- 作者: 新田龍
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2009/09/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ブラック企業アナリストという肩書きでキャリアカウンセリングや就活支援などを行ってきたノウハウを活かし、本書は就職や転職のことについて書かれています。
とくに、ブラック企業の見抜き方やいかにしてブラック企業を抜け出し転職するかについて書かれている点が特徴的でしょう。
他にも、人事採用担当の視点から自己分析や職務履歴書の書き方など話題も豊富です。
- ブラック企業に勤めたくない人
- 人事採用において企業の建前と本音が知りたい人
いくつか個人的に気になったブラック企業の特徴について、引用しておきます。
IT化が進展した現在において、ホームページは企業の顔であるといえます。それがきちんと管理できていないのは、それがリスクであると気づける社員がいないか、いたとしてもそれが実行できない何らかの理由(金銭的、社内組織の問題など)があることが考えられます。
具体的には、誤字・脱字や古くなったイベント情報などが未だに掲載されているなどには要注意としています。
これは比較的簡単なことなので、企業選びの段階で情報収集と兼ねてできるでしょう。是非、気になる企業を見つけたら、その企業のホームページを見てみましょう。
本来、入社前には、「出勤日」「出勤時間」「出勤場所」「訪問先」「当日までに準備しておくこと」「持参物」など、詳細な情報が伝えられるものです。しかし、こちら側から催促しないと連絡が来なかったり、伝えられる情報が不十分な企業があります。重要な連絡ができていない会社ということは、何かしら人事機能やマネジメントに問題を抱えていることが考えられます。
採用決定後、詳しい連絡がないと、心細くなります。こういう連絡が来るか来ないか、そして、連絡の内容が十分なものかどうかというのも、その企業の人事やマネジメントが適切に機能しているどうかの試金石になるようです。
ただし、こういった判断基準で反射的に企業を判断してしまうのには注意が必要です。なぜなら、起業したての企業では、ホームページ管理まで十分に手が回っていないこともあるでしょう。
なので、これらを目安に個々の企業の状況も加味し、丁寧に判断していくのがよいのでしょう。
こういったブラック企業を見抜くための特徴が詳しく書かれています。
筆者自身がこれまで多くの人の「キャリア」を支援する仕事にかかわり、痛感しているのは、「キャリアに勝ち負けはなく、正解もない」「あるのは自分にとってハッピーなキャリアか、そうでないキャリアかだけ」ということです。
友達の年収はどうだとか、同僚はどこそこに行ったとか、私たちはとかく人のことを気にし、また、比べがちです。しかし、年収が高いというのは、その分、お金を使う暇さえないことかもしれません。
人それぞれの人生にあったキャリアがあり、人それぞれのキャリアにあった仕事があります。著者は、人生・キャリア・仕事という枠組みで考え、自分にとって幸せな仕事を見つけましょうと言っています。
他にも、紹介したいことがあるのですが、やたらめったら長くなるのでここで止めておきます。(例えば、上長に退職は相談ではなく、報告することなどです。)
この本を読むことで、就職・転職(とくにブラック企業)について、一通りの知識がつきます。すると、考える材料が増え、自分にあった企業を探しやすくなるでしょう。
ブラック企業のない社会へ――教育・福祉・医療・企業にできること (岩波ブックレット)
- 作者: 今野晴貴,棗一郎,藤田孝典,上西充子,大内裕和,嶋崎量,常見陽平,ハリス鈴木絵美
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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