松島みどり法相が選挙区で配布したうちわ

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 赤いスカーフを巻いて登院し、物議を醸した松島みどり氏(58)が地元の夏祭りで「うちわ」を配布した問題を受けて、法相を辞任した。

 インターネット上では、松島氏が配ったとされる「うちわ」がオークション(競売)サイトに出品され、1万円以上で落札される騒ぎに。停滞する政治に対し、「うちわもめはやめて」との声も上がっている。

 「話題のうちわです」「盆踊り会場でもらいました」

 ネット競売サイト「ヤフオク!」にはこんなメッセージとともに、松島氏のイラストが入ったうちわが出品されている。「うちわ」カテゴリーの「タレント」部門などにジャンル分けされ、男性アイドルらの応援グッズに混じって並ぶ。

 「経済産業副大臣バージョン」「法務大臣バージョン」など3本セットでの出品もあり、スタート時は1000円だったが、入札が相次ぎ、最終的な落札額は1万8300円に跳ね上がった。1本で1万6500円をつけたものもあった。

 ◆ヤフオクに出品相次ぐ

 出品が相次いだのは、松島氏が参院予算委員会で、民主党の蓮舫議員から最初に追及を受けた今月7日以降。松島氏が自身の選挙区である衆院東京14区で無料配布したことが、「公職選挙法で禁じる寄付にあたる」との指摘を受けた。

 うちわを取り出した蓮舫氏が「これは何ですか?」とせまると、松島氏は「活動報告や政策などを印刷して配る討議資料」などと主張。さらに、「うちわと解釈されるなら、うちわとしての使い方もできる」「イベント会場で無料配布しているものに類するもの」などと抗弁し、有価物には当たらないとの認識を示した。

 国会中継を見たネットユーザーは「コントかよ」「『先生、バナナはオヤツに入るんですか?』と同じレベル」などと嘲笑。「この人たちに税金の使い道を決められてるとは」との落胆も広がった。

 一方、疑惑を追及した蓮舫氏自身が、平成22年の参院選にあたり、持ち手のない「うちわ型のビラ」を配布していたことが判明すると、「これはひどい」「ブーメランw」「柄が付いてるか付いてないかでもめるのかよ」などと騒ぎに。

 ◆蓮舫氏にブーメラン?

 競売サイトには、蓮舫氏ら野党議員が配布したとみられる「うちわ」も出品され、8250円で落札される事態になった。

 蓮舫氏のうちわには、ビラであることを示す選挙管理委員会の「証紙」が貼られており、法律的には「問題ない」とされるが、競売サイトでうちわが高値になったのは、話題作りのほか、国会でのやりとりが要因になったとみられる。

 15日の衆院法務委員会では、うちわは有価物に当たらないとの松島氏の主張に対し、民主党の柚木道義議員が「ネットで5250円で落札されています。これで無価値なんですか」と追及。そのため、「今回の騒動のせいだろ」「蓮舫のうちわも売れ」など反論の書き込みもあった。

 うちわ問題について、エジプト人タレントのフィフィさんは「スカーフとかうちわとか…そんなもめ事のために税金使わないでね」とツイート。「五体不満足」の著者、乙武洋匡さんは政治家がうちわ型ビラを配る理由を「ただビラやチラシを配っても有権者が受け取ってくれないから」と分析し、有権者が政治に関心を持つ必要性を訴えていた。(鉄)

【用語解説】うちわ配布問題

 松島みどり氏が平成24〜26年に、計2万1980本のうちわを作成し、有権者に配布したとされる問題。民主党の階猛衆院議員が17日、公職選挙法違反罪で東京地検に刑事告発した。年によって異なるが、製作費は1本当たり約36〜135円となる計算。松島氏は「投票につながる高価な物ではない」と主張するが、「国政を停滞させたくない」として、20日に辞任した。