発熱男性:エボラ検査で陰性

毎日新聞 2014年10月28日 05時41分(最終更新 10月28日 09時31分)

エボラ出血熱が疑われる患者の発生について報道陣の質問に答える塩崎恭久厚労相=厚労省で2014年10月27日午後8時23分、竹内幹撮影
エボラ出血熱が疑われる患者の発生について報道陣の質問に答える塩崎恭久厚労相=厚労省で2014年10月27日午後8時23分、竹内幹撮影

 塩崎恭久厚生労働相は27日、西アフリカのリベリアに滞在し羽田空港に同日到着した男性について、空港で発熱の症状が確認されたため東京都新宿区の国立国際医療研究センターに搬送したと発表した。血液を採取して都内の国立感染症研究所に送り、エボラ出血熱に感染していないか検査したところ、28日未明に陰性と判明した。

 検査を受けた男性は40代のジャーナリスト。厚労省によると男性は8月からリベリアに滞在。27日午後に羽田空港に到着した際、37.8度の発熱があった。このため、エボラ熱を治療できる隔離施設を備えた国際医療研究センターに運ばれた。エボラ熱に感染していないか検査したところ、28日未明になって感染していないことが分かった。

 エボラ熱は今年3月21日、ギニア保健省が世界保健機関(WHO)に流行の発生を報告。WHOは8月8日、西アフリカで1000人近くの死者が出たことを受け緊急事態を宣言した。9月30日には米疾病対策センターが米国内で感染者を初めて確認したと発表。その後も流行の拡大に歯止めがかからない状態が続き、国際社会の取り組みが急がれている。WHOによると、エボラ熱の今月23日現在の感染者数は1万141人で、うち4922人が死亡している。

 厚労省は、エボラ熱の感染者が入国したり、国内で発症者が出たりする事態に備え、流行国に滞在歴のある入国者について健康状態のチェック態勢を強化していた。【桐野耕一、金秀蓮】

最新写真特集