ここから本文です

「出展作品は写真盗用」日本画家・黒川さん、日展元評議員を提訴へ

産経新聞 10月27日(月)15時10分配信

 日本画の制作用に撮影した舞妓(まいこ)の写真を無断で使用され、著作権を侵害されたとして、画家の黒川雅子さん(64)=大阪府羽曳野市=が、日展の元評議員で画家の60代男性を相手取り、約2千万円の損害賠償や作品の廃棄などを求める訴訟を近く大阪地裁に起こすことが27日、分かった。

 関係者によると、黒川さんは自身の作品の題材にするため、平成21年以降、京都・祇園で仲間らと舞妓の撮影会を開催。自ら撮影した写真の一部を知人の画家に参考資料として渡した。男性は昨年、この画家から写真を譲渡され、舞妓のポーズや着物の色柄が酷似した日本画を制作した。黒川さんは今年5月、大阪市内の展覧会で男性の作品を発見し、写真が「盗用」されたとして提訴を決めた。

 一方、男性の代理人弁護士は、撮影会には4〜5人の参加者がいたとし、「著作権は撮影者だけに占有的に認められるわけでない」と主張。その上で「黒川さんから写真を提供された画家は数千円を払っており、写真の所有権は画家に帰属していた。それを譲渡された男性がどう使おうと自由なはずだ」としている。

 黒川さんの夫は直木賞作家の黒川博行さん。

最終更新:10月27日(月)16時10分

産経新聞

 

PR