イギリスの秘密の花園をバリアフリーリフォームで美しい邸宅へと変身!

 

今回ご紹介するコッツウォルズ地方の一部であるウィルトシャー州にて建てられた邸宅は、小説「秘密の花園」の様にレンガ壁に囲まれた元果樹園であった所にこの壁を利用して造られた。イギリスの建築事務所Studio Octopiによって古くて崩れ落ちそうだった壁は見事に復元され、壁に添って二階建ての家をデザイン。車いすを使用しているクライアントが便利な様に室内にエレベーターを設置し、モダンでスタイリッシュに仕上げられた。

 

全体の家の形はL型で、一階にあるキッチンとリビングルームの上に来客用の寝室と趣味の部屋が設置されている。一階のリビングエリアは二階の天井まで吹き抜けになっており、開放感があって気持ちいい。それ以外は平屋建てで、車いすで移動しやすい様に通路幅や曲がる時に必要なスペースも広めにとってある。

 

クライアントの住居のみならず仕事場兼趣味のスペースも兼ねている為、この邸宅へは多くの人が出入りする。それ故、車いすに乗っているクライアントから依頼されたのは、機能面や安全面は重視されつつも洗練されたスペースで、障害を全面に出す空間の作り方をしないで欲しいという事。また、建物がまわりの景観にすっきり納まる感じにして欲しいという事が要望であった。

 

バリアフリー化によって行動や生活に支障をなくす事はもちろんだが、建築家はさりげなくそういった不便さを取り払った。例えば、室内は基本的にオープンプランだが寝室などのプライベート空間と分ける戸は引き戸であったり、玄関や窓についているドアノブも少し低めの届きやすい位置に設置されている。また、家の外と中の段差を徹底的になくすために玄関へのアプローチや中庭にはウッドデッキが使用され、斜面の所はなだらかになっている。

 

建物に使用されたデザインと建材はこの地方に見られる伝統的な農耕住宅のスタイルに見られるもので、メインの外壁については元々あったこの地方の石灰石の入った壁に補強として混合物を混ぜた物を使用。細長い材木をあわせた壁とも見事にマッチし、主張しすぎない美しさを放っている。

 

今回の物件は、この地方の風景に寄り添う形で美しいファサードも獲得。大きなサッシ窓から自然光がたっぷりと入り動線が流れる様に計算されている室内は、同時に44%ものエネルギーを押さえられる省エネハウスでもある。クライアントの要望通りにさりげなくバリアフリー化されており、建築家は快適な暮らしを実現させた。

 

Photography is by Julien Lanoo.

参考記事:dezeen