「福島をずっと見ているTV」今日のテーマは紙芝居です。
今福島では町ごとに紙芝居のグループが生まれています。
それぞれのふるさとに伝わる民話などを紙芝居にし県内各地で演じています。
原発事故でふるさとに帰れなくなった多くの人たち。
地元に伝わる話を紙芝居で共有する事でふるさとを思い出しつながりを感じてほしい。
そんな願いから生まれました。
紙芝居グループの一つ浪江まち物語つたえ隊会長…ふるさとの物語を語り継ぎたいとボランティアで仮設住宅や学校を回っています。
小澤さんは立ち入りが制限される浪江に月に1度は通っています。
向かう先は15年前に建てた自宅。
ここで再び暮らせる日を信じて手入れを続けています。
小澤さんは福島出身ではありません。
仕事は転勤が多くふるさとと呼べる町がなかったと言います。
そんな時に自然豊かな浪江の町に出会い安住のふるさとにしたいと職場も変えて移り住んだのです。
お盆や正月には県外に暮らす子供や孫がこの家に集まり楽しいひとときを過ごしました。
震災から3年半。
薄れる事のないふるさとへの思い。
小澤さんたちは民話と同じように震災以降の事も語り継いでいくべきだと思いました。
そして浪江のある女性の実体験を紙芝居に仕上げました。
この日のお客は仮設住宅に暮らす浪江の人たちです。
「ポンポンポンポーン」。
(笑い声)紙芝居で描かれる事で当時の事が少し温かく思い出されたのでしょうか。
客席からは笑いも起きていました。
この紙芝居のモデルとなった佐々木ヤス子さんです。
「この避難の体験記をずっと語り伝えられると思います」。
(拍手)しかもたくさんいる中の一人が感じた事っていう感じがすごくしていいんですよ。
「みんなこうなんだよ」じゃないところが。
そのなんかこう…震災原発事故と向き合った福島の人たちの物語。
ほんの一部ですが皆さんにもお届けしたいと思います。
この日私たちが訪ねたのは東電福島第一原発がある大熊町からいわき市に移り住んでいる人です。
家族で紙芝居をやっているそうです。
(箭内)すみません。
NHKの受信料の…。
(合原)違います。
避難所や借り上げ住宅を転々としたあと去年いわきに中古の家を買い落ち着きました。
息子の翔太さん。
大学1年生です。
早速紙芝居を見せてもらう事にしました。
本来20分以上ある紙芝居ですが今回はダイジェストでお届けします。
自閉症の悠稀くんとその両親の避難生活を描いた紙芝居です。
悠稀くんのモデルは同じく自閉症の翔太さん。
栃本さん一家が実際に避難生活で体験した事を描いた紙芝居。
演じるのも本人たちです。
翔太さんは悠稀くん以外の登場人物やナレーションも演じ分けます。
避難中も感じた事をそのまま口に出してしまう悠稀くん。
ようやくたどりついた避難所は廃校の体育館。
過酷な環境の中で人々の心はささくれ立っていったと言います。
そんなふうに他の避難者になじられる事も1度や2度ではなかったと言います。
そういう感じありましたよね。
(春美)そう。
いましたね。
最近ちょっと思うのは…そんな感じがしますね。
(セサミの鳴き声)栃本家の飼い猫セサミです。
去年保健所に連れて行かれる寸前だった迷い猫を引き取りました。
もともと大熊では別の猫を飼っていましたが一緒に避難する事はできませんでした。
猫を置き去りにせざるをえなかったつらさ。
紙芝居の中にも描かれています。
そんな避難生活の中喜びを感じる瞬間もありました。
14日目震災後初めてお店で温かいラーメンを食べた時の事。
そうですね。
(春美)はい。
はい。
同じ名前はどうかなと。
でセサミと。
(翔太)名前の由来は僕です。
(合原)名前付けたんですか?
(翔太)はい。
名付け親。
「悠稀くんの手紙」はもともと翔太さんの父正さんの思いをまとめたものです。
避難所での息子の姿を振り返り気付かされた事があったという正さん。
紙芝居の後半こんな思いがつづられています。
そんな正さんは翔太さんも連れ仕事の合間を縫って多い時には週5日も紙芝居を上演していました。
しかし去年12月末。
正さんは気管支ぜんそくのため亡くなりました。
61歳でした。
春美さんは亡き夫が紙芝居に込めた思いを引き継ぐ事を決めました。
(春美)そういう多分思いもあったんじゃないですかね。
やっぱりみんなが言えない事をね…そうですよね。
やっぱこう一人が言うと…。
自分が思ってたけど言っちゃいけないんだってやっぱりみんな思うしでもそれが…紙芝居のラストは翔太さんが避難所を出る直前に書いた手紙で締めくくられます。
「新しい事を見つけるためにはこの事を乗り越えていかなければなりません。
被災者のみなさん日本中のみんな世界中のみんな元気でやっていってください」。
翔太さんは今福祉関係の資格を取る事を目標に大学で学んでいます。
この夏栃本さんたち福島の紙芝居グループのメンバーがある会議に集まりました。
その席で出たのは来年3月東京で1週間の公演をしませんかという提案。
持ちかけたのは…福本さんは聞き取った福島の民話や実体験に絵をつけ紙芝居にまとめています。
更に多くの人に福島の物語を知ってほしいと東京での公演を企画したのです。
はい。
そうですね。
(翔太)・「Iloveyoubabyふくしま」・「IneedyoubabyふくしまIwantyoubaby」うれしいね。
(翔太)・「僕らは」
(合原)ほんとにうれしそう。
・「ふくしまが好き」2014/10/05(日) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
福島をずっと見ているTV vol.41「これが、私たちの物語」[字]
福島で静かな感動を呼んでいる紙芝居。ふるさとに帰れない人たちがその町の民話や震災前の穏やかな町、震災後の苦難の体験を記録し、語り伝えようとする姿を伝える。
詳細情報
番組内容
福島で静かな感動を呼んでいる「紙芝居」。この活動は広島在住のボランティアが発案。響いたのは大熊町や浪江町など原発にほど近い地域に暮らしていた人たちだった。ふるさとに帰れない人たちが、その町の民話、震災前の穏やかな町、震災後の苦難の体験を記録し、紙芝居という手作り感のある手段で語り伝えようとする姿を伝える。【出演】箭内道彦、合原明子アナウンサー
出演者
【司会】箭内道彦,合原明子,【語り】相沢舞
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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