清水大輔、三浦亘
2014年10月26日22時37分
57人が死亡、6人が行方不明となった御嶽山(おんたけさん、長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火で、少なくとも3回の大きな爆発があり、噴石と火山灰、熱風が一斉に山頂付近を襲ったことが生存者の証言で分かった。27日で噴火から1カ月。火山活動は低下傾向だが依然として噴煙が上がり、入山規制が続いている。
ドドーンと低く重たい音に振り返ると、真っ白な入道雲のような煙が山の西側から立ち上っていた。
9月27日午前11時52分。山岳ガイド小川さゆりさん(43)=長野県飯島町=は御嶽山の山頂付近にいた。
とっさに1メートル四方の岩陰に四つんばいになると、白い煙に包まれた。「温泉の湯気に顔を突っ込んだよう」。長袖の右襟で口元を隠したが、きつい硫黄臭でせき込んだ。
噴石は200メートルくらい舞い上がる。ヒューヒューと降り注ぎ、岩に砕けた。
約7分後。冷たい空気がほおをなでた。真っ青な空が見えた。登山道を30メートルぐらい駆け下り、別の岩陰に体を押し込んだ。急に辺りが真っ暗になった。2回目の爆発音が聞こえた。
ザン、ザンと音がし、黒い石粒が混じった灰が降ってきた。しゃがんだ腰の辺りまで埋まった。砂風呂のようにサラサラと生温かかった。
3回目の爆発音は、最もすさまじかった。「洗濯機」や「軽トラック」ほどの巨大な噴石が飛び交い始めた。
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朝日新聞社会部
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