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シゴトがうまくいくヒントがありそう!人気のコノ人に「シゴト」について聞きました

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今イチバン聞きたいこの人のシゴトのコト

俳優 ムロツヨシ Tsuyoshi Muro

Tsuyoshi Muro

むろつよし1976年1月23日、神奈川県出身。99年から脚本、演出、出演を行う独り舞台活動をスタートさせ、2005年に『サマータイムマシン・ブルース』で銀幕デビュー。『シュアリー・サムデイ』、「踊る大捜査線」シリーズにも名を連ねる。『小野寺の弟・小野寺の姉』が現在公開中。08年から始めた「muro式」のほか、昨年からはNHKのコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」でも存在感を示し、ますます活動と表現の幅を広げている。

「ムロツヨシって、なんか~」
そう言われ続ける役者に

俳優・ムロツヨシは常に遊んでいる。
どこかとぼけたことを言いながら
「ちゃんとふざける」というスタイルを曲げず、今日も現場に遊びに出かけてゆく。
「はたらくこと、遊ぶこと」、彼にとってその分別は、10年以上のアルバイト生活で育んだとも言う。
ふざけながらはたらく、はたらきながらふざける。
どちらにしてもとても楽しそうだ。

19歳のムロツヨシへ
お前は『an』に載るから大丈夫!

はじめまして。ムロツヨシです。役者、やってます。19歳のとき、ファンだった深津絵里さんの『陽だまりの樹』という舞台を観に行ったんです。生の深津さんを観ることができて感激したと同時に、そこで共演していた段田安則さんの演技を観て鳥肌が立って「自分もあそこに立ちたい」と強く感じたのがきっかけです。といっても、映画やドラマにすぐ出られるわけじゃない。オーディションは100本受けても1本ひっかかれば上出来っていうくらい落ちまくりましたし、事務所に所属することすらできないで、小さい劇場を自分で押さえて自分で居場所をつくって……。僕にとって最初の映画『サマータイムマシン・ブルース』に出演させていただくまで、「演劇を自分でやっていくしかない10年」という時間がありました。

その期間、何をしていたかというと、やっぱりアルバイトです。いろいろなシゴトをしました。眼鏡専門店、お好み焼き店、神奈川の鶴見川で虫を採取するアルバイトetc……。僕も実際『an』でシゴト探してましたから。だから、表紙でニコニコしているのはあの頃の自分に向かってのメッセージです。「大丈夫だぞ。お前は将来、『an』に載るんだぞ!」と教えてあげたいですね。ただ、役者だけには限りませんが、自分のしたいことを追いながらアルバイトで生活費を稼ぐというのは、難しさもあります。固定のシフトのある店では迷惑をかけてしまうので、僕はまず、時間的に稽古もオーディションにもかぶらない早朝に魚市場ではたらいてました。あとは2時間からOKの、コンサート会場や工事現場に必要な備品の搬入業務をしていました。ヘルメットかぶって。そこではチーフになりました。バイトは絶対に手を抜かなかった。効率のいい動きを意識しながら、常に言われたことにプラスαを重ねる。そのぶん「本業では好き勝手に遊んでやるからな!」とずっと思っていました。「バイトは真剣に、シゴト(芝居)はふざける」、そのスタイルは、アルバイト時代に固まったものです。当時のムロツヨシのためにも貫いていこうと決めています。


なんでもいいから
「なんか~」を残す役者に

そのアルバイト、すべて辞めたのは30歳目前でした。28~29歳で映画にも何本か出演させてもらっていたので「1本出ればいくつかシゴトも来るだろう」と甘く考えていたのですが、来なかった。まだそれだけでは生活できない、少なくとも自分ではそう思っていた時期でした。でも、30歳の誕生日を迎える直前、ユースケ(・サンタマリア)さんが言ってくれたんです。「ムロ君、今役者としてシゴトをしているのに、バイトもしていると、生活費もそこに頼ってしまい、考えかたも引きずられてしまう。なんとかなるもんだから、一度、勇気を出して辞めてみな!」。それで勇気を出して辞めたのをよく覚えています。怖さはありましたけど、不思議なものでそれからはアルバイトしないでも生活はできています。でも、オーディションに落ちる、シゴトが来ない。現実はいつもしっかり受け止めながら歩いてきたつもりです。理想をしっかり持ち続けて、理想に少しでも近づいていく、それは常に考えていました。僕は数学的帰納法という証明が好きで、まずは仮定するんです。「役者になりたい」ではなく「役者になる」と。これを仮定して小さい途中式を成立させてゆく。もちろん、理想に辿り着くまでの道のりは短くはありません。意地もあったし、大学を辞めて退路を絶って自分を本気にさせたこともうまく作用したと思います。その道の途中で決断してきた自分、心を折らなかった自分にそれぞれ感謝したいですね。次の理想ですか? 「ムロツヨシって、なんか~」と言われる役者になりたいですね。その「~」には「カッコいい」や「好き」が入れば当然、うれしいのですが「気持ち悪い」「嫌だ」「うざい」という言葉が続いても同じようにうれしい。少なくとも役者として観てくれた人の心や目を引いているわけですから。「なんか~」を感じてくれる。その「~」は言葉にならなくても、なんかを残す。そんな役者でいたいです。


舞台で真剣にふざける
「muro式・8」開幕

また「muro式」やります。と言ってもそれが一体、なんなのか。多くの人はわからないと思いますが、大丈夫。僕もよくわかりませんから。演出家は僕の名前になっていますが、スタッフみんなでつくっています。こんな正直に告白していいのかわかりませんが「舞台で遊びたいので、遊ばせてください。みなさんの力とアイディアください」という共演者さんやスタッフさんへ丸投げの舞台です。すると本当にしあわせなことに、1個のワガママに対して、周囲は10個のアイデアを出してくれる。こんな効率のいい掛け算を僕はほかに知りません。普段からダラシなくてワガママでガンコな自分をさらけ出してきた成果でしょう。

今回も「ムロは言ったら聞かないし、言うだけだからオレたちでつくんないと……」とスタッフさんが動いてくれてます。本当にありがたい。僕の大きな財産のひとつです。どんな舞台になるかはわかりませんが、何の予習もせず先入観を持たずに来てほしいですね。テーマ、メッセージ……ございません。難しいことは誰もできません。観た後に何も残らない。でも、それでも次にまた「muro式」があるときに「しょうがないから行ってやっか」あるいは「何、くだらねえことやってんだ!」と怒りに来た人がクスッと笑ってしまう。そうなったら、ささやかながら僕の勝利です。今後も「muro式」もそうですが、そういう風に自分のやりたいこと、やって楽しいことを真剣にふざけながらやっていきたいですね。「ふざけてるけど見ちゃう」みたいな感じが理想です。僕はどの現場でもふざけています。そりゃ、失敗することもあります。怒られることも、まったく伝わらないこともある。その代わり、全力でふざけています。そうしないと失敗したときに、失敗した経験を得ることはできません。だから僕は今後も本気でふざけて、しっかり遊びます。機会があれば一緒に遊びましょう。

ムロツヨシのやりたいこと muro式.8「2 3 5 7 11 13 17…」 11月6日(木)~9日(日)@KAAT神奈川芸術劇場 11月13日(木)~14日(金)@イムズホール 11月21日(金)~24日(月祝)@ABCホール 11月27日(木)@青少年文化センター アートピアホール 12月4日(木)~9日(火)@紀伊國屋ホール

「僕が土台からつくったひとつの形で、うれしいと同時に怖さも感じる」という、ある意味ではムロツヨシを凝縮させた舞台。神奈川公演を皮切りに、福岡、大阪、名古屋、千秋楽は12月東京で迎える5大都市ツアーを敢行する。
■出演:永野宗典、本多力(ヨーロッパ企画) ムロツヨシ

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