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【千葉】

オスプレイ なぜ木更津に 500人が参加し反対集会 

「オスプレイ来るな」と声を上げデモ行進する参加者ら=木更津市で

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 垂直離着陸輸送機オスプレイの陸上自衛隊木更津駐屯地(木更津市)への定期整備拠点化に反対する市民団体が二十五日、駐屯地に近い市内の吾妻公園で反対集会を開き、県内各地から市民や労組の関係者ら約五百人が参加した。防衛省が誘致計画を県や木更津市へ正式に伝えてから、反対派が同市内で大規模な集会を開くのは初めて。 (北浜修)

 集会では、松本悟実行委員長が「千葉県にオスプレイの整備拠点をおくことを阻止し、日本から追い出そう。戦争をする国にすることを阻止しよう」とあいさつ。地元木更津の住民団体を代表して「オスプレイいらない住民の会」代表、野中晃さん(74)は「全国津々浦々でオスプレイはいらないとの声を上げよう」と呼び掛けた。

 参加者らは「来るな、いらないオスプレイ」などと書かれた紙を掲げて気勢を上げ、「オスプレイは開発時に事故を繰り返し、正式配備後も事故が多発している。木更津を拠点にすると、県中が常時危険性に怯(おび)えながら生活することになる。こんな暴挙は許されない」との集会アピールをした。

 集会の後、参加者らはJR木更津駅までの約一・五キロをデモ行進。「オスプレイは木更津にはいらない」「沖縄にも佐賀にもいらない」などと声を上げながら、市内を歩いた。

◆風向き次第で 陸上飛行の可能性も

 防衛省はなぜ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている垂直離着陸輸送機オスプレイの整備拠点候補に陸上自衛隊木更津駐屯地を選んだのか。

 Q 定期整備とは。

 A 防衛省によると、機体を分解し、必要な部品を交換、さらに空中で機体を停止させる「ホバリング」の点検や試験飛行(数回程度)といった一連の作業を指す。

 Q いつから始まるの。

 A 米軍は二〇一七年ごろから五〜六年に一度のペースで整備する計画。作業には二〜三カ月かかる。普天間飛行場のオスプレイは二十四機あり、年に五機程度飛来する計算になるという。

 Q 木更津駐屯地を候補とする理由は。

 A 基地は日米地位協定により米軍と共同使用しており、約千八百メートルの滑走路や五千平方メートルの大型格納庫がある。海に面していることから市街地の上空をあまり飛ばずに基地に離着陸できることを強調している。

 Q 陸上自衛隊や米軍が機体整備するのか。

 A 軍用機の整備を専門とする民間企業が実施する。陸自は駐屯地の格納庫を作業場として企業に提供する。ただ、国内の企業が整備することが決まってからの話だ。

 Q どういうこと?

 A 整備業者は、米軍が近く国際入札を実施して決める。日本の企業に加え、韓国の企業も参加する見通しだ。外国の企業には駐屯地を使用させない。

 Q 受注企業が決まらないうちに拠点化を決めるのは時期尚早では。

 A むしろ受注するために拠点化を決めた。防衛省は、格納庫の貸し出しを前提に入札に参加する国内企業を募る。官民一体で受注を勝ち取ろうとしている。

 Q なぜそこまでするのか。

 A 陸自も将来、オスプレイを十七機導入し、二四年度から定期整備する計画をすでに立てているからだ。受注すれば米軍機の維持・整備の一部始終を研究できる。日米共通の整備基盤を持つことは「相互運用性を高める」とも強調している。軍事同盟強化にはうってつけなわけだ。

 Q オスプレイは安全性が疑問視されている。

 A 防衛省は米軍の沖縄配備前に起きた二件の事故について「人的要因によるところが大きく、機体自体に問題はない」としている。だが、今月にもペルシャ湾で事故が発生。同省は木更津駐屯地への飛行ルートについて、風向き次第では陸上を飛ぶ可能性を示しており、住民の懸念は消えない。

 Q 県や木更津市は誘致を拒否できないのか。

 A 政府は、他の基地問題と同様、地元の同意を得る法的手続きは必要ないとの立場だ。

 

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