某紙面に寄稿させていただいた記事をもって回答とさせていただきます
tofunbeats - another text for IDOL
僕はアイドルが好きだ。CDやmp3を買って、音楽を聴き、PVを見て、ライブにも行く。握手をして、少し喋る。その感触を覚える。あの子がかわいいとかいう話をするのが好きだ。あの曲のあそこが好きという話をするのが好きだ。ブログを読んだりするのが好きだ。そしてそこから画像保存するのも好きだ。
これは僕がアイドルに関して思うところであり、僕とアイドルの関係の話ですが体裁上"僕ら"になってます、そこらへんはご了承願います。
僕はもともとあまり冴えたタイプではなく、小学生時代あまり自分の思うように生活することができなかった。そんな思いは「地元の中学に上がりたくない」という考えにつながり、地元の小学校の学年で約100人の生徒中男子では3人という中学受験をするに至ることとなった。
中高一貫の男子校に入学した僕は、音楽と出会い現在までの音楽的な活動をスタートさせるのだが、一方で女性とは全くと言っていいほど出会わなくなった。その6年間で多少の事件もあり、僕は少々女性を信じるのが男性に比べて言うと難しい人間になってしまった。そして一方で女性ボーカルの音源を多く聞くようになる。これは普段しゃべることのない女性の声を音楽で得ようとしていた部分はあったんだと思う。そんなときに出会ったのがPerfumeだった。
最初は中田ヤスタカ氏の名前で入ったリニア新参らしく"あれは楽曲がいいから・・・"とアイドル的な魅力はあまり直視せずに格好をつけて聞いていた節があった。むしろアイドルオタクと呼ばれる人種に自分が入ってはいないと思っていた。そんな時HMV三ノ宮店で購入した"ポリリズム"に入っていたのがインストアライブ入場券、つまり握手券だった。
あの日僕は新品のadidas originalsのジャージをおろして人生で初めてアイドルとの握手を経験した。しかも神戸で。200人くらいの大人が3人のアイドルと順番に握手をしていくのは滑稽にも見えたが、それは僕が中高生時代、女性に触れた数少ない瞬間のうちの大半となった。Perfumeの3人は確実に俺の目を見て"ありがとうございます"と言った。その瞬間から僕はアイドルソングでなくアイドルのファンになったのである。
アイドルのファンになるということは恋愛とは似ているけれど違うし、応援もするけどそれだけではない、単に仲良くなるだけでもなければこちらだけが彼女たちを見守っているわけでもない。お互い高めあってるわけでも一緒に成長してるわけでも無い。
かわいい女の子に彼氏が居ないはずなどない(という刷り込みがある)し、僕らみたいな気持ちの悪い大人を本気で一番愛してなどくれないなんてことはアイドルファンは心のどこかで知っている。そして何も知らない少女が時間が経つだけで女性になるのも知っている。世の中にあなただけ愛してくれる完全無欠の美少女などは居ない。ただ心のどこかで「もしかしたら」アイドルの言ってることは全部本当で、僕らのために一生懸命頑張ってると信じてみる。信じてみたい。いや、信じてるフリをしてるだけかもしれない。僕らはそこにいる少女を信じたくてアイドルを応援する。アイドルが付き合ってた云々のニュースで僕らが落ち込むのはその事実よりもアイドルとして僕らを騙し続けてくれなかったからである。アイドルをアイドルたらしめるのは自覚だ。それはアイドルにも僕らアイドルファンにも言える。僕らとアイドルの関係は美しくてはかない。はかないから美しいのかも。
とはいえ僕らの目の前に見えるアイドルはそんなこと気にせずどう見ても全力で頑張ってるのだ。僕たちは青春というものを経験できなかったから、できないと思ってるからアイドルを応援しているのかもしれない。しかし、彼女たちは自分たちの青春を投げうってレッスンし、ライブをして必死に僕らに語りかける。だからこそ薄っぺら雲視える恋愛の歌詞が僕らの心を撃つし、ポジティブなメッセージが僕らを励ますのだ。
先ほども言ったが僕は中高6年間男子校に通っていた。だからまさにアイドルと呼ばれているような年の女の子が何を考えて、どこで大人になっていくのかが全然わからない。今でも。もしかしたら世の中に僕らの思っている純粋な女の子は存在しないのかもしれない。今こうして原稿を書いているマクドナルドで僕のまわりにいるのはガラの悪い、けどまさにアイドルと同い年くらいの高校生の集団で、携帯のスピーカーでAKB48のヘビーローテーションを流してぎゃーぎゃー騒ぎながら誰とセックスしただのいう話をしている。椅子あるのに地べたに座ってる。こんなんでええんかこいつらは。しかもこんな高校生ってそこらへんによくおるし、僕にとって少女から女性への転換期はブラックボックスで、大学に入学したらそこに少女は居なかった。大学で聞く話も"あの女は云々"みたいな話ばっかりになってしまったと思う。正直言って僕もいつか変わってしまうのかは知らないがこういう状況をあまり楽しめる方ではない。
あの日女の子とうまくしゃべれなかったから、何も女の子のことを知らなかったからぼくはアイドルのことを信じたい。そういう立場で居たい。少し大げさな言い方になってしまうがいつまでたってもアイドルは希望だ。僕らとは違って素敵な女の子にはちゃんと素敵に育って欲しい。少なくとも僕はそう思う。
週末のパーティーはクラブだけで起こっているわけじゃない。百貨店の屋上や、家電量販店、複合型ショッピングセンター。君の人生を彩ってくれる少女がそこに居るかもしれない。ちゃんと新しいスニーカーおろして行こう。最初の握手が君の人生を変える。
tofunbeats - another text for IDOL
僕はアイドルが好きだ。CDやmp3を買って、音楽を聴き、PVを見て、ライブにも行く。握手をして、少し喋る。その感触を覚える。あの子がかわいいとかいう話をするのが好きだ。あの曲のあそこが好きという話をするのが好きだ。ブログを読んだりするのが好きだ。そしてそこから画像保存するのも好きだ。
これは僕がアイドルに関して思うところであり、僕とアイドルの関係の話ですが体裁上"僕ら"になってます、そこらへんはご了承願います。
僕はもともとあまり冴えたタイプではなく、小学生時代あまり自分の思うように生活することができなかった。そんな思いは「地元の中学に上がりたくない」という考えにつながり、地元の小学校の学年で約100人の生徒中男子では3人という中学受験をするに至ることとなった。
中高一貫の男子校に入学した僕は、音楽と出会い現在までの音楽的な活動をスタートさせるのだが、一方で女性とは全くと言っていいほど出会わなくなった。その6年間で多少の事件もあり、僕は少々女性を信じるのが男性に比べて言うと難しい人間になってしまった。そして一方で女性ボーカルの音源を多く聞くようになる。これは普段しゃべることのない女性の声を音楽で得ようとしていた部分はあったんだと思う。そんなときに出会ったのがPerfumeだった。
最初は中田ヤスタカ氏の名前で入ったリニア新参らしく"あれは楽曲がいいから・・・"とアイドル的な魅力はあまり直視せずに格好をつけて聞いていた節があった。むしろアイドルオタクと呼ばれる人種に自分が入ってはいないと思っていた。そんな時HMV三ノ宮店で購入した"ポリリズム"に入っていたのがインストアライブ入場券、つまり握手券だった。
あの日僕は新品のadidas originalsのジャージをおろして人生で初めてアイドルとの握手を経験した。しかも神戸で。200人くらいの大人が3人のアイドルと順番に握手をしていくのは滑稽にも見えたが、それは僕が中高生時代、女性に触れた数少ない瞬間のうちの大半となった。Perfumeの3人は確実に俺の目を見て"ありがとうございます"と言った。その瞬間から僕はアイドルソングでなくアイドルのファンになったのである。
アイドルのファンになるということは恋愛とは似ているけれど違うし、応援もするけどそれだけではない、単に仲良くなるだけでもなければこちらだけが彼女たちを見守っているわけでもない。お互い高めあってるわけでも一緒に成長してるわけでも無い。
かわいい女の子に彼氏が居ないはずなどない(という刷り込みがある)し、僕らみたいな気持ちの悪い大人を本気で一番愛してなどくれないなんてことはアイドルファンは心のどこかで知っている。そして何も知らない少女が時間が経つだけで女性になるのも知っている。世の中にあなただけ愛してくれる完全無欠の美少女などは居ない。ただ心のどこかで「もしかしたら」アイドルの言ってることは全部本当で、僕らのために一生懸命頑張ってると信じてみる。信じてみたい。いや、信じてるフリをしてるだけかもしれない。僕らはそこにいる少女を信じたくてアイドルを応援する。アイドルが付き合ってた云々のニュースで僕らが落ち込むのはその事実よりもアイドルとして僕らを騙し続けてくれなかったからである。アイドルをアイドルたらしめるのは自覚だ。それはアイドルにも僕らアイドルファンにも言える。僕らとアイドルの関係は美しくてはかない。はかないから美しいのかも。
とはいえ僕らの目の前に見えるアイドルはそんなこと気にせずどう見ても全力で頑張ってるのだ。僕たちは青春というものを経験できなかったから、できないと思ってるからアイドルを応援しているのかもしれない。しかし、彼女たちは自分たちの青春を投げうってレッスンし、ライブをして必死に僕らに語りかける。だからこそ薄っぺら雲視える恋愛の歌詞が僕らの心を撃つし、ポジティブなメッセージが僕らを励ますのだ。
先ほども言ったが僕は中高6年間男子校に通っていた。だからまさにアイドルと呼ばれているような年の女の子が何を考えて、どこで大人になっていくのかが全然わからない。今でも。もしかしたら世の中に僕らの思っている純粋な女の子は存在しないのかもしれない。今こうして原稿を書いているマクドナルドで僕のまわりにいるのはガラの悪い、けどまさにアイドルと同い年くらいの高校生の集団で、携帯のスピーカーでAKB48のヘビーローテーションを流してぎゃーぎゃー騒ぎながら誰とセックスしただのいう話をしている。椅子あるのに地べたに座ってる。こんなんでええんかこいつらは。しかもこんな高校生ってそこらへんによくおるし、僕にとって少女から女性への転換期はブラックボックスで、大学に入学したらそこに少女は居なかった。大学で聞く話も"あの女は云々"みたいな話ばっかりになってしまったと思う。正直言って僕もいつか変わってしまうのかは知らないがこういう状況をあまり楽しめる方ではない。
あの日女の子とうまくしゃべれなかったから、何も女の子のことを知らなかったからぼくはアイドルのことを信じたい。そういう立場で居たい。少し大げさな言い方になってしまうがいつまでたってもアイドルは希望だ。僕らとは違って素敵な女の子にはちゃんと素敵に育って欲しい。少なくとも僕はそう思う。
週末のパーティーはクラブだけで起こっているわけじゃない。百貨店の屋上や、家電量販店、複合型ショッピングセンター。君の人生を彩ってくれる少女がそこに居るかもしれない。ちゃんと新しいスニーカーおろして行こう。最初の握手が君の人生を変える。
2011-09-01 14:53:58
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