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【安倍政権考】
豪州を準同盟国に深化させる首相の狙いは? 印も含めた安保ダイヤモンドも着々と
日米印3カ国の協力も
安倍首相は豪州と同様に、インドとの関係も重視している。9月の日印首脳会談では外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の創設検討で合意し、インドが関心を持つ日本の救難飛行艇US2の輸出協議を加速することを確認した。シーレーン(海上交通路)の安全確保に向けた海自とインド海軍の共同訓練の定期化でも合意。インドはまさしく軍事面で台頭する中国への懸念を共有する日本のパートナーだといえる。
米印両国も日本との協力を重視している。9月の米印首脳会談でも日本との対話の重要性が確認された。また、米印首脳は、インド海軍に対する技術協力を強化することをはじめ、米印両国の海軍や海上自衛隊による洋上合同演習「マラバール」を発展させ、海上安全保障の協力強化で合意した。
日米豪、日米印の2つの三角形をあわせると、首相が第2次政権発足直後に発表した日本、インド、豪州、米太平洋軍の拠点ハワイをひし形に結ぶ「安全保障のダイヤモンド構想」を形成する。この構想には、軍事的圧力を一方的に強め、海洋進出を進める中国を牽制(けんせい)し、南シナ海やインド洋などのシーレーンの安全性を確保する狙いがある。米国を軸に豪州、インドといかに連携していくかが、安倍政権の安全保障戦略の柱となっている。(政治部 峯匡孝)