あのクラシックの名曲をあなたのものに。
人生を豊かにしてくれる一曲を一緒に見つけませんか?今回は…。
(「ハンガリー舞曲」)オーケストラの演奏でおなじみですが元はある1つの楽器のための曲なんです。
この曲は発表当時から大ヒット!そこには売れる秘密が2つも!でも実は盗作の疑いがかけられた曲でもあるんです。
疑惑の作品を世に送り出したのは大作曲家…もしかして悪い事しちゃったの!?この曲を書いたのは本当は誰なのか!?ヒット作誕生の舞台裏に迫ります!「ららら♪クラシック」今日はブラームスの「ハンガリー舞曲」です。
クラシック音楽の定番中の定番の人気曲ですけれども今回はこの曲の感じ方というのが大きく変わるかもしれませんよ。
楽しみですね。
それでは本日のお客様をご紹介しましょう。
「ららら♪クラシック」初登場ですね。
洋画家の城戸真亜子さんです。
よろしくお願いします。
ようこそお越し下さいました。
城戸さんはふだんはクラシック音楽はお聴きになりますか?そうですね。
絵を描きながら聴く事が多いですね。
やっぱり描く時のイメージづくりのために?例えばラヴェルとかドビュッシーとかなんかこう聴いてるだけで色が湧き出てくるような音楽が多いんですけど自分の描くためのリズムをつくるためにというただなんかそういう感じで聴いてますけれどもね。
じゃあスローなものもあればアップテンポなものも…。
締め切りが近づいてくるとアップテンポかも。
分かりやすい感じ。
さあ今日ねご紹介するのはブラームスの「ハンガリー舞曲」ですけども。
ハンガリーのイメージはいかがですか?ハンガリーはねもう全然行った事もないんですけれども今日ちょうどはいていらっしゃるような刺しゅうの服を着て踊ってるっていうそういう…。
それスイスもハンガリーもオーストリアもみんな一緒なんだけど…。
割とそうですね。
イメージがつながっちゃってます。
まずは「ハンガリー舞曲」とはどういうものか。
この曲が人気になったある理由とは?そのあたりから見ていきましょう。
「ハンガリー舞曲」といえばオーケストラの名曲と思われがち。
でももともとは…。
1台のピアノを2人で演奏する「連弾」の作品でした。
19世紀半ばの発表以来空前の大ヒットとなった曲。
ヒットの裏にはこの時代のヨーロッパを取り巻く2つの事情がありました。
ヨーロッパの中央に位置する…昔からさまざまな地域の人々が移り住んできた国です。
そんなハンガリーの音楽といえば…。
18世紀末にハンガリーの都市部で生まれた大衆向けの民族舞曲です。
酒場で人々が踊る時ロマの楽団が奏でた音楽です。
その音楽は…。
派手で勢いのある曲調。
弦をたたいて演奏する「ツィンバロン」という民族楽器やバイオリンのリズミカルな2拍子も特徴です。
19世紀半ばこの「チャールダーシュ」がヨーロッパ中に広まっていきました。
そのきっかけの一つが民族の独立を目指した…国内の混乱を避け多くの音楽家が亡命しました。
彼らによって国外でもチャールダーシュが演奏されるようになりそれを多くの作曲家が自分の作品に取り入れたのです。
ブラームスの「ハンガリー舞曲」もチャールダーシュの一曲。
そうこの曲がヒットした1つ目の理由は当時のチャールダーシュ人気だったのです。
そしてもう一つの理由は…。
ピアノの連弾曲だった事。
ヨーロッパの家庭にピアノが普及した19世紀半ば楽器といえばピアノでした。
中でも1台の楽器で2人が楽しめる連弾は人気があったのです。
ちなみに良家のお嬢様たちにとってサロンで男性と連弾する事が出会いのきっかけになったんだとか。
ブラームスの「ハンガリー舞曲」は連弾ブームとハンガリーのチャールダーシュ人気に乗ってヒットした作品だったのです。
男女の出会いっていうのがまたきっかけで流行したんですね。
出会いの場に行きたくてピアノ練習したんじゃないですか?男女共に。
そうなんでしょうね。
ダンスのように「一曲いかがですか?」というこういう誘い方ですよね。
うわぁそんな誘い方してみたいな!でも実際にやっぱり1台のピアノを2人でシェアするわけですから時々はこう肩がぶつかり合ったり手が触れ合ったり…。
それは親密になっていきますよね。
それに音楽一緒にやると間とかテンポとかその曲に対する感じ方なんかでこの人合う合わないって分かるんじゃないですか?呼吸がもうそうですね。
例えば子供の教室なんかでみんなで描こうなんていう事はありますけどその時もだから結構ケンカっぽくなっちゃう場合もあるんですよ。
でも出来上がってみると…ちょっとねおさらいをしておきましょうか。
ブラームス1833年ドイツのハンブルクに生まれた作曲家ですね。
キャッチコピーは「ベートーベンの後継者」という事で自分もねそういう自負を持って書いていたそうなんですが非常に真面目で慎重な人。
確かに堅物のイメージ。
生涯独身です。
でもものすごいロマンチックなイメージがあります。
そうなんですよ。
ロマンチックすぎて結婚できなかったっていう悲しいパターンなような気がするなぁ。
恋多すぎたみたいな事ですか?ロマンチックさとこの堅物感とが同居しているブラームスがなぜこの激しいチャールダーシュに挑戦したのかかなり気になってきますね。
1833年ドイツ北部のハンブルクに生まれたブラームス。
ハンブルクは1848年のハンガリー革命の時に多くの亡命者がやって来た町です。
ハンガリーの音楽家たちはこの町でも盛んにふるさとの音楽を奏でました。
そのうちの一人が…彼はブラームスにチャールダーシュを紹介しました。
1853年2人は一緒に演奏旅行へ。
その時にレメーニが弾いて聴かせたのが祖国のチャールダーシュだったのです。
ブラームスはその音楽を気に入り傍らで旋律を書き留めました。
すっかりチャールダーシュのとりこになったブラームス。
楽譜の収集まで始めます。
そのコレクションたるや…哀愁と華やかさが同居した独特のメロディーにウラ拍打ちのリズム。
そして民族楽器ツィンバロンの響きもドイツの楽器にはないものでした。
(ツィンバロン)彼はチャールダーシュを自分の作品に取り入れるようになります。
「ピアノ四重奏曲第1番」では最終楽章をチャールダーシュ風にしました。
他にもハンガリーにちなんだ作品を多く残しています。
更にブラームスはチャールダーシュそのものをもっと多くの人に好きになってほしいと考えるようになります。
そして自分が親しんだ何百にも上るチャールダーシュの曲を時にはいくつかの作品集から組み合わせて編曲し始めたのです。
こうして生まれたのがブラームスの「ハンガリー舞曲集」。
21曲から成るピアノ連弾の曲集として発表されました。
大好きなチャールダーシュの曲を組み合わせて作った連弾曲集。
しかしブラームスに自分の曲を使われたチャールダーシュの作曲家たちはこれを見て激怒。
「自分の書いたメロディーがそのまま使われているじゃないか!」。
盗作の疑いがかけられ裁判所にも呼び出されたブラームス。
はてさてその真意は…?その中で自分が好きな曲の…ブラームスはこの曲集を自分の作曲ではなく「編曲」と表記していたためとがめられずに済みました。
ブラームスえりすぐりのチャールダーシュを集めた「ハンガリー舞曲集」。
今では彼の代表作の一つとして世界中で愛されています。
訴えられるほどだったんですね。
まさかの裁判沙汰ですよね。
衝撃だったでしょうねでも。
確かに最初に書いた人は「あれ?」と思うかもしれませんけどでも編曲っていう事だったらね問題ないのに。
実際にねブラームス自身が「ハンガリー舞曲」には作曲家が自分の作品に付ける作品番号があるんですがそれを付けていなくて出版譜には…ちなみに既存のチャールダーシュの中からお気に入りを選んで編曲したというのがこういう事なんですね。
こちら例えば一番有名な第5番の場合なんですけれども「ABA」という部分で構成されて書かれている作品ですけれどもAはケーレルさんのピアノ曲。
チャールダーシュ作曲家の方のピアノ曲の一部を使っています。
そしてBの部分はボーグナーさんという別の作曲家が書いた歌曲の一部を使用しています。
これ許可なくやったら怒るよね。
全く違う2曲を組み合わせてサンドイッチしてしまったという。
これはもう…「何をする!」って思うかもしれませんね。
でもどうですか?もしこういう事をされたら。
私がもしねそういう事があったら逆にちょっとうれしい感じもするんですよね。
なんかこう…ただなんか「これはね私が描いた部分なんで」って言いたい気持ちも分かります。
それはあるかもしれませんね。
クラシックにまつわる素朴な疑問にお答えしま〜す!オーケストラのスコアとは全てのパートが書かれた楽譜の事。
演奏中何段にもなったスコアのどこを指揮者は追っているんでしょうか?この質問に答えて下さるのは日本を代表する指揮者の一人…さあ演奏中スコアのどこを見ているんでしょう…。
ん!?スコアは全く見ていない?広上さ〜んどこ見てるの〜!?時々譜面に目をやりますけれども一番大事なのはやっぱり…広上さんの場合スコアを見るのは事前準備の段階での事。
演奏中はほとんど見ていないという事でした。
番組ではクラシックにまつわる疑問・質問をお待ちしています!今日の名曲はブラームスの「ハンガリー舞曲」。
チャールダーシュ人気と連弾ブームに乗って生まれました。
チャールダーシュをこよなく愛したブラームス。
彼はこの素材をどう料理したのでしょうか。
作曲家の美濃さんが解き明かします。
有名な第5番も冒頭部分はもともとピアノ曲だったチャールダーシュの作品なんですね。
それが一体ブラームス版でどんな変化を遂げたのかまずはブラームスのバージョンです。
ではもともとの曲がどうだったのかこちらを聴いてみて下さい。
全く同じですよね。
元の作曲家もクレームつけますよ。
そうですね。
もう一度ね私の左手に注目してブラームスのバージョンを聴いて頂きたいと思います。
元の曲がどうなっていたかというと…。
全然変化がないですね元の曲は。
そうなんです。
ずっと同じ音にベースラインがいるんですけれども。
ブラームスの場合は…。
ダイナミック。
あちこちあちこちと。
まさに奥行きが増してきますよね。
そうですね。
パッと聴くとねそっくりなんですけれどもでも実はそう聴こえるのは…彼の腕前がすばらしいという部分なんです。
素材そのものを変えずにでも確実にひと味もふた味もおいしく仕上げてる部分を解説していきたいと。
まずはこの曲ではブラームスの編集能力。
編曲の中の編集。
この曲は「ABA」という構成で出来ているんですけれども2人の作曲家が書いた全く違う2曲を組み合わせています。
そのマッチングが見事なんですね。
まずはAの部分ケーレルさんのピアノ曲というのが先ほどからご紹介しているこちら。
ではBの部分ボーグナーさんが書いた歌曲が中間部のBメロになっています。
その部分がこちらです。
そういえばそう。
ここでガラッと変わるんですよね雰囲気がね。
急にこう明るい楽しい感じになりましたね。
そうだったんですね。
相性がでもぴったりだと思いませんか?はい。
普通はなかなかこの2曲を持ってこないような印象ですが…ああそっか〜。
絵でもねコラージュってあるじゃないですか。
あれは一つの作品ともう一つコラージュして貼り付ける作品が世界が違う方がなんかすごく作品に力が出たり面白さが出たりしますよね。
そういう感じですねきっとね。
コラージュね!そういう考え方もありますね。
でもどちらにしてもブラームスのセンスが抜群に良かったって感じしますね。
そして最後のフレーズもちょっと注目したいと思います。
ブラームスのバージョンは…。
「ブラボー!」って感じですね。
かっこいい。
パリッと終わってますよね。
さあこれが元の曲だとどんな感じかというと…。
う〜ん全然違うんですね。
ブラームスのバージョンこれの終わりの音。
ここへ来て。
そう。
でもこれすごい効果的じゃないですか?これで終わるっていうともう立ち上がって拍手をしたい気持ちですけれども。
エッセンスだけを抽出して締まりを良くしておいしい所だけをつなぎ合わせるこの編集能力。
でもなんか日本料理に似てますよね。
素材をともかく生かす無駄な事はしないいらないものは捨ててしまうっていうね。
さすがっていう感じがしますね。
ここからは…国際コンクールで多数の受賞歴を誇る実力派の2人です。
スタジオにはピアノデュオでご活躍の瀬尾&加藤デュオをお迎えしました。
上のパートのプリモを担当瀬尾久仁さんと下のパートのセコンドを受け持つ加藤真一郎さんです。
よろしくお願いします。
(瀬尾)よろしくお願いします。
お二人は実際の人生でもパートナーなわけですけどいまだに連弾をしてドキドキする事ってあるんですか?学生の時からピアノデュオ始めてもうものすごく長いので夫婦でもありますので今更初々しいところはないんですけれどももしかしたら最初の頃はそういう事があったかも。
(城戸)演奏同じ譜面を見てやるにしても「今日はこんな感じで…」みたいな「おおそう来たか!」みたいなそういうなんかこう心の中の会話が演奏中にあったりするんじゃないですか?
(瀬尾)しますね。
例えばなんかちょっとへこんでいたりすると…
(加藤)「しっかりしなさい!」みたいな。
逆もあると思うんですけれどもよくありますねそれは。
(城戸)すてきですね。
すばらしいですね。
デュオピアニストのお二人にとってこの曲というのはどういう存在なんですか?かなり技巧的な部分が多いので…一曲一曲は短いんですけれども喜怒哀楽っていうんですかねそういうのがすごい凝縮されているんですよね。
長い曲よりもより。
というので何ていうんでしょうね2人でそれをある種キャッチボールをしていく中ですごい盛り上がったりとかもしくは逆にすごい沈んでいく気持ちになったりとかっていうのがデュオならではだしあの曲の魅力だと思います。
さて今日はどんな演奏になるんでしょうか。
瀬尾&加藤デュオのお二人で「ハンガリー舞曲」から第5番と第1番をお聴き下さい。
(拍手)いやぁもうなんかこんな短い時間じゃなくてすごい長い時間聴いてたみたいなものすごいドラマチックでしたね。
やはり加速したり減速したりするところの息の合い方がなんか見ていて楽しいですね。
ハラハラしつつ乗り出して見てしまいますね。
私はなんかヨーロッパの寒い感じの海辺の町で繰り広げられる恋の物語みたいなそういう映画を見ていました。
そういうのがお好きなんですよ多分ね。
しっかりもう見終わった感の充実感のお顔表情。
おなかいっぱい。
すごく幸せな気持ちになりました。
ブラームスのように城戸さんもチャールダーシュのとりこになったようですね!サブちゃんって言いづらいね。
2014/10/04(土) 21:30〜22:00
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「ブラームスのハンガリー舞曲」[字]
ブラームスの「ハンガリー舞曲」は、今や世界中で愛されている定番のクラシック作品。しかしこの作品、じつはブラームスの作曲ではなかった!?名曲誕生の舞台裏を紹介。
詳細情報
番組内容
ブラームスが残した連弾曲集「ハンガリー舞曲」は19世紀末のヨーロッパで大ヒットしたベストセラー作品。ヒットの裏にはこの時代のヨーロッパを席巻した二つのブームがあった。ブームに乗って作品を発表したブラームス、しかし彼に盗作疑惑が!裁判所に呼び出されたブラームス、その判決は…!?世界的に愛される名曲誕生秘話を紹介。【ゲスト】城戸真亜子 【演奏】瀬尾&加藤ピアノデュオ 【司会】石田衣良、加羽沢美濃
出演者
【ゲスト】洋画家…城戸真亜子,【出演】瀬尾&加藤ピアノデュオ,【司会】石田衣良,加羽沢美濃,服部伴蔵門
ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:7868(0x1EBC)