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吉田利幸議員(高槻市・三島郡選出)は3月16、23日に開かれた定例府議会総務常任委員会で、ワン大阪、関西広域連合などについて橋下徹知事らに質した。
●ワン大阪
【吉田議員】ワン大阪にすることの効果・メリットは何か。どの程度ムダを省け、経済効果を得られるのか。
【副理事】府市再編の具体的な検討はこれからで、具体的にどの程度のムダが省け、どれほどの経済効果があるかは、今後の作業を通じて明らかにしていきたい。
【議員】それがわからなければ府民・市民へのPRもできないのではないか。ワン大阪に向けては府民・市民の理解が不可欠。今後の広報をどう考えているのか。
【副理事】関心を持ってもらえるよう検討過程をできるだけオープンにするとともに、その状況や結果を明らかにしていきたい。
【議員】現在の大阪の低迷状況を考えると、残された時間は少ない。スピードを上げなければ時代が許さないと考えるが。
【副理事】政府が平成23年に予定している地方自治法の抜本改正、地方政府基本法の制定に向けて大阪府から提案していきたい。
【議員】国の決定を待っていては生ぬるい。国も地方も厳しい財政状況の中、ワン大阪は時代の要請。大事なのは首長の覚悟だ。知事は本気でやるつもりなのか。
【橋下知事】ワン大阪目指して勝負したい。大阪が発展しないのは府と市の組織同士が住民不在で考え、動いているから。行政の枠組みを変えることが必要。申し訳ないが一番覚悟がないのは地方の政党ではないか。政党が決めて政治運動としてやっていくのが本来だ。
【議員】自民党は府連で志を一つにしてやっていく。知事も不退転の覚悟でやり遂げてほしい。
●関西広域連合
【議員】今年中に設立の議案を提出することで各府県知事が合意したとのことだが、関西広域連合で取り組む事務は何か。
【理事者】当初は防災、観光・文化、産業振興、医療連携、環境保全、資格試験・免許、職員研修の分野で、早期に実現可能な事務から。設立後は新たに府県の事務を切り分けて処理するものや、国の出先機関の受け皿として実施するものなど、拡充強化していく。
【議員】同連合の取り組みは住民や基礎自治体にどのようなメリットがあるのか。
【理事者】まず、事業を広域で集約して行うことで、効率的な事務の執行が可能になる。次に、従来実施している連携事業を連合議会など住民のチェックの下に置くことで、責任ある行政運営が可能になる。さらに、国の出先機関の受け皿となることで、地域の実情やニーズを反映した施策実施が可能になる。
【議員】実現するには何より首長らの意志が大事。府県域を超えて各首長の志が同じ方向に向かう必要があると思うが、空港論争を聞いていると各府県知事が統一的な戦略を共有し、関西全体の発展を目指しているとは実感できない。
【理事者】知事は早期設立に向けて他府県知事に直接連絡し、我々も各府県に何度も出向いて協議と調整を重ねてきた。今年中に足並みを揃えて規約案を議会に提案できるよう、引き続き作業を進める。
【議員】空港問題、観光、環境、危機管理など、同連合には考えねばならないことがたくさんある。ただ、空港問題は本来なら国家戦略としてやるべきこと。知事にはせめて国に対して戸を叩き続けてほしい。
【知事】国家戦略なら大阪府の民主党に頑張っていただきたい。国を動かすような決議を期待している。
●市町村合併
【議員】ワン大阪に移行するためには基礎自治体の合併を進める必要がある。全国的に市町村合併が進んだのに大阪で実が上がっていないのはなぜか。
【理事者】行革をすれば合併しなくてもいけるのではないかという意識があり、意義やメリットが住民に十分浸透しなかったこと、都市基盤整備が一定進んでおり、建設事業を中心とした合併特例債など国の支援が動機付けにならないなどが挙げられる。
【議員】いつまでに合併による基礎自治体の体制整備をしようとしているのか。
【理事者】平成30年を目標に府内市町村を中核市程度に再編していく。
【議員】行財政基盤の脆弱な市町村同士が合併しても、効果はあまり出てこない。日常生活圏のつながりや歴史、文化に加え、規模や能力などを考慮して大きな効果を生むような組み合わせを考え、府がコーディネーター役を果たしていってほしい。
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