少子高齢化や人口減少が急速に進展する日本が中長期的に発展していくにはどうしたらいいか。この大きなテーマを話し合う政府の専門調査会「選択する未来」が、最終報告書のとりまとめに向けた大詰めの議論に入っています。私も委員として参加。人口減少の深刻さに驚きつつ、できるだけ前向きなアイデアや考え方を発信するように心がけています。
加藤百合子(かとう・ゆりこ)1974年千葉県生まれ。東大農学部で農業システムの研究に携わり、英国クランフィールド大学で修士号取得。その後、米航空宇宙局(NASA)のプロジェクトに参画。2000年に帰国しキヤノン入社。2001年、結婚を機に退社し静岡に移住。産業用機械の研究開発に7年ほど従事したものの農業の社会性の高さに気付き、2009年エムスクエア・ラボ(M2ラボ)を設立。2012年青果流通を変える「ベジプロバイダー事業」で日本政策投資銀行第1回女性新ビジネスプランコンペティション大賞受賞。
内閣府のホームページで議事要旨や会議資料が公開されていますので、是非ご覧になってください。現状のまま手をこまねいていると、発展はおろか、社会システムが崩壊する。それを回避するためには、様々な分野でイノベーション(革新)が必要になっている――。こうした調査会の危機感が読み取れると思います。
では、イノベーションを具体化するにはどうしたらいいのか。自然にイノベーションが「起きる」のが理想的ですが、時間に余裕はないので、規制撤廃や予算配分の見直しなどの政策を通じてイノベーションを「起こしやすくする」ことが重要です。ただ、私にとって身近な「ベンチャー」「地域」「農業」という分野を考えると、これはものすごい難題だと感じます。
例えば、地域に革新的な技術や構想を持つアイデアマンがいて、ベンチャー企業を興そうとしたとします。金融機関に行って融資を頼んだら断られる。ベンチャーキャピタルにも断られる。信用保証協会に行ったら、準備しなければならない書類が山のようにあり、手続きが遅々として進まない。「お金を貸してあげましょう」と近づいてきた個人資産家や経営コンサルに支援を仰いだら、最終的には技術や構想を横取りされてしまった。こうした事例を、私はたくさん見聞きしています。
ベンチャーへの資金供給の目詰まりを裏付けるようなデータも「選択する未来」の会議資料にはありまして、国内銀行・信用金庫の預貸率は過去14年間で15~20ポイントも低下しているとのことです。熊本県水俣市がまとめた報告書によると、水俣市民が市内の金融機関に預けたお金のうち、市内への貸出・投資に回るのは2~3割。市民の預金の大半は国債の購入などに充てられ市外に流出してしまうそうです。
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