欧州中銀:資産審査、ユーロ圏25行が不合格

毎日新聞 2014年10月26日 21時32分(最終更新 10月26日 23時44分)

 【エディンバラ(英国北部)坂井隆之】欧州中央銀行(ECB)は26日、ユーロ圏の大手銀行130行の資産健全性審査(ストレステスト)の結果を発表した。ギリシャの銀行など全体の約2割にあたる25行が2013年末時点で「不合格」となり、資本不足額は計250億ユーロ(約3兆4000億円)に上った。

 不合格と判定された銀行のうち、12行は今年に入り計150億ユーロの増資を実施し、資本不足を解消した。ECBは残りの13行に、資本増強や資産の圧縮を要求。13行は2週間以内に増資などの計画書を提出し、9カ月以内に実施する必要がある。巨額の資本不足が明らかになったことで、欧州の銀行部門の脆弱(ぜいじゃく)さが改めて浮き彫りになった形だ。

 ストレステストは、銀行経営への不安を払拭(ふっしょく)するため、ユーロ圏の銀行監督を今年11月から担うECBが実施した。経済が大幅に悪化し、多額の貸し倒れが発生した場合でも、自己資本で損失を吸収できるかどうかを審査した。最多の不合格を出したのは9行のイタリアで、ギリシャとキプロスがそれぞれ3行で続いた。

 ECBのコンスタンシオ副総裁は記者会見で、「問題点を特定したことで銀行の強靱(きょうじん)性が高まり、貸し出し増加と経済成長につながるだろう」と語った。

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