57人が死亡し、戦後最悪の火山災害になった御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火から27日で1カ月たった。山麓の木曽郡木曽町、王滝村などでは、亡くなった人の関係者や住民、救助・捜索に関わった人が噴火時刻の午前11時52分に合わせて黙とうし、犠牲者の冥福を祈った。この日午前の御嶽山は中腹まで雲がかかり、頂上付近を望むことはできなかったが、黙とうした人たちは静かに頭を下げ、行方不明者6人の早期発見も願った。
木曽町と王滝村がそれぞれ山麓に設けた献花台には、朝から花を手向けに訪れる人が相次いだ。噴火時刻前後には、現地で住民などによる慰霊祭が行われた。両町村の役場や学校、保育園なども、仕事や授業を中断して黙とうした。
県災害対策本部はこの日午前、県庁で本部員会議を開き、阿部守一知事をはじめとする出席者が噴火時刻に黙とう。救助・捜索に当たった県内の警察、消防関係者も、犠牲者に黙とうをささげた。
御嶽山では9月10日から火山性地震が急増し、同27日に噴火。気象庁によると水蒸気爆発で、好天に恵まれた休日を山頂で過ごしていた登山者を噴石や火山灰が襲った。死者は16都府県の57人に上った。
救助・捜索には警察、消防、自衛隊の延べ約1万5千人が投入されたが、積雪期を迎えて二次災害の恐れがあることから今月16日に今年の活動を打ち切った。県災害対策本部は、来春以降に行方不明者の捜索再開を目指している。
一方、噴火災害による経済的な影響が深刻な木曽町、王滝村などの復興・支援策を検討する県の「御嶽山噴火災害復興支援チーム」は27日午前、県庁で初会合を開催。具体策を週内にまとめ、必要に応じて11月補正予算案に反映させる。