■姉の甘い下着■
 女子大に通う百合子は仲の良いゼミの友達にレディースコミックを貸してもらって以来、すっかりその魅力にはまってしまった。百合子のお気に入りは近親相姦もの、とりわけ姉弟ものだった。姉が童貞の弟に性の手ほどきをするものなど、読んでいるだけで体が熱くなり夢中になって読み耽っていた。実際百合子には恭一という弟がいて、その恭一とエッチなことをする夢を何度も見ていた。
“私ったらとんでもない変態だわ、どうしよう…”
そう思う反面、自分を慕うハンサムで可愛い恭一が百合子は大好きで、異常な愛情を感じていた。恭一の裸を想像することもしばしばだった。風呂上りにバスタオルを腰に巻いて出てくる恭一を見て、そのバスタオルの中を見てみたいと強く思っていた。
 百合子と恭一には父親しかいなく、その父親はコンビニを経営していて、帰りはいつも明け方近くだった。そんなある蒸し暑い夏の夜のこと。百合子の恭一の裸を見たいという思いはどうにも止めることができなくなてしまっていた。恭一がお風呂に入ったのを確認した百合子は、そっと勝手口から出て、足音を忍ばせて風呂場の窓のあるへ向かった。風呂場の窓はすりガラスになっていて、ブラインドが掛けてあったが、夏場はブラインドの羽をわずかに開き、左右の窓を少しだけ開けているのが普通だった。その外側には網戸があり、さらにその外側にステンレスの格子が取り付けられていた。百合子はドキドキしながらも必死で息を殺してブラインドの隙間から風呂場の中を覗き込んだ。ところが思いもかけず、風呂場の中には恭一の姿は無かった。
“ずいぶん遅いわね。まだ服を脱いでるの?”
隣の脱衣所も風呂場の窓と同じようになっていて、百合子は気配を殺しながら体を移動させ脱衣所の窓を覗き込んだ。そして百合子の目に飛び込んだのは全裸の恭一の姿だった。しかしその光景を見て百合子は肝が潰れるほど驚いた。恭一は脱衣所で全裸のままオナニーをしていたのだ。ちょうど横向きだったので、硬く直立しているペニスもはっきり見えた。これは見ちゃいけないものだ、と百合子は直感しつつも、目は全裸の恭一に釘付けになっていた。驚いたことに恭一の手には、洗濯機の中から取り出したと思われる百合子の下着が握られていた。
“間違いない、あの柄は私のパンツだわ!”
恭一は百合子のパンティーを勃起したペニスにこすりつけたり、パンティーで包んでしごいたりしていた。
“恭一がこんないやらしいことするなんて…。”
百合子は恭一の変態性に驚いたわけではなく、あのウブに見える恭一がこんな大人びたことをすることに驚いていた。これが他の男だったら飛んでいってパンティーを取り上げ、この変態野郎!とどなりつけているところだったのだろうが、自分のパンティーで一生懸命オナニーする恭一を百合子は可愛いと思った。
“私が恭一のエッチな想像をするように、恭一も私のエッチな想像をしていたのかしら…。”
そう思うと、目に見えないところで気持ちが通じていたのではないかとすら感じた。
“恭一ったらいつもこんなことしてたのかしら。じゃ、ひょっとして今履いてるパンツも恭一がオチンチンをこすり付けたのかしら?洗濯したから残ってはしないけど、これに恭一のオチンチンの汁や精子が染み付いてたのかしら?”
勃起したペニスに自分のパンティーがこすり付けられるのを見て、まるで自分の下半身に恭一のペニスがこすり付けられているような錯覚すら感じ、百合子は異様な興奮を覚えた。恭一は顔を斜め上に向け、半開きの口で何かうわごとのように唱え、手の動きを一層早めていた。
“そうよ、もう少しでフィニッシュよ!がんばれ!”
気が付くと百合子は恭一を応援していた。そして頂点を迎えた恭一は慌てて洗面台に駆け寄り、流しの中に射精した。しかし、百合子のところからはその様子がはっきりとは見えず残念に思えた。恭一は洗面台に水を流し後始末をすると、百合子のパンティーを洗濯機へ戻して浴室へ入っていった。百合子は気付かれぬようそっと家の中に戻り、部屋へ駆け上がった。胸のドキドキはいつまでたってもおさまらず、ベッドの上に寝そべると、全裸でオナニーする恭一の姿を思い出しながら下着に手を入れた。茂みの下は溢れんばかりのお汁でヌルヌルになっていた。お風呂から出た恭一が自分の部屋に戻ったのを確認すると、百合子は急いで風呂場へ向かった。さっきまで恭一がオナニーに使っていたパンティーを洗濯機から取り出し、隈なく点検した。ところどころ残る恭一のがまん汁の跡を見て百合子は興奮した。
“恭一ったら、遠慮しないでこの中に出せばよかったのに…。”
そして洗面台に飛びつき発射の痕跡を探した。残念ながらきれいに水で流されていたが、確かにさっきここで恭一が射精したと思うと興奮した。
“恭一はどんな濃さのを出したんだろ…。見たかったなぁ、出るところ…。”
その時百合子は、今の自分の行為は変質者のそれとまったく同じだと思った。
“ああ、私、完全に変態の仲間入りをしてしまったわ!あーん、恭一がいけないのよ!あんなの見せるから!”
 それ以来百合子は恭一の自慰行為を覗くことに夢中になっていた。下着も、恭一がもっと興奮するようにと派手めなものも買い込んだ。そして恭一がオナニーしながら発するうわごとの中に、「お姉ちゃん」という言葉がはっきり聞いて取れた時には、今すぐにでも行って抱きしめてやりたい気持ちになった。
“いつも一人であんなことして、何だか可哀想…。私がやってあげたい…。”
百合子は段々ただ見ているだけでは物足りない気分になっていた。そしてどうしたらそういう行為に及べるかで頭の中がいっぱいになっていた。しかしいくら考えてもいい案は浮かばず、結局は多少強引な手を使うしかないと考えた。
 ある日の夜だった。恭一が風呂場に入るやいなや百合子は迅速に行動を起こした。そして脱衣所でいつものように恭一がオナニーを始めたのを確認すると、すばやく取って返し、風呂場のドアの前に立った。風呂場のドアノブはもしもの時のために中央の溝を十円玉で回せば開錠することができるようになっている。百合子はドキドキしながら十円玉を溝に差し込み一気に回し、と同時にノブをひねってドアを開いた。一瞬の出来事にまったく反応することができなかった恭一は、ドアの向こうの百合子の姿をとらえ固まった。そして次の瞬間、叫び声を上げて後ろを向きその場にうずくまった。
「な、何の用だよ。早くそこ閉めてよ!」
百合子は脱衣所に侵入し恭一の背中に向かって言った。
「オナニーの最中にごめんね。」
「し、してないよ、そんなこと!」
「してたでしょ。私のパンツ使って。」
「してないったら!」
「じゃ何で私のパンツがそこにあるの?」
「えっ?」
恭一のすぐ横に百合子のレースのついた薄ピンクのパンティーが落ちていた。
「これは…、えっと…」
恭一は思った。今まであやしいと薄々感づかれていて、今日はついにその現行犯として現場を押さえられたのだと。
「ごめんなさい!もう二度としません。ごめんなさい!」
百合子なら素直に謝ればきっと許してくれる、そう思った。しかし次の百合子の言葉は恭一にとって全く予想だにしないものだった。
「いいのよ、私のパンツ、使ってくれても。別にとがめにきたわけじゃないんだから。」
「…?」
「気が付いたでしょ?最近私のパンツ、少し派手になってるのを。」
恭一は無言でゆっくりうなづいた。
「恭一が喜ぶと思ってわざわざそういうのにしたのよ。」
「し、知ってたの?」
「もちろんよ。」
百合子は恭一のすぐ後ろにしゃがみ込み告白した。
「本当はね、私も恭一に謝らなければならないの。」
「それは…どういう…?」
「私ね、ずっと前から恭一がオナニーするとこ覗いてたの。」
「え!?」
「ほら、あそこ。」
百合子は窓の方を指差した。
「外は真っ暗だし、網戸もあるから全然分かんないでしょ。」
恭一は愕然とし、体中から血の気が引いてゆくのを感じた。
「ごめんね。見られてたなんてショックでしょ。」
百合子は恭一の両肩に手を置き、抱きつくように背後から体を寄せた。恭一はドキッとした。時にはまるで恋人のように優しく接してくれた姉だが、このようなスキンシップは初めてだった。

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