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メディア掲載の影響は?ノンプロモーションのアプリ「myクローゼット」のダウンロード推移を振り返ってみた

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photo credit: FotoRita [Allstar maniac] via photopin cc

こんにちは!クロスフィニティの姫井です。

弊社のアプリ「myクローゼット」。
リリースしてから1年になりますが、デイリーのダウンロード数はピーク時よりも減少したものの急激に下がることもなく安定しております。
今回はダウンロード数推移データと併せて、ダウンロード数が徐々に増えていった経緯を振り返ってみました。

<目次>
1.<「myクローゼット」とは>
2. <ダウンロード数推移から見る振り返り>
∟2.1 ダウンロード数推移、メディア掲載実績と効果
∟2.2 なぜメディアに取り上げられたのか?
∟2.3 ASOとバグ解消のアップデート
2.4 その他考察
3.<最後に>

1.<「myクローゼット」とは>

始めに「myクローゼット」についてご説明させて頂きます。

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iOSアプリはこちら
(Android版は現在公開を中止しております。)
AndroidとiOSの両OSに対応できるようにするため、PhoneGapフレームワークで作られたhtmlベースのハイブリッドアプリとなります。

こちらのアプリですが、少ない工数で作らなければならなかったため、ファッションアイテムを写真で管理できるという最低限の機能のみを持たせリリースしました。

プロモーションやレビューサイトへの依頼等も全く行っておらず、施策としてはバグ解消時のアップデートで弊社のサービスであるASOを一度行ったのみとなります

リリースしてから約2か月間、1日あたりのダウンロード数は40~60ダウンロード程でしたが、12月に入ってから1日100ダウンロードを超えるようになり、3月には1日400~500ダウンロード、現在は1日150~200ダウンロードで安定しています。
ダウンロード数の増加には、今振り返ると新聞や雑誌などのメディア掲載による影響、次にアップデートによるバグ解消が大きかったと考えています。

2.<ダウンロード数推移から見る振り返り>

2.1 ダウンロード数推移、メディア掲載実績と効果

メディア掲載の実績とリリースから10月7日現在までのダウンロード数推移のグラフは下記になります。

2013年11月12日 雑誌「GINZA」に掲載
2014年  2月  8日 「日本経済新聞 NIKKEI PLUS1 賢実家計」に掲載
2014年  6月  2日 ケーブルテレビ「ZAQ旬感!いまどきネット」にて紹介
2014年  6月19日 「日本経済新聞夕刊」に掲載
2014年  6月24日 雑誌「ストリートジャック」に掲載

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[図1] 「myクローゼット」リリース後のダウンロード数推移 AppAnnieより

各メディアに掲載頂いた反響を、メディアごとに下記に纏めました。

•新聞「日本経済新聞 NIKKEI PLUS1 賢実家計」/「日本経済新聞夕刊」
→発行日に一時的にダウンロード数増加が見られました
•ケーブルテレビ「ZAQ旬感!いまどきネット」
→ 放送日に一時的に大きなダウンロード数の増加が見られました
•雑誌「GINZA」/「ストリートジャック」
→発行日に大きなダウンロード数増加は見られませんでしたが、掲載以降に僅かな継続的ダウンロード数増加に繋がった可能性があります

新聞、テレビへのメディア掲載は一時的なダウンロード数増加に繋がる傾向が有りましたが、雑誌の場合は一時的な増加は見られませんでした。雑誌は一定期間、販売店に並ぶため販売期間中は継続的に1日あたりのダウンロード数増加につながる可能性が考えられます。
媒体の種類(新聞/テレビ/雑誌)によっても増加傾向は変わってくる事が分かりました。

2.2 なぜメディアに取り上げられたのか?

日本経済新聞の記者の方に「myクローゼット」を取材して頂いた経緯を伺った所、「NAVERまとめ」のファッションアプリのまとめに載っていたことがキッカケであったとのことでした。
これらのメディア掲載によりでダウンロード数は大きく伸び、一番反響が大きかった「日本経済新聞夕刊」に掲載頂いた際にはカテゴリランキング順位が1日で148位上昇しました。

メディアに取り上げて頂いた要因としては大前提として「ファッション」というジャンルの人気があります。
さらに、ASOを実施しストアでの露出を増加させたことで、メディア編集者の方の目に留まる機会も多くなったと考えています。ストアのカテゴリランキングも、ASOを行った後では、実施前よりも平均して100位以上上がった順位を維持しています。
また、「ファッション」というジャンルは私達の生活に密着しているので、幅を広げれば生活全般において便利に使えるという側面も持ち合わせています。
「日本経済新聞 NIKKEI PLUS1 賢実家計」の掲載も「ファッション」というジャンル以外での「節約」という観点により注目されました。
自分の所有しているアイテムを写真で管理できるので、買い物の際に「myクローゼット」を見ながら無駄な買い物を防ぐといった利用の仕方ができます。

2.3 ASOとバグ解消のアップデート

お金をかけないプロモーションの中で唯一施策を行っているのがASOです。
「myクローゼット」では2度アップデートを行っておりますが、2度目のアップデートの際にはASOを行いテキスト要素を改善しています。

その際改善した点はこちらの2点です。

①全体的にキーワード数を増やして、検索における露出を増やす
②説明文冒頭にメディア掲載実績を載せて、知名度があることをアピールする

上記のような施策を2014年2月24日に行い、2014年9月25日時点でも「コーディネート」というキーワードでAppStoreにて11位に表示されています。
「コーディネート」「ファッション」「着回し」等のファッションに関するキーワードで上位に表示されることでメディアの目にも止まりやすくなり、取り上げられる機会も増えると考えています。その結果ダウンロード数も増加していきます。

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[図2] ASO実施後のダウンロード数推移 AppAnnieより

ASOを行ったことで1ヶ月間で1日のダウンロード数が81件だったところが427件まで伸ばすことが出来ました。[図2参照]

この時のアップデートでは「広告を誤ってクリックしてしまう」というユーザビリティも同時に改善しています。レビューいただいたユーザーの意見にすぐに対応しました。

2.4 その他考察

その他のダウンロード数が増加した要因としては下記の点が関係してると考えています。

①ハイブリッドアプリとiPhoneの相性の良さ
「myクローゼット」はAndroidよりもiOSのダウンロード数が大きく伸びましたが、その要因としてハイブリッドアプリの場合iOSのほうが一部Android端末よりもサクサク動くことが要因の一つだと考えられます。(リリース当時)
日本はAndroidよりもiPhoneユーザーが多いため、割合としてはiOSとAndroidが8:1と、iOSでのダウンロード数が伸びた結果となりました。

②アイコンやスクリーンショットの影響
アイコンやUIは著名な方にデザインを依頼しました。社内のアンケート結果ではmyクローゼットのアイコンは弊社アプリの中で一番人気のデザインです。
ファッション系のアプリを探している人はアプリのデザインにも敏感な人が多いため、おしゃれなアイコンにしたことでファッションアプリを探しているユーザーの目につく機会も増えたのではないかと思います

③ツール系アプリの利点
ゲーム系のアプリにはいつか飽きが来ることが多いですが、ユーザが気に入れば使い続けてもらえるというツール系アプリの利点もあり多くの人に利用してもらうが出来ました。
弊社のゲームアプリと比較した時、ゲームアプリユーザーのリピーター率は60%であったのに対し、「myクローゼット」ユーザーのリピーター率は85%という結果となりました。[図3参照]
このことからもツール系アプリは継続して利用してもらいやすいということが考えられます。

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[図3] myクローゼットと弊社ゲームアプリのユーザーを比較

3.<最後に>
メディア掲載後のダウンロード数に差はあるものの、いずれのメディアに掲載頂いた場合もダウンロード数は増加しました。
また、「myクローゼット」ではお金をかけたプロモーションは行っていませんが、アプリが認知されるためのASOを行ってきました。
認知を高めるだけでなく、ユーザビリティを損ねないようにストアのユーザーレビューの意見を反映するなど、お金をかけずに開発者側で工夫できる部分にも力を入れています。
本コラムのまとめとして、お金をかけずにアプリを広める工夫で以下の2点をオススメします!

①雑誌社や新聞社へのプレスリリース
②テキスト要素を最適化する

①はアプリのレビューサイトへだけではなく雑誌社などへもプレスリリースを打つことによってメディア掲載して頂く可能性を高めることが出来ます。
②はテキスト要素を最適化することでストア内での露出を高めるように対策することが出来ます。
ASOを行うことでストア内での検索順位を上昇させ、検索結果での表示頻度を高めることが可能です。
「myクローゼット」の場合は「コーディネート」「ファッション」「着回し」等のファッションに関するキーワードで上位に表示されるようにテキスト要素を改善し、その結果ダウンロード数も増加しています。
AppStore、Googleplayともに100万以上のアプリが存在しています。その中でなるべくアプリの露出頻度を高められるよう、検索ボリュームが大きいキーワードにヒットするように工夫されることをオススメします。


是非、アプリディベロッパーの皆様には上記の2点を試してみて頂ければと思います!


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10月 27st, 2014
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