安倍首相 エボラ熱対策に万全の体制指示10月28日 10時58分
安倍総理大臣は、西アフリカを中心にエボラ出血熱の感染が拡大していることを受けて設置された関係閣僚会議で、検疫の徹底や2次感染の防止、それに医療体制の確保など、万全の体制を整えるよう指示しました。
総理大臣官邸で開かれた関係閣僚会議では、塩崎厚生労働大臣が、西アフリカのリベリアに滞在したあと、27日羽田空港に到着し、発熱の症状が確認された男性について、「検査を行ったところ『陰性』の結果が出た。発症後3日程度は『陽性』の結果が出ない場合があることから引き続き入院してもらい、健康観察を行うことにした」と報告しました。
このあと、安倍総理大臣は、「きのうエボラ出血熱の疑いがある事例が発生したため、緊急対応をとったが、事前の備えの重要さを改めて認識した。国際的な人的・物的支援や国内対策を進めているが、一丸となって危機対応を盤石なものにするため、関係閣僚会議を立ち上げた」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、「検疫の徹底、迅速な初動検査、2次感染の防止、医療体制の確保などに万全を期すほか、国民に対する迅速かつ的確な情報提供を行い、国民の安心安全の確保に全力で努めてほしい」と述べ、各閣僚に対し、連携して万全の体制を整えるよう指示しました。
また政府は、一体となって対策を推進するため、内閣官房に「エボラ出血熱対策室」を、情報の集約体制を強化するため、総理大臣官邸の危機管理センターに「情報連絡室」を設置しました。
厚労相「スムーズに対応できた」
塩崎厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し、「非常事態の対応について、いろいろなケースを想定して準備していたので、今回は、患者や検体の搬送や、警察との協力など大変スムーズに対応できた」と述べました。
そのうえで塩崎大臣は、「今後も西アフリカから入国する人が想定されるほか、西アフリカ以外の国を経由して入国する外国人もいる。政府が一丸となって、空港での検疫を徹底するとともに、万一、国内で感染者が発生した場合の封じ込めに全力を尽くしていきたい」と述べました。
防衛相 海外の日本人も含め対応検討
江渡防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、この問題に対する自衛隊の活動について、「どこまでできるかという問題があるが、万が一、日本人が海外で感染した場合にどう対応するかなども含めて、現在検討しているところだ」と述べました。
また江渡大臣は、情報収集のため自衛官1人を派遣しているドイツにあるアメリカ軍の「アフリカ軍司令部」に、さらに追加して自衛官を派遣する考えを示しました。