御嶽山噴火:1カ月 鎮魂の祈り

毎日新聞 2014年10月27日 11時31分(最終更新 10月27日 13時47分)

噴火から1カ月を迎えた御嶽山。山頂は雲に覆われている=御嶽山上空で2014年10月27日午前9時51分、本社ヘリから梅村直承撮影
噴火から1カ月を迎えた御嶽山。山頂は雲に覆われている=御嶽山上空で2014年10月27日午前9時51分、本社ヘリから梅村直承撮影

 死者57人、行方不明者6人を出し戦後最悪の火山災害となった御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火は27日、発生から1カ月を迎えた。発生時刻の午前11時52分、ふもとの長野県木曽町や王滝村では、防災行政無線で鐘の音やサイレンが鳴らされ、住民らが黙とう。町村設置の献花台前では地元有志らによる慰霊祭が営まれ、地元は鎮魂の祈りに包まれた。

 御嶽山の東側ふもとにある長野県木曽町三岳の「太陽の丘公園」に町が設置した献花台には早朝から多くの人が訪れた。午前11時52分、参列者が黙とうをささげた後、地元神社による慰霊祭が営まれた。町役場や県警木曽署でも職員が黙とうした。

御嶽山噴火の犠牲者と行方不明者に花を手向ける地元の人々=長野県木曽町で2014年10月27日午前8時55分、野口麗子撮影
御嶽山噴火の犠牲者と行方不明者に花を手向ける地元の人々=長野県木曽町で2014年10月27日午前8時55分、野口麗子撮影

 同県安曇野市の男性(67)は、犠牲になった若林和男さん(66)=同県松本市=と山で会うたび、言葉を交わしていた。「ショックで心の整理がつかない。『日の出前に山に登り、孫が起きる時間に帰宅する』と、孫をかわいがっていた。優しくて穏やかな方だった」と悼んだ。

 噴火4日前の9月23日、息子夫婦と小学生の孫2人の計5人で御嶽山に登ったという同町の無職、木山沢貞彦さん(71)は「孫たちが巻き込まれていたかもしれないと思うと、怖く、悲しくなった。行方不明の方を一人でも早く救出してほしい」と語った。

 御嶽山を正面に望む王滝村の高台に村が今月10日に設置した献花台でも、住民らが次々と花を手向けた。慰霊祭には住民有志ら約40人が参列。同村の男性(63)は「まだ6人が取り残されている。雪が解けたら早く見つけてあげてほしい」と手を合わせた。同村のガソリンスタンド従業員の女性(49)は、木曽町商工会会員有志が作った千羽鶴を献花台に供え、「観光振興など課題は山積。住民が一致団結して再生しなければ」と話した。

 長野県の阿部守一知事は県庁で発生時刻に職員らと黙とうした後、「今回の犠牲を無駄にせず、山の安全や火山防災対策を進める」と話した。

 噴火は9月27日に発生。当時、山頂付近には約250人がいたとみられ、犠牲者の大半が噴石による外傷で亡くなった。自衛隊、警察、消防は延べ1万5176人を動員して実質12日間の捜索を実施し、積雪などで2次災害の恐れが強まったため今月16日に打ち切った。長野県は来春にも再開を検討する。【福富智、近藤隆志、野口麗子】

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