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三島市 平和集会後援を断る

◆慰安婦問題を理由に

中村正蔵副市長(右)に質問書を提出する「核兵器をなくし平和をつくる三島市民の会」の土屋寿山代表=27日午後0時58分、三島市役所で

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 三島市が市民団体主催のイベント「核兵器をなくし平和をつくる三島市民のつどい」の後援を、旧日本軍による従軍慰安婦問題を扱うことを理由に断っていたことが分かった。主催する「核兵器をなくし平和をつくる三島市民の会」が二十七日、市役所を訪れ、豊岡武士市長宛てに質問書を提出した。

◆主催団体が質問書

 市民の会によると、イベントは毎年開いており、三十二回目。市には二十数年前から後援を申請してきたが、断られたのは初めてという。

 今年は十一月十六日に市民文化会館で開く。憲法前文朗読や広島市平和祈念式に参加した市内の中学生のメッセージを発表後、「日本軍慰安婦問題とは」と題した舞台女優有馬理恵さんの一人芝居を公演する予定。有馬さん自身がフィリピンや韓国の元慰安婦らに取材した証言をもとに芝居するが、市民の会は詳しい内容を明らかにしていない。

 市は九月二十六日付で「日韓間で外交問題化しており、地方公共団体の中立性を損なう恐れがある」として後援申請を不許可とした。市行政課の担当者は「外交問題で市の立場をどちらかに示すことはできないので、芝居の内容が分からないままでは後援できない」と説明した。市は後援しないものの、イベントの運営費から従軍慰安婦問題に関する経費を差し引いた額を対象に補助金を出す方針。

 質問書では、慰安婦問題を語ることが政治的中立性を損なうことになる具体的な理由など四項目について十一月十日までに回答を求めた。

 市民の会代表の土屋寿山(じゅさん)さん(88)は「市の後援がなくなると反社会的な団体かのような印象を市民に与え、参加をためらわせる懸念がある」と話した。

 

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