損をしない人材流動化へ@日経新聞「ニッポン動く」
本日の日経新聞の18面から23面にかけて、「ニッポン動く」という広告特集が組まれています。その19面に、私のインタビュー記事が載っていますので、こちらでもご紹介。
個を生かす新しい雇用システム
損をしない人材流動化へ
共通するモノサシを 女性・高齢者が契機
日本経済を活性化するために人材の流動化が必要と言われるが、流動化せずとも生産性高く働けるならば無理やり流動化する必要はない。大事なのは流動化ができる社会、流動化して損をしない環境を作ることだ。そのためには企業の枠を超えて共通する評価のモノサシや言葉を確立するなど、雇用の本質に関わる議論が必要である。
日本は1960年代の高度経済成長から安定成長の時代にかけて、人材が流動化しにくい雇用システムに競争力の源泉があった。社員は会社の指示に従ってどんな仕事もこなし、状況に応じて全社一丸となることが高い生産性につながっていた。それが社員への評価にもつながっていた。
潮目が変わったのは90年代半ば。女性の職場への本格進出が契機となった。女性が活躍できるようにするために、結婚や家庭の状況などを踏まえた仕事と評価の仕方が求められるようになった。
もう1つは職場の高齢化だ。労働力人口が変化し、職場で若年層が減り中高年層の厚みが増した。職場に多くの管理職を抱える余裕がなくなり、中高年にも能力に見合った仕事で生産性を発揮することが求められ始めた。
ジョブ型を増やす 技術者派遣が参考に
こうした時代の要請に応えるためには、働き方を根本から変えていく必要がある。その一つがジョブ型社員を増やすことだ。ジョブ型とは、仕事の内容や勤務地、勤務時間などと評価の仕方を明確にする仕組みである。仕事での活躍ぶりが明確になることが、流動化して損をしないことにつながる。
ジョブ型の数少ない例の1つが製造業における技術者派遣である。専門的能力を生かして仕事をし、その成果が評価され、専門的キャリアが形成されていく。製造業各社は独自のコアコンピタンスを獲得するため、社内外の技術者のより戦略的な活用を問われている。
今後はジョブ型で大きく後れを取る文科系社員への導入が重要だ。現状では社外に通じる「職歴書」すら書けるようになっていない。他社にも分かる言葉で翻訳し、マッチングを図ることが大切になる。この作業は人材サービス産業の得意とするところでもある。
外部の目を入れてジョブとスキルのラベルを作る。そこから人材流動化の基盤が構築されていく。
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