福島県知事選 元副知事の内堀氏 当確10月26日 19時05分
東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと初めてとなる福島県知事選挙は26日に投票が行われ、無所属の新人で自民党・民主党・公明党・社民党などが支援する元福島県副知事の内堀雅雄氏が初めての当選を確実にしました。
内堀氏は50歳。
昭和61年に当時の自治省に入り、福島県で企画調整部長などを歴任したあと、8年にわたって副知事を務め、この間、東日本大震災や福島第一原発事故の対応などにあたりました。
原発事故のあと初めて行われた今回の福島県知事選挙は、新人6人の争いとなり、今期かぎりで退任する佐藤雄平知事の事実上の後継候補として立候補した内堀氏は、自民党、民主党、公明党、社民党などから支援を受けました。
選挙戦で、内堀氏は、▽原発事故の完全な収束と福島県内に10基あるすべての原発の廃炉を国と東京電力に求めることや、▽原発事故の避難区域がある沿岸部に新たな産業を集め、雇用の創出と経済の活性化を目指すこと、それに、▽風評被害を払拭(ふっしょく)して農林水産業の再生を図ることなどを訴えました。
その結果、支援を受けた各党の支持層に加えて、支持政党を持たない無党派層などからも幅広い支持を集め、新党改革が支持し共産党が支援した、元岩手県宮古市長の熊坂氏らほかの5人の新人を破り、初めての当選を確実にしました。
初めての当選を確実にした内堀雅雄氏は「避難区域の住民の生活再建と避難区域の復興と再生にしっかりと取り組むことが、福島県全体の元気と活力につながっていくと思う。皆さんと一緒に福島の復興を前に進めるという思いで、確実な施策の遂行に努めていきたい」と今後の抱負を述べました。
また、原発事故への対応や原子力政策については、「福島県は原発事故という苦しい思いを今も味わっており、事故の収束に向けて国や電力事業者に言うべきことを言っていく。県内にある原発の全基廃炉と原子力に依存しない社会を作ることを、被災県として国民や国外に伝えていくことが福島県知事としての使命だ」と述べました。