっしゃる方もいるから気持ちが分かってそういう意味ではいいかもわかんないですよね。
実は僕漁師さんたちの飲み会に参加させてもらったんですけど本当にみんな仲良くて何かちょっと大きな家族みたいな。
一見ぶっきらぼうに見えても芯の部分で優しさを感じるね。
本当になじんでましたね。
でも13人応募があって3人の方が残ってる。
この13人のうち3人っていうのこれはどうなんでしょうか?大体こういう新規参入事業の2割ぐらい残ればいいんじゃないか2割が御の字って言われているんですよね。
13人中3人って少ないと思われるかもしれませんけども数が残ればいいってもんじゃないんです。
どういう漁師さんがそこに根づいていくかっていうのが重要なんですよね。
もちろんその中には地域の暮らしがあっての地域の人間関係あっての仕事ですから仕事の技術を覚える事もさる事ながら受け入れる側のお世話のしかたそれから入ってくる側の…自分で率先して何でもやろう人と関わろうという姿勢。
そういうのが合致した時に初めて効果が上がってくるわけです。
相性もあるでしょうしね。
ただ間口を広げて誰でもいいよって集めりゃいいってもんではないという事ですよね。
でも1人でも新しい人が入ってくるっていう事が重要ですか?これからの漁師は特に自分ところのせがれが継ぐとは限らないから外からそういう…とるだけじゃなくて資源管理もしながら大切に扱っておいしいものを食べてもらおうっていう姿勢を持った漁師さんたちどんどん育ててもらいたいから外からもそういう意識もった人はどうぞ来て下さいというような再生があるといいですね。
さあどうですか?近江君今回初めてリポートに行って。
本当にいい経験をさせてもらいました。
皆さん本当に目がキラキラしててすばらしかったんですよ。
そんな人たちが本当に苦労して手塩にかけてとったものなのでこれから食べる時は必ず「いただきます」を言おうと改めて思いました。
まだ口にうまみが。
そうなんですよね。
天野さん今日ねもう野母んあじの感動に。
是非是非長崎に行って頂いて。
行ったら更に釣りたてが。
「あ〜天野さんが来たのか」って。
なりますなります。
ぶっきらぼうに見えて優しいんですよね。
そうそうそう。
みんな本当に優しかったので居心地もいいですし。
次回も皆さんお楽しみに。
(パソ美)ふ〜んスコッチ・ウイスキーって2014/10/05(日) 06:15〜06:50
NHK総合1・神戸
うまいッ!「幻の!?超高級アジ〜長崎市〜」[字]

関アジにまさるとも劣らないと評判の、長崎の「野母(のも)んあじ」はプリプリの身と上質な脂が自慢。大物を狙う一本釣り漁師の技と、鮮度維持の取り組みを紹介する。

詳細情報
番組内容
関アジにまさるとも劣らないと評判の、長崎の「野母(のも)んあじ」はプリプリの身と上質な脂で、和食の一流料理人も絶賛。わずかなアタリを見逃さず大物を次々と釣り上げて一切触らずに生けすに収める漁師の技と、瞬時に魚の脊髄を貫く鮮度管理の達人の技に迫る。また、担い手を確保するために一般から漁師志望者を募り、産地をあげて指導・育成することで成果を出している取り組みも紹介する。
出演者
【司会】天野ひろゆき,武内陶子,【解説】ボランティア団体RE−FISH代表/水産庁職員…上田勝彦,【リポーター】近江陽一郎,山口寛明

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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