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昨夜（24日）はＮＹで仲の良かった4人が外人記者クラブのバーに集まってステーキ（オージー肉の固いこと）とワインの飲み会。
一瞬にして20年以上も前にタイムトラベルをする。
特に元リクルートのＩさんとは日本バッシングの時代だった1991年10月に下院の公聴会に召喚され、委員長トム・ラントスに吊るしあげられた「戦友」だ。下院公聴会の話題に花が咲く。（公聴会には縁があって、僕は今でも記者クラブの騒動をブログに書いて、クラブ公聴会に呼び出されている。次回は10月30日早朝だ）
今だから笑い話だが当時は真っ青、公聴会は日米のＴＶ中継に新聞（ワシントンポストほか）の取材や報道に煩わされていた。
北カリフォルニア選出の下院議員トム・ラントスは民主党外交委員長が長かったが、オバマが大統領になる前にガンで亡くなった。
生きていれば国務長官になっていただろうに残念だ。
当時は憎しみ一杯だったが、今では小柄なトムの細い顔としゃがれた声は頭と耳にこびり付いていて懐かしい。
ついで話題はリクルート株の最近のＩＰＯに移り、役員だったＩさんは大富豪になり皆からうらやましがられる。お土産にボルドーの高級ワインを頂いちゃった。
「一生に一度の青春（アオハル）に乗れ」でアオハライド」のタイトルになると。最初は何が何だか分からなかった。合点だが変なの。
このブログでお気づきのことと思うが３日連続でコミック原作の高校生ものを扱っている。
しかしどの映画も16歳、17歳の筈の高校生役の役者たちは実年齢で全員20歳を越えているのが気になる。
ハリウッドや欧州の映画では、歳を取った役はメイクで何とかなるが若い役は化粧ではどうにも誤魔化せない。だから若者役には年齢にあった役者を起用する。ダコタ・ファニングやドリュー・バリモアの子役時代を覚えているだろう。
適役が居なかったらオーディションで何千人と面接して選ぶ。例えばスティーブン・ダドリー監督が「リトル・ダンサー（ビリー・エリオット）」を撮った時に2000人のオーディションを勝ち抜いたジェイミー・ベルは15歳だった。その後ベルは子役を経て一流スターに成長する
この映画の主人公、吉岡双葉役の本田翼は1992年6月生まれの22歳、相手役の馬渕洸役の東出大などは1988年2月で何と26歳だ。幾らなんでも実年齢が10歳上で演じる高校生役は顔を見れば無理だと分かる。
（舞台ならいいですよ。遠くで見ているから。映画はクローズアップで分かってしまうんだな）
オーディションで選んだ役者は知名度が無いし勿論スターで無いから客を集められないと言う事情はあるものの、ハリウッドやヨーロッパ映画はそう言う子役を０から育てる意欲がある。
日本映画はハナからそんな努力を放棄しているのが問題だ。
吉岡双葉（本田翼）と馬淵洸（東出昌大）。
中学1年生の時、お互いに好意を抱き淡い恋心を抱いていたが、洸が長崎へ行ってしまい、離れ離れになった。気持ちはそのまま留まり何の発展もないままの状態だった。「去る者日々に疎し」、だ。
それから4年、高２年生になった双葉は高校で同じクラスに転校して来た男子学生に気付く。なんと洸だ！長崎から富山に戻って来たんだ。まさか夢にも思わなかった再会を果たす。
だが昔の彼からは想像もつかないそっけない態度や言動に戸惑いを覚える。
中学時代の双葉と洸をフラッシュバックで挿入しながら現在と比較している演出は上手い。流石に中学時代の二人は別の子役が演じている。
突然の雨に神社で雨宿りする二人の立ち位置は同じだが、制服が違うし肩にかけてやるセーターの色が違う。しかし同じ優しい動作でセーターをかけてくれる洸に昔の気持ちが隠されている。
中学１の時夏祭りで二人は待ち合わせをする。「三角公園の時計台の下で7時に」、遂に洸は現れなかった。そしてそれが洸の声を聞いた最後だった。
「田中君！」と呼びかける双葉に「俺、馬淵だよ」と洸。
ぶっきらぼうで冷たい顔の裏に昔の気持ちも残っていると双葉は確認する大事なシーンだ。
時間をかけて洸と向き合ううちに、昔のままの優しさが時々現れホッとする双葉。そして好きでも無いし何の感情も無いよとツッパッていた双葉は、自分の気持ちが再び洸に向き始めていることに気付き始める。
洸の両親が離婚し旧姓に戻った母（岡江久美子）と故郷の長崎に戻っていたが、母が肺癌で亡くなったため父親と同居するために富山に戻って来たのだ。
そして洸の家を訪ねた双葉は高校の教師田中陽一（小柳友）が洸の実兄だと分かる。
「あいつが一番苦しんでいた時（母親の死に際）に傍に居てやれなかったことを悔やむ」と双葉に語る田中先生。
双葉を軸に仲良しクラスメイトがランチを食べ駄弁る楽しい休憩時間。ブリッ子の槙田悠里（藤本泉）は洸が大好きだと告白し「双葉とライバルになるね」、と軽いノリで皆に宣言する。
美人でクールな村尾修子（新川優愛）は「わたしはやっぱり田中先生だな」と惚気る。
明るい小湊亜耶（吉沢亮）はそんな修子が大好きで口説き続ける。
双葉を熱烈に憧れているのは菊池冬馬（千葉雄大）、成績優秀な特進クラス生。しかもバンドのボーカルで会場に入って来た双葉に嬉しそうな歓声をあげる。「群衆の中でも君の姿は直ぐに認識できる」と。
主人公の二人ばかりでなく二人を取り巻く学友たちも丁寧に描かれている。
あの宿命の夏祭りがやって来る。洸は「三角公園の時計台の下で7時に」と同じ約束をして同じ様に現れない。そればかりか学校にも1週間登校しない。
そして双葉はその秘密を見付けだす。長崎での高校同級生で成海唯（高畑充希）の存在に気付く。
高校生役の出演者は皆美男美女、特にモデル上がりの本田翼の美貌は際立つ。映画の経験は浅いがしっかりしたセリフや演技は信頼出来る。これから高校生役でないもう少し年齢の女性役を演じて欲しいものだ。東出は「クローズ」シリーズでファンになったが、これも高校生役を卒業して欲しいな。26歳だぜ。
美男美女の中でチビ・ブスの成海役の高畑は可哀想だ。洸の「捨てて置けない存在」としただけに双葉たちの気持ちを代弁したキャスティングか？
しかし主人公、二人のために周りが譲り合って「降りる」のはご都合主義のイージーなプロット。
富山と長崎を舞台にしているがロケの景色は映画のオカズ。最後の二人の愛を確認しあう。特に長崎湾の向こうに昇り始める太陽の美しいこと。
原作は「別冊マーガレット」連載の咲坂伊緒のベストセラーコミック。
監督は「ソラニン」「陽だまりの彼女」など青春ものが得意の三木孝浩。
流石に現代の高校生たちに詳しく、悩み、葛藤、心理状態など的確な描写は優れている。
12月3日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他で公開される。
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