世界的に活躍するインダストリアルデザイナー 榮久庵憲司さん
海軍兵学校在学中に終戦を迎え、家族が暮らしていた広島市へ戻ると、そこは原爆による焼け野原でした。母の故郷福山市で、妹以外の家族とは会えました。ヒロシマの風景を見た後の鞆の浦の美しい風景、そして米軍の服や手にしていたモノから感じられた豊かさは、今でも心に焼きついています。この経験が、誰もが等しく豊かさを実感することができる「インダストリアルデザイン」に取り組む私の原点となりました。 時代は変わっても、ユートピアを求める人の心は変わりません。福山市には美しい鞆の浦がある。それはとても素晴しいことです。鞆の浦は朝鮮通信使を迎賓した歴史がありますし、これからも「迎賓の心」を大切にしてほしいと思います。また、福山市は起業家も多く、特徴のある企業も多い。これからも、日本の一部ではなく、世界の一部として高品質な特色を出してほしいですね。 (市発行 えっと福山 インタビューを抜粋) |
エフピコRiM7階「ものづくり交流館」に榮久庵さんのものづくりコーナーを開設
キッコーマン卓上醤油瓶 | ヤマハオートバイ |
展示室の様子1 | 展示室の様子2 |
一見の価値あり!
ものづくり交流館のホームページはコチラから!
http://monodukuri-f.com/
【榮久庵憲司(えくあんけんじ)氏プロフィール】
1929年東京生まれ。1955年東京藝術大学美術学部図案科卒業。1957年GKインダストリアルデザイン研究所設立、所長となる。1970年日本インダストリアルデザイナー協会理事長。
1973年第8回世界インダストリアルデザイン会議(ICSID'73 KYOTO)実行委員長。1975年国際インダストリアルデザイン団体協議会(略称:ICSID)会長。1989年世界デザイン博覧会総合プロデューサー等をつとめる。ヤマハオートバイ、キッコーマン卓上醤油瓶、成田エクスプレス等をデザイン。
1960年代に黒川紀章氏・菊竹清訓氏・槇文彦氏などの建築家たちを中心に展開された建築運動「メタボリズム」では、唯一インダストリアルデザイナーの立場で参画し、インダストリアルデザインの可能性と社会的価値を提唱した。
現在GKデザイングループ会長。国際インダストリアルデザイン団体協議会名誉顧問。Design for the World(世界デザイン機構)会長。2013年世田谷美術館にて「榮久庵憲司とGKの世界─鳳が翔く」を開催。著書に『幕の内弁当の美学』『The Aesthetics of the Japanese Lunchbox』『道具論』等。2014年5月には、イタリアの著名なデザイン賞コンパッソ・ドーロ国際功労賞を受賞。