[PR]

 御嶽山の噴火で、救助されたり、自力で下山したりして生き残った登山者は心に深い傷を負った。同行者を失った一人は「私が殺したようなものだ」。27日で噴火から1カ月。今なお、自責の念が消えることはない。

 長野県松本市の会社員鈴木康夫さん(57)は、ボランティア仲間5人と初めて御嶽山に登り、3人を失った。山小屋で働いた経験を持つ鈴木さんがリーダーだった。

 間もなく山頂。その時、噴煙が上がった。とっさに岩陰にかがみ込む。「熱い」という叫び声を聞いたが、それからの記憶がない。意識が戻ったのは翌日。山小屋の布団に寝ていた。火山灰に埋もれ、気を失ったところを仲間に助けられたのだという。左肩の骨が折れていた。