落とし穴転落死:妻らに4100万円賠償命令 金沢地裁

毎日新聞 2014年10月28日 20時40分

 ◇「穴の形から落下の危険性が予測できた」と認定

 石川県かほく市の海岸で2011年8月、金沢市の会社員、出村裕樹(ひろき)さん(当時23歳)と妻里沙(りさ)さん(同)が、里沙さんと友人らが砂浜に掘った落とし穴に落ちて死亡した事故で、出村さんの両親が里沙さんの両親と友人ら計8人に損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、金沢地裁であった。和田健裁判長は8人に計約4100万円の支払いを命じた。

 事故は、11年8月27日夜に発生。かほく市の大崎海岸で出村さん夫妻が砂浜に掘られた直径約2メートル、深さ約2.5メートルの穴に転落し、窒息死した。出村さんの誕生日を祝うために驚かせようと、里沙さんが発案し、友人に呼びかけて落とし穴を掘った。

 和田裁判長は判決で「穴の形から落下により生命への危険性が高いと予測できた」と認定。発案した里沙さんの過失が友人よりも重いと判断した。また、死亡した出村さんの損害額は約6370万円と算定したが、出村さんが転落直前に穴の存在に感付いたようなそぶりを見せていたことから「穴の直径から深さを容易に想像でき、自らの意思で転落したと推認できる」として過失を一部認め、減額した。【中津川甫】

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