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【ゴルフ】

大山志保が完全優勝 生涯獲得賞金9人目の7億円超え

2014年10月27日 紙面から

最終日、優勝カップを手に兄の秀樹さん(左端)母親のユリ子さん(右から2人目)、父親の晃さん(右端)に囲まれ笑顔の大山志保=兵庫・マスターズGCで(武藤健一撮影)

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◇NOBUTAマスターズ<最終日>

 ▽26日、兵庫県三木市・マスターズGC(6445ヤード、パー72)▽晴れ、気温21・3度、風速1・9メートル▽賞金総額1億4000万円、優勝2520万円▽57選手(うちアマ1人)▽観衆7235人

 プロ15年目のベテラン大山志保(37)=大和ハウス工業=が6バーディー、2ボギーの68とスコアを伸ばし、通算19アンダー。初日からの単独首位を守り切る完全Vで9月のゴルフ5以来の今季2勝目、ツアー通算15勝目を飾り、コースに駆けつけた両親を喜ばせた。3週連続優勝を目指したアン・ソンジュ(韓国)は2位、16アンダーの3位に上田桃子(28)が入った。アマチュアの勝みなみ(16)=鹿児島高1年=がベストスコアの65で回り、15位に入った。

 背中は見せても、影は踏ませない。今季賞金女王へスパートをかけるアン・ソンジュの猛追にもひるまず、大山は逃げ切った。「この大会で完全優勝をした人がいないと聞いていた。緊張をマイナスに考えず、自分しかいない記録にするんだ、と思って頑張った」という。

 3打差首位でスタート。1番パー5で第3打をピンそば10センチにつけてバーディー発進したものの、2番と3番で連続ボギー。その停滞ムードを一掃したのは、9番のパーパットだった。

 「パターで打ったアプローチが寄らずに4メートル残してしまった。吉田弓美子さんが先にバーディーを決めてたし、これで1打差になるぞ、という声も聞こえたけれど、絶対に入れる、入る、と集中してた」。ボールがカップに沈むと、力強いガッツポーズが飛び出した。

 インでは少しボールと体の距離を近づけて打ってみると、ショットの調子も戻ってきた。10番はOKバーディー。11番でも1・5メートルにつけた。1組前のアン・ソンジュがバーディーを決めればバーディーを奪い返す展開で、最後は2打差で逃げ切り。「実は先週の最終日最終ホールで10メートルのバーディーパットが決まった直後、母に電話して『なんだか来週優勝できる気がする』って言ってた」と明かした。

 13日には、姉弟子にあたる不動裕理と一緒に、療養中の師匠・清元登子(75)のもとへ足を運んだ。「私は東京五輪の代表だって目指したいのに、清元先生は『志保はあと3年よ』って言われるんですよ。結構ショックで。でも、本当に好きな人ができたら、ゴルフはきっぱりやめちゃうな〜と思った。3年ぐらいの間にそうなるかもしれないし(笑)」とか。

 生涯獲得賞金が史上9人目となる7億円を突破。この日のように「自分のプランを最後まで曲げずに自分のスタイルを通す」ゴルフができれば、運命の人と出会った後も、熱いガッツポーズを繰り返す大山がいるに違いない。 (月橋文美)

 

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