もし、わたしが入院することになったら、見舞い品としてKID BLUEのパジャマを買ってね。頼むね。と、姉に依頼してから、もう幾年月。
キッドブルーの製品はどれも高額で、私が愛用しているセシールや無印良品のパジャマの5〜6倍の価格なので、姉にも、「普通の入院ではなくて、余命いくばくかになって、いざとなった時点で買ってくれたのでいいからね」と補足訂正したのですが…
今となってはもう、入院時にはどこのでもいいからネル素材やガーゼのパジャマがあれば充分、と思えて来たのは、パジャマの見た目に興味ない歳になったのが一番で、あとは周囲に入院する人が多いことで、日ごとに自分にとっても病気や入院に現実味が出て来たからかもしれません。
ところで、入院する身内にパジャマを届けることはあっても、一般的には「寝付く」というイメージから、スリッパとともに見舞い品にはNGだとか。
前述の通り、このところ、病気、入院、手術、などの話が多くて、お見舞い品をどうしようか…結構迷います。そして実際、選び方や贈り方に失敗、反省します。
検索してみると、まとめサイトがあって助かりました。
物をつり下げるS字フックや、ブックスタンドなど…なるほど、です。わたし自身、入院中の友人に頼まれて便箋と封筒を届けたこともありますし。ちょっとリッチなティッシュ、というのもいいですね。
ただ…身内や近しい相手なら「これ持って来て」と言ってもらえても、仕事関係や友人でも一定の距離を保ったお付き合いをしている方には、病室まで行くこと、あるいは見舞い品を送ること、そのものが踏み込みすぎかも?とも思ったりします。
とはいえ入院、療養などの噂を耳にして無視はできない……という時、ささやかでもお見舞いの気持ちを自分らしく伝えられたら…と。もしかしたら、自分の体裁のためでもあるかもしれませんが。
そんなわけで、自分なりの勝手なお見舞い品、ベスト9を。
■お見舞いの品 その1… 本。
うちの母は鉄道好きなので、JTB時刻表などを持ち込む入院が多く、前回わたしが差し入れたのは、ブックオフで見つけた夜行列車特集や鉄道温泉旅などのムック本。 そこに「元気になったらまた、温泉へ行きましょう」とコメントを添えてみました。
また、友人からは「眼の疲れない漫画」とのリクエストで、こうの史代さんの『ぴっぴら帳』など、穏やかでくすっと笑える作品を届けました。
相手を選ばないという意味では、安野光雅さんの『旅の絵本』シリーズ。
細部まで眺めて楽しめて、旅気分も味わえるし、きっとお見舞いにぴったり。全8巻出ている中で、どこの「旅」を選ぶか迷いますが…初期の作品(外国の旅のどれか)1冊と、最新作の『日本編』の2冊をセットで贈るのがよいかも。見ていて思ったんですが、姉に頼んでいるパジャマをやめて、いざとなったら『旅の絵本』全作セットを見舞い品として希望しようかしら。でも、退院時に持ち帰るのが重そう…
*自分の入院時、持参予定なのが大好きなこの本。とり みきさんの『街角のオジギビト』。どんな時もユーモアは大事です。
■お見舞いの品 その2… タオル(オーガニック、またはふわふわのタオル)
手を握ったり体をさすったりすると、人の心は安らいだり痛みが軽減したりするといいますが、なかなかそうすることはできないので、せめて肌触りからリラックスして欲しい、ということで。
本当は、タオルって一度洗ってから使うものですが、贈り物としては洗ったらダメですよね。入院中、すぐに使って欲しいのに…そこが唯一のジレンマ。
■お見舞いの品 その3… 冷え防止用品
首周り、足もとなどに、ほんの少しあたたかさがあると心もリラックスします。主に女性向けになりますが…肩に羽織るケープや室内用マフラー、おやすみくつ下など。オーガニック品なら好みのある方、肌の弱い方にも安心…ですが、思いのほか高価なものも。それが難しいところ。
病室の空調がうすら寒いことも多いようです。そこで、わたしが欲しいと思っている、「冷房よけなど、季節を問わず年中使えるストール」。
2万円を超えるこの価格…自分でも買えないけどお見舞いで届けるにもかなり勇気と¥が要ります。いざ自分のものになっても、電車や旅先に忘れて来たら発狂しそう。欲しいし、人にもあげたいけど色々困ったもんだ…
■お見舞いの品 その4… 香りのリラックス
自分の必需品は、仕事柄の頭痛、肩こりに効く「ナリン OILIO PLUS」というマッサージ用ハーブオイル(直で使える)ですが、湿布薬のような匂いがツンとするので、お見舞いには絶対無理そう…。リラックスできる香りで手首などに少しつけるだけで周囲には匂いがひろがらない、気晴らし用に、ロールオンタイプがよいかと。
強めの匂いの苦手な方、また男性へは、ヒノキの香りというのも素敵かと。京都産ヒノキの香りがあるらしい。
■お見舞いの品 その5… 普段買わないお店のフルーツゼリー
母や父が入院時にリクエストするのはコーヒーゼリーです。最近は、ゼリーをクラッシュしてコーヒーフレッシュと混ぜたゼリー飲料「ドロリッチ」を実家の冷蔵庫でよく見かけます。
ただ…やはり人様へのお見舞いには、断然、フルーツゼリーですね。日持ちがするもので、有名店のものなら少し気分も華やぐかもしれません。うちの母は「蒟蒻畑」でも喜びますが…
NAVERまとめに、4、6、9の数字のお見舞金は避けるべき、とありましたので、ゼリーセットも、何個入りかを確認して買いたいです。見たところ…いろんな店の商品でタブーとされる数のセットはいくつもありました。4と9は言わずもがなですが、6はNG理由が不明なので検索したら、6=(無)でした。13は欧米での凶数なのでこちらも避けるように、とのこと。
■お見舞いの品 その7… 大人向けの塗り絵、色鉛筆
はてなブログの中で、いくつか時折見に行くところがあって、そのうちのひとつ、
マサルさんのブログ記事で知ったのは、入院中に塗り絵をして過ごすのだそうです。確かに想像すると、心身ともに静かになれて、病室にいながら、塗り終わった面積で時が確実に流れたことを確認できるような気もします。
10年近く前に、認知症の年配の方を見舞った際、塗り絵をしておられたのを思い出しました。その時は、瞳に星がたくさんあるレトロな少女のドレス姿の絵でしたが、今は色んなシリーズが出ている模様。
上記ブログによると、曼荼羅塗り絵というのもあるんですね。検索してみると、塗り絵本は入院見舞い好適品、または入院の際に自分で購入する方がおられるようです。
■お見舞いの品 その8… 花のポップアップカード
そうはいっても、やはり手紙が一番だろう…ということで、飾れる立体カードに手書きメッセージを添えてみたいです。
昔は定番だった生花も、最近はアレルギーや衛生面で断られるケースもあるから、せめて、カードで花束の華やかさを運びたいな、と。難点は、賑やかなつくりのカードほど、メッセージ欄が異様に小さいということ。別途便箋が必要ですかね…
書店や文具店で探すか…もしくは自分で作るというテもあるようです。ハードル高そうだけど素敵。これに、図書カードなどを添えるといいかな。
■お見舞いの品 その9… カエルグッズ、またはユーモラスなもの。
昔は、お見舞いといえば、お守りを渡すことが多かったのですが…最近はキリスト教の方がいたり、他にももらっていたらお守りが喧嘩するかも…などと遠慮するようになって。一方、神社やお寺のお守りがストラップやキーホルダーなどに近づいて商売気のあるものをよく見かけるようになったのも、選びづらくなった理由かなぁ。
ただ…先日、どうしても急に、大きな手術前の方にお守りを送りたくて、でも近所の小さなお寺や神社ではお守りを売っていない…と気づいて焦りました。家から電車で30分、そこからバスで15分のところの山の上のお寺にならあるんですが…どうしよう。なんで数日前に鎌倉へ行った時に買わなかったのか…と後悔。鎌倉ならあっちこっちにあったのに…と。お守りって、コンビニやデパートで売ってないですし、だからこそ意味や値打ちがあるものなんだと、そのとき再認識しました。前にも書いたんですが、その時にカエルのグッズを買ったのです。
お守りの代わりに、願いをこめて「無事カエル」象徴のカエルのグッズ。マグネットが手についていて、ベット周辺にくっつくマスコットなども可愛いのですが、もし自分なら、少し間抜けなぬいぐるみ(テディベア的な可愛さではなくて、ファニーフェイスな雑貨テイストの方がよい)なども、もらったら嬉しいかも…。
「変かわいい」のが、こちらのドナウィルソンの作品。
相手を選ぶでしょうが…わたしはこちらも大好き。ふふ。
入院中のお買い物用、小銭入れなんかも素敵。病室では大金は置けないようなので、ここに小銭を入れて、小銭ごと贈るのもよさそうです。
つぼ押しグッズなどもいいんですが、症状によって差し支えがあったり、ちょっと粗品っぽく見えるかな…ということで、贈り物にもなりそうな、握り心地のよい、飾ってもよいユーモア雑貨。男女問わず贈れそう…でも生真面目なひとには勇気がいるかも。
ストレッチ系の同じような商品もあった…こちらは目上のひとには無理ですね。
■番外…ソフトな折り畳める帽子
院内を歩く際や、退院時に、髪がはねていたり化粧をしていないだろうから、ということで、室内でも違和感のない、綿素材の帽子を贈ったことも。この時は喜んでもらえたのですが、これは好みがあるので、相手にもよるかと。
以上、お見舞いの品、勝手にベスト9。(暫定ですが)でした。
大きな震災の時もそうだけど、相手の状況を思うと、気遣う気持ちを 伝えるのは難しい。はげますどころか押しつけになって不愉快ではないだろうかと怖くもあり…。でも、どうにか元気になって欲しい。元気になれない状況だとしても、せめて一日のうち少しでも、心がほころぶ時間を持って欲しい。だから、なにか贈りたいんですかね。