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国内初 特殊な加工をした心臓弁を移植10月27日 14時13分
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重い心臓病の患者に、血液の塊ができる合併症などを防ぐ特殊な加工をしたほかの人から提供された心臓弁を移植する国内で初めての手術を大阪大学附属病院が行い、患者は27日退院しました。
27日は、治療を行った大阪大学医学部附属病院の澤芳樹教授などの医療チームと手術を受けた35歳の男性が記者会見しました。
男性は「ファロー四徴症」という重い心臓病で肺動脈の入り口の心臓弁が十分機能しなかったため今月16日、新たな弁を移植する手術を受け、27日退院しました。
治療に使われたのは、亡くなった人などから提供された心臓弁から薬剤で細胞を取り除き、コラーゲンなどの骨格部分だけにする「脱細胞化」という加工をしたもので、移植されると患者本人の血液の細胞が結合するということです。
これまでの人工弁は血液の塊の血栓ができやすく、またウシやブタの組織から作った弁はやがて硬くなって機能しなくなりますが、加工した弁は、血栓を防ぐ薬を飲み続けたり、弁を交換したりする必要がなくなるということです。
この心臓弁はドイツで12年前に開発され、ヨーロッパでは120例ほどの移植手術が行われていますが、国内では初めてです。
澤教授は「治療成績が安定し、有望な治療法だ。今後、この治療法を広めていきたい」と話しています。
また、男性は「1回の手術を受けると弁が長く持つということに魅力を感じ手術を受けました。立ちくらみなどの症状もなく体調はいいです」と話していました。