登録 : 2014.10.26 23:02 修正 : 2014.10.27 08:05

クレーンから落ちた部品に下敷きに
部品保護のためにゆるく縛ったせい
雇用部、管理・監督不良など指摘

現代重工業のロゴ //ハンギョレ新聞社
 蔚山(ウルサン)にある現代重工業で働く労働者が、また事故で命を失った。 今年に入って7人目の死亡者だが、全員が社内下請け労働者だ。 間接雇用労働者を犠牲にする“危険の外注化”問題が深刻になっているという批判が出ている。

 26日、蔚山雇用労働支庁と全国金属労組現代重工業社内下請け支会、蔚山労災追放運動連合などの話を総合すると、23日に現代重工業で仕事をしていた社内下請け労働者アン氏(55)が上から落ちてきた巨大金属部品の下敷きになり蔚山大学病院に入院したが、25日午後3時50分に死亡した。 ○産業所属の社内下請け労働者であるアン氏は23日午後5時30分頃、現代重工業Hドックでクレーンを利用して重量3.5トンの金属部品を車両から作業場の床に下ろす作業中に、地上で信号作業をしていたところ部品を吊したロープが切れ地上5メートルから落下し、その下敷きになる事故に遭った。 この事故でアン氏は肩と胸骨、脊椎が砕けるなどの重傷を負い病院に搬送された。

 社内下請け支会などは、今回の事故も社内下請け労働者でなければ防げた“階級型事故”であると主張した。 事故当時、部品を保護するために鋼鉄ロープではなく繊維材質のシーリングベルトで部品を保護したため、中間に保護材も組み入れずにつり上げロープが切れたということだ。 チョン・ドンソク社内下請け支会労働安全部長は26日『ハンギョレ』との通話で「重量物の鋭い角にゴムチューブのような保護材を挟めばシーリングベルトがピンと張っても切れないが、下請け労働者の信号手は、そのような作業で時間がかかることを現場では喜ばない」として「今回の事故は主信号手も不在の状態で作業を行ったために起きた惨事」と規定した。

 蔚山雇用労働支庁も不十分な管理・監督と作業未熟を今回の事故の原因に挙げた。 支庁関係者は「該当作業は“ゴリアテ プロジェクト”という名前で初めてなされた作業なので、現場で管理・監督をしっかり行わなければならなかったのに、そうはされなかった。事故が起きて直ちに該当作業の中止命令を下した。 今後の調査結果により勤労監督などの措置を取る計画」と話した。

 これで今年に入って現代重工業だけで6回の重大災害事故で7人の社内下請け労働者が命を失った。 全て不十分な安全装置と教育などがもたらした惨事であり、社内下請け労働者を危険作業に追い立てているという批判が出ている。 3月25日、社内下請労働者3人が踏み台が倒れて海に投げ出され、おぼれて1人が亡くなった時も標準作業指導書はもちろん安全教育もなかったことが明らかになった。 4月21日、溶接作業中に飛んだ火花が船舶内部の有害ガスに引火し起きた爆発事故で2人が亡くなり2人が負傷した時は、元請けの無理な作業日程に合わせようとしたために安全措置を十分できなかったという批判が出た。

 ヒョン・ミヒャン蔚山労災追放運動連合事務局長は「爆発の危険が大きい屋内塗装作業や墜落の危険が大きい踏み台作業など、あらゆる危険な仕事を下請け労働者に押し付けておきながら、基本的な安全措置さえ取らず下請け労働者が相次いで命を失っている」として「造船業の構造上、安全管理は元請けのみができるにもかかわらず、現代重工業の誰も相次ぐ事故に責任を負おうとしない」と指摘した。

チョン・チョンフィ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/10/26 22:13
http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/661484.html 訳J.S(1562字)

関連記事
  • 오피니언

multimedia

  • most viewed articles
    • hotissue