Web Original
プロ野球コラム
172cm、68kg。小さな体で生き残る術を求めて、スタイルを確立しつつある今宮健太。2年連続でリーグ最多の62犠打を記録した。
photograph by Hideki Sugiyama
野球クロスロード

今宮健太、高校通算62発からの変身。
「小技と守備」でSBを日本一に導くか。

田口元義 = 文

text by Genki Taguchi

photograph by Hideki Sugiyama

 レギュラーとして初めて日本シリーズに出場するソフトバンクの今宮健太は、随所に“らしさ”を発揮している。

 第1戦の3回表、シリーズ初打席初安打で出塁し、細川亨の送りバントで二塁へ進塁。しかしその直後、スタンリッジの投手前の強いバントで迷わずスタートを切ったがために三塁で封殺された。

 先制点のチャンスだった。続く打者がレギュラーシーズンでの得点圏打率3割3分1厘の柳田悠岐であることを考えれば、2死二塁になったとしても自重し、彼に望みを託してもよかった場面である。それは、「状況判断。無理する必要はねぇんだよ! 次の柳田に期待してんだから」という秋山幸二監督の叱責からも如実に表れていた。

「行けると思ったけど、ああいう形(結果)になるならストップしないといけなかった」と、今宮は自身のプレーを猛省した。

ミスを取り返す美技と、第2戦の先制点を呼んだバント。

 そうかと思えば、その裏に守備で汚名を返上する。先頭打者の大和の、センターに抜けると誰もが確信した鋭い打球に素早く反応して捕球し、体を反転させて送球する美技を披露した。

 直前にはチームの勢いを失速させるミスを犯しながらも、今宮は臆することなく普段通りの鮮やかなプレーを見せたのだ。

「ミスをしても、成績が落ち込んでいても空回りしないように。どんな時でも自分のプレーをしっかりとやるというか、気持ちだけは負けないように、とはいつも考えています」

 今宮は試合に臨む姿勢について、そう持論を述べてくれたことがあった。

 一喜一憂するのではなく、ミスを恐れず自分にできるプレーをしっかりとこなす――。その意識は、第2戦でも見ることができた。

 初回、無死一塁から投手前に絶妙なバントを決める。続く内川聖一がレフト前安打を放ったことによって、今宮は貴重な先制点に大きく絡む働きをした。この試合、ソフトバンクが2-1と僅差で勝利したことを考えれば、今宮がアシストしてもぎ取った1点には大きな重みがあったわけだ。

【次ページ】 今宮の守備は天性の素質、バントは努力の結実。

このエントリーをはてなブックマークに追加
  • deliciousに追加
プロ野球 トップへ ナンバーウェブトップへ

野球クロスロード バックナンバー

ランニング特集 『Number Do』 第2号発売中! 見つけよう私の健康ノウハウ「カラダStylen for MEN」
言わせろ!ナンバー最新の投稿
高橋大輔、引退! あなたの最もお気に入りのプログラムは?
Eye

好きなプログラムは全てですが、特に「道」が好きでした。でも毎年毎年新プログラムに出会うとその時のプログラムが最高のプログラ  …すべて読む

ミッキー さん
2014/10/27 19:25
に投稿
アギーレジャパンのブラジル戦、ベストメンバーで戦うべきだった?
ベストメンバーでなくてもよい

アジアカップまでの試合数から考えて新戦力のテストで良かったと思います。ベストメンバーでブラジルと試合し、現在地を確認したと  …すべて読む

中村酒店さん
2014/10/27 17:59
に投稿
言わせろ!ナンバーについてお題をもっと見る
  • 岡田彰布氏、メルマガ絶賛配信中!
最新号表紙
PLUS
10月28日発売
<完全保存版> 中田英寿
~日本サッカー “破壊”と“創造”~