リクルート:1株3100円  時価総額1兆7794億円

毎日新聞 2014年10月06日 20時09分(最終更新 10月06日 20時25分)

 ◇東証1部に16日上場、今年最大案件に高まる期待感

 東京証券取引所に16日に上場予定のリクルートホールディングスは6日、株式の売り出し価格を1株3100円にすると発表した。時価総額は1兆7794億円で、今年最大の上場案件になる。近年でみても1998年のNTTドコモの7兆4600億円以来の規模だ。アベノミクスによる市況改善の追い風に乗って新規上場が相次ぐ中、市場の期待感は高まっている。リクルートは上場を機に知名度の低い海外への進出を加速させる考えで、成長を持続させるカギとなりそうだ。【土屋渓】

 リクルートの上場先は6日、東証1部に決まった。先月29日に1株2800〜3100円の仮条件を設定したところ、機関投資家などの関心が高いことから、上限価格で売り出すことを決めた。同社は「投資家に成長性が評価された結果」と説明する。国内外での売り出し株数は約6900万株に上る。上場前の時価総額で比較すると、10年の第一生命保険(1兆4000億円)を抜き、98年上場のNTTドコモに次ぐ規模となる。

 国内の上場企業数は、リーマン・ショック後の09年に前年より30件少ない19件に激減。その後、日銀の大規模な金融緩和などを受けて株価が上昇に転じ、昨年は58件まで回復した。今年は9月末現在で既に40件に達しており、ITブームや円安・株高にわいて年間100件を超えていた07年以前の勢いを取り戻しつつある。時価総額1兆円規模で今秋の上場が見込まれていたLINEが9月22日に上場見送りを発表したこともあり、投資家の関心はリクルートに集中。東証は「有名企業の上場は新たな投資家を市場に呼び込む効果が期待できる。他の銘柄への波及も含めて売買がどうなるか注目している」と市場活性化に期待する。

 ◇業績右肩上がり、売上高は過去最高1兆2900億円見込む

 リクルートは今年度、過去最高となる1兆2900億円の売上高を見込む。リーマン・ショック後の2年間は業績が落ち込んだが、この3年は右肩上がりを続け、今期は人手不足もあって、働き手と企業を結びつける本業の人材派遣業に追い風となっている。

最新写真特集