エボラ阻止マスク、愛知のメーカーが開発!ウイルス99%不活性化
愛知県のフィルターメーカー「くればぁ」が開発した、エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスを99%不活性化(感染力や毒性を失わせること)するマスクに注文が殺到し、約10万枚を増産することが26日、明らかになった。同社によると、21日に西アフリカのギニア、リベリア、コンゴ民主共和国の医師や医療従事者向けに約1万枚のマスクを寄贈したところ、アフリカのみならず米国など海外や日本からも注文が殺到。生産が追いつかない状態になったという。
人気のきっかけは、マスクの製造を聞きつけたギニア政府が、「医療現場で使えないか」と問い合わせしてきたことだった。大使館を通じての交渉の結果、購入手続きには数か月かかることが判明したことから、今月21日にとりあえずの緊急策として1万枚を寄贈。その際、ギニアだけでなくリベリア、コンゴ民主共和国にも贈り、現在は医療現場で使用されている。
この事実は、記事として世界各国のメディアが配信。結果、26日にエボラ患者が出た米ニューヨークなどのアフリカ以外の海外からも注文が相次いだ。一方、日本の医療従事者からも「今後エボラが日本に上陸した際の備えとして」などの理由で数十件の問い合わせや注文が殺到。マスクの生産が追いつかない状態になった。
同社の中河原毅専務取締役(34)は「急きょ、増産を始めました。数量は、例年のマスク販売量の10倍。10万枚ぐらいです」と話す。ただ、「今注文を受けたとしても、発送は3週間後ぐらいになる」という。現在、注文は同社ホームページか電話(TEL052・51・4151)で受け付け中。商品名は「防菌・防ウイルス+PM2・5フィルターマスクPittarich(ピッタリッチ)」で、1枚7980円となっている。
マスクは当初、中東で猛威を振るった感染病「MERS」対策として開発され、後にエボラ用に改良した。マスク全体に「4級アンモニウム塩」という物質をコーティング。エボラウイルスと化学反応を起こし、ウイルスを不活性化させるという。効き目は100回以上洗濯しても有効だという。
同社では過去に中国の大気汚染で話題になったPM2・5対策のマスクを売り出し、10万枚を完売した実績がある。